「ギルドマスターのメイプルです。防御と毒攻撃には自信があります!宜しくお願いします」
CV:本渡楓
概要
本名は本条楓(ほんじょう かえで)。黒髪のショートカットにアホ毛が踊る女子高生。145cmという低身長をちょっと気にしている。
親友の白峯理沙(サリー)に強く勧められてVRMMO『NewWorld Online』を始める。プレイヤー名は自分の名前を英語読みにしたもの。
ゲームに関しては全くの初心者で、戦闘の要素もある『NWO』では単純に「痛いのは嫌だから」という理由で、防御だけが取り柄の不人気職業「大盾使い」を選び、与えられたステータスポイントを防御性能に極振り。
ゲームを始めた当初は移動速度を考慮しなかったことによる極度の鈍足に悪戦苦闘していたが、攻撃を受けてもダメージの入らない快適さに気を良くして、レベルが上がるごとに防御力を強化し続け、その後も幸運も相まって『NWO』随一の防御力を獲得する。
ゲーム内の第一回イベントでは、高い防御力とレアスキルで二千人以上のプレイヤーを倒し、無傷で第三位となったことで一躍有名人となり、とあるネット掲示板で「メイプルちゃんを生暖かく見守るスレ」というスレッドが上がっており、目撃した目撃者達が度々メイプルの情報交換を行っている。
メイプル(とサリー)本人はクロムが自己申告するまでその掲示板でのことは知らなかったが、今後書き込みを止めるべきか問われても「知られてもやる事は変わらないから」と快諾している(アニメ版では尺の都合でこの場面はカット)。
明るく素直で友好的、打算や野心とは無縁。限定品に欲を出したり、自分の無敵ぶりで悦に入ったり、防御という手段が目的化していたりと俗っぽいところもあるが、何よりも楽しそうなことが好き。怖いものなしの行動力で人脈を築き、やがてギルド【楓の木】を立ち上げることになる。天然でドジな為、本人ですら予想外のことが起きることが多い。
他プレイヤーから付けられた二つ名は【歩く要塞】。他にも色々あるらしい。
なお、下記にもあるように『NWO』内で人気者となっており、学校においても本人が知らないところで密かに人気がある様である。
プレイスタイル
「 非常識 」な発想の持ち主。ゲーム初心者であるが故の、効率や定石を無視した(言い方を変えると、既成概念にまったく囚われない自由かつ柔軟な発想、何よりゲームを心のままに、やりたいように楽しむという姿勢による)遊び方を続け、それが運営の思惑を軽々と踏み越え、さらに斜め上へとすっ飛んだ事態へと繋がってゆく。
以下、非常識なプレイの一例。
- 痛いのが嫌というだけの理由で基本装備を不人気の「大盾」に、ポイントは防御に極振り。
- 雑魚敵ウサギのサンドバッグを1時間続ける(本人は戯れているつもり)
- 通常フィールドで毒虫にたかられつつ3時間以上爆睡(原作では正座した状態)(クロム曰く「自分が同じ事やったら一瞬で溶ける」)
- 攻撃力不足を補うために敵の体を食べる(初めて食べたヒドラは5時間かけた)
- 泳げないのでアニメでは毒竜による根流しで海皇イカを撃破(ただし原作では毒だけで倒せるような相手ではなく、毒のせいでむしろ状況が悪化した)
- 「敵モンスターを浮遊させ拘束する」スキルを「もしかしたら味方モンスターにも使えるかもしれないから」と直感だけで取得し飛行能力を得る
- イベントだろうが「飽きた」という理由でノルマと全く関係ないことをする
- 現実でやったらどう考えても死ぬであろう行為も「痛くない」ことが判れば躊躇なく実行する
- アニメ版では(VRの中+怪獣状態とはいえ)生きた人間をガブリといった。
これらの非常識プレイが功を奏し、レアスキルやレア装備を入手し続け、そして「要塞少女」が誕生した。当然、自業自得とはいえ運営涙目である。
