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ジャミトフ・ハイマン

じゃみとふはいまん

ジャミトフ・ハイマン(Jamitov Hymem 宇宙世紀0020?~0088年1月)は、アニメ「機動戦士Ζガンダム」及び、OVA「機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY」の登場人物 である。
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概要編集

CV:TV版前半:池田勝、TV版後半・劇場版・0083版:西村知道

地球連邦軍独立組織「ティターンズ」の創始者にして最高司令官。階級は大将。

元財務官僚から軍部へ転属している。


ティターンズの総帥だが、警護体制に問題があるのかキリマンジャロではクワトロに、ゼダンの門ではハマーンにと二度も暗殺されかけ、遂に三度目の正直でシロッコに暗殺される最期に陥った。


人物編集

ティターンズは選民思想に染まった組織であるが、首領のジャミトフ自身はスペースノイド・アースノイドの問題を俯瞰出来る人間であった。

先述のようにギレン・ザビのような「戦争を利用して人類を間引きし地球環境を復活させる」思想上、より大きな視点……ともすれば人の命を何とも思わない思考によって行動しており、人間として一概に評価出来る人物ではない。

だが、この点は作中で殆ど描写がなく(この点に触れているのはシロッコが彼の最終目標を「地球上から人類の根絶やし」と看破し、それに対してマウアー・ファラオが「それではエゥーゴの目的と変わらないのでは?」と疑問を呈するシーン程度)、ティターンズや連邦軍内においても彼の本心を知る者はごく僅か、あるいは皆無と思われる。

アクシズがゼダンの門に激突した折の破片がぶつかる衝撃で乗艦が揺れ、部下から身を案じられるも「私に構うな、ティターンズ艦隊員の心配をしろ」と返した台詞には大局的に事態を見れる観察眼と共に、後述のようにバスク達武闘派の暴走を苦々しく思うなど良識的な人間としての情もまだ残している事が察せられる。


来歴編集

一年戦争時の時点でジーン・コリニー中将(当時)の部下であり、連邦軍最高幕僚会議の1員として大佐の階級にあった。また、バスク・オム少佐(当時)やジャマイカン・ダニンガン大尉(当時)を中心とした派閥、ジャミトフ派を擁している。

当時からスペースノイドに対して排他的な思想を持ち「スペースノイド如きが地球の大地を踏む事等あってはならない」、(ソロモン陥落により「ジオンは和平を求めてくる」との意見に対し)「ジオンに生き残られると、後の世に禍根を残す事になる」と発言している。この内後者の発言は的を射ており,10年経った後もジオン残党があちこちで活動をしている。

宇宙世紀0083の時点でジーン・コリニー大将の部下で、地球連邦軍財務高官として准将の地位にあった。

0083に発生した〈デラーズ紛争〉では、上司と共謀しデラーズ・フリートのシーマ艦隊を地球永住権を餌に買収した。

その後は対立していたジョン・コーウェン中将を『ガンダム開発計画』の責任を負わせる形で失脚させ、更にデラーズ・フリートが『星の屑作戦』により連邦軍を苦しめた事実から、ジャミトフは「未だジオン残党軍が油断ならぬ戦力を保有している」と主張して、連邦政府の首脳へのアピールに成功した。先の〈デラーズ紛争〉で連邦政府首脳がすっかりジオン残党に怯え切っている等の状況を利用し、自己の権限を拡大。『ジオン残党討伐』の名目で特殊部隊・ティターンズを創設する。この “功績” も手伝い、この後に彼は大将に昇進した。

スペースノイドに対して常に差別意識と警戒感を持っていた連邦政府に、危険なスペースノイドの代名詞たる「ジオン軍の残党を狩る」大義を掲げ、連邦内での勢力の拡大は容易となる。


ジャミトフの理想は「環境汚染に苦しむ地球を守る為に、戦争を利用して人類全体を粛清・統御する」と、むしろギレン・ザビやCCA時代のシャア、東方不敗の思想に近いものであった。

旧来の弱腰な腐敗した連邦政府と軍首脳部を嫌悪しており、ティターンズ設立の真の目的は、独裁政権獲得による即効性の高い改革を断行する為の第一歩として、強力な戦力と特権による自由活動が可能な私兵集団の保有であった。彼にとってティターンズもアースノイドも、自らの理想を達成する道具でしかなかった為、アースノイド志向主義の多い部下や協力者への方便として、スペースノイド弾圧を進めていたが、30バンチ事件やグラナダへのコロニー落とし等のバスクら武闘派の過度な残虐行為は、結果がティターンズを利するものでもかなり苦々しく思っていたようである(劇場版ではグラナダへのコロニー落としの時には、「わしだって大量殺戮者の汚名は着たくはないが……武闘派という輩は宇宙が砂漠化しても生きていけると思っているようだな」と武闘派の独断を嘆いていた)。

