概要
『第4次スーパーロボット大戦』のリメイク作品。しかし参戦作品が多数入れ替えられたことや、シナリオにかなりの手直しが入っているため、実質完全新作といえる。
元々は『第4次スーパーロボット大戦プラス』というタイトルで『第4次スーパーロボット大戦S』に『新世紀エヴァンゲリオン』を追加参戦させてセガサターンに移植にする予定であったが、エヴァの追加によりシナリオの整合性が取れなくなることから新作として作り直すことになった。その影響で平行して企画されていた『新スーパーロボット大戦』、『魔装機神 THE LORD OF ELEMENTAL』の続編の制作が中止になった。
それでも開発は間に合わず、結局分割して制作されることとなり後半部分は『スーパーロボット大戦F完結編』として1998年に発売された。この結果、新規参戦作品のうち「伝説巨神イデオン」と「トップをねらえ!」の2作品や、新登場する機体として大々的に告知されていたマジンカイザーの登場は『F完結編』に持ち越されることとなる。
基盤は「第4次」なので「第3次」「EX」から話がつながっているが「UFOロボグレンダイザー」と「勇者ライディーン」は参戦作品から外れており、「第4次」にて新規参戦した「無敵超人ザンボット3」と「闘将ダイモス」の4作品が未参戦となった。
特に「第4次S」には参戦していたグレンダイザーと「無敵超人ザンボット3」が非参戦となった理由は、当時の方針として「(特に主人公キャラは)声優に代役は立てない」という方針だったため。「第4次S」では声無し参戦していたが、「F」では非参戦の理由となった。
結果的に「第4次」屈指のトラウマイベントも無かったことに。
システム面では、「近距離・遠距離」に分かれていたパイロットの攻撃力及び機体の武器属性が、「格闘・射撃」へと改められた。これにより、マジンガーZのロケットパンチや、モビルスーツのバルカン等、機体の特色に合わせた武器運用が可能となった。
本作のグラフィックは、パイロット・機体双方は「コンプリートボックス」へ、パイロットはリアルロボット戦線へと流用された。また、パイロットは携帯機作品の「A」、「R」、2003年の「D」に至るまで一部がベースとして使用され、息の長いものとなっていた。
PlayStation版
セガサターン版の発売からほぼ1年後にPlayStation(PS1)にも移植された。
SSと違ってPSには内蔵時計が無いため、『新世紀エヴァンゲリオン』の登場人物がプレイヤーの誕生日を祝福してくれるイベントは存在しない。
PS版のBGMは、内蔵音源の関係でSS版とはアレンジが異なる上、『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』の登場キャラクターのテーマや、ゲスト軍のボスキャラクターのテーマ曲「VIOLENT BATTLE」は、曲が別物に差し換えられている。
参戦作品
★マークはシリーズ初参戦作品。
Rマークは王道(の)スパロボシリーズ(王道は英語で「ROYAL(ロイヤル)」と読む。)初参戦作品。
Vマークは音声付きのスパロボシリーズ初参戦作品。
グレートマジンガー(敵キャラと敵ユニットのみ)
機動戦士ガンダムF91(脇役キャラ・敵ユニットとBGMのみ。)
無敵鋼人ダイターン3(※)
★伝説巨神イデオン(※)
★トップをねらえ!(※)
※:本作ではカラオケモードと次作予告のみ。ゲーム本編の登場は完結編から。
余談
- 『コミックボンボン』でミーナ・ライクリングを主人公とした漫画作品『スーパーロボット大戦Fリアルストーリー』が連載されていたが、単行本化されておらず、最終話に至っては主人公のミーナは登場しない。
- 開発中に分割販売に変更されたという経緯から、『F完結編』からの登場になる全ユニット・パイロットのデータや『F完結編』序盤のシナリオが没データとして納められている。なお『F』で未登場だったユニットのデータには数値や設定に未調整な物が多く、例えばマジンカイザーのMAP兵器がダイナマイト「タックル」という名前でありながら範囲が自機を中心とした半径8マスの円周内全てだったりする有様だった。