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デラーズ・フリート

でらーずふりーと

OVA『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』』に登場する旧ジオン公国軍の残党勢力。
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設立経緯

ア・バオア・クー戦の最中、戦闘宙域を離れた部隊やグラナダに温存されていた戦力は秘匿宙域「カラマ・ポイント」に集結、ジオン残党軍としての方針を協議した。

集結した部隊の大半はアステロイドベルトの小惑星「アクシズ」へと向かったが、中には地球圏に残り連邦軍への抗戦継続を望む者もおり、そういった者達はギレン・ザビ親衛隊のエギーユ・デラーズ大佐の旗下へと参入。

組織の拡大・再編を終えた宇宙世紀0081年8月15日に活動を開始した。

デラーズ・フリートの戦力

拠点旧サイド5宙域『茨の園』
艦艇グワジン級戦艦1隻、ムサイ級・チベ級巡洋艦15隻
MS約60機

また、武装蜂起後に同じジオン軍残党であるザンジバル級リリー・マルレーン,ムサイ級8隻,ゲルググM30機以上を擁するシーマ・ガラハウ中佐の艦隊も加わっている。

保有兵器

ザクⅡF2型
ドム・トローペン
ザメル
リック・ドムⅡ
ドラッツェ
ゲルググマリーネ
ガーベラ・テトラ
ガンダム試作2号機
ノイエ・ジール
グワジン級戦艦グワデン
ムサイ級巡洋艦最後期型
ザンジバル級巡洋艦リリー・マルレーン
チベ級重巡洋艦

組織の顛末

「星の屑」作戦は宇宙世紀0083年10月13日に発動。地球連邦軍によって極秘開発され、オーストラリアのトリントン基地に移送された核兵器搭載のモビルスーツ、ガンダム試作2号機をアナベル・ガトーが奪取した。追撃を振り切ったガトーと2号機は10月31日に茨の園へ帰還。11月10日にソロモン海域コンペイトウ湾内にて行われた地球連邦軍の観艦式を、その戦術核を用いて襲撃。集結していた艦隊に大打撃を与え、戦力を削ぐと共に、別の宙域で移送中だったコロニー公社管理のスペースコロニー2基を占拠。うち1基を月へ落下させると見せかけてコンペイトウから追撃に出た残存艦隊を月方面へ引き寄せたうえ、推進剤によりコロニーの進路を地球へ変更。燃料の切れた連邦艦隊の追撃をかわした。その後増援艦隊との戦闘等を経て11月13日0時34分、コロニーは地球へ落着した。
作戦自体は成功したものの、序盤から地球連邦軍の強襲揚陸艦アルビオンの追撃を受け続け、また終盤シーマ艦隊の裏切り等,作戦遂行中にトラブルが発生している。また、地球連邦軍に比べれば元々少ない戦力であり、核で大打撃を与えてもなお物量に勝る連邦軍に圧倒され、最終的にデラーズ・フリートは壊滅した。これら一連の騒乱は『デラーズ紛争』と称される事になったが、歴史上では無かった事にされ、コロニーの落下も「事故」で処理されている。

作戦の目的とその影響

一年戦争終結後の地球連邦政府がその権勢を安定させてきている事を懸念したデラーズ・フリートは、核兵器の運用を含めたガンダム開発計画の情報を得たことから、「星の屑」作戦を立案。
その目的はコロニー落としにより北米大陸の穀倉地帯に打撃を与え、宇宙への食糧依存度を高める事、それによって地球連邦に対するスペースノイドの発言権を強化し、ひいては宇宙へ連邦政府の目を向けさせる事であった。

しかしこの作戦は、成功させてもジャミトフ・ハイマンら連邦軍人タカ派の発言力を強化してしまう事になっており、更には後の歴史で連邦の中でも最大の汚点を残す事になる地球至上主義者を中心とした特殊部隊ティターンズの設立へと繋がってしまう事にもなっている。

30バンチ事件を始めとするティターンズのスペースノイドへの苛烈な弾圧を見ても、核による艦隊の殲滅やコロニー落しといった、都合の良い理想を求めるあまり行き過ぎた犠牲を伴った「星の屑作戦」は、むしろ地球連邦側に潜在し続けていたスペースノイドに対する敵対意識を爆発させてしまうだけになったと言わざるを得ないのかもしれない…。

評価

当初、『ガンダム0083』内におけるストーリーでは、デラーズ・フリート側は士気の高さや信念に殉じる「憂国の士」であるかの如き描写がされ、逆に主人公側である連邦の組織的腐敗が強調されて描かれていた事から、デラーズ・フリートは視聴者側から判官贔屓とも言える形で絶賛され、彼等によって遂行された「星の屑作戦」も、「腐敗した連邦に正義の鉄槌を下す」として好意的にとらえられていた(その結果、事実上の前日談とも言える機動戦士ガンダム_MS_IGLOOが企画されたとも言われている)。

