高機動・高速戦におけるサイコミュ兵装の運用テストを行う為にサイコミュ試験型ザクの2号機「MS-06Z-2」を改修した機体。
「MS-16X」として開発されていたジオングをMSNナンバーへ移す際に「MSN-01」の形式番号が与えられ、ジオング開発時のステップになったとされている。
概要
「サイコミュシステム高機動試験機」「高速機動型ザク」とも呼ばれる。
脚部を大推力の熱核ロケットエンジンに換装し、これによって高速戦におけるサイコミュの各種試験を行ったとされる。
脚部はサイコミュ試験型ザク以上に歩行を考慮しておらず、脚部とは名ばかりの、バーニアの集合体と言える様相を呈している。
バーニアの周りに取り付けられた『降着用プレートギヤー』は両脚部の前後と側面の6本、中央の結合部の前後2本、合計8本の脚で降着していることから「タコ足」の愛称も有する。
(有志による作例やイラストによっては結合部をなくして脚部の自由を確保している場合もある)
武装は確認出来るものではジオングのものと同様の両手前腕部の有線式の五連装メガ粒子砲のみ。
試験型であるためか、他に武装は搭載されていないが、一年戦争当時ではビーム兵器は大きなアドバンテージであるため、機動性も相まって純粋な戦闘能力は高い。
急遽改造した機体である為、推進装置の燃料積載量までは考慮されておらず、高い機動性能と引き換えに稼働時間が極端に短かったとされる。
ただし、元々が試験用の機体であった事からこの事は特に問題視されていない。
後に本機をベースにジオングが開発されているが、こちらは稼働時間の短さを改善する為に新たに設計し直されている。
カラーリングはザク系としては珍しい白主体に赤のラインをアクセントに加えたものであるが、連邦軍に占領されて間もないソロモン(コンペイトウ)を青いカラーリングの機体が襲撃したという資料も存在する。
グラナダの兵器開発部でフラナガン機関所属ペッシェ・モンターニュ曹長とアシュレイ・ホーン大尉がテストパイロットとして搭乗していたが、決戦に向けて本機はパイロットと共に戦線で運用される事となる。決戦前にパイロットのペッシェ曹長が倒れた為、ア・バオア・クー攻防戦前に空席となる。
その後『機動戦士ガンダムサンダーボルト』ではア・バオア・クー攻防戦時にビリー・ヒッカム少尉が本機に搭乗し、戦闘に参加している。
また、第2次ネオ・ジオン抗争後にネオ・ジオン残党軍「袖付き」がギラ・ズールをベースに本機のコンセプトを宇宙世紀0096年当時の技術レベルで再現した「クラーケ・ズール」を開発している。
その他アニメ作品には『ガンダムビルドファイターズ』にもこの機体を改造したガンプラが登場している。
立体物
MSV展開当時に1/144スケールのプラモデル(旧キット)が発売されている。
商品名は『PSYCHOMMU SYSTEM ZAKU MSN-01 高速機動型ザク』
説明書では「サイコミュザク」とも表記されている。
2021年にROBOT魂でフィギュア化。脚部中央の接続部を好みで脱着できる。
ガシャポンガン消しシリーズにラインナップ。※現在、入手困難
ガシャポンSDガンダムフルカラーシリーズにラインナップ。※現在、入手困難。
余談
その外見からタコザクなどと呼ばれがちであり、『SDガンダム外伝 円卓の騎士編』においては魔剣士ザクロード(サイコミュ試験型ザクがモデル)が変身した大蛸モンスターザクトパスのモデルとなっている。