防御特化と概要。
作者は夕蜜柑（ゆうみかん）。2016年5月、オンライン小説投稿サイト『小説家になろう』にて連載開始。略称は『防振り』。
後にカドカワBOOKSから書籍化される。既刊16巻。イラストは狐印（コイン）が担当。
コンプエースではおいもとじろう氏が手がける漫画版が連載中。既刊8巻。
主人公の本条楓が友人の誘いでVRMMOをプレイするのだが、痛いのが嫌いなので防御力の数値に極振りすれば痛みは軽減されるよね……というVRMMO物。
同時に、ネトゲ運営が武具の性能やスキルを調整し続けなければならない理由（の一端）が分かる物語でもある。
自らご都合主義上等を掲げており、作者の息抜きとして始まった作品である為、全体的にゆるい作風でキャラクターの民度も高い。
この物語は世界滅亡の危機に立たされる事はなく、命を賭ける必要もなく、余計な邪魔が入る事もない、ゲームをひたすら楽しみライバル達と競い合う優しい世界である。
アニメ版でもノンストレスが売り文句となっている程で、やわらか頭のゲーム初心者が、運営の思惑を超えて規格外の新人プレイヤーに成長してしまうという筋書きであり、同様の舞台設定を持つ類似作品に比べても癒し系の風合いが強い。
原作書籍版・漫画版は設定を優先し、アニメ版は演出を優先する。
防御特化と導入。
高校生の本条楓は、親友の白峯理沙に勧められてサービス開始から数ヶ月のVRMMO『NewWorld Online』に出会う。「メイプル」という名前でゲームを始めた彼女は痛いのは嫌という理由で、初期設定の防御力だけが取柄の「大盾使い」を選び、ステータスポイントも全て防御力に振って（極振り）しまう。
そのせいで悪戦苦闘するメイプルだったが、偶然と幸運、プレイヤーとしては斜め上の発想と、前人未到の防御性能に物を言わせた行動力でどんどんレベルアップ。レアスキルとレア装備を獲得し、無敵の防御力を誇る様になる。
そして迎えた第一回イベントで、要塞じみた能力を存分に発揮したメイプルは無傷で二千人以上のプレイヤーを蹂躙し第三位を獲得。一躍『NWO』の有名人となる。
防御特化と登場人物。
主に第1回イベントのトップランカー20位以内の大半が含まれる。
【楓の木】
メイプルを始め本作の主要人物が集う小規模ギルド。3位、6位、9位が所属している。
詳細は個別記事を参照。
- メイプル（CV：本渡楓）
- サリー（CV：野口瑠璃子)
- クロム（CV：杉山紀彰）
- イズ（CV：佐藤聡美）
- カナデ（CV：新井里美）
- カスミ（CV：早見沙織）
- マイ&ユイ（CV：加隈亜衣（マイ） / 諏訪ななか（ユイ））
【集う聖剣】
ゲーム中最強クラスの大規模ギルド。1位、2位、5位が所属している。
詳細は個別記事参照。
【炎帝ノ国】
上記2ギルドに入っていないトッププレイヤーが所属する上位の大規模ギルド。4位、7位、8位、10位が所属している。詳細は個別記事参照。
【thunder storm】
上位ギルドの一つ。10巻から登場するが、アニメ版では第3回イベントですでに登場している。
【ラピッドファイア】
上位ギルドの一つ。10巻から登場するが、アニメ版では第3回イベントですでに登場している。
その他
運営の管理人（CV：玄田哲章 / 久野美咲 / 坂本千夏 / 高戸靖広 / 竹内順子 / 小清水亜美）
NewWorld Onlineの管理人達。左のCVから管理人A～E。アニメ版では管理人もゲームの世界に入った状態でかわいいぬいぐるみのアバターで登場。漫画版ではリアルでスーツ服を着て頭にお化けのような布をかぶっている。メイプルの行動に頭を抱えている。
各話本編外の『ダイジェスト』では本編でないのをいいことに中の人ネタのオンパレードである。定時でタイムカードを押してサービス残業というブラックジョークもある。
その為、時間加速技術を利用してメンテナンスやサービス残業をしている可能性も。
掲示板スレの住人
メイプルを暖かく見守る集団。上記クロムの他、大剣使い、弓使い、槍使い、魔法使いがいる。所属ギルドはバラバラだが、クロムとフレンド登録している。
大剣使い、弓使いは主要人物と同じ土俵で、槍使い、魔法使いはその次のランクで戦える程度に強い。
ドラぞう（CV：丹下桜）
アニメオリジナルキャラクターであるゲーム『NewWorld Online』のマスコット。
観客たち
主に第1回イベントや第4回イベントなどの状況を解説する役割。
「見ているだけで十分楽しめるな。」は視聴者を代弁した台詞でもある。
アニメ1期で登場した大規模ギルド
