概要
戦争屋とは、主に金銭的利益や、戦争行為による快楽を得る為に、戦争を引き起こしている者達の事を指す。また、単純に戦争をするだけでなく、破壊工作や要人の誘拐または暗殺、武器の密売といった犯罪同然の非合法活動を請け負って実行に移す事で、国内及び他国同士による戦争や紛争を誘発させ、さらには引き起こした戦争に直接参戦する者等も、「戦争屋」と呼ばれる事が多い。
戦争屋の中には、元軍属であった者もかなりいるようだが、政治的及び経済的理由等から基本的に軍や政府は戦争を可能な限り回避する傾向があり、軍隊に入ればすぐに戦争を経験出来る訳ではないので、軍組織に縛られる事に退屈を感じた結果、退役して傭兵に転業し、やがて何らかの経緯を経て、戦争屋に転じる事になるようだ。
戦闘行為を行ったり紛争を誘発させる為ならば基本的に手段を選ぶ事はない為、軍隊の兵士や傭兵に比べ、思想や理念はおろか人間としてのモラルは皆無に等しい。金銭的利益よりも戦争行為による快楽を追求する者の場合は、戦争を継続させる為に雇用主を裏切って別の勢力につく事もある。
戦争を誘発させる事を請け負う事も多い為か、戦争屋と呼ばれる者達が契約を行う対象は、特定の国家、政府のみだけでなく、特定の地域での戦争の発生よって大きな利益を得られる石油産業や希少高価値鉱物の鉱山やその業界、軍需企業、重工業である場合も少なくない様である。
「特定の軍隊に所属していない」、「利益の為に契約によって戦争を請け負う」等といった共通点から、戦争屋と傭兵が同じものではないかと見なされる事が多い(特に反戦論者達の間で)が、近年ではフィクション等において傭兵と戦争屋の明確な区別がされている事もある。
イメージとして傭兵は雇用契約によっては防衛に徹する行為も行うが、戦争屋は基本的に攻めて焚きつけるだけの”騒がせ屋”である。
また、英語の綴りでは、「傭兵」が「Mercenary(マーセナリー)」になっているのに対し、「戦争屋」の場合は「Warmonger(ウォーモンガー)」、「Warmaker(ウォーメーカー)」等と表記されており、やはり区別されている模様。
現実において戦争屋と呼ばれる者達は、中東やアフリカといった紛争地域を中心に活動を行っているようである。
フィクションにおいて戦争屋として扱われる者達
- 暁(NARUTO)
- アナハイム・エレクトロニクス(機動戦士ガンダムシリーズ)
- アリー・アル・サーシェス(機動戦士ガンダム00)
- アーチボルド・グリムズ(スーパーロボット大戦OG)
- アマルガム(フルメタル・パニック!)
- アマンダラ・カマンダラ(重戦機エルガイム)
- 呉黒星(るろうに剣心)
- カン・ユー(装甲騎兵ボトムズ)
- ガウルン(フルメタル・パニック!)
- グン・ジェム(機甲戦記ドラグナー)
- グレン・アリアス(バイオハザードヴェンデッタ)
- 外印(るろうに剣心)
- ゲイツ(フルメタル・パニック!)
- ココ・ヘクマティアル(ヨルムンガンド)
- ゴライクンル(スーパーロボット大戦OG)
- サンダウナー(メタルギアライジング)
- 沢渡拓郎(鉄のラインバレル)
- 少佐(ヘルシング)
- シーマ・ガラハウ(機動戦士ガンダム0083)
- ショット・ウェポン(聖戦士ダンバイン)
- ジェルマ66/ヴィンスモーク家(ONEPIECE)
- 武田観柳(るろうに剣心)
- 大道克己(仮面ライダーW)
- ティンプ・シャローン(戦闘メカザブングル)
- ドンキホーテ・ドフラミンゴ(ONEPIECE)
- バラライカ(ブラックラグーン)
- ブエナ・フェスタ(ONEPIECE)
- 亡国機業(インフィニット・ストラトス)
- 真島(リコリス・リコイル)
- ミツコ・イスルギ/イスルギ重工(スーパーロボット大戦OG)
- リキッド・スネーク(メタルギアソリッド)
- リボルバー・オセロット(メタルギアソリッド)
- リカルド・アーヴィング(バイオハザード5)
- 雪代縁(るろうに剣心)
関連タグ
戦争屋と比較すると、戦争行為そのものに対する快楽よりは金銭的利益の追求が主体ではあるが、自身の目的の為に戦争を拡大させ、そのための手段は選ばないという意味ではある種同類の存在とも言える。現代においては異なってきているが……
似たような意味の言葉だが、こちらは戦争の狂気に囚われた者、戦争に固執する狂人など、より狂気的な者に対して使われる。また、戦争屋が快楽目的であるのに対し、こちらは戦争自体が目的の者や、何の目的もなくただ狂気に呑まれている者を指す場合もあり、「戦争を嫌悪しているが、その狂気に呑まれて抜け出せない」というような人物を指す場合もある。
戦争をあおり、利益を得るという点では同じと言える
起こりえる下地があったとはいえ報道により民衆をあおり、戦争に突入する事で莫大な利益を得る事はたびたび起きており、例えばウィリアム・ハーストとジョゼフ・ピュリッツァーは捏造ともいえる報道により煽った結果民衆に扇動される形で米西戦争へと突入したとも言われている(両名は「戦争ほど新聞に利益をもたらすものはない」、「戦争が起きなければ私が戦争を起こす」と言ったとも)。