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傭兵

ようへい

傭兵とは、金銭などの利益により雇われ戦闘・闘争に参加する兵士、または集団のことである。(英マーセナリー:Mercenary)
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曖昧さ回避編集

  1. 金銭によって契約する兵隊のこと→本記事で解説。
  2. ライトノベル『ゼロから始める魔法の書』に登場する獣人→本記事で解説、詳細は獣の傭兵参照。
  3. ゲーム『ファイアーエムブレム』シリーズに登場する職業の一種→本記事で解説。
  4. ゲーム『IdentityV』(第五人格)に登場するサバイバーの一種→傭兵(IdentityV)

1の概要編集

傭兵とは、金銭によって契約を結び、戦闘を行う兵士兵隊である。


一部の新聞記事では「雇い兵」と称されている。(「傭」という漢字は常用漢字および新聞漢字表に含まれない)


傭兵に対して、国家などが公式に所属させる兵は正規軍と呼ばれる。


傭兵は、正規軍を支える愛国心がなかった19世紀以前の時代においては、非常に需要が高かった。

戦いの度に、貴族王族、時には国家が傭兵を雇うことが多かった。


現在では、フィクションでその名を聞くことが多い。登場する作品のジャンルは、大きく2つに分けられる。


一つは、を扱う中世ルネサンス期の世界観をもつ作品。もう一つは、などを扱う近代の世界観をもつ作品である。


作品によっては、単に戦闘を行うだけでなく、便利屋のように描かれることもある。また、傭兵ギルドが存在する作品も少なくない。


傭兵のデメリット編集

傭兵は、正規の軍人とは異なり、国家に対する忠誠心を持たない。このため、侮蔑の対象となり、嫌われることが多い。


実際、金払いが悪い場合や、敗北する見込みが強く、敗北に伴って報酬を踏み倒されるリスクが高い場合は、敬遠されて傭兵が集まらない。


戦う前から勝敗が決まることで、無用な戦闘を避けて戦死者を抑えられる点はメリットである。しかし、雇い主としてはたまったものではない。


さらに、歴史的には、傭兵は他の職業に就けなかったならず者らもなれる職業でもあった。

傭兵として戦地に潜り込み、略奪に加わる者も少なくなかった。(略奪の許容自体が雇い主による報酬の一部と見なされる側面もあった)


一部の傭兵は組織化され、職業として信頼される実力を持っている場合もある。


しかし、それでも

  • サボタージュを盾にとって、雇い主を脅して報酬のつり上げを狙う
  • 報酬が期間で定められている場合、相手(大概相手も傭兵である)と示し合わせ、戦闘をするふりをして戦争を引き延ばす
  • 報酬が不十分だと、雇い主や同盟国の国民などを相手に略奪を行う
  • 正規軍が重んじる暗黙のルールなどお構い無しに破ってしまう(戦争を外交で終結させる際には、こうしたルール違反は大きな障害となる)

といった雇い主にとっては頭痛の種でしかない行為をする例もあり、傭兵に対する侮蔑的な視線は、決して根拠のない話ではなかった。


マキャヴェリは、著書『君主論』において、国家は正規軍を抱えるべきであるという主張をしているが、その原因もこうした傭兵に悩まされたことが一因であると言われている。


日本人傭兵として20年以上前線を転々とした高部正樹氏も、「傭兵は余所の国で起きた戦争に参加している訳だから、戦争当事国の住人からは”戦争屋”と忌み嫌われる事も多い」と述べている。


古来から現代に到るまで、傭兵が嫌われる業種であることに変わりはないのである。


傭兵のメリット編集

こうしたデメリットがあるにもかかわらず、実際に傭兵が使われることが多かったのは、以下のような事情から正規軍を抱え込めない国が多かったためである。


  • 正規軍の兵士は多くが若い男性で、国家経済を担う働き手でもある。正規軍に多量の人員を徴用すれば、働き手が失われる
  • 正規軍そのものは何らかの生産活動を行うわけではない
    • 平和な時代には働き手をただ飯食らいにしただけになり、国家経済を傾かせてしまう
  • 正規軍を持つならば兵に訓練を施し、武器を提供する必要も生じる。傭兵の給料に代え、兵士に給金を支払わざるを得ないケースが多い
  • 金銭に代わって正規軍の戦意を支える愛国心自体、一般兵の間で普遍的なものではない
    • 最悪の場合、その愛国心を理由に、正規軍が政府に反抗する事態を招いてしまう場合もある(その場合は自分たちが用意した装備を使って反抗される可能性が高い)
  • 傭兵は国籍やそれに準ずる定住権を条件に、自国民による正規軍より遥かに安価に運用することも可能

傭兵は、ピンチになったり、相手から高額な報酬を示されたりすると、直ぐ裏切るというイメージを持たれがちである。

しかし、必ずしもそんなことはなく、正規軍よりも必死に戦ったと思われる傭兵の記録もある。


確かに、歴史上傭兵が裏切ったり、雇い主の指示に従わないという事態はそれなりにあった。

しかし、そうした傭兵のほとんどはならず者あがりであり、元々信用などどうでもよいタイプであった可能性が高い。


職業的な傭兵の場合、安易な理由で寝返った場合はたちまち信用を失い、それ以降の依頼を失ってしまう。

そのため、職業的な傭兵の寝返りは、実際には、雇い主に重大な背信行為があったなど、止むを得ない事情がある場合が多かったと見られている。


正規軍とて徴兵で無差別に集めたような場合は、戦意や窮地を乗り切る経験に乏しく、傭兵以上に寝返ることも考えられるのだ。


技量は元より人の和も重視され、腕は有っても、人付き合いを嫌ったり、自分の流儀に固執する人間は避けられたらしい。

そういう人物は高額な報酬を受け取る、一騎当千の凄腕なら出番があるかもしれないが、実の所よほど特殊な条件がなければ報酬は安いとのこと。(下手をすると無給同然か学生のアルバイト並)


