ACVD
あーまーどこあゔぁーでぃくとでい
ACVの後(数百年後)の世界情勢を描いた作品。「ヴァーディクトデイ」とは、「評決の日」を意味する。
ラーン・ニールセン、過去のシリーズのマップを模したステージ、BGM、フォーミュラ・ブレイン、ファンタズマ・ビーイングなど、前作のCOMボイスに続いて所々に過去のACシリーズのオマージュが含まれているのも特徴である。
前作同様オンライン対戦を主軸に置くが、今回は「チームバトル」の構想を推し進め、複数のチームで構成される「勢力」のうちの一つに属し、勢力同士の抗争(ヴァーディクト・ウォー)を展開する事になる。(勢力への加入は強制ではないが、ワールドモード時の修理費を肩代わりしてくれる補償金が下りない等のデメリットもある)
勢力は「シリウス・エグゼクティブ」「ヴェニデ」「EGF」の三つが存在し、シーズン毎にどの勢力へ属するかを選択する事が出来るが、常に希望通りの勢力に所属できるとは限らない。
勢力に所属する事で自チームの駐屯地となる領地が与えられ、対戦時のマッチングもチームランクや人数に応じて行われるようになった為、新規プレイヤーが入り込む余地の無い強豪チームだけの独壇場となるような事態は前作に比べて少なくなっている。(指定した条件に適合した対戦相手が見つからなかった場合は、制限時間内に大型ヘリや機動兵器を殲滅する対NPC戦が割り当てられる場合もある)
因みに傭兵として依頼を受け付ける際には、三勢力のどれにも属さない「R.I.P.」から依頼が来る場合もある。
更に前作では一定の期間が経過する事で状況には関係なくシーズンリセットとなったが、本作では自軍以外の2つの勢力が占有するエリアを全て破壊する、あるいは一定の期間までに決着が付かず、ワールドニュースで告知された時刻に休戦協定が結ばれる事でシーズンリセットとなる。
また、前作と同様に一定の時刻になるとマップ上に特殊兵器が現れるが、特定の勢力に所属して「特別出撃」に必要なポイントを溜めていないと、傭兵として雇われない限りは討伐に参加する事は出来ない。ただし、勢力戦でシーズンリセットが行われるまでの1時間の間は全ての特殊兵器が出現し、勢力への所属やポイントの有無に関係なくこれらと戦う事が可能。
また、これらの特殊兵器との戦いでは所属勢力からの保証金が一切出ない為、弾薬・修理費がかさむと莫大な負債額を抱える事になるので注意が必要である。
この他にも1シーズン中に挙げた戦果によって勲章が授与されるシステムが導入されており、オンラインランキングでの評価やACVD-LINK(2016年1月1日にサービス終了)でのアーカイブの開放にも関わるようになっている。
ACVでは領地戦で乗機が撃破された際、歩兵(おっさん)として戦場に留まる事が出来たが、本作ではその状態でスクリーンショットを撮影する機能が追加されており、撮影した画像をVOW(Voice of War:ゲーム内の報道機関)に投稿してワールドニュースの一面として掲載(抽選制)したり、公式サイト(ACVD-LINK)内に画像をアップロードする事も可能。
今作ではACVで追加されたCOM傭兵の要素を推し進めたUNAC(ユーナック)と呼ばれるAI操作のACを自作し、任務に同伴させる事ができるようになった。
AIの行動を司るチップを変更する事で戦闘スタイルが変化し、ミッションで稼いだ資金を投資したりワールドモードで作成した作戦ファイルを読み込ませる事で、UNACのグレードを上げて使用可能なチップの種類を増やす事が可能。AIのアセンブリが苦手な人の為にサインズがアセンブリを施したレンタルのUNACも用意されている。
ストーリミッションでは1機しか連れて行く事が出来ないが、ワールドモードに出撃する際には4機まで出撃可能。4機出撃によりUNACのみの部隊を編成し、オペレーターとなったプレイヤーの指揮のもとでオペレーションを遂行するRTSとして遊ぶ事も出来る。
なお、初期状態ではカスタマイズできるUNACは1枠しか用意されていない為、4機でフル出撃するにはサインズのUNACを使うしかないのだが、DLC(有料)によりカスタマイズ枠を増やす事でカスタマイズしたUNACのみで出撃する事も出来る。
前作ではオフラインでのゲームモードのボリューム不足が不満点の一つとして挙げられていたが、本作では傭兵として世界各地を転戦し、敵戦力の撃破や味方の護衛などの依頼をこなしていく従来からのストーリー&オーダーミッションの他にも、古典的なアクションゲームさながらに残機制を導入し、パーツや資金の引継ぎ、UNACや傭兵の同行も一切不可能でプレイヤーに様々な不利な条件を課す難易度の高いハードコアモードがプレイ可能となった。
ただし、前作のストーリーミッションにあったウェイポイント(次の目的地までのルートを示したガイド)の表示やガレージポイントは、長期的なミッションがない為か削除されている。
前作と比較して対戦用のマップの数が大幅に増加しており、ワールドモードでは合計56ものマップで戦う事ができるようになった。(ただし、フリー対戦での使用可能マップは一部に限られる)