しかし、現実の世界で狂信的な思想や私怨によるテロ事件が多発(海外で日本人も巻き込まれ犠牲者も出ている)し、国内でも地下鉄サリン事件の様なテロ事件が発生。更には相模原障害者施設殺傷事件京都アニメーション第1スタジオ放火事件等といった、テロ以上に悪質といえる無差別殺人までもが発生するようになった結果、「テロリストの恐怖」が身近になり、尚且つ明確になっていった現在では、批判的な評価も多くなっている。
そもそも、元々の非が相手側にあろうと自分達だけに都合の良い信念や私怨を理由として、核兵器やコロニー落としで大量虐殺を行って周囲の迷惑を顧みず、しかもそれらの自分達の罪を棚上げ(どころか正当化し)連邦の腐敗ばかりを非難するという卑劣極まりない思想は、よくよく考えればテロ組織そのままである

また、デラーズを中核としたジオン残党軍勢力は、「自分達の信奉するギレン・ザビと政治的に対立していたキシリア・ザビを嫌悪していたから」という、自分達の都合だけで、ア・バオア・クー攻防戦中に無断で敵前逃亡、戦線離脱した脱走兵の集団でもある。
彼らが軽蔑したシーマ艦隊も、一応終戦までは逃げずにちゃんと戦っていた一方、デラーズ・フリート側は多くの同胞達を見捨てて勝手に逃げ出した卑劣な逃亡者なので、そこも最近は指摘されており、一部作品では、アクシズの勢力や彼等と合流したキシリア派の残党内にも、同胞を見捨てて勝手に戦線離脱したデラーズやその傘下にある者達を嫌い、非協力的な態度を見せる描写がある。
更に、前述のデラーズ・フリートの活躍が好意的に見られた結果誕生した『MS IGLOO』のストーリー内でも、デラーズ達が戦線離脱したア・バオア・クー攻防戦内にて、半ば技術屋に過ぎないのに急遽戦場に駆り出された主人公や、殆ど動く棺桶と大差ないモビルポッドのオッゴ等で奮戦し命を散らせていた学徒兵達の姿の描写があった事から、よりデラーズ・フリートの戦線離脱行動の問題点が強調されてしまっている。
こういったこともあって、現在ではデラーズ・フリートの生きざまはガンダムファンからは賛否両論があり、また昨今では漫画「機動戦士ガンダム0083 REBELLION」でデラーズがギレンへの狂信的な一面を見せるなど、デラーズ・フリートへの批判的な意見はより目立つようになっている(一方で、本編では悪党扱いされていたシーマが再評価されているという皮肉な展開になっている)。

他にも、デラーズ・フリート同様に賛否両論の目立つガンダム系の組織として、ニューディサイズセンチネル)、袖付き及びジオン残党軍ガンダムUC)、ホワイトファングガンダムW)、ザフト軍脱走兵ガンダムSEEDDESTINY)等が挙げられ、いずれもデラーズ・フリートと同様、無関係な人間を巻き込んだ挙句に大量虐殺に出ようとした者ばかりである。
デラーズ・フリートがこれらテロまがいの組織、特にジオン残党軍の中でも特に批判意見が目立っている一つの要因として、他の組織が主人公サイドに最後には敗北し最悪の事態を阻止できたのに対し、デラーズ・フリートは作戦=テロを成功させてしまったという点が推測できる(上記の例で他に成功させたのはザフト軍脱走兵ぐらい)。
更に、近年のガンダムシリーズではガンダムWの主人公たちやソレスタルビーイングなど主人公サイドがテロリスト的立場というものも増えているが、こういった作品では大なり小なり主人公達が自身の罪を自覚しているのに対し、デラーズ・フリートの方は上記の通り「自分を正義と信じて疑っていない」という点もある。更に言えば、彼等はア・バオア・クー攻防戦後に、これ以上の戦争継続によって同胞達が犠牲になるのを避るべく停戦を持ちかけたジオン本国の人間達の事も、「自分達にとって都合が悪い」のを理由に、「裏切者」や「売国奴」呼ばわりして非難する自分勝手さまで見せている(前述の通り、ジオン側は間に合わせの機体や実戦経験の無い学徒兵までもが駆り出される程不利な状況で、戦争を継続しても犠牲が増える一方だった)。もっとも、これについては他のジオン残党軍にも当てはまるのだが、デラーズ・フリートの場合はなまじ美化して描かれていることで、現在では皮肉な事に「傲慢で自分勝手な者達の集まり」として批判される要素に変わってしまっている。

関連タグ

機動戦士ガンダム0083
ジオン残党軍

テロリスト 恥知らず 戦争犯罪 脱走兵 盲目的

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