軍組織ならそんな凄腕が必要な任務にはそもそも信用できる自前の兵士を使うし、傭兵に頼ること自体追い込まれていてそんな金は出てこないか、裏があるということなのだろう。(高額の募集をよく調べたら自爆テロの実行役だったなど)


歴史上、特にヨーロッパ史上においては、多くの傭兵の存在が確認できる。

特にスイスの傭兵と、ドイツの「ランツクネヒト」は有名どころと言ってよい。


ほかにも、ワイルドギースという16〜18世紀のアイルランド人傭兵部隊と、これから名を取った1960年代の傭兵部隊が存在した。


当然彼らは組織化されたプロの傭兵であり、安易に寝返るようなことはなく、信頼を得たからこそ名前が残っているのである。


また戦後、脱植民地化が進むアフリカでも傭兵が活動していた。

最も有名なのは「コンゴ動乱」で政府に雇われた第5コマンドー、第6コマンドー、第10コマンドーと言った白人傭兵による外国人部隊であり、第6コマンドーと第10コマンドーによる叛乱を含めてコンゴの内戦を一時的とは言え状況を左右していた。


また、現ジンバブエのローデシアも正規軍の外国人兵士や用心棒を雑誌「ソルジャー・オブ・フォーチューン」で募集していたと言われている。


現代においては、1989年の国際連合総会において傭兵を禁止する条約(ジュネーブ条約追加議定書 第一追加議定書第47条)が採択されたため、一般的には傭兵制度そのものが過去のものとされているが、実際には中東やアフリカなどの紛争地域で今なお傭兵は存続し続けている。


金銭で雇われる以外に、自身が支持する勢力に義勇兵として加勢する例もある。(支持勢力が掲げるものが正当かどうかは別の話であるが)


ジュネーブ条約追加議定書 第一追加議定書第47条は要約すると「紛争に参加する為に雇われている」「主に私的利益が目的」「雇用した紛争当事国の同種の者(職種・階級)より高額な報酬を得ている」「紛争当事国の国民ではない」を全て満たす者が傭兵と扱われる。


「軍に雇われる外国人兵士」という部分のみで傭兵を見た場合、フランス軍の外国人部隊やイギリス軍のグルカ兵、アメリカ軍の外国人兵士などの正規軍に属する者であっても傭兵に相当するものとして見ることもできる。


そのため、批判の際に傭兵と非難されることもある。

外国人部隊は優秀な部隊であるため激戦区に投入されて大きな被害を出していたり、傷痍軍人の中で外国人兵のみにスポットを当てることで、批判の種にしたりといった具合である。


バチカン市国は一切の軍事力を持たない為、スイス人傭兵である市国警備員によって警備が賄われている。


また、警備会社の延長上にある民間軍事企業(PMSCs)もまた、傭兵同様に戦力商品とする面もある為、傭兵と同一視される場合もある。

(あくまで武装警備員に過ぎず、ジュネーヴ条約に沿って傭兵と扱われないようにしているが、軍事的知識に乏しい者やPMSCsを批判する側からは、傭兵として扱われることが多い)


通常の警備会社であっても軍の基地の警備等を請け負っている場合、一部は警備員を傭兵と呼ぶこともある。広義の意味では、忍者浪人も傭兵に該当する。


クラス(職業)として登場する作品編集

ファイアーエムブレムシリーズ

ヴィーナス&ブレイブス

幻想水滸伝シリーズ

テイルズオブシリーズ

ソード・ワールド(『ロードス島戦記』など)

スレイヤーズ

メタルギアソリッドシリーズ

ナイトウィザード

ラングリッサーシリーズ - 主人公ら指揮官が傭兵と呼ばれる部下を、その戦闘限りで雇用して戦うシステムが存在する


傭兵を題材にした作品編集

エリア88

ブレイドストーム

サイバーナイト

エースコンバット1,2,ZERO

アーマードコアシリーズ

ガンハザード

ファイナル・ファンタジー8

ガンダムシリーズ

AtoZ/運命のガイアメモリ

デア・ラングリッサー - 主要人物であるベルンハルトロウガが傭兵出身と言う設定。

マクロスF

スターフォックス - 作中では雇われ遊撃隊と呼ばれている。


関連タグ編集

主要

職業 マーセナリー 兵士 ソルジャー PMC 戦士 剣士 戦争屋 フリーファイター 派遣社員 鹵獲


登場する作品ジャンル

ファンタジー 近代 RPG SRPG TRPG


史実

スイス ドイツ神聖ローマ帝国) イタリア フランス


2の概要編集

ゼロから始める魔法の書』に登場する獣人

本来の姿は違うようだが、獣堕ちという半獣半人の姿になっている。


本来の名前もあるが、ゼロが「必要ない」(意訳)と言ったため、アニメ版第1話の段階では名称不明扱いとなった。


傭兵のタグで彼のイラストが投稿されているのは、このためでもある。(キャストクレジットには傭兵とクレジットされている)


詳細は獣の傭兵を参照。


3の概要編集

ファイアーエムブレム』シリーズ初代から登場する下級職の一種。剣で戦う戦闘のプロ。


『能力バランスに優れている』など、少し分かりにくい説明があるが、実際は、成長率が高く、バランス良く成長するという意味。

主に技と速さが伸びやすい。


主な昇格先は剣とを使い分ける勇者、剣とを使い分ける弓騎兵など。

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