「実験失敗!? 島一つ殺してみせた おれの兵器の…!!! どこが失敗だ世界政府!!! おれは誰より敵を殺せる!!!」
「見てろ…… 世界一の科学者が誰か 今に思い知らせてやる!!!」
「軍がそれを認め おれが科学班トップの地位を得た時…!! やっと叶う…」
「おれの科学力を“世界平和”に活かせるのだ!!!」
概要
偉大なる航路“新世界”にある灼熱と極寒が入り混じった島「パンクハザード」に住む科学者であり、『パンクハザード編』におけるラスボス。
大量殺戮兵器の第一人者であり、元は世界政府でDr.ベガパンクの科学班のNo.2として働いていた。
賞金首になってからは王下七武海の一人である"ジョーカー"ことドンキホーテ・ドフラミンゴの後ろ盾を獲得。また、四皇のカイドウやビッグ・マムから支援を受けながら戦力増強のための武器や野望のための研究成果を求められていた。
プロフィール
本名 | シーザー・クラウン |
---|---|
年齢 | 55歳 |
身長 | 309cm |
懸賞金 | 3億ベリー |
所属 | 平和研究所「MADS」研究員→元世界政府海軍科学班→NEO MADS |
悪魔の実 | ガスガスの実 (自然系) |
出身地 | 偉大なる航路 |
誕生日 | 4月9日 (シノクニ=4,9) |
星座 | おひつじ座 |
血液型 | X型 |
好物 | ブドウ糖、ガスパチョ |
笑い方 | シュロロロロ |
初登場 | 単行本67巻 第658話『ビスケットルーム』 |
WT100 | 91位(8888票) |
CV | 中尾隆聖 |
人物
非道かつ自分本位な、まさに絵に描いたようなクズエリートのマッドサイエンティストで、研究成果を兵器としての性能の高さでしか評価しない。
「黙れ 能無し共っ!!! ここは軍の研究施設だぞ!! 海軍が いかに多くの海賊共を殺せるか!!!そういう兵器を求められているんだ!!!」
「シュロロロ!!バカめ それは必要な犠牲というものだ!!! 巻き込まれるのがバカなのさ!!全部吹き飛ばせば『世界は平和』だよ!!!」
「非道!?この島で囚人のクズ人間共をゴミの様に人体実験するそれと何が違う!!! 今の元帥センゴクは考えが甘いが…大将“赤犬”ならおれの兵器を欲しがるハズだ!!!」
過去に大量殺戮兵器製造の罪によって海軍科学班員の職を失っており、パンクハザードの研究所でも何も悪い所などない子供たちを「病気」と騙して誘拐し、覚醒剤「NHC10」をキャンディとして与えるという人体実験を行っていた(チョッパーの見立てでは実験の影響で全員が大人になる前に死ぬ事になっていた)。
更に、4年前にパンクハザードで起きた事故の首謀者でありながらその事を隠蔽し、事故に巻き込まれた囚人を救った英雄として彼に救われ部下になった者や茶ひげから英雄視されていた。このように狂気と非道さは作中でも上位に入ると言える。
一方で、まがりなりにも海軍科学班として抜擢されるだけの地頭を持っているのも確かで、時には悪辣さを抑え、強かに複数の敵対者を一時行動不能にする・実践的な近距離用武具を能力で用意する一面もある(もっとも、後述の要素が表に出て不意にしてしまう事も少なくないが)。
ドレスローザ編以降は麦わらの一味に振り回されて成り行きで人助けまがいの事をさせられていたが、一味からの扱いは相変わらず雑で、ナミやチョッパーからはこれまでの非道な行いから「人間のクズ」「最低なんだあいつ」などと散々罵倒されている(自分のクズさ加減を自覚してないので割と本気で傷ついて泣いていた)。
その気になれば本当の意味で偉人、英雄として讃えられるような物も作れるのに、本人の趣向として「如何に人を殺せるか」を追求したものしか作ろうとしないという悪癖がある。
事実カイドウへ出荷するSMILEの原料であるSADはきちんと作成していた(ベガパンクの人造悪魔の実に近づくためという彼本人のプライドに関わる動機もあるが)のに、マム以外には何の価値もない上に成功したとしても誰も死なない「巨人化薬」についてはマムへの成果報告用にある程度の形だけ作って以降、全予算をガールズシップ(キャバクラ)に注ぎ込んで豪遊していた(つまり四皇の懐を横領していたのである。挙句の果てに「もう少しで完成するから予算を増やせ」と再三要求していたりする。最低だよこいつ)。
