カタログスペック
頭頂高 | 14.3m |
---|---|
本体重量 | 8.7t |
全備重量 | 23.1t |
ジェネレーター出力 | 3,350kW |
装甲材質 | ガンダリウム合金セラミック複合材 |
スラスター総推力 | 89,260kg |
概要
宇宙世紀120年代に於ける地球連邦軍の火力支援型モビルスーツ。型式番号F71。
地球連邦軍が運用する純粋な火力支援機は、ジム・キャノンⅡ以来となる(ガンキャノン・ディテクター等はエゥーゴやカラバから接収した機体であり、スターク・ジェガンはジェガンD型の換装機としての意味合いが強い事もある為)。
本機は、F90・サポートタイプをベースに開発された量産モデルF70 キャノンガンダムの再設計機にあたる。
キャノンガンダムの開発を行ったサナリィはキャノンガンダムの完全量産を目指していた。しかしキャノンガンダムの実態は、構造が特注機なみに複雑かつ高額な高精度部品によって構成されており、大量生産はおよそ不可能といえる設計であった。また、実際には動作しない機能も多く非常に不安定であり、ソフトウェアにはブラックボックスが多く、サナリィの専門技術者でなければ修理もままならないなど、前線での運用を無視した仕様であったことが発覚した。さらに、サナリィがモビルスーツの大量生産を行える設備を有していないという問題もあったが、連邦が求めていたのはこうした競技用機然とした特注高性能MSではなく、低コストかつ信頼性の高い支援用MSであり、キャノンガンダムはその要求を満たしていなかったのである。このため、連邦はキャノンガンダムのサナリィへの差し戻しを決定する。
こうした経緯があり、アナハイム・エレクトロニクスの長年に渡る安定した開発技術と供給実績が再評価され、同社がキャノンガンダムを量産向けに再設計し、製造も行うことに決定する。この再設計によって、低コスト化、安定性及び生産性の向上が図られた機体がこのGキャノンである。サナリィはこの件を不服とし、キャノンガンダムの上記の問題点を伏せた上で、Gキャノンの仕様を非難し、またジェネレーター等幾つかの技術のアナハイムへの提出も拒否した。このためアナハイムはそれらの機構をヘビーガンと共通化した(よって背部のキャノンを外すとヘビーガンとかなり見分けづらくなる)。
スペックは低下してしまったものの、既存の機体との互換性が高められたことで運用性は向上しており、ベースであったキャノンガンダムから支援機として不要な機能を削り落とした結果、軽量化と効率化に成功、支援攻撃用モビルスーツとしての最適化がなされた。機体性能では、総合性的にヘビーガンを上回っている。
この時代の連邦軍のモビルスーツ運用目的が主に暴徒鎮圧であった事もあり、対人目的の装備が施された結果、対モビルスーツ戦闘に対して不得手な機体となっているが、ミッションパックの変更によって対MS戦に適した装備への換装も可能となっている。
アナハイムは本機のOEM生産で蓄積したノウハウと非合法手段により入手したデータを元に独自の小型MS開発技術を培った。また、連邦上層部は上記のキャノンガンダムの一件からサナリィへの不信を抱き、極秘技術のいくつかをアナハイムへと供与している。こうしてアナハイムが開発したハーディガンやGキャノン・マグナは、比較的廉価ながらもF90・Vタイプと同等以上の性能を獲得するに至っている。一方、サナリィも独自に生産設備を調達し、当初のキャノンガンダムに近い仕様のGキャノンを生産するようになった。
アナハイムの社外秘資料には「アナハイムに対して連邦軍から提示された数年後以降の開発計画としては、F90の兵装バリエーションであるF90S簡易生産バージョンのGキャノンのライセンス生産と、自社開発のRGM-109ヘビーガンの暫定量産にとどまり、次期主力MSの開発計画は、事実上、棚上げされた形となった」という文章がありそこからもGキャノンはサナリィが特許を持ち、アナハイムがライセンス生産をしたと読み取れる。またOEM生産をアナハイムがしていたということもありサナリィブランドでGキャノンは地球連邦軍に販売されていたことになる。
武装
頭部バルカン砲
連邦MSの標準固定武装。2門搭載。
ダブルビームガン
両腕に近接戦闘用として装備する、小型の2連装ビーム砲。
4連マシンキャノン
背部に装備する、対人戦闘やコロニー戦用の実弾兵器。弾丸はカートリッジ式で、銃身こそ4門だが排莢口は1つ。
状況に応じて排除可能で、最初から装備せずに汎用型モビルスーツとして運用する事も可能。
ビーム・サーベル、ビーム・ライフル、シールド
いずれもヘビーガンと同じものを使用。
ビームライフルとシールドはオプション装備である。
ミッションパック
Gキャノンの機体各部のハードポイントに装着可能な規格換装オプションであり、装備することで多種多様なミッションに対応できる。ミッションパックの一部はキャノンガンダムやF90と共用している。
各ミッションパックに関してはミッションパックを参照。
劇中の活躍
フロンティア・サイドの防衛隊として複数機が配備されるが、クロスボーン・バンガードのモビルスーツ部隊に一方的に撃破される事になる。
更にはマシンキャノンの排莢部から落下した空薬莢が避難中の民間人に直撃して死亡させる、コロニー自体を誤射で損傷させる、果てにはガンタンクに乗ったシーブック達をクロスボーン・バンガードに対しての人質にするために威嚇するなど、性能以前に防衛隊の低能ぶりを露呈することとなった。入念な設定とは反面に作中で目立つ活躍はなく、その後の映像作品に登場がないなど花があるとは言えない機体である。
立体物
1/100シリーズにラインナップ。劇中で使用した武装が同梱し、腕部兵装は着脱可能でバイザー部は、クリアパーツが採用されている。
関連動画
バリエーション
キャノンガンダム
サナリィのフォーミュラ計画によって開発された中距離支援用試作型モビルスーツ。型式番号F70。
Gキャノンの前進にあたる機体であり、F90のミッションパック装着形態の一つであるF90サポートタイプをベースに、量産を前提に再設計した機体となっている。
詳細はキャノンガンダムを参照。
Gキャノン(サナリィ生産版)
サナリィの生産体制が整って以降の、サナリィの工場で生産されたGキャノン。
サナリィ製のGキャノンはジェネレーターの定格出力がアナハイム製のより高く、運動性にも違いがある。
また、前述の通りサナリィで製造された純正ミッションパックの内、ヴェスバータイプに関しては制御コンピューターの関係からサナリィ製のGキャノンにしか装備できない。
Gキャノン・マグナ
アナハイム・エレクトロニクスが『シルエットフォーミュラ計画』に於いて開発したGキャノンの発展形。型式番号F71B。
詳細はGキャノン・マグナを参照。
Gキャノン(ガレムソン専用機)
ファステストフォーミュラ隊に配備されたバズ・ガレムソンの専用機として改修したGキャノン。
機体のカラーリングが黒を貴重としたものに変更されている。また、作戦に応じてF90用の各ミッションパックが混載される。ただし、F90用のミッションパックのすべてに対応できていないため、肩部センサーや脚部スラスターなどはキャノンガンダム用・Gキャノン用のミッションパックで代用されている。
余談
∀ガンダムに登場したキャノン・イルフートのルーツには諸説あるが、初期デザインはこのGキャノンの小アレンジとなるはずであったそうだ。しかしデザイン的にスタイリッシュすぎたらしい。
画像