概要
時間と共に徐々にHPが減少していく(ダメージを受け続ける)状態のことである。
「スリップ」には、景気や性質などが「下降する」「悪化する」という意味も持つため、この名前が採用されたと思われる。
日本国外のゲームでは「Damage on(over) times」、略して「DOT」と呼ばれている。
ダメージとは逆に、ターン経過で回復して行くグッドステータスも定番となっており、「自動回復」「自動再生」などと呼ばれる。
ゲームによって、更には同一のゲームの中でも
- ダメージ総量(上限)は決まっていて、徐々に受ける
- 上記とは逆に単位時間あたりのダメージは決まっているが、上限はない
- HPが1残るなど、トドメは刺せない
- HPが0を下回れば容赦なく死亡
などなど作品によって様々で、ゲームバランスを左右することもある。
場合によってはHP以外のパラメータが対象になったり、状態異常ではなく地形経由などの外部要因で継続ダメージが入ることもある。
基本的には罹ってから治療するまでどれだけの猶予があるかが肝になる。
ただし、稀に治療の暇がないほどの大ダメージを受ける事例、ひどいものになると最大HPを遥かに超える継続ダメージを一発で受ける事例もあり、そうしたものに対しては異常そのものへの回避手段を模索させられる。
また、防御力などでダメージを軽減できないケースが多いため、途方に暮れるほど頑丈な敵が実はスリップダメージを与えたらあっさり倒れたという攻略法も中には存在する。
麻痺(スタン)とのシナジー
単体では問題ない場合でも行動不能(≠戦闘不能)との組み合わせは何も出来ずにじわじわと嬲り殺しにされるという点から非常に凶悪(仕掛ける側からすれば効果的)で日本では害悪ともよばれる。
詳細は該当項目で確認してほしいがPvPとPvEで扱いが大きく変わる戦術となる。
とりわけゲームをテーマとした創作ではヒーローの戦い方じゃない扱いを受けることも(そしてそれを逆手に取ってあえてヒーロー側に使わせることも)。
日本における由来
日本におけるこの用語が有名になったのはファイナルファンタジーシリーズの影響があるとみられる。FF5にて登場したその名も「スリップ」というこの特殊な状態異常は、前作FF4で初登場して本作で命名されたもの。
特に、一定周期ごとにまとまったダメージが入るのではなく0.1秒単位などで小刻みにHPが減っていくFF4・FF5・FF12ではかなり油断できない。しかも作品によっては通常の状態異常回復では治らない。
同じシリーズではFF6などで毒と同様に一定周期ごとのまとまったダメージになったことなどから、RPG全般における継続ダメージ全体を指して、スリップダメージと呼ばれるようになった。
代表例
作品ごとに上げればキリはないが、「徐々に蝕まれる」観点から概ね5つに分けられる。
同一のゲーム内に存在する場合は治療法が異なったり、同時重ねがけできることもある。
が、やはりこれも作品ごとにピンキリである。
一例
太刀の妖刀羅刹
双剣の真鬼人解放
アーマード・コアにおける熱暴走(AC4以前の作品、AC4以降は高濃度コジマ粒子領域下で同じ状況になる。ACVDでは水没時やN-WGⅨ/V第2段階時に同じ状況になる)
ソーン(グラブル):弱体化デバフをばらまくアビリティを持つが、スリップダメージに麻痺を追加できるトンデモ戦法が可能。グラブルの麻痺は他ゲームとは異なり、麻痺を決めただけで場合によっては敵が一定時間サンドバッグ化する位の弱体化デバフである。