ちなみに当人は「人間が何百年かけてもできなかったものができるわけもない」と諦観していたが、とはいえ「NHC10」の作用で巨人に近い状態になっていたことや「人体の巨大化」に関する実験を(一応)していたことも事実であり、形だけは確かに成立していた模様。
マムにとって違いがわかりにくいものであるため、切り捨てずに期待を抱かれていたと思われる。
能力
悪魔の実
「シュロロロロロ!!“無空世界(カラクニ)”という技で空気中の酸素を抜いて 窒息させてやったのさ…!!」
名称 | ガスガスの実 |
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分類 | 自然系 |
自然物 | ガス |
能力 |
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利点 |
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欠点 |
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体をガス化し、自在に操る事ができる「気体(ガス)人間」。
自然系らしく体をガスに変える事でほとんどの攻撃を受け流す事ができ、そのまま空中を移動する事もできる。ほんの僅かな隙間があれば侵入も脱出もお手の物であり、海楼石無しで拘束しておく事は極めて困難(流石に心臓を抜かれれば迂闊に逃げられないが)。
なおガス化した状態でも物を掴んだり飲食したりできるので日常生活や研究に差し支えはなく、シーザーは普段から全身もしくは半身をガス化させた状態で行動している事が多い。
また、様々な成分のガスを自由に産生させられるのも特徴。
少量でも吸い込めば即座に相手の自由を奪う神経ガスや、点火すると瞬く間に辺りを火の海に変える可燃性ガスなど、バリエーションは様々。幻覚性ガスで相手を同士討ちさせることもできる。勝敗と強弱は関係ないと言える能力の一つである。
自分自身をそのような特殊な性質を持つガスの体に変える事もでき、浮力の強いガスを発生させて人間数人を乗せながら気球のように宙に浮かんだりもできる。ただし、特殊なガスの産出やガス化にはそれなりのエネルギーを消費するので、シーザーとしては乱用は避けたいらしい。つまり、『毒ガスや可燃性ガスといった危険なガスを、無尽蔵にノーリスクで発生させ続けられる能力ではない』ということである。
そんなガスガスの能力の真骨頂は、自分の周囲に存在するありとあらゆる気体(ガス)を一定範囲内で操る事ができる点である。「大気」もガスなので、大気中の成分を操作する事も可能。簡単に言えば酸素を抜いてしまえる。
これだけでほとんどの生物は瞬く間に窒息して動けなくなってしまうため、基本的にどんな強者であろうとシーザーと真正面からぶつかってもまず勝てない。ましてや前述の通り、実体がガス化してしまう自然系能力者なので攻撃を当てる事自体が困難。その能力だけ見ても並みの海賊より遥かに高い懸賞金も納得と言える。
自然系とはいえ、能力が凄まじい理由は、シーザーの実力もあるが、主に彼が科学者であることが大きな要因である。また、ペットのスマイリーなどの能力に強く影響する外的要因も絡むことでより強大になっている。
基礎戦闘力
能力上の弱点がかなり少なく、単純な戦闘力だけで考えるとシーザーに対抗できる手段は非常に限られる。また彼自身も戦闘を想定していたのか、ガスガスの能力を戦闘向けに研究・発展させており、基礎的な戦闘能力は意外に高い。
弱点としては時々見せる慢心や迂闊さが挙げられる。ドンキホーテ・ドフラミンゴが後ろ盾となってからは余計にその意識が強まり、まさか真正面から殴りかかられようとは考えてもみなかったようだ。
能力にかまけている描写が多いがフィジカルも相当なものであり、戦争国家の国王であるジャッジとまともに殴り合いができる程度には強い。
搦め手も攻撃もこなせる一方で超高速移動には不向きな能力のようで、俊敏性の高いルフィに後れをとる描写も少なくなかった。
技
- ガスローブ
体から発生させた毒ガスで相手を巻きつけるように覆う。ガスなので振り払おうとしてもムダ。
まともに吸い込めば命に係わるほどの毒性だが、ルフィはマゼランと戦ったことで強い毒耐性を得ていたためほとんど効果が無かった。武装色の覇気を持ち、毒をほぼ無効化できるルフィは、シーザーにとって『天敵』と言えるだろう。
