サイコミュ試験型ザク
びしょっぷ
型式番号MS-06Z。「Z」の形式番号が示す通り、MS-06としてはもはや極まった感があり、この機の発展形には「MSN-01」という新たな形式名が与えられている。
一年戦争末期、ニュータイプによる戦果が見込まれるようになったのを受け、既にモビルアーマーに搭載されある程度実績を上げていたサイコミュシステムをモビルスーツに組み込むことを目指す「ビショップ計画」に基づき製造された試験機である。
計画名から「ビショップ」の別名を持ち、現場の人間からは専らそちらの名で呼ばれている。
ザクをベースにしてはいるが、両腕にオールレンジ攻撃用の有線式5連装メガ粒子砲を装備しており、ビーム兵器を運用する都合上ザクとしての意匠は頭部にその印象を残す程度で、メインフレーム以外はザクとはほぼ別物として完成している。その頭部も動力パイプのオミットや頸部ダクトの増設、上方を向けるモノアイレール2軸の追加など大掛かりな改修を加えられている。
外観や武装などジオングへと通じる要素を持ちあわせており、本機がジオングのプロトタイプとなったとする資料もある。
しかし、当時の技術ではサイコミュシステムやビーム兵器の小型化が困難であったことから有線サイコミュを内蔵した腕部が大型化するという、やや不格好な外観を成している。
また、脚部も着陸脚程度に考えられており、歩行機能は低かったとされる。なお、この脚部は『機動戦士ガンダムTHE ORIGIN』と世界観を共有している『MSD』では高機動試作型ザクのものを流用しているとされている。
全3機が試作され、その内の2号機がサイコミュ高機動試験用ザクへと改修されている。
主なパイロットはヤハギ・フランジバック、アンネローゼ・ローゼンハイン。
なお、アンネローゼ機は上記3機とは違い予備パーツから組み上げられた機体である。
YMS-06Z サイコミュシステム初期試験型ザク
漫画『機動戦士ガンダム外伝 ザ・ブルー・ディスティニー』で設定された本機の初期バージョン。詳しくは当該記事を参照。
MSN-01 サイコミュ高機動試験用ザク
脚部を8基のロケットエンジンに換装して更なる高機動下におけるサイコミュの稼働試験を図った改良型。詳しくは当該記事を参照。
2020年10月末、バンダイとNeU(東北大学と日立ハイテクのジョイントベンチャー)が脳の活動に合わせてロボットを動かす技術の試験開発に成功したと発表された。この際動かしたロボットはZEONIC TECHNICS(ロボット技術体験のための教材の一種)のザクだったのだが、これがご丁寧に通常のザクから本機の姿に改造されていたのであった。流石にオールレンジ攻撃は不可能だが、脳の活動を専用の機器で計測して、歩いたり腕部メガ粒子砲を構えたりする。
また、この技術がNHKの番組「クローズアップ現代」で紹介された際には、同番組のナレーションかつお馴染みアムロ・レイ役の声優である古谷徹氏が体験し、本機を動かしていた。