概要
一級建築士。東方仗助とのサイコロ勝負の際の火事で半焼した岸辺露伴邸の修理の見積もりに訪れた。
しかし彼はなぜか、背中を露伴に絶対に見せようとせず、常に背中を壁をくっつけたままで移動したり、階段も寝そべったまま這い上るという異様な行動を取り続ける。好奇心に駆られた露伴は計略を使って無理矢理彼の背中を見るが、特に何の変哲もなかった。
ところが乙は、絶望に打ちひしがれた表情になり、「終わりだよ・・・わたしはもう・・・終わったんだ・・・」と呟くや、背中から大量の血を噴き出して死亡してしまった。彼は気づかない間に吉良吉廣に矢で射られ、スタンド「チープ・トリック」に取り憑かれていたのだった。
その後、残された彼の死体は生命力をチープ・トリックに吸い取られたことでミイラ化した末に人形サイズにまで縮んでしまっていた。
矢で射抜かれて痛い思いをした上に碌でも無いスタンドを発現させられ、最後にはスタンド自身に殺害されるという、矢で射抜かれた者の中でも特に気の毒な人物と言える。
スタンド「チープ・トリック」
本体が捨て駒でスタンドが真の敵という、異色の憑依型スタンド。詳細は当該記事参照。
実写版
TVドラマ「岸辺露伴は動かない」第5話「背中の正面」で登場。
本作では六壁坂の土地に関するビジネスをしている不動産業者という設定で、土地を購入した露伴から土地を買い取るための交渉に訪れている。
また、本作はスタンドの概念がないため、チープ・トリックに相当する存在は六壁坂に潜んでいる怪異の一種という設定に改められている。
概ね原作同様の末路を迎えるが、死亡シーンではさすがに出血はせず(背中で何かが動き回るような描写はあったが)、ショック死したかのようなややマイルドな描写に改められている(実際、「背中に傷は見当たらなかった」と直後のシーンで語られている)。
余談
- TVアニメでは、岸辺露伴が杜王町に住んでいる事を間田敏和が知るきっかけとなった不動産屋の立ち話相手が、彼そっくりというアニオリが入れられた(何の皮肉か後ろ姿のみの登場)。ただし露伴とは訪問時が初対面で、邸内の調度品も初めて見る様子だったので、特に売買や設計に携わったわけではなく、単に噂話をしていた程度だったと思われる。
- またヘブンズ・ドアーによって明らかにされた記録によると中々ちゃっかりした性格の模様で、『機嫌取ってボッたくれたらいいな』『素人相手は疲れるぜ』と愚痴っていた。実際背中を見られて死亡していなければ見積もりを大きく上回る2000万円ぼったくるつもりだった。同時に彼女ができない事を嘆いていたので独身。
- 生年は1970年なので年齢は28~29歳。実は第3部の登場人物花京院典明とタメで、生きていれば彼も同じ年齢だった。
演じた人物
石井真(テレビアニメ4部)
市川猿之助(ドラマ「岸辺露伴は動かない」第5話)