概要
また、新四皇の一角であるモンキー・D・ルフィ率いる麦わらの一味の最初のナワバリである。
ワノ国が現在他所者を受けつけない鎖国国家となっているのは800年前の光月家の意向によるもので、世間一般には侍と呼ばれる戦士が強すぎて世界政府すら立ち入れない強国と伝わっていた。また、リューマ生存時にはワノ国は海外から「黄金の国」と認識されていた模様。
センゴクは海賊王や四皇、最悪の世代といった世界を騒がす大物たちが必ずと言っていいほどワノ国に関わることを疑問に感じている。
作中で初めて言及されたのはスリラーバーク編。ドクトル・ホグバックの口からリューマと共にその名前が出た。
23年前の海賊騒ぎ(ワノ国の鈴後で起きたモリアとカイドウの全面戦争)のドタバタで元王下七武海の海賊ゲッコー・モリアの一味が、この国から伝説の侍リューマの遺体とその刀を盗み出した。
本編では国への復讐を目論む黒炭オロチが四皇カイドウと手を組み、当時将軍だった光月スキヤキを幽閉し、彼の跡取りにして元ロジャー海賊団の船員である光月おでんを殺害したことで20年以上カイドウ率いる百獣海賊団の支配下となっていたが、おでんの子息である光月モモの助が海で出会ったルフィたちと同盟を組んで百獣海賊団とオロチの軍勢を撃破したため、光月家が復興しモモの助が将軍の座に就いた。
記録指針の記録が溜まるまでにかかる時間は不明。
記録が溜まると針はそれぞれ北東の勝者島(ウィナーとう)、東のエルバフ、南東のエッグヘッドを指し示す。
詳細
国の特徴
全体的に勘違い日本のイメージを強調されており、狛犬や狒々、ワニザメなどの変わった動物が生息している他、国全体が浮世絵を思わせるデザインになっている。一方で、一時期に国外から滝のようとたとえられた河川の勢いや、下記の階級問題、かつて経済成長などで一部の国が抱えてしまった公害など、江戸時代末期や明治時代の事情や闇を仄めかす描写が、多少フィクションを織り交ぜつつ描かれている節もある。
文化圏としては江戸時代の日本に近く、士族は平民に対する支配階級に当たる。
カイドウとオロチがワノ国を掌握してからは国全体の荒廃が進んでおり、「花の都」以外は人が住める場所ではないと言われるほどの無法の荒野とされ、さらに百獣海賊団の武器工場などにより水質汚染なども起こっており世界でも例をみないほどに問題のある国(言わば和風ディストピアという有様)と化している。なお、花の都も役人や狂死郎一家に管理されて自由な商売などが出来ない上に金が尽きると花の都から強制的に追い出される事態になるため、都といえど他の郷よりはマシという程度である。
また、オロチ政権になる以前でもワノ国の鎖国性ゆえか黒炭一族への仕打ちや河松、イヌアラシ、ネコマムシへの差別的な行動等といった問題は存在した。
一方で、超人系や動物系といった悪魔の実の能力者に対しては、実の呼び名が他の国より丸めであるからか、百獣海賊団の者達を見慣れてしまったからか、蔑視などは少なめ(多少驚く者や、宜しくない言い回しをするはみ出し者はいるが)。
国力・技術
侍達の力は相当なもので、世界政府の軍隊である海軍ですら近寄れず、海軍元帥のサカズキも未知の兵力として警戒するほどである。また、「忍者」も存在するが、こちらは「侍」の中で忍術を使うものを忍者としており、「侍」とはワノ国の武人の総称であるため厳密には彼らも侍の一部である。
だが、現在のオロチ政権下ではすべての武道が禁じられているため個々人の戦闘力が全体的に衰えている可能性は否めない。その一方で、オロチはワノ国の高い技術力を兵器の増産に利用しており、それらの兵器やそれらの兵器と引き換えに手に入れた外国の兵器を自身の戦力として付け加えている。
上述したワノ国の高い加工技術はダイヤモンドのように固い海楼石を世界で初めて実用的な武器・道具に作り替えることを可能としている。
火祭り
