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ガンダム試作3号機

がんだむしさくさんごうきでんどろびうむ

ガンダム試作3号機は、OVA『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』に登場するモビルスーツ(MS)。
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機体データ編集

型式番号RX-78GP03
所属地球連邦軍
開発アナハイム・エレクトロニクス
生産形態試作機
全長140.0m
全高38.5m
本体重量226.4t
全備重量453.1t
出力38,900kW
推力2,265,000kg
装甲材質ガンダリウム合金
固定武装メガ・ビーム砲、大型クロー・アーム/大型ビーム・サーベル×2、ウェポン・コンテナ×2、Iフィールド・ジェネレーター

概要編集

型式番号RX-78GP03

アナハイム・エレクトロニクスの「クラブ・ワークス」が「ガンダム開発計画」に基づいて開発した地球連邦軍の試作型宇宙拠点防衛戦用モビルスーツ(MS)。

「MSの汎用性とモビルアーマー(MA)の攻撃力を兼ね備えた機動兵器」というコンセプトの下、火器管制・機体制御を担うMS「ステイメン」を、大量の武装やブースター、防御装備などを備えたアームド・ベース「オーキス」に組み込んで『MSの汎用性』と『MAの攻撃力』を両立した。この考えはGファイターガンダムの特殊宙間戦闘オプション形態であるガンダムGダッシュガンダム7号機の重装形態である重装フルアーマーガンダム7号機に通じている。

尚、ステイメンとオーキスがドッキングした状態を指すコードネームは「わがままな美女」の花言葉を持つ「デンドロビウム」。


本体であるステイメン単体でも、後に開発されたグリプス戦役期のMSをも超える高いスペックを誇るが、MS単体ではなくそれと対となる大型オプションを含む仕様になったのは、連邦軍が「宇宙空間での拠点防衛を担う機体」を所望した事態に由来する。

オーキスは両舷のウェポン・コンテナに大量の火器を格納し、更に機体の機動力を支える6基の大型スラスターは艦艇にも匹敵する推力を発生させる。ステイメンは背部テールバインダーを介し、このオーキスの中央部に収まるようにドッキングして機体制御を行う。

その戦闘能力はMS一個大隊にも匹敵するとされており、高機動・高火力で敵を殲滅する様は「機動弾薬庫」とも形容される。

しかし、大量の火器と巨体を同時に制御するにはパイロット1人では負担が大きく、またそのサイズ故に一般的な艦艇の格納庫には収まりきらず、補給や整備は必然的に宇宙空間で行う為、整備性は劣悪。更に一般的なMSの100倍にも及ぶ運用コストも相まって、機体の設計や技術がそのまま次世代に引き継がれることはなかった。

コードネームの「デンドロビウム(わがままな美女)」も、この機体の特徴や問題点を端的に表したものであろう。


ただし、異なる機体特性を制御するオペレーティング・システムは、後の可変MSの開発に『大型ビーム砲を搭載したMS用オプション』のコンセプトとして、Gディフェンサーメガライダーに派生している。

また、GP03のコンセプト全てを受け継いだ機体としてはティターンズが開発したガンダムTR-6[クインリィ]が存在する他、アナハイムでもSガンダムの派生仕様として、機体構造が近似するディープストライカーが計画されている。


ちなみに劇中の描写から運用に薬物が必要な機体と誤解されやすいが、あれは標準応急キット内の装備品で3号機特有のものではなく、パイロットの負担の大きな機体を本来の運用コンセプトを無視して運用し、受領以降ろくな休憩なしで連続出撃し続けていために必要となったので、本来は必要のないもの。


MSかMAか編集

デンドロビウムはMAとも形容出来る外観を持つが、機体分類はあくまで「MS」である。

これはオーキスが「MSに付随する大型オプション」として扱われる為……なのだが、0083の公式サイトでは"MSを格納したMA"と記述され、後述する動画でもMAと紹介されている。

しかし、宇宙世紀0083年時点で連邦軍はMAという種別の定義すらわかっておらず(ガンタンクがMS扱いされているのが顕著な例)連邦軍において初めてMAという種別で開発が行われたのはアッシマーが初であるため、0083の時点でデンドロビウムがMAと分類されるのは矛盾しており、公式のミスであると思われる。


