ガンダムAN-01
とりすたん
型式番号RX-78AN-01。
スペースデブリ回収を請け負う『ブッホ・ジャンク』社が、極秘ルートで入手した機体。
ガンダムNT-1を修復・改修した機体であり、新旧様々な機体のジャンクパーツを流用してある。
しかし、サイド5(旧サイド6)の戦闘で大破した頭部をはじめ、胸部やランドセルなどは、完全新造されており、ベース機とは似ても似つかぬ姿となっている。
同社が一般社会に隠れて育成、武装化を行っている私設軍隊「バーナムの森」、その中でも戦闘部隊の中枢を担う『強化人間』クァンタン・フェルモが搭乗し、アクシズに潜入してきた。
18m級という宇宙世紀0096年の機体としては小型のボディ(当時は20m~25m級が一般サイズ)を最大限に利用して、アクシズ狭所内での高機動戦を展開した。
ベース機は一年戦争末期に開発された“ロートル”だが、中身は別物と推測されている。
実際に一年戦争の機体がベースでありながら最新機に劣らない、そこまでいかなくても前線で戦えるレベルの改修を受けた機体はいくつか例がある。
NT-1は元々全天周囲モニターを採用するなど、コクピット装備は宇宙世紀0096年の機体と比較して大きく劣るものではなく、何よりも(一面では“全盛期”にあったと言える)『17歳時のアムロ・レイの反応速度』に合わせてチューニングされたことにより高い追従性を有している。
各部改修によりパワー・ウェイト・レシオも引き上げられており、上述の『小型(小質量)』を考慮すれば充分すぎる機体といえ、特に接近戦においては重武装機を圧倒する機体スペックを持つ。
ビームサーベル
背部のランドセルに装備された近接武装。グリップの形状はガンダムMk-IIの同様の四角柱型(同じものかは不明)。
上述の会計監査部による調査により、宇宙世紀0084年から0088年まではティターンズの下部組織であるオーガスタ研究所(ニュータイプ研究所の一支部)が強化人間の反応速度テスト機として運用していたことが判明しているため、その時期に改修を受けた影響と推察される。
頭部60mmバルカン砲
新造された頭部に内蔵されている機関砲。対モビルスーツには威力不足だが、牽制や迎撃等に使用されている。
元々バーナムは、エンゲイスト・ロナによる『回収作戦』のリークにより、『マスティマ』がMSを随行させずにアクシズを訪れる事を知っていたため、対人掃討としては充分であった。
RX-78KU-01 クレヴェナール
AN-01を中枢ユニットとして組み込んだ巨大アームドベース。
AN-01同様、バーナムの森が秘密裏に調達した大型機動兵器。このため各種武装や外装の入手経由は、これまでのバーナム所属MSと同様に不明である。
デラーズ紛争時に活躍したデンドロビウムとガンダムタイプをコアユニットにする共通点と似通った形状をしているが、あちらが拠点防衛用であるのに対しこちらは拠点制圧用として開発されている(小説の地の文では記録上は抹消されながらも影響を与え続けた末裔とされてはいるものの設定上の具体的な関係性は不明)。
武装コンテナは3段重ねになっており、表層から切り離していくことで武装を切り替えていく。
前段がマイクロミサイル・ポッド、中段が切り離し後に照射する5連装ビーム・ポッド(運用としてはビットに近い)、後段はコンテナそのものが無線操縦式の大型クローに変形する。
また上述のコンテナ構成の他に、両腕はアームドベースに埋没しており携行武装が使えない、Iフィールドジェネレーター非搭載、大型ビームサーベルは二振装備、下部のビーム・キャノン以外に上部にもHSD・キャノンというビーム砲が装備されているなどデンドロビウムとはかなり構成が異なる。
元々は運用試験を兼ねた研究施設の破壊が目的だったが想定してなかった戦闘も行うことになり、AN-01と同じくクァンタン・フェルモが搭乗し、小惑星アクシズに現れた連邦政府直轄部隊「マスティマ」のスペースボートや、同行したアルレットとダントンを追い詰める。
RX-78AN-01FA ガンダム・トリスタン〈フェイルノート〉
型式番号 | RX-78AN-01FA |
---|---|
所属 | バーナムの森 |
製 | ブッホ・ジャンク(フェイルノート・ユニット) |
生産形態 | 武装強化形態 |
全高 | 20.6m |
本体重量 | 45.0t |
全備重量 | 60.4t |
ジェネレーター総出力 | 2,488kW |
スラスター総推力 | 230,600kg |
装甲材質 | ルナ・チタニウム合金 |
固定武装 | 頭部60mmバルカン砲2門、インコム8基、腕部ビーム・サーベル2振(インコム転用) |
