「…! ジュッテかッ!?」
機体データ
型式番号 | MS-21C |
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所属 | デラーズ・フリート、アクシズ、袖付き |
開発 | 茨の園 |
生産形態 | 量産機(ミキシングビルド機) |
全高 | 29.8m |
頭頂高 | 29.8m |
本体重量 | 23.9t |
全備重量 | 49.0t |
ジェネレーター出力 | 596kW |
推力 | 117,500kg |
センサー有効半径 | 10,900m、18,800m(袖付き所属機) |
装甲材質 | 超硬スチール合金 |
固定武装 | 右腕部3連装40mmバルカン砲、右腕部ガトリング・ガン(袖付き所属機)、ビーム・サーベル付シールド |
概要
デラーズ・フリートが独自開発した宇宙戦用の簡易モビルスーツ(MS)。“一応”モビルスーツにカテゴライズされるため、型式番号はMS-21Cが与えられている。
深刻な物資不足に悩むデラーズ・フリートの台所事情を反映したかの様な機体であり、損傷あるいは建造が間に合わなかったザクⅡF2型の胴体をベースに、頭部に高速機動に対応したオリジナルの物を取り付け、アンテナを増設したガトル戦闘爆撃機(デザインは『センチネル0079』版)の船体をバックパックとして接続。また脚部として同じくガトルの部品を加工したプロペラントタンク一体型のスラスターモジュールとザクⅡのショルダーアーマーの部品で作られたスラスターポッドを組み合わせたミキシングビルド機とも呼べる機体である。後述の機体の性質の通り、モビルスーツと言うよりはモビルアーマー寄りである事が分かる。
カタログ上のパワー・ウェイト・レシオは2.4倍と、第二世代モビルスーツよりも高いが、外観通り脚部スラスターには歩行肢としての機能は無く(つまり重力下で歩行することは出来ない)、また可動範囲の狭さからAMBAC作動肢としても殆ど機能しないため、運動性は非常に低い。それを補う為の代替措置として両肩にザクⅡのショルダーアーマーのフレームやジョイントを流用して作った球形の燃料タンク兼スラスター・ポッドを設置しているが、それでも通常のMSには遠く及ばない。
また急増品故か耐久性も低く、ジム・カスタムとの白兵戦では、左腕を吹っ飛ばしたものの、その衝撃で逆に自壊する程。
ただしガトル戦闘爆撃機の推進機関が転用されたバックパックの恩恵から、直線の加速性能“だけ”は非常に高く、リック・ドムⅡにも匹敵するとまで言われている。
更に言えば、MSにとって消耗品の多い脚部と右腕を可動の少ないスラスターとバルカン砲に差し替えたため、整備性にも優れていた模様。
一応着地機能は有りMS胴体の股間部とスラスターポッド先端側に航空機の物と同じタイヤ式の着陸脚を有するが、普段はバックパックに設置された懸架用ラッチによって格納庫内に吊り下げられて収容されている。
武装は右腕のマニピュレーターから置き換えられ武器腕として装備された3連装40mmバルカン砲(シュラウドで覆われているので見かけは単装砲)と、戦艦の装甲を流用した左腕部シールド裏に固定設置されたビーム・サーベルのみ。
このビーム・サーベルはゲルググ用の発振器を流用した物で、ザク用のジェネレーターでは出力不足で扱えない事もあり、シールドの裏に専用小型ジェネレーターや冷却装置等を組み込んで作動させる物となっている。
全30機程が生産されるも、その戦闘能力もあって主に陽動作戦や偵察を主任務とする事が多く、時には数合わせの為に投入される事もあった。ただし、あくまで「対MS戦」に弱いだけで当時まだ連邦軍にそれなりの数が戦力として存在した航宙戦闘機やモビルポッド類に対しては十分な優位を取れる戦力を有していた。
急造の機体ながらもデラーズ紛争を生き延びた機体はその後も活躍しており、グリプス戦役ではアクシズにてグレーに塗装された機体が、ラプラス事変ではネオ・ジオン残党「袖付き」にてカラーリングをピンクと紫基調にし胸部にネオ・ジオン紋章のエングレービングを施された機体がそれぞれ運用されている。
なお、アナハイム・エレクトロニクスでは「茨の園」から回収ないしは新造された作業用の非武装ドラッツェを使用している模様。
関連動画
バリエーション
ドラッツェ改
型式番号MS-21D1。
Blu-rayボックス付属のピクチャードラマ『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY 宇宙の蜉蝣2』に登場。
ドラッツェの肩部スラスター・ポッドを、三連三角設置の宇宙突撃艇用スラスターを転用したタイプに変更した改修機。
スラスターの変更によって機動性は低下しているが、その分加速性能に優れる。
