「お前の知るジェルマでさえもはや過去の軍隊!!」
概要
“北の海(ノースブルー)”の海遊国家「ジェルマ王国」が保有する科学戦闘部隊。別名を戦争屋。
総帥を務めるのは麦わらの一味のコック・サンジの父親で、ジェルマ王国の国王であるヴィンスモーク・ジャッジ。彼の子供である4姉弟が組織の主戦力級を務める。
科学力に長けており、空中に生身の人間が立てる謎の靴など興味深いアイテムを一部の構成員が持っている他、そのアイテムならびに後述の特殊体質者の修繕者も見受けられる。
世界経済新聞に掲載された絵物語「海の戦士ソラ」では敵役として登場しており、世間一般では「空想上の悪の軍隊」だと認識されている。知名度自体はかなり高く、特に北の海出身にとってはほぼ常識といって良いレベルの存在らしい。
最悪の世代での北の海出身者全員が非常に詳しく知っている辺り特に男子勢に知名度が高い。
国民の大半が男性で兵隊であり、勝利のためであれば好き好んで命を差し出すなど、異常なまでに士気と忠誠心が高い。
…というのも、ジェルマ66の兵隊は、かつてジャッジともに兵器の研究を行っていたベガパンクの発見した血統因子(DNAのようなもの)の研究を、ジャッジが引き継いで突き進めた成果として生み出された複製(クローン)であり、「ヴィンスモーク家の命令に従順に従いそのためならば死も恐れない」ようにプログラミングされたためである。
クローン一体が完成するまでに5年かかり、5年で20歳の兵士として機能するようになっている。クローン元は数名の優秀な強者から作られているため、ヴィンスモーク家以外の兵隊の容姿が酷似しているのもそれが原因である。また、兵隊たちは自分達がクローンであることを知らない。
強くて従順、死を恐れないなどの要素からヨンジは「ジェルマ66は世界中から恐れられてあこがれる存在」と評し、クローンが死んでもまた作り直せばいいという考えがヴィンスモーク家に根付いていることが「盾」と部下に命じ使い捨てることに躊躇がない要因と思われる。
また、ジャッジの子供達もとある理由で失敗したサンジを除き血統因子の応用により強化されて誕生しており、体が鉄のような強度を誇る外骨格などをはじめ高い身体能力が子供の頃から発現している。加えて、『SMILE』のような血統因子の研究の応用か、それぞれが『毒を操る』『電気を操る、目に見えない程の速さで動く』『高温の光(火花)を操る』『怪力を誇る』など、超人系悪魔の実のような特殊な能力を身につけている。
更に、血統因子の操作の影響で、イチジ・ニジ・ヨンジは慈悲・優しさ・思いやりといった人間らしい善い感情・敵を恐れる原因となる「死への恐怖」といった感情が欠落している。これは敵に勝ち、ジェルマ帝国復活を果たすというジャッジの狙いによるもの。
その副作用として、自分の身を守るために不可欠な「恐怖」という感情すら欠落しているため、拘束され確実に命を絶たれる状況に置かれても無抵抗のままあっさり諦めてしまうという生物学的見地から言って致命的な欠陥がある(ハメられたことに怒りこそすれど、悲しみという感情がないため、父ジャッジの慟哭に対しても理解できず、あっさり死を受け入れて普段と同じように談笑するほどである)。サンジが自分達を救出しようとしても、イチジらは助けられるその時までサンジの行動の意味を理解できなかった。
しかし、ヴィンスモーク・ソラの死とサンジの放逐により野望を阻むもの・自分の心のつっかえとなるものがなくなり奢りが過ぎるようになったジャッジや、感情の削除をされたイチジらは『人の感情をおもんばかる』ことが苦手となっており、ビッグ・マム海賊団との同盟・傘下入りに際しては、ジャッジやイチジ達はビッグ・マム海賊団の裏切りがあるとは一切想定しておらず、レイジュとプリンが陰で読みあいをしているなか、無防備に酒などを飲む描写もあった(ただし、ビッグ・マム海賊団は基本傘下入りについて「来る者は拒まず」なので傘下入りに対する裏切りなど想定できなかったり、プリンを信用していた点も、その演技力が帝国の統治者達の警戒心すら削ぎかねない程驚異的なものだったりしたためともとれなくもない)。
来歴
過去