第3回と第4回イベントに登場した大規模ギルド。第1回大会トップランカー10位以内が所属していないとはいえ、戦闘と探索のバランスがとれた大規模ギルドもあれば、戦闘は苦手であるものの探索や狩りに適した大規模ギルドも存在する。
全てアニメオリジナルのギルドである。
第3回イベント：牛を倒したり、牛からドロップするカウベルを集める。
アニメ1期8話終了結果参考（ポイント数 / カウベル数）
「おさんぽ隊」3位(987351／91369)、「†虹ノ翼†」4位(967485／90987)、「竹取テラ―ズ」5位(901573／110202)、「CLEAR CRIME」6位(876247／88845)、「ラピッドファイア」7位(861125／75214)、「らいんうぉーず！」8位(816244／65657)、「薔薇連星軍」9位(780787／55965)、「thunder storm」10位(708511／50667)。
第4回イベント：他ギルドのオーブを集めて3時間守る。開催期間は時間加速した5日間。
アニメ1期11話・12話時点得点結果（※1回目はサリー、2回目は観客席、3回目は集う聖剣との戦闘後を参考）
「魔術師の隠れ家」3位631p→9位671p→10位、「†虹ノ翼†」4位622p→3位759p→2位918p、「ラピッドファイア」5位607p→5位715p→4位871p、「シャンバラ」6位594p→4位741p→7位、「thunder storm」7位585p→7位681p→9位、「掲示板の民」8位577p→10位666p→10位以下、「薔薇連星軍」9位569p→10位以下→10位以下、レボリューション部10位以下→6位702p→10位以下、「聡明」10位以下→10位以下→3位897p。「爪の傷」10位以下→10位以下→8位。
クリスマスローズ
CV：井之上潤
第1回イベントでメイプルに挑み悪食の最初の餌食になったアニメオリジナルキャラ。
第4回イベントでは洞窟の中に逃げ込んだので小規模ギルド所属であり、仲間達と共にオーブを取り返しに行ったが、楓の木8人に返り討ちにされた。5デスで観客席に飛んだ後は小規模ギルドでありながら大規模ギルドに混ざって10位以内にランクインした楓の木を応援した。
薔薇連星軍
アニメオリジナルキャラ。第1回イベントでは薔薇連星軍の一員の灼熱の三兄弟がクリスマスローズの次にメイプルに挑み、麻痺と盾のコンボで敗れた。第4回イベントでも大規模ギルドとして登場し、サリーにオーブを盗まれた忍者系大規模ギルドがサリーに誘導され薔薇連星軍に戦いを挑んだ。ちなみに「あのローブ女は何処だ」の忍者系ギルドの質問に対し「俺らのギルドに女はいねーよ！」」との事なので男性限定ギルドのようだ。
防御特化とVRMMO『NewWorld Online』。
本作のゲームの舞台。初回起動時に「プレイヤーネーム」と「装備武器」を選択し、100ポイントのステータスを割り振ってゲームスタート。HPとMPは1ポイントにつき20上昇する。メイプルがVIT以外がゼロであることから、初期値は装備武器に関わらずゼロであると思われる。
このVRMMOでは外見と身長を変える事はできない(髪の色などは変更可)。
ステータスや武器毎に習得できる「スキル」が決められており、どんなスキルを習得するかが本ゲームの育成のカギとなっている。そのスキルの強弱は様々で一つ習得するだけで途端に強くなるスキルをクエスト報酬に設定されていることがよくある。
視覚や触覚はもちろん味覚やモンスターの体内まで再現し、宿屋やカフェまで設ける程の凄まじい作り込みと不具合対応やアップデートの速さが特徴。
ただし、感覚はあくまで疑似的に再現しているだけであり、ゲーム内で食べ物を食べても実際に食べているわけではないので、味は感じても満腹にもならなければ栄養も取れない。メイプルが巨体である毒竜などの魔物を食べることができたのもこのため。また、やろうと思えば現実ではカロリーを気にしてなかなか食べられないスイーツを大量に食べまくることもできる（書籍版1巻書き下ろし及び漫画版2巻おまけ漫画参照）。
ゲームとしての難易度は高いようで、一部の高難易度ボスは「死に覚えゲー」と言われるほど鬼畜であり、それを考慮してかデスペナルティは緩め。そんな設計でありながら一度も死亡していないメイプルとサリーははっきり言って異常である。
イベントとメンテナンス
ゲームの看板プレイヤーになったメイプルの直接弱体化を諦め見守る方針になった。（書籍版だと第三回イベントで諦め、アニメ1期では第四回イベントで諦めた。）
第一回イベント以降はメイプル歩く要塞ぶりにより危機感をもった運営が悪食を中心としたスキル弱体化などの調整を行った。ギルドホームなどのシステムも追加した。
