機体諸元
分類 | 汎用モビルスーツ |
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生産形態 | 量産機 |
形式番号 | F80 |
頭頂高 | 14.8m |
全備重量 | 20.33t |
ジェネレーター出力 |
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動力源 |
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スラスター総推力 | 57,200kg |
装甲材質 | ガンダリウム合金セラミック複合材 |
所属 |
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固定武装 |
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携行武装 |
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※上記のスペックは初期値であり、選択した装備やミッションパック等によって変動する。
概要
サナリィのフォーミュラ計画によって開発された赤を基調とした汎用試作型モビルスーツ(MS)。
F90の完全量産化を前提として、簡易生産を目的にF70 キャノンガンダムをベースで再設計した機体と成っている。
その設計上、F90用の各種ミッションパックに対応している。頭部のデザインは一見するとガンイージ系列のようにも見えるが、ミッションパックに見られるクロスボーン・ガンダム系列の装備を踏まえると簡易生産型のフリントの頭部とデザインが酷似している。
設計はサナリィ・ナムスド研、生産はツィマッド社となっているが、サナリィ・木星支社により技術検証用に生産されている。
漫画作品『機動戦士ガンダムF90FF』の劇中において登場キャラクターの『バズ・ガレムソン』が発した台詞で初めてその存在が言及された。
ニュータイプ部隊に改められた『新生ファステスト・フォーミュラ(新生FF部隊)』に配備される手筈だったが、メインコンピュータの調整が間に合わなかったとして納品されず、代わりにF71Gキャノンが配備される事になる。
F90のメインコンピュータが複製できない事は事実であったが、それとは別にサナリィの上層部はアナハイム・エレクトロニクスが連邦軍に新型MSとして売り込む『ハーディガン』を完成させるために、本機との戦闘データを欲していた事に感づいて、敢えてGキャノンが配備されるように根回ししていたりする。
新生FF部隊の一人であるバズ・ガレムソン曰く、F90のミッションパックを完全に使いこなせる量産機としてF80は期待されており、配備されたGキャノンではF90のミッションパックを能力を引き出せないとも愚痴を零している。
続編である漫画『機動戦士ガンダムF90クラスター』にて本格的に運用開始。
漫画『機動戦士ガンダムF90』の舞台である第一次オールズモビル戦役にて、ブッホから派遣された傭兵であるデス・ガンズの乗機として登場。ジュピター・サナリィによって製造された木星師団仕様となっている。
全機の頭部にデス・ガンズの紋章が施されている他、それぞれのミッションパックを装備した上で機体をすっぽり覆うステルスポンチョを羽織っており、さながらABCマントを装備しているクロスボーン・ガンダムのような見た目となっている。
なお、このポンチョは対ビーム・コーティング繊維を素材としているが、スラスターとの干渉が著しく、ビームの直撃には一発程度防げる効力しかないため、ABCマント程の性能には至ってはいない。
しかし、パイロットの腕前も合わさってか、大量のオールズモビル軍のMSを目立った損傷もなく蹂躙して見せた。
量産機としての完成度は高かったが『RGM-X計画・F計画』を推していたハウゼリー・ロナが暗殺された事を切っ掛けに情勢が傾き、本機は選定に漏れジェムズガンへと譲る形となった。
しかしミッションパック込みで考えた汎用性の高さとカスタマイズ性から現場からの支持は厚く、特殊部隊やコロニー防衛部隊向けに少数の量産が決定され、その後30年以上も近代化改修を続けながら納入された。
武装
頭部バルカン砲
頭部に2門装備。
連邦系として標準的な固定火器で、威力は心許ないが牽制や近接防御で有用な装備。
ビーム・サーベル
背部バックパックに1基装備。
白兵戦で切り結ぶ際に使用する標準武装。