約300年前、”悪の王国”ジェルマ王国がかつて北の国を制圧し『ジェルマ帝国』を築きながらもわずか66日の天下に終わり、国土を追われた。王族達は故郷の土を踏むことも出来ずに亡くなった。
現代、当主であるジャッジはその先祖たちの無念を晴らすためにジェルマ帝国を復活させることが自分の存在理由・全てであると決め、そのために若い頃から軍事力増大のための研究を重ね、妻との対立に際しても歩みを止めることなく、非道なことも辞さずに現代に至った。
ホールケーキアイランド編
無念の最期を遂げた先祖達の悲願である北の海完全征服のため、かつてジェルマから追放したサンジを利用してビッグ・マム海賊団への傘下入りを考えるも、ビッグ・マム海賊団はジェルマの科学を手に入れるべくヴィンスモーク家の皆殺し計画を立てており、ジャッジの野望は消え去ってしまう。しかし計画通りに抹殺されるところをサンジ及び麦わらの一味に助けられる。
今まで好き勝手やってきた”ケジメ”として、ジャッジは麦わらの一味の逃亡を支援。イチジらも、ビッグ・マム海賊団への報復のためといいつつも、ジャッジの命や初めて助けられた経験からか、ルフィやサンジ達の逃亡を支援し、サンジには、彼専用のレイドスーツがニジを通じて託された。
ジェルマ66のあゝ無感情海遊記
麦わらの一味の万国(トットランド)脱出後、ジェルマ66は任務を完了したとして撤退を開始するも、その場に癇癪を抑えられたビッグ・マムが襲来。共に戦っていたタイヨウの海賊団は無事に脱出したものの、ジェルマ66はニジとヨンジが捕らえられてしまい、2人を助け出せないまま万国を脱出することになる。何とか逃げ切ったジャッジ、レイジュ、イチジが次にとる行動は…。
主要構成員
総帥
幹部
余談
アニメ版の変身シーン
アニメ版のレイドスーツ着用シーンでは、事前に制作陣が発言したコメントやPV通りスーパー戦隊シリーズや仮面ライダーのような裏番組を彷彿とさせるかなり力の入った描写がされた。
なお、このシーンが放送されたアニメ839話のアイキャッチは普段の麦わら一味手配書ではなく、ジェルマ66のシルエットが戦隊ヒーローのごとく映し出され、「ジェルマ~♪」と音声が流れる完全新規のもの。
まさしく番組乗っ取りとでもいうべき前代未聞の演出であった。
モチーフ
- ナチス:紋章や科学力に秀でた面など元ネタと思われる。ちなみに「ジェルマ」の綴りは「Germ」…おや誰か来たようだ。
- ショッカー 秘密結社イーグル:「心までは改造されなかった失敗作が脱走して蹴り技で闘う」「五人で五色、黄色はグルメ」「レイドスーツ(アイテム)を腰につけて変身」など、変身ヒーローの要素がモデルかと思われる。なお配色については、サンジのものを含め、獣電戦隊キョウリュウジャーと騎士竜戦隊リュウソウジャーが一緒である。
- クローントルーパー:創作作品では特に著名なクローン兵。「オーダー66」という関連用語があることからこちらもモデルになっていると思われる。
- アメリカ軍等で研究している疲労・恐怖を感じない兵士:兵士たちのPTSD(心的外傷後ストレス障害)が社会問題の一つであるアメリカにとって、長期間の戦闘・戦争における兵士のメンタルケアは課題の一つ。秘密裏も含め、「疲労や恐怖を感じない兵士」について様々な研究がされている。
初期構想
『ONE PIECE magazine VOL.3』に掲載された初期のいくつかの構想によると、「科学戦闘部隊の構想がなくジャッジがただの武人」「ジャッジがオカマの案」「レイジュがいない」など、今に至るまでかなりの変化があった。
髪の色
両親が金髪であるのに対してサンジ以外の姉弟は別の色となっているが、87巻のSBSによれば血統因子の操作で色が変わっており、唯一影響を受けなかったサンジのみが両親譲りの金髪となっている。
ワンピースパーティー
ナミを誘拐しようとサウザンドサニー号に不法侵入するが、一人で留守番していたゾロに成敗される。往生際が悪いイチジ&ニジ&ヨンジは四つ子を利用してサンジに変装した。
関連動画
変身スペシャルPV
関連タグ
ヴィト:カポネ・ベッジのファイアタンク海賊団に所属するジェルマファン
トラファルガー・ロー:逆に、アンチジェルマだが、ジェルマのことは詳しい
2BRO.:メンバーの3人にそっくり。