基本戦法は「防いでから殴る」。後述する運営の悪ふざけで作った凶悪なスキルで攻撃面は補えているものの速力が最低なので、自分から攻める事はまず無い。
一時はレアスキルとレア装備のシナジーで「実質完全防御」「被ダメージや敵そのものをMPとして吸収してから大技を撃つ」というレイドボス並の性能になってしまった。
その後、調整が入ったことで弱体化するものの、今度はサリーという参謀が登場した。ダメージ系のペナルティをあまり考慮しなくてもよいことから、チーム戦では極端で豪快なタンク性能を誇る。
レアスキルを取得するたびに姿が変化したり配下を従えたりするため、よく他のプレイヤーを驚かせている。
スキル
防御強化のパッシブスキル群が並ぶ他、モンスターを食べる等して強力なスキルを手に入れることもある。毒竜などの強力な攻撃スキル群は(MP消費をユニーク装備で踏み倒しているため)基本的に回数制限がついており、数日に渡る大会等ではリソースに気を配らなければならないのが欠点。もっともその点は経験やスペックの高い仲間、特にゲーム経験豊かなサリーが補っているのだが。
以下、第一回イベント(原作10話/アニメ2話)までに取得したスキル。以降も持ち前の幸運でぶっとんだスキルをバンバン習得していくのがメイプルクオリティである。
◆ パッシブスキル
【 絶対防御 】:
魔法や武器によるダメージを敵に与えず、攻撃を1時間受け続け、かつダメージを受けない事で取得。スキル所有者のVITを2倍にするが、【STR】【AGI】【INT】のステータスを上げるために必要なポイントが通常の3倍になる。
兎のモンスターと1時間戯れているうちに取得。なお、兎はメイプルに弾き飛ばされているうちにHPがゼロになり倒した。兎さんは、犠牲になったのだ。
※アップデートでモンスターのAIが調整され現在は素早さ0のメイプルと同様の方法での取得は不可能(プレイヤー自身も回り込みする敵に合わせて素早く向きを変えて攻撃を受け続けない限りは習得できなくなり最低でも【AGI】が兎よりないと実質入手不可能となった)。
【 大物喰らい(ジャイアントキリング)】:
モンスターとの戦闘の際、5種類のステータス(HP・MPを除く)のうち「4つ以上が敵の半分以下」のプレイヤーが、「単独」で対象モンスターを討伐する事で取得。以降の戦闘で、ステータスのうち4つ以上が相手よりも低い値の時にHP・MP以外のステータスが2倍になる。
防御力以外0のメイプルは常時発動状態となっている。
※サリーも習得したが、「敵によって(AGIが変動して)自身の挙動が変わる」ことを厭い破棄している。
【 毒竜喰らい(ヒドライーター)】:
毒竜をHPドレイン(捕食を含む)で倒すことで取得。【毒耐性】系統のスキルの上位版。毒や麻痺を無効化する。
【 爆弾喰らい(ボムイーター)】:
爆弾テントウをHPドレイン(捕食を含む)で倒すことで取得。爆発系のダメージを50%カットする。
【機械神】の内包スキル【ブレイク・コア】(自爆)を普通の攻撃手段として使えるのはこのスキルのおかげであるが、それ以外の出番は皆無。
同機械神による自爆移動やイズの爆弾を利用した自爆テロ、ミィの自壊による自爆攻撃など、爆発自体は頻繁に受けている(行っている)のだが、そもそも防御力だけでダメージが0になってしまうためカットも何も無いのである。
そのせいか、メイプルは長い間【ブレイク・コア】のダメージに耐えられるのは自前の防御力のおかげだと勘違いしていた。
【 悪食 】:
致死性の劇物を一定量経口摂取することで取得。あらゆるものを飲み込み糧に変える力で、魔法さえ喰い荒らし自分のMPに変換することが出来る。容量オーバーの魔力は魔力結晶として体内に蓄えられる。大盾・闇夜ノ写にセットされており、結晶は盾の表面に現れる。