ちなみに作中でもラビアンローズから強奪したパーツを組み立てている際にモーラ・バシットが、「これがMSだって言うのかい!?」と困惑気味な反応を見せていた。



武装編集

メガ・ビーム砲編集

機体右側面に装備される全長90mにも及ぶビーム砲。

コントロールグリップを介して、ステイメンのマニピュレーターによって制御される。

そのサイズに比例して威力は絶大で、戦艦を一撃で撃沈する他、直撃せずともビーム弾が傍を通過しただけでも射線上に副次的な被害を及ぼす。

サラミス級巡洋艦の主砲を完全無効化する程のIフィールドを備えたノイエ・ジールですら、直撃を受けた際はIフィールドを介して尚、姿勢が大きく乱れその巨躯がノックバックする程であった。


Iフィールド・ジェネレーター編集

機体左側面に固定されている、敵のビーム兵器を無効化するIフィールド・バリアの発生装置(ジェネレーター)。

一年戦争当時は主にジオンのMAに搭載されていたが、地球連邦軍の機体としては試作3号機が初の搭載例となる。

機体本体に内蔵されていない外付け式のモジュール装備の為、ビーム以外の攻撃に対する被弾に脆く、また位置が判別しやすいのもあって決戦時にはノイエ・ジールによって破壊されている。


大型クロー・アーム/大型ビーム・サーベル編集

機体下部に2基装備されている巨大なハサミ状のクロー・アームと、そこに内蔵された専用ビーム・サーベル。クロー・アームが専用設計されたグリップを握って運用する独特の運用体系を採用する。

並のモビルスーツの全高よりも遥かに長大なビームの刃を形成すると同時に、クロー・アーム自体もMSを挟み潰すだけのパワーとサイズを有している。


ウェポン・コンテナ編集

オーキスの機首上部には巨大な箱状のウェポン・コンテナが左右に2つ据え付けられている。

ウェポン・コンテナは規格化された8つ(2基のコンテナで合計16)のウェポンスロットを持ち、スロット内部にはユニット化された多数の武器が搭載される。

また、対艦・対集団を目的とした大型火器の他に、ステイメンが運用する武装もここに搭載され、ステイメンの前腕部のフォールディングアームを展開し、ステイメンに装備させての運用が可能。


爆導索(ばくどうさく)編集

爆薬を内蔵したワイヤーを射出する。進路上の宇宙空間に漂う機雷やデブリを撤去する目的の武装。

攻撃用にも使え、ワイヤーが目標物を拘束した後、内部の爆薬が爆発し対象を破壊する。


マイクロミサイル編集

ウェポンスロットにぴったり収まる形状の六角柱状のコンテナを発射する、所謂クラスターミサイル。コンテナは3面に108発(1面あたり36発)の小型ミサイルを内蔵しており、敵集団の内部に到達すると、この小型ミサイルを乱射し目標集団を撃破する。