- ガスタネット
爆発性のガスを辺りに一定の範囲に充満させ、手にしたカスタネットを叩き鳴らすのを合図に爆発を巻き起こし、爆風は数百m~数km程度離れた場所までの広範囲に及ぶ。
スマイリーの特性を利用すれば、より大規模な爆発を巻き起こすことも可能。
しかしルフィには大したダメージにならなかったようで、爆発する瞬間に超高速移動(「剃」のスピード)で回避していた場面もあった。
- 燃焼系ミオークGAS
大量の可燃性ガスを辺りに充満させ、それに点火して辺りを焼き払う。
どちらかと言えば威力よりも攻撃範囲を重視した技。
技名は「身を焦がす」の捩り。
- 無空世界(カラクニ)
自身を中心とした一定範囲の大気中から酸素を抜き取って窒息させる戦闘におけるガスガスの実の真骨頂と言える技。
もちろんシーザーはこの技を発動させたまま移動できるので、一定以上の距離を保っていても追い付かれて効果範囲に入ってしまえばアウト。
さらに酸素が無くなってしまうために火が燃えることができず、範囲内に入った炎は即座に消火されてしまう。「ガス」という先入観に囚われ、引火爆発を狙う相手も一網打尽にできる。
- 青炎剣(ブルーソード)
大量の酸素を手中にまとめて点火、完全燃焼させた青い炎の剣として振り回す。
触れたものは一瞬で焼き切られ、そのまま炎上してしまうほどの高熱。
- ガスティーユ
ガスバーナーの要領で口から放つ強力な火炎放射。
鉄をも瞬く間に溶かすほどの高熱で、自分より大きな闘魚でも何体も一瞬のうちに黒こげにしてしまう。しかし、ルフィには「ガスタネット」の時と同様に普通に回避された。
- RO・KO
サンジに脅されて渋々使用した技で、モコモ公国を壊滅させた神経系毒ガス兵器「KORO」を中和するガスを精製・散布する。
KOROの開発者であるシーザーならではの技とも言え、この知識を活かして既に毒ガスに侵された者を解毒するための薬も作らされている。
経歴
パンクハザード編
初登場のパンクハザードでは、荒廃した島で密かに研究を続ける狂気の科学者として描かれた。
彼は4年前に自らが引き起こした爆発事故で廃れたパンクハザードに住み着き、日々殺戮兵器の研究をしていた(末端の部下には人類のための研究をしていると吹き込んでいる模様)。
その課程で王下七武海のトラファルガー・ローの協力により、彼の能力で半人半獣のケンタウロス集団を部下として手に入れた。
麦わらの一味や海軍のスモーカー部隊が上陸した後は、これをいい兵器実験の契機と考え、島に封印していた4年前の爆発事故の元凶である悪魔の実を食べた猛毒スライム"スマイリー"を解放した。
そして、島の様子を新世界の兵器仲介人や海賊達に電伝虫で中継した上で、スマイリーにキャンディーを食わせて毒ガス化させ、ガスを吸った者の体が動けなくなるという新要素を加えた殺戮兵器"シノクニ"の実験を開始。
この毒ガス兵器を島中に立ち込ませることにより、一時は一味、ロー、G-5などで構成されたシーザー討伐チームを苦しめ、一部のG-5の海兵はこのガス兵器により戦線離脱を余儀なくされた。討伐チームが研究所内に侵入してからは、故意にガスを研究所内に入れ、討伐チームを封じ込めてガスの餌食にしようと企んだ。
しかし、ガスが充満してチームが全滅する手前で一味のモンキー・D・ルフィに出くわし追い込まれることに。
最後の手段として"シノクニ”を体に取り込み、巨大化してルフィに襲いかかるが、ルフィの巨大化した覇気を帯びた攻撃“ゴムゴムの灰熊銃(グリズリーマグナム)”により殴り飛ばされ討たれる。その後、パンクハザードの異常を知ったシーザーの協力者である王下七武海のドンキホーテ・ドフラミンゴにより送られたドフラミンゴの部下2人(ベビー5とバッファロー)の支援により島から脱出しかけたが、一味のナミとウソップの追撃により脱出は失敗、ベビー5&バッファロー諸共、海に落下した。
落下後、身柄はローと一味により拘束され、そのまま一味の母船サウザンドサニー号に乗せられパンクハザードを出港した。
ドレスローザ編
ドレスローザに着くとドフラミンゴ失脚を目論むローにより「交換条件」として引き渡されそうになるも紆余曲折あって失敗。
更に四皇ビッグ・マムからも研究を依頼されていたたため、ビッグ・マム海賊団からもその身柄を狙われる。しかし研究費を着服していた事実を秘匿するため彼らに捕まるのを望まず、サンジ率いる仮設チーム「ぐるわらの一味」に身柄を拘束されたままサウザンド・サニー号で「ゾウ」へと送致された。
