「母さんの命懸けの抵抗で守られた “感情”を持って生まれて来た子 それがあなた…サンジ!!」
「だから あなたは 誰よりも優しいのよ!!!」
「弟に手出しする奴らは…… ──私が許さない」
概要
世界政府と繋がりを持つ海洋国家ジェルマ王国を率いる王族ヴィンスモーク家の長女で科学戦闘部隊ジェルマ66の幹部。
プロフィール
本名 | ヴィンスモーク・レイジュ |
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年齢 | 24歳 |
身長 | 173cm |
肩書き | ジェルマ王国王女 |
所属 | ジェルマ66「ポイズンピンク」、ヴィンスモーク家長女 |
所属船 | セント・ジェルマン号 |
武器 | 形状記憶鎧「レイドスーツ」 |
出身地 | 北の海 ジェルマ王国 |
誕生日 | 11月30日 (いい女・サンジの姉・レイジュ) |
星座 | いて座 |
血液型 | F型 |
好物 | ヨロイオコゼの毒、リンゴ |
初登場 | 単行本82巻 第826話『0と4』 |
WT100 | 39位(33481票) |
CV | 根谷美智子 |
人物
容姿
長いピンク色の髪の前髪で右目が隠れており、髪型がサンジに似ている。弟たちと同じぐる眉に両太ももにある「66」の刺青や、座った時の必ず足を組む仕草などが目を引くセクシーな色気が特徴の女性。ブルック曰く「物凄い美人」。
服装は公私共に自慢の美脚が強調された意匠となっており、戦闘時には弟たちとはデザインの違う露出度が高く色っぽい「レイドスーツ」を纏うが、普段は脚を大胆に出しつつも王族らしく清潔感のある服装を着用している。
性格
瀕死のルフィを嘲笑う実弟のヨンジを「人でなし」呼ばわりして平然と蹴とばしたり、サンジの腕に何の躊躇いもなく爆薬付きの腕輪(天竜人の奴隷が首に着けるものの腕輪版)を取り付けたりするなどイチジやニジほどではないが冷酷と言える一面を持っている。
一方で、敵になる可能性があるルフィを無償で助け、ヴィンスモーク家の考えを否定するサンジの主張を聞いても意味深な微笑を浮かべるなど、ヴィンスモーク家の中でも特に腹の底が見えなかった。
「いい!? 2度とここへ戻っちゃダメよ!!!」
「海は広い…いつか…必ず優しい人達に会えるから!!!」
「しっかりしなさい!!サンジ!!」
「大切なものをよく見て!!」
「あんな素敵な奴ら もう一生出会えないわよ!!」
実際は、ヴィンスモーク家で唯一の良識ある人物で、一族の中ではサンジに対しても良心的。
弟達と同様に血統因子の操作を施され、生まれながらにして超人的な身体能力を持っているが、憐れみや悲しみといった感情が欠落している(サンジを除く)弟3人とは異なり、人間らしい感受性と慈愛に満ちた心の持ち主。上記の誕生日の由来が“11(いい女)”となっているのはそのため。
その心の根底には、弟であるサンジを人一倍想う愛情があり、他の弟達がサンジの身内を人質にとって彼を袋叩きにした後、感情を爆発させる形で、サンジの治療をしようとしていた医師達を跳ね除けている。
また、サンジと同様に亡き母親のソラを慕っており、それ故に彼女の死を招いた張本人といえる父のジャッジに対しても内心愛想を尽かし、ジェルマ王国そのものを「過去の栄光に縋りつくただの破壊者」と断じ自分自身も含めて国のすべてが滅ぶべきだと吐き捨てるほどまでに絶望視している。
その一方で、血統因子の改造の影響で人間らしい「情」を持ちながらも父に逆らえないという、ある意味でサンジ以上に辛い状況に置かれていた(サンジは血統因子の改造の影響を受けていないため、ジャッジに逆らう事が出来る)。
サンジも裏で自分のことを気にかけてくれたレイジュに対しては、父や優しさを持たない兄弟たちとは違ってそれほど恨みを抱いてはおらず、彼女がビッグ・マムに騙されたフリをしてジェルマ諸共自死を選ぶことを語った際は動揺し「お前まで何故死ぬんだ」と彼女の身を案じていた。
戦闘能力
基礎戦闘力
ジェルマの戦士たちは戦闘の際に「レイドスーツ」を装備する。レイジュは弟たちと比べるとミニスカートにへそや太もも出しと露出が多めであり、マントも弟たちと違って蛾の羽のような形になっているピンク色のレイドスーツを装着する。ちなみに羽の模様が「0」のマークになっている。加速装置、浮遊装置、盾になるマントが備わったレイドスーツを纒うことで戦闘能力は向上し、空中や燃える戦場での戦闘も可能になる。
