概要
『第3次スーパーロボット大戦』及び『スーパーロボット大戦EX』の続編。
1996年にPSで『第4次スーパーロボット大戦S』として移植された。
またリメイク作品として、セガサターンで『スーパーロボット大戦F』及び『スーパーロボット大戦F完結編』が発売されている。
この「第4次」以降、いずれの作品にも所属せず、プレイヤーが名前を設定できる『主人公』が登場するようになった。
またシリーズお馴染みとなった「ヒュッケバイン」「グルンガスト」の2機もこの作品からの登場である。
あらすじ
インスペクター事件(第3次)から三か月後、相次ぐ戦乱によって社会は混迷の一途を辿り、凶悪なテロ事件が各地で勃発する事態を招いていた。
地球連邦政府はこれに対し、宇宙移民者の切り捨てを決断し地球至上主義への移行を進めるようになった。そしてラ・ギアス事件(EX)で1ヶ月もの間行方不明となったロンド・ベル隊に代わり、テロ対策で功績を挙げたジャミトフ・ハイマン率いる特殊部隊ティターンズを重用するようになる。
また、ザビ家の内部分裂などが原因で壊滅したDCを火星の支配者ドン・ザウサーとコロスが立て直したが「異星人から地球を守る」という設立者の掲げた理念は既に失われていた。
ハマーン・カーンはこれに対し、ザビ家の忘れ形見ミネバ・ザビを総帥とし、宇宙移民者の権利拡大と異星人への対抗を掲げた「ノイエDC」を設立する。
そしてロンド・ベル隊の元メンバーであったクワトロ・バジーナは、連邦の地球至上主義に対抗すべく反地球連邦組織エゥーゴを立ち上げる事になった。
ロンド・ベル隊は解散こそ免れていたものの、戦力は大幅に縮小されかつての勢力は有していなかった。そんな中、彼らの前に外宇宙ペンタゴナ・ワールドからやってきた青年、ダバ・マイロードが姿を現す。彼は地球に迫る異星人の存在を告げるのであった。
参戦作品
★マークはシリーズ初参戦作品。
★真ゲッターロボ(原作漫画版)
解説
『EX』に登場しなかった『無敵鋼人ダイターン3』『超電磁ロボ コン・バトラーV』『勇者ライディーン』の3作品が再参戦し、『EX』までに参戦した全作品が揃った。
また、隠し要素として『ガンダムセンチネル』のSガンダムとEx-Sガンダム、並びに『聖戦士ダンバインOVA』のシルキー・マウと、サーバイン、ズワウスが登場している。
主人公
男性
女性
敵勢力(ゲスト(ゾガル))
その他
他、魔装機神の登場人物など。
オリジナルメカ
他、魔装機神の機体など。
????:ある条件で戦う事にもなるが…。
システム
本作にて遂に反撃時の行動を「マニュアル(プレイヤーの任意選択)」にすることが出来るようになった。
また、運動性ステータスの追加、強化パーツ、特殊技能の追加、キャラクター辞典といったオマケ要素の実装など、今日の据え置き機スパロボの基本的な骨子は本作にて完成を迎えたと言っても良い。
ちなみにロボット大図鑑やキャラクター辞典の説明はこの頃では正確さにかけていたり説明不足なものが多い。その理由は原作の資料を得るにはビデオソフト化や公式文献等がその当時は少なすぎた為。
またマップには強化パーツや資金、果ては隠しキャラが隠されており、その為の精神コマンド「探索」が存在する(なお隠しキャラは「探索」では見付けられない。特定のシナリオで特定のキャラを特定のマスに待機させる必要がある)。このシステムは次回作の「新スーパーロボット大戦」には続投したもののF以降の作品には継承されなかった。
反撃時の行動選択が可能になったことで初心者から上級者まで手広くカバーできる難易度になったが、後半ステージの一部はかなり難度が高い。その1つである「栄光の落日」は詰みステージとして当時のプレイヤーにはよく知られている。二軍落ちしやすいユニットやパイロットもバランスよく育てた上でマップ兵器を上手く使う事さえ要求される。特に「栄光の落日」は自軍が進軍した瞬間に敵増援が起きたり、短いターン数でさらに敵増援したりと敵が増援してくる条件を把握しないと最終的に自軍より多い敵の量に対応しきれなくなるまさに初見殺し。
戦闘アニメについては「EX」から更に進歩を遂げておりSFCのスペック限界に迫るものとなっている。ただし、F91のヴェスバー等はEXから簡略化されている。
また本作の戦闘アニメは画面上にHPとEN、画面中央に戦闘アニメ、画面下にメッセージウィンドウというレイアウトとなっているが、このレイアウトは以後据え置き、携帯機を問わず概ね踏襲されている。