ゾウ編
しかし麦わらの一味が着いた時には、四皇「百獣のカイドウ」の部下「旱害のジャック」の撒き散らした毒ガス兵器(勿論シーザーの作った物)で壊滅させられており、チョッパーやサンジに脅される形で無理矢理中和・解毒に協力させられてしまう。
その後ビッグ・マムの追っ手がゾウに着いたことで、サンジと共にカポネ・ベッジに捕まり、ビッグ・マムの本拠地であるホールケーキアイランドに護送されるハメになる。
ホールケーキアイランド編
そしてビッグ・マムに研究の進み具合を問われ、パンクハザードの研究所が破壊されたことを口実に「巨人薬」を作ることは不可能だと誤魔化そうとしたが、ペロスペローの能力によって既にパンクハザードと同じ研究所が造られ、さらに彼に自分の心臓を握られていることから逆らえない状況に陥り、2週間以内に研究を成功させないとキャンディ人形にして舐め殺すと脅される。
監視を引き受けたベッジが心臓を手にしたため、ファイアタンク海賊団に嫌々協力することになり、ルフィ達とベッジが手を組んだ時には兵器担当と脱出担当としてビッグ・マム暗殺計画に加わる。
お茶会では彼の兵器をビッグ・マム暗殺に使用するが、マムの咆哮にランチャーの弾が耐え切れず破壊されてしまい失敗。ヴィンスモーク・ジャッジとは知人らしくお茶会からの脱出にあたって彼から指図された際は「高飛車は変わらない」と不快感を露わにした。
最終的にベッジに心臓を返され、麦わらの一味やファイアタンク海賊団と別れたが……。
ワノ国編
チョッパーの回想シーンで少し登場した。チョッパーにランブルボールの構造式を見せてもらい、巨大化できる時間を3分から30分に伸ばせると説明。3分以上の巨大化の副作用を懸念するチョッパーに「テメェらがこの先やり合う相手は3分でどうにかできるような連中じゃねえぞ?副作用こわ〜い〜とか言っていたら大事なお仲間守れないんでちゅよ?わかりますか〜?…命かけろよ!」とチョッパーを叱咤。覚悟を決めたチョッパーに協力した。
表紙連載「ジェルマ66のあゝ無感情海遊記」
万国から逃げ損ねていたことが判明。
そんな中、イチジとともに捕まっていたニジとヨンジの救出に成功したレイジュに発見される。
その後、カタクリとオーブンが現れ、ジェルマと共に共闘し、幻覚ガスで2人の同士討ちを行う等でサポートする。一方で自身はイチジ達に一緒に連れて行き逃してほしいと頼み込み、結果的に4人と共に一先ずホールケーキ城から脱出には成功する。
そしてセント・ジェルマン号にて再びジャッジと対面するが、やはり口論になり、そのままジャッジとMADS時代を思い返しながら、クズエリート同士の小競り合いをする事となる。
当時からクイーンと共に殺戮兵器の研究や開発をしていたが、ベガパンクの頭脳と才能に恐怖し、クイーン共々万年NO.2争いをしていたが、自分たちがいがみ合っていたのはベガパンクのせいだったと考え直し、一先ずジャッジとは和解。新組織「NEO MADS」を結成する事となった。
エッグヘッド編
1113話で一コマだけ登場。映像電伝虫でベガパンクが世界に向けて何かしらの情報を発信する様子をジャッジと共に見届けていた。
しかし配信開始の条件が「ベガパンクの心肺停止(=ベガパンクの死亡)」であることを知り「はァ!!?ウソだろてめェ!!!おれ達ァお前を引きずり降ろす為に...!!」と怒りつつも涙を浮かべていた。ベガパンクを嫌っているため相変わらず発言内容自体は外道であったが、同僚である彼の死に対してシーザーなりに思うところがあったのか、或いはジャッジと共にNEO MADSを組織したのにもかかわらず、ベガパンクを超える前に勝ち逃げされてしまうという不服な決着は望んでいなかったのだろうか…
そのせいか、ベガパンクが配信をしている一方で、折角和解したジャッジとは再びいがみ合いをしていた。
余談
- 声優
演じている中尾隆聖氏は『ONE PIECE』に映画版含めて幾度か出演しているが、全てオリジナルキャラで、このシーザー役で初めて原作登場キャラを演じている。
本編ではルフィがシーザーをぶっ飛ばしているが、同じくジャンプで連載されていた『ドラゴンボール』においては、中尾氏が演じるタンバリンとフリーザによってルフィの声優である田中真弓氏が演じるクリリンが殺害され、『ドラゴンボール超』の宇宙サバイバル編(力の大会)では同じく中尾氏が演じるフロストの手によって場外負けにされたりと、なにかと縁がある。