なおレイジュは感情操作は受けていないが外骨格は発現しているため、全身は金属のように頑丈である。またたとえ負傷させられたとしても傷の回復速度も常人を遥かに上回っているため、戦士としては優秀と言える。
固有能力
「だって私は……この毒が大好物♡」
「ポイズンピンク」の2つ名を持つ通り「毒」に関する不思議な能力を持っており、戦闘では毒を操って戦う。基本的には毒を纏わせた蹴りで敵を攻撃し、侵食させた毒で自由を奪っていく戦法をとっており、集団相手には毒の息を吐く広範囲の攻撃をすることもできる。
ビッグ・マム海賊団の将星スムージーからは毒使いということもあって「厄介な女」と称された。
更に上述の体質故か「毒を摂取する」ことも可能である。大抵の毒に抗体を持つルフィですら瀕死に陥る猛毒(巨人族でも確実に死ぬらしい)すらも口から吸収でき、それによって中毒を起こした人間を救う事もできる。ちなみに使用しても彼のように腹痛に悩まされることはない。
この能力はジャッジによってレイドスーツの能力に適した人体として生み出された影響によるもので、実際にレイジュはある程度毒には強く、毒を吸い取るくらいは生身でもやれる。
技
桃色毒矢(ピンクホーネット)
毒の息を吐き出して矢のように飛ばす技。
アニメでは何故かこの技だけテロップが表示されなかった。
活躍
過去
幼少期の頃からサンジを思いやり続け、弟たち3人からの虐めを受けて傷ついたサンジをこっそり手当てしたりしていたが、弟たちからの報復を恐れ、サンジの虐待現場を目撃しても笑いながら傍観したり、優しさを持たない弟たちに呆れながらも苦々しい顔で遠巻きに傍観することしかできずにいた。
牢屋に入れられ、鉄仮面を被されても尚、コックになる夢を打ち明けたサンジの意を汲み、ジェルマが赤い土の大陸(レッドライン)に乗り込んだ際、牢屋の鉄格子を捻じ曲げて彼を脱出させる。そして「いつか必ず優しい人達に会える」と勇気付け、東の海(イーストブルー)へ向かおうとしていた豪華客船「オービット号」に乗り込むよう促した。
第2部 最後の海 新世界編
ホールケーキアイランド編
サンジがジェルマ王国に連れ戻された後、爆弾付の手錠をサンジに嵌める等、表向きはジャッジの意に従う様に見せていたが、実際はサンジやその仲間達である麦わらの一味を守る為に行動しており、万国に入国する前に、毒に侵されたルフィを助けたのも、その為である。また、サンジに嵌めていた手錠にも爆弾を内蔵してはいなかった。
サンジの婚約者となるビッグ・マムの娘であるプリンが、あまりにも「いい子」過ぎていた事に疑問を抱き、その周辺を密かに嗅ぎ回っていたのだが、気付いた本人に捕らわれた結果、深手を負わされてしまう。そして、ビッグ・マムが結婚式当日に自分やサンジを含むジェルマ王国を滅ぼしてその科学力のみを奪おうとしている計画を聞かされた上に、メモメモの実の能力で記憶の改竄を行われてしまい、「プリンに怪我を負わされた事実」を「脱走騒ぎに巻き込まれて負傷」したと思い込まされてしまう事になった。
しかし、治療を受けた後、記憶がしっくりこなかったことに違和感を覚えたレイジュは、事の真実を知っているサンジから、本当の事を聞かされる。
それを聞いたレイジュは、自分を含むジェルマを「過去の栄光にすがりつくただの“破壊者”」と言い切り、このまま滅ぶべきだと断言する。更には過去に母が父に反発して劇薬を飲んでまでサンジ達を普通の子として生もうとしていた事実を明かし、死に行く事に何の後悔もしていなかった母が産んだ『”感情”を持った子』であるサンジが失敗作なはずがない、「だから貴方は誰よりも優しいのよ」と涙を浮かべながら語り、ジェルマと共に滅ぼうとしている自分を気遣うサンジに仲間達と共に逃げるよう叱咤するのだった。
そしてやってきた結婚式当日。
暗殺の遂行のため、自分の額の第3の目を見せつけたプリンだが、醜いと思い込んでいた自らの姿に対しサンジからかけられた本心から来る誉め言葉に涙を流して動揺してしまい、サンジの暗殺計画は失敗する。