第四回イベント以降はメイプルの単独攻略を封じた上で他プレイヤーの攻略に大きく影響しないようボスや魔物の強さを調整した。
第七回イベント以降はプレイヤー毎にランク分けをし、それぞれのランクに応じて難易度調整を行う方向に舵を切っている。
主なモンスター
当然運営の中にはモンスター開発に関わるプログラマーも存在しているが、中には【運営の悪意】で作られたモンスターが存在する。
1層ダンジョン【毒竜の迷宮】の最深部にいる三つ首の竜。
行動は単純だが装備破壊に加えVIT544のメイプルにダメージを通す威力の毒のブレスを扱う。当然普通の新人プレイヤーが挑めば極振りしようが開幕のブレスで即死。…のはずだが、メイプルに食べられた。
銀翼
第二回イベントで登場した氷を操る巨鳥。7日間しか戦う機会がない。
最初の不意打ちで大盾トッププレイヤーのクロムを瞬殺する理不尽なステータスを持つ。
【運営の悪意】で作られたモンスターの一角で、狡い攻略法も存在しない難敵。
隠しボス並の攻撃力を持ちメイプルを大苦戦させた最初の敵。後述のシロップ・朧が討伐報酬のひとつに設定されている。
海皇
第二回イベントで登場した巨大なイカ。7日間しか戦う機会がない。
【運営の悪意】で作られたモンスターの一角で、無策で挑むと海中で戦わなければならず、取り巻きも大勢召喚する地の利を活かした難敵。ギミックを解けば有利な場で戦えるが、隠しアイテムと隠しモンスターは手に入らない。不利な水中で挑んで倒した時は隠し要素で鳥と狼のモンスターを獲得できた。
ステータス自体は銀翼より低いが、メイプル以外が攻撃を食らえば瞬殺であることに変わりない。アニメ版では尺の都合で行動パターンが変わる前に毒竜の連発で倒された。
シロップは亀のモンスター。命名はメイプル。第2回イベント後はスキルの組み合わせにより【AGI】の低いメイプルの効率的な移動手段にも用いられる。
朧は狐のモンスター。命名はサリー。
超難度クエスト【博愛の騎士】クリア後に漸く戦える二層の隠しボス。
たまたまやってきたメイプルを喰らうが逆に体内から喰われてしまった。
超運と猛烈なフラグ消化の果てに辿り着ける三層の隠しボス。
アニメ版では海皇と同様尺の都合で戦闘が短くなっている。詳細はリンク先にて。
白鬼
上記二体程挑むまでの過程は鬼畜ではない四層の隠しボスにして主。
ソロで挑む必要があり、武器により行動パターンが変わるもペインすらスルーするほどの鬼畜な強さを誇る。あまりに強すぎる為、弱体化のギミックがあるのではと言われるほど。
実際にメイプルが負けを覚悟した初の戦闘になった。再戦すると白鬼から手に入れたスキルのレベルを上げられるが、メイプルは戦意を失い再戦を諦めた。
光の王
絶え間なく稲妻が落ちる雲の大地をくぐり抜けた先にある王座に座っている五層の隠しボス。
邪悪なスキルを封じる聖なるフィールドによってメイプルの攻撃系スキルの大半を発動不能にし、さらにはHPが半分になった後はHPの常時回復能力も持ちあわせている。
その高い封印能力と防御・回復能力によって、有効打を与えられなかったメイプルを2度に渡って撤退させ、ソロでの討伐を諦めさせたという素晴らしい実績を作り出すことに成功した。
ただし阻止できたのはあくまでもメイプルソロによる討伐だけであり、最終的にはメイプルが連れてきたマイ&ユイの8連撃によってあっけなく沈んだのであった。
二人の少女
大量の罠が設置され、しかも探索途中で装備中武具没収イベントが存在する大きな屋敷にいる双子の幽霊で六層の隠しボス。
実は彼女達にはHPが存在せず、いくら攻撃しても全く効果がない。そしてクリアするためには鬼ごっこのように彼女達に触れる必要がある。そのため本来ならAGIが0のメイプルにとっては極端に相性が悪い相手だったのだが、ボス部屋の直前に設置されたランダムトラップにスライムが居たのが（運営にとっての）運の尽き。
【念力】で無理矢理スライムを操ったメイプルとの戦闘（鬼ごっこ）によって、双子が「スライムのなかにいる」状態となり、その結果双子の動きが完全に停止するというバグが発生。そして停止中の双子にメイプルが触れたことでクリアされてしまい、数日後に運営はバク修正に追われる羽目になってしまったのだった。
隠し要素
自由度が極めて高い上にPvP要素もあるため攻略情報があまり広まらないのが特徴。
運営はどうもシステムに遊びを入れたがるようで【俺達の悪ふざけ】を設定している。
メイプルは悪ふざけで作られたスキルを多く所持する筆頭だが、カスミを除く【楓の木】の面々や第一回大会上位入賞者の大半が運営開発が隠した悪ふざけ装備・スキルを獲得し、その結果運営を悩ませたが、完全に自業自得である。
HPドレイン