年に一度、花の都の町人たちが行う盛大なお祭り。死者を弔う行事であり、盛大な程亡き人に想いが届くと言われている。
この日に黒炭オロチが率いる役人たちは鬼ヶ島に行きカイドウの百獣海賊団と両軍総出の“大宴会”をすることになっており、その宴に合わせて忍者海賊ミンク侍同盟は討ち入り。そのため同盟のメンバーはそれぞれに準備を重ね戦力の補充や武器の確保、情報の入手などをしていた。
オロチ政権下のワノ国では様々なものが町人たちに禁止となっているが、この日だけは酒が解禁される。日々、多かれ少なかれ抑圧されている花の都の町人にとってオロチや役人の目から外れ多少のことは看過されるこのお祭りは貴重な息抜きとなっている。
地理
ワノ国はいくつかの地方に分けられており、20年前まではそれぞれの地を「大名」が統治していた。地方の名前は日本の食べ物や植物に因んでいる。
また、ワノ国は四方を巨大な滝に囲まれており、さらに外界もワノ国特有の特殊な水流で覆われている。正しい海流に乗れなければそれだけで船は大破し、それを乗り越えても「滝登り」の方法を知らなければやはり滝に激突して船は大破する。ワノ国に到達するには相当な実力と航海術が必要であり、白ひげもワノ国に漂着しただけでおでんから大いに賞賛された。
なお、滝登りはあくまで一か八かの入国方法であり、正式な入国方法は現在はカイドウ・オロチが管理している潜港からゴンドラで安全に入国するルートである。
花の都 | ワノ国の中心に位置する都。作中での気候は春で、桜の花びらが舞い散っている。将軍の住む城を中心に、侍や町人たちが暮らす長屋が整然と並ぶ。都市の背後には富士山に似た巨大な山「藤山(ふじやま)」が聳え立つ。生活の根底はオロチに支配されており、お湯や飲み水さえもオロチの経営である。将軍に忠実で金を生み出せる者しか都に住む権利は無く、それが無くなれば「都落ち」となり、将軍の名のもとに追放される。 |
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オロチ城 | 大木の上に建てられたオロチの居城。強固な扉で閉ざされた木彫りの人形が並ぶ地下室に「歴史の本文」が保管されている。宴では「オロチ農園」という場所で育てられた食物が供される。 |
左京 | 狂死郎の屋敷がある地区。 |
羅刹町 | 罪人を捕らえ見世物にする「羅刹町牢屋敷」(通称「罪人張見世」)がある地区。この町で霜月康イエが処刑された。 |
えびす町 | 花の都のおこぼれで暮らす町。ニコニコ笑う顔を「えびす顔」が、町の名の由来となっている。住人は貧しい生活をしていながらも笑顔を絶やさない。しかして、その実態は…。 |
『ONEPIECE』の世界では珍しくこの土地では火葬の文化の存在が確認できる(同じワノ国でも気候などにより他の土地では葬儀の方法は異なっている)。
白舞(はくまい) | ワノ国の6つの郷の一つ。南東に位置する。作中での気候は秋で、紅葉の葉が舞い散っている。かつては霜月康イエが治めていた。ワノ国の中で唯一正規の港がある。康イエの時代、白舞の侍達はおでんをしてワノ国最強と呼ばれていた。 |
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刃武港(はぶみなと) | 白舞にある港。ワノ国にある港の中で一番広い港であり、絶景と称される紅葉の木々が立ち並ぶ。錦えもんが百獣海賊団との決戦の日の集合場所に指定していた。 |
潜港(もぐらみなと) | 白舞の地下にある港。カイドウとオロチの許可の下、ワノ国から流れ落ちる滝を割り、その先にある洞窟を通過した終点にある。船員や積み荷はゴンドラで地上まで積み上げる。 |
閻魔堂 | 花の都の外れの森の奥にある小さなお堂。 |