※アップデートにより、MPへの変換量が2倍に増えた代わりに10回の回数制限がついた。
【 極悪非道 】:
「デスペナルティを受けてない状態」で倒す事の出来る相手の攻撃をわざと受け続ける時間が一定値を超えると取得。
相手の攻撃をわざと受ける度にVITが1増加する。効果は1日で上限は+25。
第二回大会あたりまでは有効に働いたと思われるがVIT極振りのため現在は誤差の範疇。
【不屈の守護者】:
大盾専用スキル。1日に一度までどんな攻撃もHP1で耐える。
HPが10%以下のときに味方を庇うことで習得できる。銀翼との戦闘で習得した。
【大盾の心得Ⅳ】【体捌き】【攻撃逸らし】:
掲示板にも書かれている大盾の基本的なスキル。被ダメージを軽減する。
【大盾の心得Ⅰ】は1%カット、現在は【大盾の心得Ⅳ】で4%カット。
【体裁き】と【攻撃逸らし】はそれぞれ1%カット。
◆ アクティブスキル
【 瞑想 】:
あらゆる苦痛にも集中を切らさず三時間瞑想する(※ 爆睡でも可)で取得。使用すると、10秒でHPを最大値の1%ずつ回復する。効果持続時間は10分。消費MPなし。ただし【瞑想】時にはあらゆる攻撃行動を取れなくなる。
【 挑発 】:
一度に10体以上のモンスターの注意を奪うことで取得。効果範囲内にいるモンスターの注意を自分に引きつける。
【 シールドアタック 】:
盾を使った攻撃でモンスターに15回止めを刺すことで取得。【STR】の数値に依存した威力の盾攻撃で、ノックバック効果小。
【 毒竜(ヒドラ)】:
スキル【毒無効】を取得している状態で、毒竜をHPドレインによって倒す事で取得。毒竜の力を意のままに扱うことが可能になり、MPを消費して毒魔法を行使出来る。
短刀・新月にセットされている。
装備
クロムのようなかっこいい装備に憧れてダンジョンへ突入、毒竜(ヒドラ)を捕食という名の地道なHPドレインで撃破して手に入れた、黒色に赤いアクセントの入った、VIT強化付きの禍々しいユニークシリーズ。いずれも【破壊成長】が付与されており、壊れる度に瞬時に強化・修復される。装備ごとにスキルスロットが設けられており、付与されたスキルは1日に5回まで消費MPなしで使用可能。大盾・闇夜ノ写には【悪食】を、短刀・新月には【毒竜】、遅れて全身鎧・黒薔薇の鎧には【滲み出る混沌】をセットしており、あまりにも反則な性能ゆえに運営が一部スキルの弱体化を余儀なくされたほど。
イズには対になるような白い装備一式を依頼しており、こちらは大盾・白雪をはじめとして聖騎士のような仕上がりになっている。
ユニークシリーズ
VIT値は入手当時のものであり、度重なる破壊により現在はかなり高い数値に成長している。メイプル以外にもユニークシリーズを手にいれる者が度々現れているが、他が「装備固有のスキル持ち」「破壊不能」が基本なのに対しメイプルは「自身のスキルをセット」「破壊成長」が特徴と一線を画している。恐らく第一回イベント後、凶悪スキルとのシナジーを考慮して運営が修正したものと思われる。
『 闇夜ノ写(やみよのうつし)』:
黒地に赤いラインが幾重にも走る大盾。装備者に【VIT +20】の効果。
スキルスロットには【悪食】がセットされ、変換したMPの結晶が表面に現れる。
【悪食】がパッシブスキルのため第七層にて新たにスキルがセットされる。ネタバレのためスキル名・効果は割愛するが【悪食】とのシナジーは抜群。
アニメ版では演出の関係上【悪食】発動時にギザ歯が付いた開口部が開くというギミックが付き、分かり易さと禍々しさが増した。
『 黒薔薇ノ鎧 』