HPドレインを使うスキルは劇中で登場していないが、魔物を食べる事によりHPドレイン攻撃が可能。HPドレインで倒したモンスターのスキルをプレイヤーが使う事も可能。その方法がRPGの定石に従うとまずたどり着かない特異さの為全く広まっていない。
なお食べられるモンスターには色々な味が付いている。
ユニークシリーズ
ダンジョンを「最初」に「単身」かつ「初見」で踏破した者に贈られる装備。楓の木ではメイプル、サリー、クロム、イズが獲得している。
それぞれVITの暴力に任せて捕食、人外PS、シロップとの連携、ゲーム中最強クラスの装備を以て踏破されており、一般プレイヤーでは到底成し得ない難易度である。
高いステータス補正と破壊不能(メイプルのみ破壊成長)の他、固有の強力なスキル(メイプルのみMPを一定回数踏み倒せるスキルスロット)を備えている。
描写がないだけで楓の木以外のプレイヤーも所持している可能性がある。
実際、原作15巻にてthunder ｓtormの二人が複数所持していることが示唆されている。
また、原作14巻でシンとミザリーがその存在に言及してる場面が存在しているため、少なくとも存在は知られている模様。
防御特化とアニメ情報。
2018年12月に『アニメ化企画進行中』であることが発表され、2020年1月から3月までAT-X、TOKYOMX、朝日放送、テレビ愛知、BS11で放送された。
アニメーション制作はSILVERLINK.。
最終話終了後、続編制作が発表された（最終話ラストでは、タイトルロゴの盾が1枚から2枚に変化している）。その後2021年1月9日には続編の放送時期の第一報が出されている。
当初は2022年内に放送が予定されていたが、延期となって翌年2023年1月から上記の放送局で放送された。
防御特化とアニメ1期主題歌。
OP曲『究極アンバランス！』
作詞・作曲：志倉千代丸 / 編曲：悠木真一 / 歌：純情のアフィリア
第2期の第1話でもOPとして使用。
ED曲『Play the world』
作詞：hotaru / 作曲・編曲：齋藤大 / 歌：佐々木李子
挿入歌『Good Night』
作詞：徐賢眞・雨野どんぐり / 作曲：徐賢眞 / 編曲：水島康貴 / 歌：佐々木李子
防御特化とアニメ2期主題歌。
OP曲『この盾に、隠れます。』
歌：純情のアフィリア
第1話ではEDとして使用。
ED曲『Step for Joy』
歌：FRAM
挿入歌『As You Wish』
歌：FRAM
挿入歌『Scutum』
歌：FRAM
防御特化とアニラジ。
メイプルとサリーの防御特化とインターネットラジオ
メイプル役の本渡楓とサリー役の野口瑠璃子の二人ラジオ。放送局は音泉。
防御特化と関連動画。
カドカワBOOK TVCM
第1期ティザーPV
第2期PV第1弾
第2期PV第2弾
防御特化と関連タグ。
個別
VRMMO 癒し系 ご都合主義 優しい世界 PS（プレイヤースキルの略称）
KADOKAWAサクラナイツ：Mリーグの参戦チームの一つ。アニメ一期のプロデューサーの一人、森井巧が監督を務める。初めてMリーグでスポンサーを付けたのがサクラナイツで、本作をスポンサーに付けたととある麻雀トーク番組にゲスト出演した森井本人が発言。
が、付けて初の試合でCMにも使われた西の放銃が出た。
ちなみに、この放銃が出そうになっていた時チーム控室では森井とチームメンバー岡田紗佳が祈るように打たなくていいと言い。岡田にいたっては「防御力」「防御力極振り」と連呼していた。
CARAVANSTORIES2024年2月20日にコラボイベント開催。メイプル、サリー、ミィの3名がヒーローとして実装された。
略称・表記ゆれ
痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います（表記ゆれ。末尾の。がない）
防御特化と外部リンク。
痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。 - 小説家になろう
痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。 - カドカワBOOKS
痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。 - ComicWalker
『メイプルとサリーの防御特化とインターネットラジオ』 - 音泉
スマートフォンゲーム『防振り～らいんうぉーず！～』公式サイト（既にサービスを終了しており、シナリオは『シナリオアーカイブ』ページで閲覧可能。）（サービス終了以前のサイトを含むミラーページはこちら）