鈴後(りんご) | ワノ国の6つの里の一つ。北東に位置する。作中での気候は冬で、雪が降り積もっている。かつては霜月牛マルが治めていた。伝説の侍リューマの生まれ故郷。その気候のため土葬された遺体は数百年腐らず、故人が生まれた時に贈られ持ち続けた刀が墓標代わりとされる。その中には名刀もあるため、この地には墓荒らしが絶えない。 |
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北の墓場 | ブルックがお供え物を集めるためにオバケ騒動を起こしている墓場。麦わらの一味らが隠れ家として使用している。 |
おいはぎ橋 | 武器を持つ者が渡ろうとするとおいはぎ橋の牛鬼丸が現れることで知られる橋。鈴後の本郷へと向かうための橋である。 |
帰港(かえるみなと) | 鈴後にある港。 |
兎丼(うどん) | ワノ国の6つの郷の一つ。南に位置する。かつては森深き地だったが、現在は荒野だけが広がっている。責任者は百獣海賊団大看板である疫災のクイーン。「囚人採掘場」及び武器工場がある。かつては雨月天ぷらが治めていた。20年前におでんと百獣海賊団が激突し、長時間に渡る戦いの余波で森は5日間燃え続けた |
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囚人採掘場 | 百獣海賊団に捕縛された囚人たちが働かされている「牢獄」。巨大な作業所が5ヶ所あり、そのうちの一つ。ここに収監されている囚人たちの多くはオロチへの反逆者で、かつてワノ国の裏の世界を支えてきたヤクザの親分たちも収容されている。手錠の鍵は管理が厳重で、「幹部塔」の金庫にある海楼石の箱にしまわれている。 |
常影港(とかげみなと) | 兎丼にある港。ある人物が処刑される前に新たに示した決戦の日の集合地。 |
九里(くり) | ワノ国の6つの郷の一つ。西に位置する。オロチの支配以前は光月おでんが大名として治めていた。かつては凶悪な土地として知られていたが、若き日のおでんが先のその地の大将を含む全てのならず者達を纏め上げ、「活気ある郷」へと変貌させた。現在は百獣海賊団大看板のジャックが元締めとして治めている。名前と知恵を捨て挑むという意味がある「捨名知(スナッチ)」という古い掛け声がある。 |
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九里ヶ浜 | 過去にネコとイヌ、現在ルフィとサニー号が打ち上げられた砂浜。後に、船から転落したビッグ・マムが打ち上げられた。 |
編笠村 | 山中の竹林の中にある、お玉と天狗山飛徹が住む村。4年近く前に飢饉に見舞われるが、漂着したエースたちによって救われた。1年以上前、ドレークら百獣海賊団によって村の要であった5人の用心棒が全て倒され、村は壊滅した。現在は廃墟となっており、お玉と飛徹の2人しか住んでいない。 |
おこぼれ町 | 博羅町の入り口近くにある寂れた町。その名の通り、この町の住人は役人が使わなくなった物や腐りかけた食料などのおこぼれを目当てに暮らしている。また住人は工場の労働力となっている。博羅町の住人からは、身分が卑しい者と差別されている。 |
博羅町(ばくらちょう) | 役人とジャックの配下の海賊が暮らす役人街。巨大な鳥居が入り口となっている。現在、町には3人の真打ちと、約30人のSMILEの能力者がいる。 |
桃源農園 | オロチとカイドウ達専用の農園。博羅町の奥にあり、おでん城のある山の麓にかけて広がっている。おこぼれ町の人間に低賃金で作業を行わせ、安全な食料を作っている。収穫した食物は「食糧宝船」に載せられて博羅町の人々に配られる。 |
おでん城跡 | 九里の山頂にある、かつて光月おでんが住んでいた城の跡地。正式な名称は「九里城」だが、おでんを慕う人々が「おでん城」と呼び始めた。20年前、百獣海賊団によって火を放たれ焼き滅ぼされた。おでんとその家臣の墓が存在する。錦えもん達が本拠地として利用していたが、カイドウの“熱息”によって山頂諸共破壊された。 |