SFC版は容量がかなり厳しいものであったらしく、あるシナリオで「コンバトラーチーム」か「獣戦機隊チーム」のどちらかをエゥーゴ送りという名目で離脱する事を余儀なくされる。獣戦機隊は火力や地形適応の都合後半から特に扱いづらい為、コンバトラーチームを残しておくのが得策とされる。また量産型MSやHMも中盤以降は容赦なく破棄されていく。
またセーブデータファイルが二つに減っている為、ターボファイルを外部記録装置として対応している。
初期ロット版は味方をマップ兵器で巻き込んで撃墜すると経験値と資金が手に入るバグがある。TASや早解きではこれが活用されており、えげつない構図になることもしばしば。ちなみに初期ロットの見分け方はカートリッジの裏にある注意書きのシールに刻印された数字で「00」だった場合は確実に初期ロットである。
「S」ではハードのスペック向上により、上記の制約はいずれも無くなっている。
「第4次スーパーロボット大戦S」
プレイステーション初のスパロボの第4次の移植版。CD-ROMになった事で容量が増えて追加シナリオや初のボイス収録とシステム面で向上した一方、BGMが劣化していたり、読み込み時間が避けられなかったりと問題点もある。また上記の通り不遇が目立ったダンクーガの性能の底上げが為されたり、(曰くパイロットが声付きになったからとの事で)ゴーショーグンや魔装機神の面々の自軍参入期間が増えているなどの細かな変更点もある。
ちなみに、最終面はSFC版から変更された所があってラスボスを倒すのが容易では無くなった。例えば本来のラスボスと戦う場合は一度隠れてしまう上に再登場させるには一定の数の強敵を倒さなければいけなかったり、隠しボスはなんと三体に増えた上にそれを全部倒さなければいけない。
注意点としてはプレイステーション2では動作に異常を起こしてまともにプレイできない。これは第4次S自体がCD-ROMへのデータの格納方法が特殊だった事でPS2に搭載された「ワンチップPS」が上手く動作を再現できなかった関係であるとされる(第4次Sだけでなく、例えばコナミのグラディウスデラックスパック収録のグラディウスⅡでも起きている)。
本作では声が収録されているのは自軍の主役級を中心とする一部キャラクターに限られる。主役級であっても『UFOロボ グレンダイザー』のデューク・フリードや『無敵超人ザンボット3』の神勝平は大人の事情で声が付いていない。
その他
- 本作ではそれまでは軽く触れられる程度だった、参戦作品のストーリー再現がそれなりに多く実施されている。その中にはあの「無敵超人ザンボット3」もあり、ゲーム内での立ち回りを誤ると……
また、あらすじの項でも記したが本作では組織が非常に多くなっており、政治的・社会的な駆け引きもシナリオ上で多く繰り広げられる。この辺りも昨今のスパロボに通じるものと言えるだろう。
- 「F/F完結編」がある為、勘違いされやすいが第2次からのストーリーでは第4次が完結作であるのが正史である。
- 本作でスパロボ初参戦となった真ゲッターロボの内、真ゲッター2は下半身のデザインが、真ゲッター3はそもそもデザイン自体が存在していなかったため、原作者の石川賢氏自らが本作のために両デザインを書き下ろしている。なお、漫画『真・ゲッターロボ』は本作の発売以降に発表されたものであるため、登場作品表記の『真・ゲッターロボ(原作漫画版)』は厳密には正しくない。実際には漫画版『ゲッターロボ號』からの登場であり、ロボット大図鑑での登場作品は「オリジナル」名義となっている
- ネタバレになるが、総ターン数を一定数超えた場合は最終面で通常のラスボスがもう一方のラスボス候補と対立しているシナリオになる。この場合選択肢次第でどちらかがラスボスになるのだが、倒すべき相手を見極めた選択でないと初のバッドエンドになる。
力と驕りに溺れた愚か者を倒して和平の未来を掴むか、力に溺れて終わりなき戦いを繰り広げる未来に向かうかはプレイヤー次第である。
- 『機動戦士ガンダム0080』の主要人物であるクリスチーナ・マッケンジーとバーナード・ワイズマンは、プレイ次第では一度も登場することなくエンディングを迎える上、登場した場合でもストーリーが進むと愛機のNT-1アレックス、ザク改が強制的に廃棄処分となってしまう。
- 『第4次S』のストーリーは『第2次』ではなく『第2次G』から続く物語である。(説明書より)