胴・腕・脚が一式の、メイプルお気に入りの鎧。装備者に【VIT +25】の効果。重々しい見た目ながらも肩出し・絶対領域を押さえたデザイン。戦闘描写に振り切ったアニメ版ではショートスパッツ型のインナーが設定されている。
スキルスロットには【滲み出る混沌】がセットされた。
『 新月 』
柄頭に三日月模様のあしらわれた漆黒の短刀。(武器であるにもかかわらず)装備者に【VIT +15】の効果。
スキルスロットには【毒竜】がセットされ、専ら毒竜召喚用の装備として使われる。
装備・装飾品
フォレストクインビーの指輪:
フォレストクインビーを倒すと獲得できるレアアイテム。VIT+6。10分で最大HPの1割回復。
サリーのアドバイスで上から手袋(初心者の服と同じ扱い)をはめていた為、毒竜の攻撃で破壊されずに済んだ。のちに「クエスト博愛の騎士」でNPCに譲渡してなくなる。
タフネスリング:サリーがくれた装飾品。HP30増加。
白雪:イズに作ってもらった白い大盾。VIT+40。悪食節約用。
弱点
一見すると(特にアニメ版の演出では)圧倒的な殲滅力で敵を粉砕する為、無敵に見えるメイプルだが、実は尖りまくった性能をしているだけであり、意外と弱点も多い。代表的な弱点は以下の通り。
- 攻撃力不足を中心とした素のステータスの低さ
極振りゆえに当然だが、VIT以外のステータスは未だに0、かつHP・MPも装備・スキルによる底上げのみであり、この点がクエスト等で問題になることがある。
目立つのはAGIの低さによる動きの遅さだが、実際には移動力はスキルや装備でカバーできることが多く、この面での最大の弱点は、実は非力さだったりする。
確かにメイプルは防御極振りとは思えない凄まじい攻撃力を有しているが、それはあくまでステータスに比してのこと。実際の攻撃力は、トップランカーとしては平凡レベル。問題は他の戦闘職トップランカーが切り札を使わずに出せるレベルの攻撃力を、メイプルは切り札を切って初めて達成するという点にある。
アニメ版における暴虐無双も、絵面の恐ろしさで誇張されているだけで、実際は炎帝ノ国の4人に比べれば殲滅力は大きく劣る。
装備重量は、装備者のどのステータスにも依存しないという仕様と、凶悪スキルで攻撃面を補えることから、雑魚や一般プレイヤー相手には無双できるが、パワーが必要な局面(例えば罠や地形に嵌まって身動きが取れない)では彼女は文字通り無力で、もしSTRを上げられるスキルで解決できない場合、ソロプレイだと詰む。(実際、ギルメンや同行者の助"力"が無ければ詰んでいた場面が多い)。
嵌るタイプの敵とは、毒無効と強力な防御力を兼ね備え(捕食耐性も備え)た相手、つまりメイプルと同タイプの敵こそがメイプルの天敵。
この他AGIが0に加えHPが初期値なために他の大盾と比較しても貫通攻撃に極めて弱いため、メイプル側としては貫通攻撃使いを潰すことが最優先事項となる。
- 燃費の悪さ
メイプルの強さを支えるスキルは、その多くがアプデにより一日あたりの使用回数が定められている。
また、それ以外のスキルもリソースの消費が重いものばかりな上、メイプルのMPはスキルで底上げされてるものの、大元が初期値のままなのでユニークシリーズで踏み倒す必要がある(これも回数制限あり)。そのためスキルを使い切ると、ただ硬いだけの置物となる恐れがある。一戦二戦なら問題ないが、時間加速技術などで一日中戦いが続くような局面ではリソース管理に気を使う必要がある。
尚、これらの弱点はどれも単独行動の際に問題となるものばかりであり、フォローしてくれる仲間がいればそれほど問題とならない(というより「トッププレイヤーですら1層のザコ相手でも囲まれれば普通に死ぬ」ゲームバランスにおいては範囲カバーだけでも有り余るお釣りが来るが)。無双ばかりしているように見える彼女だが、その本領は信頼できるパーティーを組んだ時にこそ発揮されるのだ。