右腕部は本来のザク規格のマニピュレーターに戻されており、ザク・マシンガンなどザク規格の携行武装を使用可能。また一部のゲーム作品ではヅダ用に開発された135㎜対艦ライフルが武装として採用されるケースが有る。
ドラッツェ改(重装備型)
型式番号MS-21D1。
Web企画『アナハイム・ラボラトリー・ログ』に登場。
ドラッツェ改に重武装を施した物。アクシズで運用された。
後述の袖付き仕様の物とは異なるガトリング砲を右腕部マニピュレーターに装着して半固定装備とし、左腕のシールドの表にはシュツルムファウストを2発装備(これによってシールドの防御機能は低下する)。脚部スラスター・ポッド部外側にザク用規格の3連装ミサイルポッドを左右2基ずつ計4基装備する。
これだけの重装化を施して、火力はようやく当時の一般MSと同等になるが、持ち味の機動性は更に失われた。
ドラッツェM型
型式番号MS-21C/M。
ムック『GUNDAM WEAPONS 2』に登場。
インターセプターとして開発されたドラッツェのバリエーションのひとつ。
両側面にスラスターを装備した新型へとバックパックを換装するとともに、スパイク部にアポジモーターを取り付けたザクⅡ用スパイク・アーマーを新たに両肩に装着している。
また、頭部にも改修が加えられ、右腕部バルカン砲の大口径化も行われている。
本来の任務に従事した機体の他に、チェイサーとして改造された機体もあった。こちらはドラッツェ本来の肩部スラスター・ポッドを備えている。
ドラッツェ(袖付き仕様機)
型式番号MS-21C。
アニメ『機動戦士ガンダムUC』に登場。
第二次ネオ・ジオン抗争後、ネオ・ジオン残党「袖付き」の手に渡ったドラッツェ。
運用が確認されている機体の中ではゲルググやギガン、作業用ザクに次ぐ旧式機。鮮やかなピンク色の塗装をしており、袖付きのMSの例に漏れずエングレービングが施されている。
モビルスーツの性能向上が著しかったグリプス戦役、二度のネオ・ジオン抗争を経て旧式機であるドラッツェは性能面で劣勢に立たされるが、台所事情の厳しい袖付き内では戦闘目的ではなく拠点周辺の哨戒偵察機として運用された。
右腕のバルカン砲をガザシリーズのシステムやセンサーを部分流用した長銃身のガトリングガンに換装しているが、火力の強化というよりは哨戒任務のための拡張センサーユニットとしての性能向上を目的としている。
この装備更新によってセンサー有効範囲が大幅に向上しており、より偵察機としての性格が濃くなったと言える。なお、本機のガトリングガンと同じデザインの武装をしている袖付き仕様のギガンの物が「ビーム・ガトリング・ガン」と表記されている為、本機の武装もビーム・ガトリングである可能性がある。
ガーゴイル
PCゲーム『SDガンダムウォーズ』に登場。
スペースサイド軍が運用するドラッツェに酷似した機体。宇宙戦闘機として扱われている。
カラーリングは袖付き仕様と同じようなピンク色。武装としてビームクロー、2連ビームライフル、8連ミサイルを備える。
ガンプラ
HGUCでドラッツェ、ドラッツェ(ユニコーンVer.)、ドラッツェ改が発売されており、ドラッツェのみ一般販売、他はプレミアムバンダイの受注限定販売となっている。
通常仕様には袖付き仕様の物にグリップを取り付けたガトリング・ガンとマニピュレータータイプの右腕がボーナスパーツで付属するが、武器腕としての接続パーツなどは付属しない。
なお、この武装は「ドラッツェの携行武装に手持ち式のガトリング・ガンが追加された」という後付け設定ではなく、(現状)ただのおまけ要素である。
手首は左が開き手、右が銃持ち手のみとなっている。
ユニコーンVer.は胸部中央パーツが袖付き仕様の新規造形に差し替えられており、ガトリング・ガンのグリップがオミットされた代わりに武器腕としての接続パーツが追加されている。
ドラッツェ改は肩部スラスターポッドが新規造形されている他、ザクⅡF2型の手首や武装が丸ごと付いてくる。MMP-80マシンガンやヒートホークは余剰ではあるものの装備できる。
なお、ドラッツェ改重装型はまだ模型化していないものの、専用武装である大型ガトリング砲に酷似した武装「ジャイアント・ガトリング」(ガンダム5号機のそれとは別物)がHGBCで発売されている。
ただし大きさはアニメ『ガンダムビルドファイターズトライ』でグラナダ学園のトミタ・ルイが操作しているギラ・ドーガ[C]が作中携行していたサイズに合わせてあり、ドラッツェ改重装型の画稿と比較するとオーバースケールとなっている。
関連イラスト
関連項目
チュアチュリー・パンランチ:彼女の髪型が肩部スラスター・ポッドに似ているため、彼女の乗機のガンプラで再現するための素材になる。