田中氏は共演の際に中尾氏が現場にいると、上記の件もあって「殺される!」と言って逃げるらしい。
- 元ネタ
異名の「マスター」は主人を意味するものではなく「マスタードガス」から取ったものでは?という意見が存在する。
- 開発した薬物の元ネタ
作中で多くの毒劇物を開発している彼だが、その元ネタについても様々な考察がなされている。
- 覚醒剤「NHC10」
代表的な覚醒剤であり「ヒロポン」の通称で有名な「メタンフェタミン」が、化学式「C₁₀H₁₅N」で表記される。一方で「Δ9-THC(テトラヒドロカンナビノール)」と呼ばれる化合物が存在し、これはマリファナ(大麻)の主成分として知られる。こちらも過剰摂取による毒性・依存性を有するが、大麻と覚醒剤は別物である。
- 有機リン系の毒ガス
ビッグ・マム暗殺計画の切り札として開発された兵器「KXランチャー」の中身。作中で詳しい描写はなされなかったが、実はこれを主成分として作られる化学兵器こそ、かつてオウム真理教が秘密裏に生産し毒ガステロ事件に使用した「サリン」である。
名前から察するに元ネタはサリンの進化版である「VXガス」と思われる。神経や筋肉を興奮させる「アセチルコリン」の分解を阻害する作用を持ち、筋肉の痙攣・運動障害や、脳機能を含めた神経障害を引き起こす。現在でも毒ガスの後遺症や事件によるPTSDに苦しむ人々が少なくないため、事件を連想させる具体的な名前を付けるのを作者が避けた可能性がある。
ちなみに有機リン系毒物の最低致死量は数ミリグラム単位なので、5グラムも直接血管にぶち込むKXランチャーはまさに凶悪な殺人兵器といえる。
- KORO
ゾウを壊滅させた遅効性毒ガス兵器だが、こちらも明言はされなかったがおそらく「KOLOKOL-01」と呼ばれる、非致死性と銘打たれながら実際には大量の死者を出した毒ガス兵器が元ネタと考えられる。
ファイアタンク海賊団のアジトにてルフィたちと再び顔を合わせた時には”ギャングスター”「ガスティーノ」と名乗っていた(もっとも笑い方がシーザーそのものだったのですぐにばれた)。
- 彼の評価
敵味方を問わず「シーザー」と呼ばれているが、その本性を隠していたため当初パンクハザードでは部下からM(マスター)と呼ばれて尊敬の念を抱かれていた。
しかし、その本性を知ったウソップからは 「見てろ シーザーはルフィの最も嫌いなタイプの人間だ!!」 と断言されているほか、その後も自分本位な言動は変わっていない為かローやベッジからもバカ扱いされている。
その後、エッグヘッド編にて本格登場したベガパンクのあまりの天才ぶりに、読者からは「これに追いつこうとしたシーザーのメンタルはすごい」と再評価されつつある。詳しくは本人の項目を参照。
- 呼ばれ方
『ONE PIECE』の世界は、ほぼ全ての人間が家名でなく名前でよばれる。呼ばれない場合はあだ名か二つ名、称号名でもあるが基本名前を呼ぶ。
にも拘らず彼をクラウンと呼ぶ者は劇中では皆無である。
- 利用価値
ベガパンクに劣っていた事で口だけの負け犬のような描写が多いが、そもそもの話として「あのベガパンクと比較できる」時点で彼も世界トップクラスの天才である。言ってしまえば、No.3以下をぶっちぎりで突き放すレベルの頭脳といえる。
事実四皇2人が彼の実力をアテにしており、それに応えている事から見てもその有用性は明白である。
ただしそれはそれとしてクズである事は変わらないので「殺すには惜しいが生かしておきたく無い」「頭脳が無きゃ殺害一択」と称されている。
- 年齢
当初は新世界編で40歳とされており、この計算だとMADS所属時は10代の可能性があったためその天才っぷりが一部で注目されていた。
しかし最近になって15歳加算され、ジャッジやクイーンと同世代に落ち着いた。
関連タグ
ONEPIECE 世界政府 マッドサイエンティスト SMILE ガスガスの実 ガス 毒ガス パンクハザード
外道 ︎︎極悪人 ︎︎サイコパス エゴイスト 人間のクズ 憎めない悪役
実験台
協力者
取引相手
利用者
誘拐者
最悪の世代 モンキー・D・ルフィ トラファルガー・ロー カポネ・ベッジ
章ごとのボス
ホーディ・ジョーンズ→シーザー・クラウン→ドンキホーテ・ドフラミンゴ