後方邀撃ミサイル編集

マイクロミサイルと同じ形状のクラスターコンテナ。

射出された後コンテナの側面がY字型に開き、内蔵されている多数の小型ミサイルを後方に向けて乱射する。


大型集束ミサイル編集

MS並みの大きさを持つ大型ミサイル3基が束ねられて、1つのウェポンスロットに収められている。

ミサイルは射出後に分離し、それぞれの目標を追尾する。


ビームライフル編集

ステイメン用の携行武装。ガンダム試作1号機と同形状だが、試作3号機のそれは出力を向上させたマイナーチェンジモデルとなっている。スコープパーツが折り畳み可能。


フォールディング・バズーカ編集

砲身を折り畳んでコンテナ内に収納が可能なMS用バズーカ。

使用する際にはステイメンのフォールディング・アームを使い、コンテナから引き出す必要がある。


ハイパーバズーカ編集

ジム改等が運用する連邦軍の汎用バズーカ。


フォールディング・シールド編集

コンテナに収納する為の折りたたみ機構が備わったシールド。使用時には腕部ラッチとフォールディング・アームによって保持される。

裏側にはライフル用のEパックを4基マウント可能。



バリエーション編集

ガンダム試作3号機トライアルプラン ヴェロニカペルシカ編集

GP03SGP03トライアルプラン

書籍『アナハイム・ジャーナル』に登場する試作3号機のトライアルプラン時のもの。アームド・ベースの規模は完成形より小ぶり。

名前のヴェロニカペルシカ(ベロニカ・ペルシカ)とは花のオオイヌノフグリを指す。

デザイン、機体命名は射尾卓弥氏。


ガンダム試作3号機ステイメン Pスペック編集

ステイメンwithコアファイター

3Dアニメ『GUNDAM EVOLVE 4』で初登場した。

ステイメンがコア・ファイターⅡ-Sp内蔵型になっている。パイロットはアナハイム所属の女性パイロット、デフラ・カー。

ラビアンローズ防衛時に生き残っていたゲルググMのビーム・ライフルの直撃を受けパイロットは死亡した。

上記作品以外では漫画『0083 REBELLION』にて登場。モンシア中尉が搭乗するもPスペックではオーキスとのドッキングが不可能な為、ルセットによってコア・ファイター部分が強制パージされ、コウが搭乗した球体型コクピットブロックの物にドッキング・換装された。


ガンダム試作3号機デンドロビウム Cコンテナ装備編集

漫画『機動戦士ガンダム0083 星屑の英雄』で初登場した。

マイクロミサイルコンテナの機首を装備した状態。この時ステイメンの頭部Vアンテナのみ露出する形になる。これを見た旧ジオン残党のザクのパイロットは「間違いありません、連邦軍のMAです。」と本機を連邦軍の新型MA(制宙戦闘機タイプ)と勘違いしている。


ガンダム試作3号機&ウェポンシステム編集

『GUNDAM FIX FIGURATION』で設定されたデンドロビウムの簡易型機。デンドロビウムの特徴的な武装をステイメンに装備した形態であり、右腕にメガ・ビーム砲、左腕にIフィールドジェネレーター、背中にマイクロミサイルコンテナを4基搭載している。

漫画『0083 REBELLION』ではデンドロビウムの損傷を受けた部分をパージし簡易型になった。


ナイトファイター編集

初出は『ソロモンエクスプレス』。オーキスにステイメンの代わりにコア・ファイターを組み込んだような超大型航宙戦闘機。これを元にコア・ファイターの代わりにステイメンを組み込んだものがデンドロビウムとされている。


デンドロビウムⅡ編集

型式番号GP-03-2

初出は雑誌『ゲームぎゃざ』誌上での読者参加型ゲーム『機動戦士ガンダム G-STRATEGY』。デンドロビウムの量産を目指したMA。

ステイメンではなく制宙戦闘機がコアとなっている。武装はクローやIフィールドも標準装備していた。


関連機体編集

デルフィニウム編集

型式番号TRX-007

漫画『機動戦士ガンダム ヴァルプルギス』に登場。

機体名の「デルフィニウム」は花のデルフィニウム(キンポウゲ科)を指し、花言葉は「清明」「高貴」。

宇宙世紀0083年のデラーズ紛争後に開発され、地球連邦軍極秘機関"嵐"に配備されていた。

クラン所属のフィオリーナ・フィリーはこの機体を"ティターンズの台頭以前に封印した、曰く付きの機体を元にした模造品"と呼んでいる。

"曰く付きの機体"とされるのは、ガンダム開発計画で作られたガンダム試作3号機「ステイメン」とアームド・ベース「オーキス」の合体形態である「デンドロビウム」を差している。

またコアMSの「ステイメン」は模造できなかったのか、一年戦争時のフルアーマーガンダムタイプになっている。

詳細はデルフィニウム(MS)を参照。


クレヴェナール編集

型式番号RX-78KU-01

小説・アニメ『機動戦士ガンダム Twilight AXIS』に登場。

宇宙世紀0096年にブッホ・コンツェルンの私兵部隊「バーナムの森」が調達・運用していたアームド・ベース。開発経緯は不明。ガンダムAN-01 トリスタンを中枢ユニットとして用いている。

小説版の作中では「ガンダムタイプのMSを中核とした拠点防衛用MAの末裔」と推測されている。

機体名の「クレヴェナール」は、中世の騎士道物語『トリスタンとイゾルデ』に登場する騎士トリスタンの従者の名前に由来する。

詳細はガンダムAN-01を参照。



立体物編集

ガンプラでは1/144スケールのHGUCシリーズとして出されているのだが、パッケージの時点で途轍もないサイズを誇り、その大きさはパーフェクトグレードの箱をも凌駕する。つまりガンプラ史上最大。