実際、対策できていれば勝てない相手ではない為、炎帝ノ国のミィはノックバック攻撃で【身捧ぐ慈愛】を攻略し、集う聖剣のペインはメイプルをあと一歩まで追い詰める事ができた。というより、【暴虐】がなかったら、あるいは事前に使っていて使用不可能だったら確実にペインに負けていたと思われる。
…そして、もう一つ極めて大きな弱点となるのが…
- 痛覚への弱さ
キャラクターというよりもそのプレイヤーである楓の弱点なのだが、伊達に「痛いのは嫌なので防御力に極振り」したわけではなく、痛みへの耐性が人並外れて弱い。
「小学六年生の時に予防接種を受けて大泣き(サリー談)」「数える程しか味わったことのない感覚にメイプルの思考が一瞬停止する(ペインにHPを大幅に削られた際)」「PCは受けきれても、PLは耐えられない(持続的に貫通攻撃を受けた際)」と度々痛みへの弱さが描写されており、キャラクターとして倒せない場合でもプレイヤーとして心を折れる可能性は十分に存在している。
そもそもメイプルには貫通攻撃をぶつけるということは『NWO』において半ば常識となっており、キャラクターへの対策がそのままプレイヤーにも刺さってしまうという点で致命的な弱点と言える。
この弱点により、スペック的に気兼ねなく使えるはずのメイプルの最強の攻撃【ブレイク・コア】もここぞという時しか使わないのである。
何故メイプルは抜きん出て強くなったのか
作者の宣言しているご都合主義と言えばそれまでだが、怪物になれた背景は原作から解説されている。
『NewWorld Online』におけるVITは物理・魔法・スリップダメージ等非常に広い範囲でダメージを軽減できるパラメーターである。しかし、その分パラメーター当たりの軽減量はかなり微弱であり、極振りして漸く最初の敵のウサギの攻撃を無効化できる程度である。
そして極振りは移動速度とビルドを犠牲にするため好まれず、更に【運営の悪ふざけ】で作られたスキル【絶対防御】を獲得した為ベテランであるクロムを軽く置き去りにするVITを獲得。
これに【大物喰らい】も加わり運営の目を掻い潜って、雑魚敵の攻撃を全てシャットアウトするに至った。
また、メイプルが所持するスキルも異常なVITとユニーク装備があってこその性能を持つため他のプレイヤーが持ってもまともに使いこなせない。以下、メイプルのそれぞれの形態を普通のプレイヤーが使おうとした場合、以下の課題がのしかかる。
スキル取得前と取得後の問題
まず取得元である毒竜が最強クラスの毒と麻痺と装備破壊を使いこなすため生半可な準備では倒せない。そして【毒無効】を取れるだけのHPやVITを確保するのは困難(耐性は装備等で補えるがその状態では取得条件を満たせない可能性あり)。メイプルも【毒無効】の習得には大量に買い込んでいたポーションをすべて使いきる位、ギリギリの勝負だった。
習得後も莫大な消費MPがプレイヤーを悩ませる。
この形態になれるようになるイベントをクリアするだけでも鬼畜(メイプルは抜け道でクリア)なのに習得した所でドラクエの「におうだち」をはぐれメタルが使うかスライムナイトが使うか位の差がある。
習得に大天使形態…もとい【身捧ぐ慈愛】が必要。
更に大悪魔に食われると普通は即死する為、食われずに上手く立ち回る必要がある。
習得した場合、【捕食者】と【滲み出る混沌】は誰でも使いこなせるが、【暴虐】は着ぐるみ並に操作が難しい上に図体が非常に大きい為大きな的になり、生半可なVITだと集中攻撃されてすぐ大破してしまう。