ビーム・ライフル
ビームの弾丸を投射する基本装備。
ショートビーム・ライフル
銃身を切り詰めて取り回しを良くしたタイプ。他の携行装備と選択式で取り替える。
ショットガン
威力に優れたロングバレルの実体兵装。他の携行装備と選択式で取り替える。
シールド/4連ミサイルランチャー
裏面にミサイルを装備した小型のシールド。
シールド表面はビームを反射できる強度を持つほか、ミサイルはガンダリウム合金製の装甲を持つオールズモビルのRFシリーズを一撃で撃破可能な破壊力を持つ。
ハイパー・バズーカ
実体の榴弾を投射する大型携行兵器。破壊力に優れて建造物の破壊などに有効だが、MS相手では弾速が遅いので見切られやすい。
バックパックオプション
- 3連マシンキャノン
- 150mm自動砲
- ビーム・キャノン
背部バックパックに備えられた2基のハードポイントから2門、もしくは1門ずつ装備できるオプション装備。
ミッションパック
F90と同様に選択したミッションパックに対応した装備を使用できる。しかし、コスト及び運用面からホロキューブ系大容量コンピュータは未搭載であり、従来のシステムを採用したためか換装後は即座の運用は不可となっている。
そのため、換装後はシステムの書き換えに26分も時間を要するが、実践レベルでは問題なく投入ができる。
- F80・Oタイプ
オフィサー・タイプ。ガンマッド機に装着。
- F80・Qタイプ
クイック・タイプ。イアン機に装着。
- F80・Gタイプ
ガード・タイプ。ドドンガ・ドン機に装着。
余談
- 実は、F80シリーズ(F8シリーズ)は『機動戦士ガンダムF90』と『機動戦士ガンダムF91』のシリーズ展開当時から設定が存在し、例えば当時の資料である『機動戦士ガンダム 最新MS造形資料集』では「サナリィでは、汎用量産MSの座(ヘビーガンの後継)を目的とするF系統の量産機も計画されているという」といった内容が既に明記されていた。
- 一方で、フォーミュラ計画におけるアニメやゲームや模型誌企画などはF90シリーズ(F9シリーズ)を中心とするもので占められており、実時間およそ30年近くもの間で汎用量産MSに分類されるF80シリーズは、その存在に触れられる事はほぼなかった。
- 『機動戦士Vガンダム』においては、コスモ・バビロニア建国戦争後に大量生産された汎用量産MSとして出てくる連邦の機体は、アナハイム製のジェムズガンとジャベリンであり、『Vガンダム』以降の世界である『機動戦士クロスボーン・ガンダムDUST』においてもジェムズガンの系列機が運用されている。なお、『小説版Vガンダム』に登場する連邦軍の最新量産MSジェイブスは、型式番号不明であり、アナハイム系列なのかフォーミュラ系統なのかすらは不明となっている(ジェムズガン及びジャベリンの後続機であることからアナハイム系列と想定される)。『G-SAVIOUR』に登場するRGM系列の最終機体フリーダムは恐らくはアナハイム系列と推測できる。
- 『機動戦士クロスボーン・ガンダム』では、試作機のF91がほぼそのままの性能で量産型F91として量産化されており、さら地球圏向けのF97-EとしてXM-10 フリントが生産されるなど、サナリィの量産・簡易生産はF80系統ではなくF90系統が担っていた。理由は不明だが、F80系よりも90のほうが量産に適していると判断されたためとされる。
- その他では、『機動戦士クロスボーン・ガンダムDUST』では、F90の前身機体がF89と言う愛称で呼ばれていたりもした。
- 30年の長い時を経て、ようやくF80及びF80シリーズに関する設定の整理やデザインの決定がされたといえる。
関連タグ
機動戦士ガンダムF90 機動戦士ガンダムF90FF 機動戦士ガンダムF90クラスター
F89:こちらは「F90の前段階」として作られた実験機で、その意味を込めた愛称とされる。その経緯ゆえにF80シリーズとは無関係になるが、F80は本機を元にして建造されたF90の量産型であるため、系譜としてはF90の前後に連なる機体と見ることもできる。
ジム(MS):ガンダムの量産機であり、同じ赤色を基調としている機体として類似している部分がある。
ジーライン:簡易的に急造したジムと違い、RX-78のフルスペックを落とし込んだ機体。装備換装でパイロットの特性や局地戦に対応するコンセプトはジーラインから始まっており、同じ「ガンダムの量産型」という系譜からもF80のオリジンと見做しても過言ではない。