定価も税込30,800円と相応に高い。

更にはパーツも複雑なものが多く、パーツ数も入門者向けのHGUCシリーズの中でもダントツに多い。更にビス(ネジ)が5種類(計89コ)に、スプリング、強度確保用の鉄板まで付属する始末。

完成したとしても、1/144スケールなのに1m近い全長に達するので普通の家では置き場に困る。

その為、初心者が組むのはあまりにも無謀な行為であり、まずオススメはされない。

だが、ファンの間では『いずれ組んでみたい高難度ガンプラ』の1つ」として、MG Ex-Sガンダムディープストライカー)やHGUC ネオ・ジオングと共に親しまれている。

女の子でも作れるガンプラあるかな?

……だから勧めちゃダメだってのに。


そして、『HGUC決戦投票2023 受注生産特別企画』と銘打たれた作りたいガンプラの投票において見事1位を獲得。受注生産限定の再販が決定した。


尚、ガンプラは他に1/550スケールのHG MECHANICSとノンスケールのSDガンダム BB戦士からも発売されており、これらは手に取りやすいサイズとなっている。


ガシャポンSDガンダムフルカラーシリーズにラインナップ。 ※現在、入手困難

関連動画編集


関連項目編集

機動戦士ガンダム0083

ガンダム試作0号機 ガンダム試作1号機 ガンダム試作2号機 ガンダム試作4号機

ノイエ・ジール ガーベラ・テトラ

カトキハジメ


Zガンダム3号機ユニコーンガンダム3号機フェネクスガンダムX3号機:機体名が3号機繋がりのガンダムタイプ。


Gアーマー:支援機Gファイターガンダムが合体した形態。この状態ではMSとしての形状は殆んど見えなくなり戦闘能力も使えなくなる。「支援機にMSが格納されている(埋まっている)」点など本機のコンセプトの元ネタだと思われ、元ネタでは輸送形態でしか無かった「MSと合体する意義」を異なる運用形式へと変えた設定が為されている。


シナンジュ/ネオ・ジオング:運用方法が類似

パーフェクトガンダム/ブラウ・ブロ:これも同様

TR-6ウーンドウォート:開発にガンダム開発計画の技術と余剰予算が流用されているだけでなく、換装形態の1つ「ガンダムTR-6[クインリィ]」が事実上の後継機となっており(計画抹消がなければ[デンドロビウムⅡ]と呼ばれる可能性があった)、火星にてレジオンが運用したクインリィが、過去にアクシズに合流した元デラーズ・フリート組から話を聞いたムンスキー(ネオ・ジオン残党の一派を率い、火星独立ジオン軍に身を寄せる)によりデンドロビウムと誤認されている。ハイゼンスレイⅡ形態等で用いられるテールバインダーは試作3号機と類似した機構となっている。


ディープストライカー:当機のデザイン上での原型である機体。

ハルコンネンⅡ:漫画「HELLSING」に登場する対人重火器システム。当機がモチーフとなっている。あまりにも露骨なデザインの為、作者曰く「やりすぎた」としている。

轟雷(フレームアームズ・ガール):アニメのワンカットとして登場した大型オプションユニット「試製決戦兵器 雷鎚」が当機とよく似ていると話題に。

ジェアン・シュヴァリアースーパーロボット大戦Dに登場する機動兵器。機動兵器を武装ユニットと合体させたという点で当機と一致しており、シルエットも似ていることからバンプレストオリジナル版試作3号機的な扱いを受けている。…が、最大の違いとして格闘戦が主としている(当機のメガビーム砲の位置に大型のビームブレードを装備している)。

機械神メイプル:『痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。』に登場する主人公が全身様々な重火器を着込んだ姿で見た目やその火力で敵を殲滅する様子からこのイメージを思い浮かべた人が多い。

とびでばいん:ステージ6ボス「アイアンメイデン」がデンドロビウムパロディとなっている。コンテナは棺桶型で分離して突っ込ませるビットのようなものとなっている。

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