概要
ジャンク回収業者から始まった、宇宙世紀における巨大コングロマリット「ブッホ・コンツェルン」の設立した私設軍隊。
総帥は宇宙世紀0120年代において、ブッホ・コンツェルン会長の座にあったマイッツァー・ロナが務める。
フランスの「ノブレス・オブリージュ」をルーツとする「コスモ貴族主義」思想を掲げており、貴族(ここで言う貴族とは高貴な思想を持つ者や高い能力を持つ人間を指す)を中心とした国家「コスモ・バビロニア」建国の為に国土となるコロニーの制圧や、破壊活動等を行う事を目的とする。
貴族主義者の軍隊という性質上、運用するモビルスーツの装備や慣例などに中世の騎士を思わせる部分が見られる。
組織名は、中世の海賊旗に由来する「クロスボーン」に「尖兵」や「前衛」を意味する「バンガード」を組み合わせることで、「世直しを標榜し、実践する尖兵の軍隊」というようなニュアンスが込められている。
クロスボーン・バンガードは、絶対民主主義が長く続いた事から堕落し始めた一般市民と、それを是正しない連邦政府の腐敗を正し、理想国家を実現するための尖兵として自らを規定している。
コスモ・バビロニア建国の暁には解体し、人心の平安を守るための軍隊として再編されることが基本法に定められており、事実フロンティアⅣの制圧後に行われた「コスモ・バビロニア宣言」以降はコスモ・バビロニアの国軍に移行している。
クロスボーンの前身はブッホ・コンツェルンの職業訓練学校であり、遠方の僻地開発の為に優秀な人材を育成するという名目で、優秀かつ旧来の思想に染まっていない人間を選別し、秘密裏に軍事訓練と貴族主義教育を施す事でクロスボーン・バンガードは形作られている。
また、職業訓練校の中で特に優秀な人材に至っては連邦軍の士官学校へ進学し、士官学校卒業生の義務として3年間の連邦軍勤務を果たす事になる。
これは、軍士官学校で正規の軍事訓練を受けさせた上で連邦内部の実情を知らしめ、思想を強固なものにする意図があった。
宇宙世紀0122年に壊滅状態にあったジオン残党軍オールズモビルに資金と技術を与える事で再建させ、戦乱を起こさせたが後に捨て石として扱った。
宇宙世紀0123年に挙兵し、再建の進みつつあるサイド4(通称フロンティア・サイド)のスペースコロニー「フロンティアⅣ」へと侵攻。士気や練度の違いを見せつける形で連邦軍を圧倒し、同コロニーを占拠してコスモ・バビロニアを建国した。
後にコスモ・バビロニア戦争と呼ばれるこの争乱は、最終的にコスモ・バビロニアの中心となるロナ家長女ベラ・ロナの演説によって貴族主義は否定された事とそれによるコスモ・バビロニアの内部崩壊から終結したと言われている。
なお、コスモ貴族主義者は戦後も地球圏に息づいており、コスモ・クルス教団が主義者達の拠り所となっている。またバビロニア戦争より数十年後にはコスモ貴族主義に似た思想を持った連中が地球連邦軍内部から発生している。
ブッホ・コンツェルン
シャルンホルスト・ブッホによって開業されたジャンク屋「ブッホ・ジャンク社」を母体とする複合企業集団。
詳細はブッホ・コンツェルンを参照。
宇宙海賊クロスボーン・バンガード
宇宙世紀0120年代後半、ベラ・ロナによって宇宙海賊として再編され、活動を再開したクロスボーン・バンガード。
地球侵攻を企む木星帝国の野望を知ったベラ達によって、この野望を阻止すべくサナリィよりクロスボーンガンダムシリーズを譲り受け、ゲリラ活動を行った。
詳細は宇宙海賊クロスボーン・バンガードを参照。
主な構成人員
シャトレイ
デハーヨ
シュン・タチバナ/シュテイン・バニィール
エイギス・ヴェラクルス
主な運用兵器
MS
MA
戦艦
ザムス・ガル
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「鉄仮面」カロッゾ・ロナの座乗艦である、クロスボーン・バンガード艦隊の旗艦を務める大型宇宙戦艦。艦長は鉄仮面の腹心であるジレ・クリューガー。
艦自体はブリッジを含む本体部・左右のMSデッキ及びMSカタパルト・艦首部「ガル・ブラウ」の4つに分離可能で、ガル・ブラウは後述するバグの母艦である他(ただし起動には大量の電力が必要)、本体部には超巨大MAであるラフレシアを格納している。
本艦に限らず、クロスボーン・バンガードの艦船はブリッジ部分を本体に収納可能となっており、乗員の生存性を高めている。余談だが、モンストではカロッゾ・ロナの進化前としてザムス・ガルに乗っている。進化すれば無論ラフレシアへ乗り移る。
ザムス・ギリ
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クロスボーン・バンガード艦隊の主力宇宙戦艦。優れたジェネレーター出力や豊富な砲火力など火力重視の設計となっており、艦隊戦でその威力を発揮する艦艇である。
一方でMS運用能力は有しているものの搭載数は少なく、MS用カタパルトも1基のみ備えている。
ザムス・ジェス
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クロスボーン・バンガード艦隊の宇宙巡洋艦。ザムス・ギリ以上の航続力と推進力を持つ他、MS運用母艦としての能力を重視した設計となっており、豊富なMS搭載数を誇る空母としての役割も備えている。また、MS用カタパルトを艦の前後に備えており、短時間で多数のMSを展開することが可能。
固有艦名を持つ同型艦として、『機動戦士ガンダム シルエットフォーミュラ91』に登場するダーク・タイガー隊の母艦ザムス・ゼナ、『機動戦士ガンダム クライマックスU.C. 紡がれし血統』に登場するシュテイン・バニィール指揮する部隊の母艦ザムス・アダが存在している。
ザムス・ナーダ
武装 |
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クロスボーン・バンガード艦隊の宇宙駆逐艦。全長はザムス・ガルの3分の1くらいしかなく、火力も高い艦ではないが機動性に優れており、主にその機動性を生かした奇襲や偵察・護衛を主な任務としている。小型艦故にMSカタパルトは備えていないが、艦後部にMS用ベッドを左右上下計4基搭載しており、一応のMS搭載能力は有している。
その他
スペースコロニー「ブッホ」
宇宙要塞「イルルヤンカシュ」
ネオコスモ・バビロニア
ザンスカール戦争終結後の宇宙戦国時代に勃興しているコロニー国家の一つ。かつてのクロスボーン・バンガードによるコスモ・バビロニアとは直接的な関係は無いが貴族主義を唱える国家である。
技術力低下と物資不足もあって、民主政治より手間がかからないためか貴族主義は受け入れられているが、為政者側もコスモ貴族主義のような小難しい理屈は廃して「貴族は偉い。だから敬え」と言う状態になっている。
だが政策的に不備が多いためか下からの突き上げもキツくなっており、0169年時の当主であるニルは上手いこと次世代に任せて思想転換を狙っている。
関連項目
マンハンティング部局:コスモ・バビロニア戦争から70年後の時代で猛威を振るった地球連邦の秘密警察機構。生まれや血統に関係無く努力し続けられる人間をエリートと見なしていると言うコスモ貴族主義に酷似した思想を持っている。