機体説明
ジオン公国軍フラナガン機関で開発されていたニュータイプ専用モビルアーマー(MA)の第1号機であり、機体本体から有線で制御されるメガ粒子砲塔(連装2基と単装2基)を射出してオールレンジ攻撃を行う事が可能。
また、機体も3つのブロックからなり、それぞれ独立行動も可能である(所謂、分離/合体メカではなく、これは被弾時の緊急脱出用)。
更に劇中未使用だが、右ブロックと左ブロックにジョイントしたエンジン部も切り離せるので、設定上は5つのブロックからなる。
塗装は灰色と紫色。
サイコミュ搭載機であり、砲手と操縦手の最低2名が搭乗することによって、オールドタイプでも操縦・戦闘が可能、だが理想はやはり各端末につき1人ずつの砲手、計5人の搭乗が必要と思われるという、戦闘艦艇や攻撃ヘリコプターのような通常兵器の延長線にある機体である。
見掛けも巨大な突撃艇で、四肢を持たぬ為にAMBACは不可能で、機体周囲に機動バーニア(砲口にも見える孔)が配されている。
また、MSの胴体とほぼ同じサイズの各メガ粒子砲塔は艦載砲並に強力で、劇中ではガンダムのシールドを一撃で砕く描写が見られた。
コントロールとエネルギー伝導ケーブルを兼ねるワイヤーの長さは小説版によると1Km。
ワイヤレス型攻撃端末よりも到達範囲は狭いが、砲のエネルギーは本体から直接供給され、かつ主機自体に余裕がある為に速射性が高く、立て続けに発砲する事が可能。
その他にも、ビットと違って敵ニュータイプに思念波を察知されづらく、端末が狙撃されないという利点もある。
なお、本機以降歴代のガンダム作品(非宇宙世紀作品も含む)において、「操縦手とサイコミュ操作手が別々に分乗し、役割を分担できるオールレンジ攻撃機」は登場していない。
機体データ
名称 | ブラウ・ブロ(BRAW BRO) |
---|---|
型式番号 | MAN-03 |
所属 | ジオン公国軍 |
生産形態 | 試作機 |
全高 | 62.4m |
本体重量 | 1735.3t |
全備重量 | 2602.6t |
出力 | 74,000kw |
推力 | 1,760,000kg |
センサー有効半径 | 156,000m |
装甲材質 | 超高張力鋼 |
武装 | 有線制御式連装メガ粒子砲塔×2,同単装砲塔×2 |
劇中での活躍
初登場はTVアニメ版『機動戦士ガンダム』第33話冒頭、ホワイトベースがサイド6に入港する場面である。
この時は機能テスト中にGアーマーと偶然遭遇。主操縦者のシムス・アル・バハロフ中尉は交戦を避けてやり過ごそうとしたものの、焦った部下が発砲したことで戦闘に突入。ビームライフルに被弾して損傷した為、搭乗していた右ブロックを分離させて逃亡した。
その後、第39話に再登場。このときはシャリア・ブル大尉とシムス中尉が搭乗。地球連邦軍に占領されたソロモンに駐留するホワイトベースへ奇襲を仕掛ける。
機体本体のいる位置からは想像もつかないところから攻撃し、また攻撃を受ければニュータイプ専用機ならではの機敏さで回避する戦術によって、迎撃に出たホワイトベースのモビルスーツ隊を翻弄する。
しかし、ニュータイプの片鱗を見せ始めていたアムロ・レイはガンダムの操縦系統をオーバーヒートさせながらも本機に肉薄。最終的にビームライフルを撃ち込まれたブラウ・ブロは爆発し、搭乗していた二人は脱出する間もなく戦死した。
なお、シムスはシャリア・ブルのモニターの為に同乗していただけで、操縦・戦闘はシャリア・ブル1人で行っていたとされる。
第42話ではア・バオア・クー宙域に出撃した機体が確認できるが、背景に描かれているだけのモブキャラであり、戦闘シーンは描写されていない。劇場版には登場していない。
スーパーロボット大戦
『第4次スーパーロボット大戦』並びにそのリメイク『スーパーロボット大戦F完結編』にのみ登場。パイロットはシャリア・ブルあるいは強化兵。
『第4次』ではHPや攻撃力が高く射程も長いので脅威となる。
『F完結編』は量産された機体が登場。本作でも攻撃力やHPが高く、運動性はνガンダムを上回るほどの数値なのだが、「限界反応」が低いせいで命中率や回避率が頭打ちになっており、ステータスほどの強さは発揮できていない。
MSジェネレーション
「FILM.9:WARS…」に登場。技術士官ウォーレンがキシリアへ送る予定だった機体だったが、クーパー中尉とトワイニング少尉、ウォーレンの3人で分乗してソロモン攻略後の連邦軍を攻撃する。