頭山(あたまやま) | 頂上に大きな一本の木がある山。酒天丸率いる頭山盗賊団の拠点。ワノ国編で、ホールデムの部下によって火が放たれた。 |
ある廃村 | おでん城跡を破壊された錦えもんやミンク族が拠点とした場所。奪ってきた食料や武器を持ち込んでいる。 |
伊達港(いたちみなと) | 九里の南西にある廃港。酒天丸が百獣海賊団との決戦の為に、カイドウに破壊されたワノ国中の港から船を集めていた場所。30年前には白ひげ海賊団が漂着した。 |
鬼ヶ島 | ワノ国の沿岸にある島。百獣海賊団の本拠地。角の生えたドクロの形をした巨大岩がある。島の入口の気候は冬。年に一度の「火祭り」の日に、役人達と百獣海賊団の宴が行われる。表向きは、将軍行列が明王カイドウのいる島に参拝に行くとされている。この地にあるカイドウの屋敷は港友により建てられた。 |
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原作での関わり
主人公モンキー・D・ルフィ率いる麦わらの一味とトラファルガー・ロー率いるハートの海賊団、ゾウに住むミンク族の戦士たち、そしてモモの助を主君とするワノ国の光月家の侍たちの間で結成された「忍者海賊ミンク侍同盟」が同盟の最終目標である四皇「百獣のカイドウの打倒」を果たすために入国する。ルフィは上陸時に仲間とはぐれてしまうも流れ着いた海岸でかつてワノ国に訪れていたポートガス・D・エースと交流を深めていた少女のお玉と出会う。彼女にメシを貰った恩返しをする過程で国の実態を知り、「国の住民が腹いっぱいメシを食える国にする」ことを目指して多くの味方と共に世界の運命を揺るがす大規模な戦いに挑むことになる。
パンクハザードから始まった四皇カイドウを標的としたストーリーの最終章であり、多くの伏線や謎を回収しながら『ONEPIECE』という物語の根幹に触れたこと、対峙する相手が過去最大級の強さを誇る四皇ということもあって原作では全149話に渡る作中最長のストーリーとなっている。話の構成は作中初の三幕構成になっており、第一幕ではルフィがお玉と出会ってから突如現れたカイドウに敗北し、囚人採掘場でユースタス・キッドとシャボンディ諸島以来の再会を果たすまで、第二幕ではワノ国の将軍黒炭オロチの登場から鬼ヶ島討ち入り作戦の準備の完了と、ルフィを追ってワノ国に上陸した四皇ビッグ・マムとカイドウが前代未聞の四皇同士の同盟を結ぶまで、そして第三幕ではモモの助の父である光月おでんの生涯及び彼が所属したロジャー海賊団が最後の島ラフテルに到達し、ゴール・D・ロジャーが海賊王になるまでの回想と麦わらの一味の約7年振りの集結及び決戦直前に駆けつけたジンベエの麦わらの一味への加入、そして鬼ヶ島での決戦とワノ国からの出航が描かれている。
幕で話を分ける構成上幕間があり、その際にはワノ国の外での出来事が描かれている。第一幕と第二幕の幕間では四皇の一角まで登り詰めた"黒ひげ"マーシャル・D・ティーチが登場。第二幕と第三幕の幕間では同時期に行われていた世界会議での決議によって三大勢力の崩壊が起き、海軍本部では緊急会議で伝説の海賊団の詳細及び四皇全員と白ひげ、ロジャーの懸賞金が明かされた。
このようにストーリーが壮大かつ濃密であるため登場人物も幕間を含めて非常に多い。また決戦で敵の幹部と対峙した麦わらの一味のほとんどがエニエス・ロビーでの戦いと同じように、強化された武器や戦闘手段を披露している。
決戦の末、ワノ国を支配していた百獣海賊団と黒炭家、及びビッグ・マムが新世代たちの活躍により撃破され、光月モモの助がワノ国の新しい将軍となったことでワノ国は20年に渡る支配から解放された。また、ゴムゴムの実の能力を覚醒させてこの決戦を制したルフィは新たに四皇の一角に名を連ねる。そして物語は今までに登場した各勢力がそれぞれの思惑の元に様々な島で活躍する最終章に突入する。