前提となるクエストに達するまでの難易度もさることながら、武装の材料となる装備を大量に用意しないとまともに使いこなせない。しかも武装の性能は、元の装備の質に依存する為、威力にもこだわるとなると莫大なコストが掛かる(メイプルはユニークシリーズの破壊成長によりコストの問題をクリア)。
また追加武装付き機動歩兵並の機動力はメイプル自身の防御力を変換しているようなものであり、普通に使うと鈍足砲台にしかならない可能性もある(ちなみに原作書籍では炎帝ノ国のミィが機械神メイプルの自爆飛行を参考にして仲間と共に逃げるシーンがあり、自爆飛行を多用するようになる影響でHPが高くなっている)。
モンスターを食べる行為
ゲームでは珍しくはなくCRPGならスクエニのサガシリーズやFF8で実装済。ただし、前者は仕様ではあるものの作品によってはモンスターのみのスキルだったり、ゲーム進行に問題はないが人外化する事がある。後者もあるアイテムで習得するスキルであり、基本スキルではない。また、モンスターを食材とする作品はあれど、(人外キャラだったり、そういう食文化だったり、やむを得ない事情があったりするならともかく)調理せずに生きたまま食べるのは異常と見られるケースが多い。
更に、現実においても踊り食いや見た目が良くないものを珍味として食べる文化はあるが、これも一般的ではなく、メイプル自身は(おそらく)一般的な家庭のごく普通の女子学生であるため、そういうのとは無縁と思われる。
そもそもモンスターを食べる行為は、ボスに対して有効な攻撃手段がないメイプルがやぶれかぶれに齧りついて偶然判明した事であり(しかも、これで通じなかったらリタイアも考えていた)、偶然の結果ゆえに対応できなかったとはいえ、判明後も修正しない運営にも問題がある(青魔道士プレイ自体は歓迎していると思われる)。
なお【悪食】も結果的に凶悪なスキルとして暴れてしまったものの、本来の発動条件は当然噛みつくことであり盾で触れることではない。相手の間合いの内側に潜りこみ弱点である頭を差し出してこそ発動できるという、(メイプルのような防御力が無いならば)相応にハイリスクなスキルだったことが容易に想像でき、事実後述する初期案での【悪食】は「かじっていき」と説明されている。
メイプルが一切の躊躇なく盾に付与してしまったことが諸悪の根源であり、真に凶悪なのは【悪食】そのものよりも装備のスキルスロットの方と言える。
何故メイプルの真似をしないのか?
一部読者・視聴者から「メイプルの真似をすれば強くなれるのに、何で誰もしないの?」という意見がある。しかし、書籍3巻で彼女を真似た多くのプレイヤーが涙を呑んでリタイヤし、極振りは使えないと再認識された(アニメ版では尺の都合でカット)。
極振り姉妹が【楓の木】に勧誘されたのも、原作書籍ではその話を聞いたメイプルが後発の極振りプレイヤーに対し一種の罪悪感を感じた事に起因している(アニメでは新人の双子を喫茶店に誘って相手の緊張を解くなど勧誘方法が変わっている)。
一般プレイヤーがメイプルスタイルで定石通りにプレイするとビルド幅が異常に狭い、街中さえリアル以下の速度でしか歩けない、事実上通常攻撃不可、一部敵及びギミックで詰む…という具合に途端にストレスフルになること請け合いである。メイプル本人はこの問題を初心者で情報収集をしないということからそういうものと流している。
盾で1時間突進するだけの兎と戯れ、寝たまま3時間モンスターの攻撃をノーダメージでひたすら受けるという、彼女しかやらなかったチュートリアルも、現在はモンスターのAIが改良され、後続が真似する事は不可能になっている。
特にヒドラ戦では5時間もかけて食べ続けて漸く勝てた程。メイプル曰くヒドラの肉は彼女が嫌いなピーマンに似た苦味があるそうで、ゲームなのでいくら食べても満腹しないし太らないとしても、加えて毒息のスパイスで軽減されたとしても、ピーマン並みの苦味を持つ腐肉を5時間も休まず食べ続ける事になる。