レイジュたちヴィンスモーク家は水飴で身体を拘束され、ビッグ・マムの手下達に銃口を向けられる。しかし、ビッグ・マムがルフィの行動によってその場にいる者全員が身動きを取れなくなるほどの奇声を発したことで銃を持っていた敵達が気絶し、更にサンジが足で水飴を破壊した事によって命拾いした。ベッジのビッグ・マム暗殺計画が失敗した後は、レイドスーツを着て本来の実力を発揮し、スムージーの手に捕まっていたナミを助け出す。
その後、ベッジが考案した脱出作戦ではジェルマ66として時間稼ぎを買って出た。だが、ビッグ・マムに第一の標的として狙われ、間一髪のところでルフィとサンジに助けられる。
ホールケーキ城を脱出した後はジェルマ王国に戻り、ヨンジと協力してシャーロット・バスカルテの軍を蹴散らした。
カカオ島に現れた際はもう少しで島を抜けようとする所のサンジを邪魔しようとしたビッグ・マム海賊団の前に立ちはだかり、彼らを一掃した(アニメオリジナルではその後サンジを抱えて島の外まで連れていった。最後にサンジを押し出すシーンが昔と重なっている)。その後カカオ島にビッグマムが到着し、レイジュたちの安否はしばらく不明になる。
ジェルマ66のあゝ無感情海遊記
しばらく消息不明であったが、ジャッジやイチジとともに生存していることが判明。ボロボロの身になりながらもなんとかビッグ・マムのナワバリを脱出していた。
その後、ビッグ・マム海賊団に捕らわれたニジとヨンジを救うためにイチジと共にホールケーキアイランドへ再び乗り込んでいく。研究室らしき部屋でニジとヨンジが殺されそうになるのをイチジと共にブラウニーらビッグ・マムの子供らをぶちのめし、なんとか無事に2人を救出した。救出後、城内を脱出する中で逃げ損ねていたシーザーを発見する。がその直後にカタクリとオーブンが襲来…絶体絶命と思いきや、先ほど見かけたシーザーがジェルマ側に味方し幻覚ガスでカタクリとオーブンを同士討ちをさせ、その隙をついて城から脱出し(ついでにシーザーも連れて)無事にセント・ジェルマン号へと帰還した。
余談
- 悪魔の実の能力者?
「ONE PIECE magazine Vol.1」では能力者と定義づけられているが、似たような能力は既にある。弟たちも火花や電撃を操っているがこれも似たような能力はあるため、ジェルマの戦士たちが使う能力は血統因子の操作によって備わったものだと思われる。
- 跳躍力
幼少期の鍛錬の中に異常に高く、しかも燃えているハードルが複数並んでいるコースを走るというものがあった。その鍛錬では弟たちがハードルを1つずつ飛び越えていく中、レイジュは異常に高く跳躍して並ぶハードルを一度にすべて飛び越える方法をとっていた。これはあくまでアニメでの描写だが、レイジュは超人揃いの姉弟の中でも跳躍力が優れているのかもしれない。
- 主人公のファーストキス?
ルフィから毒を吸い出す際には口づけで直接吸い出して(アニメ版での描写は少々生々しい)おり、ナミやペコムズを赤面させ、ブルックが興奮の余り暴走している。なお、チョッパーだけはルフィすらも死に掛けさせる猛毒を吸うという行為に驚愕していたが…。
ナミ 「な、何してんのぉっ!?」
ペコムズ 「大胆だな…」
チョッパー 「そんな毒吸ったらおまえが死んじゃうぞー!!」
ブルック 「ああっ! 羨ましい! チュウゥッ! 出来ることなら代わりたい!」
この場面より前にルフィが異性とキスをした描写はなく、補足がなければルフィのファーストキスの相手は仲間であるサンジの姉ということになる。
- サンジからの対応
上述の通り彼女はサンジからはそれほど恨まれてはいないが、対応は他の女性達に比べれば不愛想であり、サンジがONEPIECEの世界で唯一塩対応する美女と言える。
これに関して尾田先生は「姉弟ってそういうものでしょう。いくらサンジでも姉にメロリンしてたらちょっと引きません?」と回答してる。
この作者の言葉は、質問で回答されるまでもない至極当たり前の事である筈だが、これに関しては現代においてこの手のジャンルが少年誌等でも普通に描写される程に一般化してしまっている事と、過剰な規制等によってその手の知識を学ぶ機会が激減した結果、それが一般的な目線ではかなり特殊な趣向であると情報に疎い人達(特に若い世代)に伝わっていない為である。