漫画版においてクレヴェナールに代わる形で描かれたトリスタンの強化形態(公式年表としては映像化されたクレヴェナールが優先される)。そのためこちらも対MSではなく拠点制圧用装備。
AN-01の全身に装甲・火力・機動力を強化する「フェイルノート・ユニット」装着した形態。なおこの装備については本体やクレヴェナールと違いブッホ・ジャンクの方であつらえられたことが明らかになっている。
後頭部にセンサーユニットが増設されており、さながら後ろにもデナン系MSの顔を有したような異形の頭部構成となった。
四肢・肩部増加装甲内と背部に計8基のインコムを装備しており、バックパックは後年のビギナ・ギナに繋がる「フィン・ノズル」式のものに換装されたため機動性はむしろ鋭くすらなっている。
これはインコムにより攻撃を半自動化してパイロットにはその高い機動性の制御に専念させようという設計思想によるもの。
なおインコムは射出せず腕部から直接展開されるビームサーベルとしても使用可能。
アクシズから帰還した『マスティマ』隊長メーメット・メルカ中尉が、政府会計監査部の知人に依頼した調査によって、ガンダムNT-1は、ティターンズ解体の折りにサナリィが接収していることが判明したが、サナリィからの返答は「サイコフレーム回収作戦」後も、自組織で保有しているというものであった。
加えてサナリィが宇宙世紀0096年前後に動かした当機運用予算についても、『機密事項』の一点張りで、開示されることは無かった。
なお、当該報告書にはAN-01の頭部外装の整備を行っている、サナリィ工廟と思わしき写真が、暗号化の上で同封されていた。
トワイライトアクシズ(漫画版)
月刊ヤングマガジン連載、全3巻
漫画版オリジナル機体としてガンダム・トリスタン〈フェイルノート〉が登場。
3巻の巻末資料にフェイルノートのモノクロ設定画と共にスペックの記載あり。また、本項目などの一部設定は小説等では詳細などが明かされておらず漫画版で補完されている。
SDガンダムアンソロジー
SD形態の描き下ろしカラーイラストを収録。
同じイラストで限定カードダスとして付録カードダス7枚のうちの1枚にもなった。
雑誌収録時のタイトルは「ガンダム・トリスタン〈フェイルノート〉アクシズを翔ける」
2017年06月10日にHGUCで発売。
特徴的な頭部やバックパックは新規造形だが、設定通りとはいえキット自体が2004年に発売されたHGUCガンダムNT-1のリデコのため、発売当時に求められたクオリティに達しておらず、下記が主な問題点として挙げられた。
・全体的に色分けはさほど悪くないものの、ライフルは白単色(塗装は必須)
・基本構造はガンダムNT-1に準じているため、合わせ目が出まくるパーツ割り
・可動範囲も2010年代以降の製品の水準からするとかなり狭い
・プロポーションも劣悪というほどではないがトリスタンのイメージと離れたややずんぐりとした体型
加えて本商品の直前に発売されたHGUCがGUNPLA EVOLUTION PROJECTの第一弾として発売されたゼータガンダムと、後に『バーザムショック』と呼ばれるある種の革新を起こしたバーザムが、どちらも完全新規かつ発売時点での可動・色分け・造形のノウハウを詰め込んだ意欲作だっただけに、本商品の時代遅れの仕様に対する不満の声は少なくなかった。
だが、この仕様が逆にプラモ魂(スピリッツ)に火が点いたユーザーによる改造作例も現れており、見方を変えれば脱初心者を目指すガンプラユーザーが改造・加工の練習台とするには最適かもしれない。
そんなトリスタンだが意外なことにアレックスから流用されたランナーはAランナーとポリキャップ部分のみである。
Aランナーには関節部のパーツが重点的に配置されている事情もあるが、逆に言うとそれ以外のランナーは新規だったりする。
つまり全体の1割ほどしか使用しない一枚のランナーの流用のために、全体の構造の9割を旧キットに合わせて発売したのである。
また、一部アレックスのランナーとは無関係な部分まできっちりアレックス準拠に設計されている為、仕方なくではなく意図的にアレックスに寄せている可能性がある。
ちなみに、Aランナーは多色成型ランナーでありトリスタンにはほかに多色成型ランナーが2枚入っている為、地味に多色成型ランナーが3枚入っている豪勢なキットだったりする。
ガンダムトリスタン事件
2020年9月、このキットの店舗在庫が急に消えるという事態が発生。
