仕事の手助けをする人のこと。とくに有名であるのはオーケストラとマンガの作業におけるものである。
オーケストラ
オーケストラの場合、管楽器の演奏の手助け(長いパートを交代で演奏したり、長く伸ばす音を演奏したり)する人を指す。
マンガ
マンガの場合、原稿の作成作業の手伝いを行う人を指す。たとえば枠線を引いたり下書きを消したり色やベタを塗ったり背景やモブなどを描いたりする作業を行う。さらにはもっと重要な作業(たとえばストーリーとか、キャラクター設定とか)を行うこともまれにある。
なお、近年はアシスタント業務もデジタルへの移行が進み、枠線引きや下書き消しなどの業務はペイントソフトの基本機能で一瞬で終わらせられるので実質的に消失している他、リモート作業でやるので漫画家の仕事場に集合するというケースも減少している。一度も漫画家本人と会ったことがない、なんてアシスタントも少なくない。
代わりに3Dモデルの配置やそのライン抽出といった新しい業務が誕生している。
日本の漫画業界におけるアシスタントのはしりは「貸本漫画業界」の崩壊によって貸本漫画を手掛けていた漫画家達が失職した形で集まってアシスタントになったという。あの「トキワ荘一派」もこれに近い。
漫画家によっては、漫画家本人はラフな下書きや主要人物の顔のペン入れしかせず、ほとんどの作画作業をアシスタントが分担して行っている場合もある。(主に大御所と呼ばれるレベルの漫画家や、多数の連載を掛け持ちしている漫画家)
また、マンガを描く作業の管理を行う人物や原稿に直接関係しないような雑用(食料や画材の買い出し、仕事場の掃除等)を行う人もこの範疇に含むことがある。特に日本においては師弟の徒弟にあたるものであるとされ、あまり光が当たることは少ない(ただし、本業の漫画家同士がお互いに手伝いしたりしていることはよくある)。
基本的には、プロデビューのための下積みとみなされ、一般に高給とは言いがたく、一部を除き福利厚生もないに等しい。(日当が1万〜1.5万程度と言われる)ただし漫画家を目指さずアシスタント専業で食べていく例も珍しい例ではなく、腕の立つ専業アシスタントには、高度な作画技術を武器にアシスタント先を掛け持ちし、相応の報酬を得ている者もいる。
こういった専業アシスタントはプロアシと呼ばれ、作画技術だけならプロの漫画家以上ということも少なくない。
有名作家のチーフ(漫画家に代わって他のアシスタントの技術的指導や業務の配分、原稿チェック等を行う漫画家の片腕ポジション)になれれば年収1000万を超えると言われており、このレベルになると半端なプロ漫画家よりも金を持っている。(プロの漫画家といえどマイナー誌の中堅程度のポジションだとアシスタント代などの必要経費を払った後の実質的年収は300〜400万程度だったりする)
また、腕の良いアシスタントの中には漫画家の事務所の社員という形で雇われ、専属で長期的なアシスタント活動を行う者もおり、人気漫画家の専属は平でも年収500万貰えるし、チーフなら上記のように1000万円を超える。
pixivにおいて
pixivのタグではほとんどが「漫画家の助手」、あるいはその作業の状況やサンプルを記載しているイラストである。まれにこのいるかが登場する。