メイプルは素人ゆえ、良い意味で頭カラッポにして楽しめたが、廃人ならともかく、普通のプレイヤーなら飽きるか途方の無さに諦めても無理はない。正攻法で攻略する方が手間もかからず、ゲームを楽しめるのである。
劇中でサリーも言っているが、メイプルのプレイスタイルは彼女自身のものであり、下手に真似するよりかは自分に合ったプレイスタイルでゲームを楽しむのが一番である。
オンラインゲーム上の注意
メイプルの多用する麻痺+毒(行動不能+スリップダメージ)は俗に害悪と呼ばれ、ジャンル問わずPvPにおいて嫌われる事が多い戦術である。
現実で真似する際はくれぐれも自己責任で。回線切断されても文句言わないように。
RPGだと条件は厳しいがコンボ次第で可能になる人物もいた(後にピンポイント対策済)。
なお、『NWO』における毒、特にメイプルも行使する【毒竜】の毒はもはやスリップダメージの域を超えており、対策無しで受ければ事実上の即死である。現実における「害悪」が害悪たる最大の所以はその所要時間であり、メイプルのプレイスタイルが当てはまるかは微妙なところ。むしろクロムが得意とする「ひたすら回復しながらちまちまと削ってくる」というスタイルの方がそれに近いと言える。
結論
この様に彼女一人がここまで凶悪な性能になったのは、
- 『NWO』が始まったばかりのゲームであり、運営含む他の誰もが気づかないシステム上の抜け穴や、本来一個人が立て続けに取れるはずのない隠しレア要素が多々あった。
- それらを毎回意図せずに突いてしまう、素人故な一切の先入観なき発想と豪運がとにかく優れている。
という側面が大きい。
運営も当初は何とか彼女を弱体化しようと試みたが、上記発想力と豪運にどうしてもついていく事が出来ず、現在は半ば諦め、ランク制のイベントにより上級者プレイヤーを隔離する程度で放置している。
一方、メイプルが有名になりすぎて『NewWorld Online』の看板的存在となり、彼女の活躍がゲームの宣伝にも繋がり、他プレイヤーの課金も増えている模様。
再現性のないスキル構成と行動からヒントを得ることも多いようで、捕食の仕様を見直したり、レイドバトルに道中を設けたり、デフォルトで空を飛べるテイムモンスターを無理なく実装できるようなステージ設計をしたりしており、「お金を払ってくれるテストプレイヤー」としての側面も、結果的にだが有する事になっている。
余談
楓と声優
CV担当が一字違いの本渡氏になったのは全くの偶然だった事を、本渡氏がMCを務める『本渡楓と天津向の「本渡上陸作戦」』にて語った。
初期案
初期案では「ゲーム内なら食べても太らないから」という理由でゲームを開始する手筈だった(実際喫茶店で色々な味を楽しんで食べている)。
AGI速度極振りで、悪食ですれ違うプレイヤーやモンスターをかじっていき【食人鬼】と呼ばれるようになる予定だったらしい。
このままタイトルにするなら「太るのは嫌なのでゲーム内でいっぱい食べようと思います。」だろうか。時折モンスターを食べてはスキルを習得したり、化物になって食い散らかしたりするのはその名残だろう。
ソース→web85話防御特化と生産役(第四回イベント前の話)の後書き
外部出演
白猫プロジェクト
三大キャラコラボ第二弾として【無属性のランサー(槍)】として登場。