尚、勢力を拡大する前段階として全ての親族と絶縁しており、有事に累が及ばないよう配慮している。


増長してきたバスク達を牽制する狙いで、木星船団の指揮官であったパプテマス・シロッコを登用し、血の誓約書を持って忠誠を誓わせる。

シロッコに対しては決して無警戒ではなく、副官に「危険かもしれん」と漏らす等々、不信感も持ち合わせていたが、ティターンズの宇宙拠点・ゼダンの門でのアクシズの最高指導者であるハマーン・カーンとの会見が破談した後、彼女の手で小惑星アクシズをぶつけられゼダンの門が陥落した窮状を打破すべく、アクシズの旗艦である戦艦グワダンでのシロッコを伴って再びハマーンとの会見を行った際に、エゥーゴの乱入などで混乱が起こり、更に護衛が少数だった為、それに乗じたシロッコに暗殺された。

シロッコはハマーンにジャミトフ暗殺の濡れ衣を着せて己への矛先を躱し、更に対立するバスクをも暗殺してティターンズを完全に乗っ取る事となる。


だが、ジャミトフの最期に関しても、決して彼が迂闊であったとは酷評できないものであった。

何故なら、この時のティターンズはただでさえエゥーゴに押され、更にはアクシズとの衝突も避けられない極めて緊迫した状況で、そんな中で指導者である自らの身に何かがあれば、ティターンズの指揮系統が大きく混乱し、組織自体が崩壊しかねないのは火を見るより明らかであった為、警戒していたジャミトフも、この時にシロッコが自身の暗殺を実行に移すのは予想外であったのかもしれない。

実際、シロッコが先走る形で暗殺を実行した結果、ティターンズは混乱状態となっており、バスクを始末して実権の掌握に成功しても、その時には既にコロニーレーザーをエゥーゴに奪われてしまった後であった為、最終的にティターンズはコロニーレーザーによって壊滅する結末となっている。


他媒体の動向編集

小説版『機動戦士Zガンダム』にて、軍産複合企業アナハイム・エレクトロニクスの会長メラニー・ヒュー・カーバインとは士官学校時代の同期であり、経営者として成功し確固たる社会的上位の地位を得たメラニーに対し、ジャミトフが嫉妬していた経緯が語られている。


メカニックデザイン企画『A.O.Z Re-Boot』においてはティターンズ内に、直属の秘密部隊〈ブラックヘアーズ〉」を有していた事実が判明。

隊の装備はティターンズのダークブルーではなく全身が黒く染め上げられており、T3部隊で試験された最新兵器が優先的に配備されている他、偽装のために部隊章もT3部隊の物を用いている。

隊長のトリスタン特務大佐は外宇宙へ侵攻し新たな惑星へ入植する『トライステラー計画』の信奉者であり、そのための翼〈ガンダム・インレ〉の完成に腐心しており、インレの制御OS・BUNNySの開発(多数の強化人間の少年少女の命を代償とした凄惨な代物)にも携わっていたが、ジャミトフがその計画をどこまで把握ならびに関与していたかは不明。

グリプス戦役末期にはシロッコによる指揮に反発し、保有兵器を用いた地球への核攻撃命令を拒否。『トライステラー計画』存続のためインレをエゥーゴに完成されせらないよう分割した上で、上半身[ファイバーⅡ]を持ち迎合した残党と共に火星へと逃亡している。


スーパーロボット大戦』シリーズなどにおいては、バスク・オム達と同様のティターンズの特徴である『アースノイド偏重思想(選民思想)』を掲げる人物の親玉としての扱いが多い。これは原作でジャミトフ自身が抱いている「アースノイドの粛清による地球再生」「腐った連邦軍上層部の排除」を思わせる描写が、劇中からほとんど読み取り難い故の処置であろう。

ただし、ティターンズの勢力拡大の方便として、スペースノイドとアースノイド間の対立を煽り利用しているのも事実である以上、そのような立ち位置でも間違ってはいない。


余談編集

ジャミトフの思想は非常に分かり辛かった為か、アナザーガンダムシリーズではティターンズと同様の組織のトップの思想が、極力分かり易い物となっている。



地球連邦軍には彼以外にも、同名のハイマンなる軍高官がいるらしいが関係は不明。


関連タグ編集

機動戦士Ζガンダム

ティターンズ 地球連邦軍

エレズム(=地球聖域思想ジオニズム

バスク・オム パプテマス・シロッコ


ギレン・ザビ:独裁的権力による人類の粛清と管理を目指すなど、随所で類似点がある人物。

フォンセ・カガチ:自身の悪行への自覚がある、真の目的を周囲にまるで明かさず、私兵集団によって密かに計画を進めようとする等々、ギレンとは違う意味で随所に類似点がある人物。ただし、彼には信頼に足る最側近が居る点が異なる。

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