一部のマップでは、傍迷惑な事に防衛兵器などが作動した状態での戦闘を行う事になる。
常に作動しているとは限らないのだが、周囲にはHATCHミサイルやレーザーが無差別に撒き散らされる為、アセンブリや戦況によっては非常に不利な状況に立たされる場合もある。
この他にも上空からの爆撃に晒されたり、緑色の謎の粒子によりスリップダメージを受ける領域のあるマップ等も存在する。更には機体の水没によるダメージも発生するようになった。
旧作のように水面に触れると同時に河童に引き込まれるように即水没して撃墜扱い、一定以上沈むと領域離脱扱いという事は無いものの、ブースターを切って水没すると継続的にダメージを受け続ける仕様となった。これにより、敵の攻撃を水中で回避するといった手段は使いづらくなっている。
シリーズとしてはLR以来となる手持ち型のシールド(盾)が復活。
各属性に対応した攻撃を遮断し、被弾時の衝撃もある程度緩和する事ができるが、シールドに定められたAPが0になると破壊されてしまう。(使い捨てではなく修理費も一切かからない)ハンガーユニットに格納する事も可能だが、格納状態では盾として機能しない。
また、ACVでは採用が見送られた武器腕も復活しており、銃器を装備可能な通常腕から武器腕へと変形するギミックを有している。
ハンガー格納が不可能で武装の変更の際にはパージの必要があった構え武器は、武器腕の場合は持ったまま武装の変更が可能となっており、戦術の幅が広がっている。
ただし、変形開始から完了までのタイムラグは長く、肩部武装やオーバードウェポンの搭載は不可能。
この他にもACVのアセンブルにおける問題点の一つとして、各パーツ毎に特化した属性防御力によってアセンブルの幅が限定されてしまっていたが、本作ではオーダーミッションに登場する敵傭兵を倒す事で改造済みのフレームを入手し、アセンブルに用いる事で防御力の低さをある程度補う事が出来るようになった。
これによって、ACVと比較して幅広いアセンブルが可能となっている。
シリウス・エグゼクティヴス | 生存可能地域代表者や「MoH」(Men of Honor)をはじめとしたミグラント共同体を母体とし、早期に勢力拡大を成し遂げた勢力。シンボルカラーは青。 |
---|---|
ヴェニデ | 三大勢力の中で特に急進的な勢力。強制的に周辺勢力を統合し、勢力を拡大した独裁勢力。ヴェニデとは、勢力の最高権力者の名である。シンボルカラーは赤。 |
EGF (Ever Green Family) | 汚染地域を流浪する「サンドリヨンの民」によって結成された勢力。三大勢力の中では最も規模が小さいが、高い技術力を誇りタワーを信仰対象とするなど宗教的な意味合いが強い。シンボルカラーは緑。 |
サインズ | 傭兵斡旋組織。「MoH」の傭兵斡旋部門が独立したもの。傭兵の斡旋の他にもUNACのレンタル等も行なっている。 |
ストーカー | 輸送ヘリを用いた運び屋の総称。名前はコウノトリを意味するが、蔑称として使われる事も多い。 |
VoW (Voice of War) | 世界情勢を「ワールドレポート」という形で配信する報道機関。プレイヤーが撮影したスクリーンショットを投稿するのもここである。 |
財団 | 「タワー」解析を行う技術者集団。UNACやAC用の武器腕などは彼らがタワーの技術を解析した事から生産が可能となった。基本的に三大勢力に対して中立の立場を貫き、シンボルマークもそれを意味した物となっているが、どこか戦いを煽るかのようなきらいがある。 |
死神部隊 | 正体不明の謎の部隊。勢力に関係なく、遭遇した部隊を襲撃して被害を出している。活動開始時期とUNACの初期稼働時期が重なっている。 |
今作はACVの続編として作られているが、ゲーム本編ではゾディアック戦後のフラン、ロザリィ、傭兵(プレイヤー)の消息が一切描かれていない。
フランたちのその後についてはACVD-LINK内のアーカイブに記載されており、ストーリーミッションのクリアやワールドモードでの勲章獲得などのゲーム内条件を満たす事でアーカイブが順次開放されていくという仕組みになっている。ただし、2016年1月1日に全てのサービスを終了した為、現在は閲覧不可能。
- ACVD-LINK - http://acvdlink.armoredcore.net/p/acop/acvdlink/
前述の通り、ACVD-LINKは既にサービス終了となっていたが、本作のメインコンテンツであるワールドモードは引き続きプレイ可能となっていた。
本作がトレンドから外れ、プラットフォームもPS4/XboxOneに移行し、風が吹けば桶屋が儲かるとでも言うようなミームが囁かれ、10年越しの新作が種々様々な流行を生み出していく中でもコアなファン層が続けていたが、サーバーの老朽化に伴い2024年3月31日を以てオンラインサービスの終了が告知された。
リリースから開戦されたヴァーティクトウォーは延べ645回。10年を超えて戦い続けた無名の精神は辺境の星へと継承されるだろう…。
コメント
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