ストーリーイベントではホーク&イーグルの兄弟魔王(プレイアブルキャラクターではオスクロル・ラス・カサスとカルロス・エルグランドの知り合い)が作った<極めのダンジョン>にメイプルのままで転移され、マップ機能やログアウト出来ないことを気にしながらも、白猫のマスコットモンスターである星たぬきを追いかけているうちに、<極めのダンジョン>の最奥地まで無自覚のままで突破し、光に包まれて消えていった。担当声優の本渡楓氏は同作にてプレイアブルキャラクターであるリンデ・オルト役も担当しているが、NPCであるイーグルとホーク以外誰にも認識されずに消えてしまった(元の世界(というよりゲーム)に戻ったと思われる)。
ちなみに、ストーリーにて同様の扱いを受けたコラボキャラクターとして鬼滅の刃の煉獄杏寿郎がいるが、これは冷遇されているわけではなく、どうしようもない事情があった。
関連イラスト
関連タグ
楓の木 サリー(防振り) メイサリ クロム(防振り) イズ(防振り) カスミ(防振り) カナデ(防振り) マイ&ユイ
関連タグ(他作品)
盾使い
- 土居球子、湊小春、リーテン:盾+中の人つながり。
- キャプテン・アメリカ:盾+主人公の超ウルトラスーパー大先輩。
魔物の肉を食べて強化
小説家になろうアニメ(の主人公)
下記の一例は多くがステータス異常攻撃持ちという共通点もある。
但し、その多くは異世界で生き延びるためのガチ捕食という違いがある。
ゲームであり遊びでもあるメイプルはなにげに珍しい方。
ステータス異常攻撃
- ドヒドイデ:恐るべき耐久と再生力を持ち、無力さを痛感させて毒で削り殺す。
- マゼラン(ONEPIECE):体を毒に変化させて戦うキャラ。体質そのものも毒で物理攻撃の類は殆ど効かない。また「毒竜(ヒドラ)」というメイプルのものと同じ名前かつ演出も類似した必殺技を使う。
特徴の類似性
- アーダン(ファイアーエムブレム聖戦の系譜):防御力極振りで歩きが遅い点で公式からもネタにされるキャラ。
- シャーロット・クラッカー :痛いのが嫌なので、防御重視の戦法を取った。
- 小日向美穂:カップやきそば現象
- ユーリ(ブレイドスキル・オンライン):こちらは幸運に極振りであるが発想力と言う意味でもメイプルに負けず劣らずのトラブルメイカーなラスボス魔王女王(リアルの性別は男)
(お前主人公なのに)…本当に食べてしまったのか?
- キリト:メイプル同様怪獣に変身して踊り食いしたWeb小説出身+ブラック主人公。VRMMOだからセーフ。
- ペコリーヌ:魔物はちゃんと楽にしてから頂くが、知人はガブリと行くまではやっている。自分を殺したらちゃんと食べてと言う剛の者(ギャグ半分+やはりVRMMOだからセーフ)。
- falloutシリーズ主人公:ガチ勢。ただしこの世界の住人の多くは上記のなろう主人公同様に生き延びるための捕食の面がある。対象がアレすぎるだけで。世紀末故致し方なし。クリーチャーの肉も生でバクバク食う。
- ドヴァキン:ガチ勢。ただしFO主人公と異なり生息地域であるタムリエル大陸はスカイリム地方は地域を政治的に真っ二つに割って戦争ができる程度に秩序は残っている。やはり踊り食いはしない。
- FF8主役御一行様:「たべる」コマンド。上記の通り。
その他
- 世界が君を必要とする時が来たんだ(トミカ絆合体アースグランナー):「痛いのは無理、面倒くさいのはヤダ」という歌詞が出てくる。
- ドラゴンクエストX:国民的RPGシリーズのMMORPG。バージョン5.5前期では何と魔法使いの短剣スキルで毒のスキル(正確には魔法)が覚えるようになった。
- 家の猫がポーションとってきた。:オンラインゲームではないリアルサバイバル型のダンジョン探索系ローファンタジー作品で『ダンジョン内では死なない(死ぬほどのダメージを負ったらある地点に戻される)が、とても痛く手足の欠損の危険がある。』という防振りとは真逆の特徴があり、主人公達も傷みに強い鋼メンタルの持ち主揃いである。