ガトル
がとる
型式番号不明。
アニメ『機動戦士ガンダム』に登場する、ジオン公国軍の宇宙用複座型戦闘爆撃機。
2つの独立式コクピットや大小計6基の熱核融合ロケットエンジンを備えた本体の左右に、燃料やミサイル、ランディング・スキッドを納めたユニットを取り付けた3胴機となっている。カラーリングは赤系統。
機体各部に姿勢制御バーニアを備えてこそいるものの、運動性はさほど高くない。反面、主機である熱核融合ロケットの推力は大きく、モビルスーツ(MS)以上とも言われる加速力を生かした一撃離脱戦法を得意としており、対艦攻撃にも用いられた。
コクピットは被弾時には脱出カプセルとして機能する。緊急射出後はある程度の自力航行が可能であり、サバイバビリティは高かった模様。
武装として、コクピット下面に30mm機関砲を計4門固定装備する他、左右のユニットに内蔵式の5連装ミサイル・ランチャーを1組づつ、大型対艦ミサイル用の兵装ステーション(パイロン)を2基づつ備える。また、マシンキャノンを装備していると言われることもある。
MSの本格配備以前から運用されており、MS配備までの「つなぎ」と見なされていたこともあって、一年戦争時には退役も進められていたものの、緒戦の一週間戦争から終盤のア・バオア・クー攻防戦に至るまでの全期間に渡って実戦に参加し続けており、終戦時には700機以上が残存していたとも言われる。
戦局が悪化しつつあった一年戦争後半の戦闘では、主に宇宙要塞やドロス級空母の所属機として、拠点防衛や敵の足止めなどに利用された。
戦後には非戦闘用の作業艇に改造された機体もあった。また、デラーズ紛争でもその姿が確認されている
『センチネル0079』版
雑誌企画『ガンダム・センチネル0079』に登場。
ガトルのデザインをリファインした「ガトル Ver.Ka」とも言うべきもので、設定上は『機動戦士ガンダム』のガトルと同一の機種。
デザインの変更点としては、コクピットのキャノピーの形状が改められ、5連装ミサイル・ランチャーにはハッチが設けられた。また、エンジン・ノズルも5基に纏められるとともに、配置も変更されている。
要塞防衛ラインの主力を担う形で、ソロモン戦に参加している。
なお、アニメ『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』に登場するMSドラッツェは、メインエンジンなどのパーツをガトルから流用しているとされるが、実はこの『センチネル0079』版を基準としてデザインされている。
ゴブル
雑誌企画『MSV-R』に登場。
宇宙世紀0070年に正式採用されたジオン軍の宇宙戦闘攻撃機で、ガトルのルーツにあたる。
設計思想はガトルと同様のため、本体と左右のユニットからなる機体構造はガトルに近いが、サイズはより小型で、エンジン配置も異なる。また、コクピットも独立式ではなく直列タンデム複座となっている。
武装としてコクピット下部にバルカン砲を6門、本体と左右ユニットを繋ぐ中間翼にミサイル発射管を計6門固定装備する他、本体と左右側面に大小計6基の兵装ステーションを備える。ステーションに装備可能な兵装はガトルよりも豊富で、各種ミサイルやミサイル弾倉、バルカンポッド、大型燃料タンクなどがあった。
優れた機動性や汎用性、稼働率の高さから一年戦争前のジオン軍の主力機となり、約3000機が生産された。その後、MSの配備開始によって主力から退き、一年戦争末期には、兵装ステーションにMS用の武装を取り付け前線へ輸送する「デリバリー・アタック」にも用いられた。
また、兵装ステーションをさらに追加した火力向上タイプに加え、機体後部に大型カーゴスペースを増設した輸送機型、後述の偵察型などの派生機もあった。
偵察型ゴブル
『MSV-R』に文字設定のみ登場。
ゴブルのバリエーションのひとつである偵察機。
ゴブルの機体後部に高精度の反射望遠鏡を格納した円筒型ボックスを取り付け、ミサイル発射管を廃したスペースにプロペラントタンクを増設している。
偵察に光学的手段を用いるためミノフスキー粒子撒布下でも運用でき、機体の小型さもあって使い勝手も良好だったため、強行偵察型ザクの配備後も一年戦争全期にわたって最前線で活躍している。
また、サイド3近傍には反射望遠鏡の代わりにレーダーを装備した索敵仕様のゴブルも配備されていた。
ガロン
ゲーム『SDガンダムウォーズ』に登場。
ガトルに酷似したスペースサイド軍の宇宙高速重戦闘爆撃機。
ガトルにマニピュレーター(両腕)を装備し、後部にプロペラントタンク2基を装備した姿を持つ。そのため、戦闘機と言うよりはもはやモビルアーマー(MA)に近い。