概要
大航海時代以降、海賊が好んで用いた旗印のこと。
解説
典型的な物は黒地の布に頭蓋骨とを交差させた大腿骨を描いたもの。
このマークの正式名称は『ジョリー・ロジャー』【Joly Roger】といい、『血まみれロジャー』という意味を持つ。
これは相手に対する死亡宣告であり、「自分たちに触れるものには"死"あるのみ」という警告と畏怖を促すものであるという。
また海賊そのものを示す記号としても認識されている。
『サミュエル・ベラミー』、『エドワード・イングランド』、『黒髭』といった有名な海賊たちも、このジョリー・ロジャーの海賊旗を用いていた。
実在する海賊旗の中では特に『ジョン・ラカム』の骨をカトラスに置き換えた旗が有名。ラカムの事は知らなくてもこの旗の事は知っている人は数多く、本人は有体に言えば「普通」の海賊でしかないのだが、このデザインは海賊戦隊ゴーカイジャーでもモチーフに使われるなど非常に人気が有る。
※ゴーカイジャーの海賊旗
かつて海賊が対象を襲撃する際はまずこの旗を掲げ、威嚇射撃等を行いながら接近し様子を窺い、相手が白旗を掲げて従う意思を示したなら海賊もまたそれ以上の手出しはせず、自分達が満足するまで略奪をしたら黙って去るのが暗黙の掟だった。
しかし何時まで経とうが白旗が掲げられなかったり、撃ち返してくる等の自分達に逆らう意志ありと見做された場合はこの旗は下げられ代わりに赤一色に染め抜かれた旗が上げられ、それは逆らうならば皆殺しという海賊側からの最後通告であった。
昨今では『ONEPIECE』の影響で、自作の海賊旗のイラストなども散見されるようになった。また、本作品における海賊王ことゴールド・ロジャーの名前もジョリー・ロジャーに由来するのではと考える読者もいる。ちなみに同世界の海賊旗に描かれる髑髏は丸を基調としたむしろマスコット的な印象を与えるデザインのものが主流だったりする。
また、イギリス海軍の潜水艦隊では、出撃して戦果を挙げた潜水艦が帰港するとき、この旗を掲げて入港する。
2017年現在、最後にこの旗を掲げて入港したイギリスの潜水艦は、フォークランド紛争においてアルゼンチン海軍の巡洋艦を魚雷で撃沈した原子力潜水艦のコンカラーである。
ちなみに海賊旗を掲げて航海をすると現在でも海賊とみなされる事があるので注意。
海賊旗の種類
上記、ジョリー・ロジャーの海賊旗以外にも、様々なデザインのものが存在する。
- エドワード・ロー
「黒地に、赤い骸骨の全身像」。
- 黒髭
ジョリー・ロジャーの海賊旗以外に『黒地に、鎗を持った白い悪魔が、赤い心臓へ穂先を向けている』というデザインの海賊旗を用いた。
- ウォルター・ケネディ
黒地に白で、ジョリー・ロジャーに似た『交差した骨の上に、人の顔』の絵柄の隣に、『砂時計と剣を持った人間』が描かれている。
- ジャン・トーマス・デュレイエン
黒地に白で「上部に頭蓋骨が横に三つ並び、横にしたカトラスが中に、下部には真ん中に交差した骨、両脇に砂時計」という絵柄。
当時、ナント市の市長の説明により誤解を招き、一時期は、ウォルター・ケネディのものと混同されていた。
- バーソロミュー・ロバーツ
初期は、黒地に白で「槍を持った骸骨と酒を酌み交わすロバーツ本人」の絵柄。後に、バルバドス島およびマルティニーク島での出来事から、黒字に白で「ロバーツ本人が、二つの頭蓋骨を両足で踏みつける」という絵柄に変更した。この海賊旗で、踏みつけている頭蓋骨の下には「ABH(バルバドス人の頭)」、「AMH(マルティニーク人の頭)」という文字が描かれている。
- スティード・ポネット
黒地に白で「真ん中に頭蓋骨。右に心臓、左に短剣。下に水平にした長い骨」。
- ヘンリ・エイヴァリ
赤地に白で、ジョリー・ロジャーに似た『交差した骨の上に、横になった頭蓋骨』。
関連タグ
タンパベイ・バッカニアーズ:海賊旗を基にデザインされたチームロゴを使用している。
シーシェパード:海賊旗のような旗を掲げる環境保護団体
海賊鬼:同音異議語