ジムを何機か撃墜したが、瞬時の連携を欠くオールドタイプである彼らの分担操縦では通常艦艇と大差ない性能しか発揮できず、マゼランに突っ込もうとするも砲撃に被弾、ウォーレンが他の二人を脱出させた後に爆発した。
連邦VSジオン(エゥーゴVSティターンズ)
ブラウ・ブロを操作可能な数少ないゲーム作品。アーケードモードの敵キャラとして登場するほか、家庭用版では対戦モードで使用できる。コストは200(ドムと同等)。
武器は有線メガ粒子砲のみ。格闘ボタンと方向キーの組み合わせで砲塔の分離・合体を行い、射撃ボタンで本体から、サブ射撃で分離した砲塔からビームを発射する。宇宙要塞系のステージでは、地上に砲塔を置いて本体は高飛びで逃げ回る卑怯な戦法が強い。一方、高低差の無い宙域ステージでは逃げづらく、巨体が災いして被弾しやすいなど厳しい戦いを強いられる。
宇宙、閃光の果てに…
グラナダ特戦隊に配備された機体が登場。サラブレッド隊を襲撃した。
ユイマン、ギュスター、リリアが分担操縦したが、全員オールドタイプだったうえに機体への不慣れから性能を発揮できず、囮になったガンダム4号機に気を取られている隙にガンダム5号機に接近され、ビームサーベルで撃墜された。破壊されたのが中央部のサイコミュ用コックピットだったので、隊員たちは搭乗していた右ブロックを切り離して生還している。
機動戦士ガンダムTHEORIGIN
テキサスコロニーにて登場、パイロットは「シャリア・ブル」。こちらは単座式になっており、形状もより生物のようなデザインになっている。
シン少尉とカイ・シデンの駆るガンキャノンを行動不能にし、ダニエル・シェーンベルクの駆るガンキャノンを撃破している。その後、アムロ・レイの駆るガンダムと交戦するが撃破されてしまった。
ア・バオア・クーでは、いくつか生産されており連邦のジムの部隊と交戦するが、シムス中尉が駆る本機は、セイラ・マスが駆るジムと交戦・撃破される。
GUNDAM_EVOLVE
デザインに変更が加えられており、カラーリングが黒主体でオレンジ色が混じったものになったほか、後部のエンジンナセルが2基から4基に増えている。
機動戦士ガンダム サンダーボルト
一年戦争後の調査対象としてルナツーに持ち込まれたが、ニュータイプ専用機という特殊性故に誰も動かす事が出来ず、第14ブロックの格納庫に保管されていた。(こちらでは多人数が乗り込む事によるオールドタイプによる操縦機能はオミットされている様子)
あの男(連邦所属のニュータイプ)を連れてくれば動かせるのでは?と言ってはいけない。連邦軍は彼の反乱を恐れていたので、むしろ絶対に乗せるわけにはいかなかったのだろう。
ダリル・ローレンツがルナツーへ侵入した目的はこれを奪還する為だった。
ファースト版とは異なり、アプサラス等他のMAのように機体中央上部にモノアイレールを備えている。(ガルバルディαに似た形状のもの)機首にMSとのドッキング機能も追加されており、ドッキング時は主導権がMS側に移乗する。
また、メガ粒子砲は全て連装砲になっているうえに火力も異常に強化されている。ルナツーからの脱出時にはメガ粒子砲の一斉放射ではルナツーの内壁から外壁までを貫通、ブラウ・ブロが通れるほどの大穴を穿った挙句、外で待ち構えていた守備艦隊を壊滅させるなど、ビグザムに匹敵するかそれ以上の火力を見せつけている。南洋同盟に改修されたのか、奪取後に砲塔が有線型から無線型へと変更されている。
更に本体及び全砲塔にIフィールドジェネレーターが追加されており、ビーム兵器ならば艦隊からの集中砲火を浴びても耐えられる。実弾兵器は防げないが、搭乗者がニュータイプ故にメガ粒子砲での迎撃が可能で、艦載レールガンから発射された超音速の砲弾すら撃ち落としてしまった。
単行本16巻限定版付録の「設定集vol2 MSデザインワークス」によると、パーフェクトガンダムの強化パーツとして位置づけられており、『0083』で登場するデンドロビウムを意識した存在とされている。作中で交戦した連邦MS「ブルG」の顔もGP-02に似ており、『0083』のオマージュとして描かれたことが窺える。
サム・シェパード「くそっ、ジオンのMAは化け物か!?」
本機を駆るダリルはやがて宿敵・イオ・フレミングが搭乗したパーフェクトジオングと遭遇。激闘を繰り広げた末にミサイル攻撃を仕掛けるが……
関連動画
立体物
1/550スケールの模型としてラインナップ。劇中同様に有線砲塔を動かすことが可能で、スタンドが付属する。
SDガンダムフルカラーシリーズにラインナップ。スタンドが付属し、劇中同様にブロック毎に分離できる。