機動戦士ガンダムバトルオペレーション2にトリスタンが実装された前後に「トリスタンは希少なキット」というネタがネット上に投下されたところ、それを信じた転売ヤーがこのキットを「大人気作品のガンダムのガンプラ」として大量購入した結果、大量の不良在庫か多額の赤字を抱えることになってしまった。
この事例は「ガンダムトリスタン事件」と呼ばれ、マニアが転売ヤーをハメた例として知られている。
トリスタン事件の審議
実際の所、トリスタン事件が転売ヤーにどれほどの被害を与えたかは定かではない。
トリスタンのみが事件の影響で高額転売されたという明確な証拠はなく、1万5千円ほどで売られているショップが挙げられているものの、その類のショップは元々様々な商品を高額で販売している悪質なショップでしかないようだ。
生活が困るといったツイートもいくつか見られたが、基本的には便乗したネタや既存ネタの改変が多いらしい。
転売用に大量購入したという主旨でアップロードされた写真も存在したが、よくみるとトリスタンと同じ量ほど積まれた別のキットが写り込んでおり、実際にはトリスタン発売当初の売り場での写真をトリミングした物だったというケースもあった。
実際に買い占められたとして、通常のHGキットであるトリスタンのみで大量の不良在庫や大赤字になったというのも考えにくい。
本当に買い占められた結果、その影響で再販が行われたのだとしたら本来の需要通り再販されたガンプラが消えたということになる。
そもそも「劣悪な商品を転売ヤーに買わせる」という行為自体が転売ヤーの影響力を助長させており、一部の無知な転売ヤーに被害を出せたとしても、その他大勢から「デマをばら撒いてでもガンプラの転売は阻止したい物、故にガンプラは儲かる」という話題を広めてしまったことは否定できない。
転売ヤーを嵌めるつもりが、逆に尚更ガンプラが目を付けられる状況を作ってしまったとなれば、自ら首を絞めてしまったと言っても過言ではなく本騒動から数年経った2024年現在もガンプラの転売やそれに焦ったモデラー(所謂パニック買いおじさん)は根強い問題として残り続けている。
ガンダムトライエイジ
「VS IGNITIONシリーズ」第1弾(2017年7月)にてパイロットのクァンタン・フェルモと共に新規参戦。
スピード重視の速攻型ステータスになっていてアビリティの急襲とも相性が良い。
上記のカードも含め6枚のカードが存在する。
カード番号 | 裏面のタイトル |
---|---|
VS1-045 | 「謎」のトリスタン |
VS4-049 | 疑惑の「白」 |
OA2-038 | 「設定」も大事だが |
OA4-042 | 新型と「旧型」 |
OA6-089 | 英雄「トリスタン」 |
DW4-042 | 「二度と」同じものは |
カード裏面の証言者はブッホ・ジャンク社の関係者が多い。
ライバル機のザクⅢ改と同時収録されることが多かった為、タイトルがお互い対になっている物もある。
必殺技の名前は「トリスタン・ブレイズ」
バルカン砲の攻撃→ガトリング砲の流れで必殺技モーションが流れる
公式のVS1弾アトラクPVではνガンダムHWS、ユニコーンガンダムと共に出撃、赤いMSと交戦する
珍しいシチュエーションの映像になっている。
機動戦士ガンダムバトルオペレーション2
2020年9月17日に期間限定ピックアップと共に参戦。
かつては課金や任務報酬で手に入るトークンを使った抽選配給のラインナップに含まれており低確率で排出されたが、現在は除外されDP交換所のラインナップに移動され無課金でも手に入れる事が出来る。
性能は完全にガンダムNT-1アレックスの完全上位互換で、初期LVからコストが驚異の600コスト機体。
武装に、クラブが追加されているだけで、これと言った変化がない。
他の高コスト機が年代相応に大きい中、本機はRX-78系の改修機であるためヒットボックスが小さく、専用BRとビームサーベル共に威力が高めなので、短時間で蓄積によりよろけさせることができるのは強み。特に専用BRとガトリングの蓄積率が高く、専用BR一発とガトリング4発で相手をよろけさせる事が出来る。その為、このコスト帯特有のヒットボックスの大きい機体を相手する際に攻撃を躱されにくくよろけを取りやすい。
一方で、ダメコンLV.2以上の機体をよろけさせるのは時間がかかるといった弱点があり、即よろけが切り替えが遅く咄嗟に使うことができないクラブしかない。
総じて、扱いのクセが強い玄人向けの機体である。
ガンダムオンライン
2018年1月31日実装。コスト360の強襲タイプ。
本作のみハイパーバズーカが装備可能。
エビル・ドーガ:こちらもブッホ社が回収したMAの残骸をベースに作ったMAでトリスタンと同じような経緯と言える。