主要人物
光月家
赤鞘九人男
その他の家臣
黒炭家
その他の国の住民
人
動物
- 鯉
- 大蛸
- 狛ちよ
- ひひ丸
百獣海賊団
本編で入国した人物
最悪の世代
ビッグ・マム海賊団
CP‐0
その他
過去の人物
ワノ国の人物
入国した人物
『鎖国』と『開国』の真実
ワノ国は入国を目指す者の殆どが鯉による滝登りをしなければならない地形になっているが、今の地形になったのは大きな理由があった。
ワノ国の鎖国とは、モデルとなった日本のように他国との関係を殆ど断絶することだけでなく、国の周辺に強固な壁を築く事で国を外海の巨大な力から護るというものであった。つまり、大昔のワノ国は他の島国と同様に船を寄せやすい地形をしていたのである。
しかし、800年前に壁を築いてからのワノ国は安全を確保しつつも溜まり続ける雨水に苦しめられ、遂には都が水没するまでになってしまう。人々は溜まった水から逃れるために巨大な藤山の中腹に新たな土地、都を築いた。こうして、現在の来るものが滝によって入国を阻まれるワノ国が形成されたのである。これはワノ国の海域の海が淡水であること、周りを滝で囲まれていることの理由になっている。
そのため、かつてのワノ国は海底に沈んだ形になっているが、淡水に沈んでいるため都の原形は保たれている。そしてその深部には古代兵器プルトンが眠っており、プルトンを解放するためには滝を形成した防壁を破壊する事が必要である。それこそがワノ国の開国の真の意味である。
余談
- 実在の国家
モデルは言うまでもなく、日本である。年代は他のシナリオの時代背景を考えると、黒船や維新があった1800年代と思われる。
あるいは、銀魂のように維新が圧倒的な外力により歪んだ形で達成された結果であるような節もある。
- 『矢文』とワノ国の大きさ
ワノ国の大きさは不明だが、複数の地方が存在している。また、ワノ国全体を指して島と表現されたことはないため、それなりの広さを持つ国であることが想像されていた。
そんな中、劇中で『「ワノ国」の矢文は千里を越え伝達する』と説明されたことから一部考察界隈がざわつくこととなった。千里とは約3900kmあり、これが直線距離で取れるとしたら相当広い国土を持つことになる。
ここで仮にも四方を海に囲まれた海洋国家がそんなに大きいことなどあり得るのかと疑問が湧くかもしれないが、そもそも地理的な大きさは惑星規模で考慮する必要がある。実際に現実世界に置き換えて考慮しても、地球規模(地球1周=約40000km)からすれば約1/10の距離に過ぎない。
ちなみにこの3900㎞という距離を持ち、海に浮かぶ単一国家と解釈した場合でも、同じ条件の国は実在する。オーストラリアの東端から西端がこれと大体同じ長さなのだ。
従って、実は全体的に緩やかな楕円に近いワノ国がオーストラリアと同じくらいのサイズ感であると解釈すれば『直線距離で千里を伝わる矢文』と『現実的なサイズ感』は、ほぼ矛盾なく両立するのである。
ただし、『万里の長城』『九十九里浜』などこの手の表現は現実にも枚挙に暇がないほどあるが、本当に字面通りの長さがあることは稀であることにも留意したい。千里を越えて届く(と言われている)であって本当に千里届くとは言い切れないのだ。また、仮に字面通り『千里を越えて届く』としても、それが海洋を含んだものであってもまた矛盾はない。
その上、旧単位は同じ字でも時代や地域によって長さが異なることがざらにあることにも気を付ける必要がある。例えば日本において1里は一般に約4キロとされるが、朝鮮では300mほどとされていたほか、日本国内に限っても江戸時代には『1時間ほどで歩ける長さ』と規定されており、山地と平地で2倍近くの距離差があった例もある。ワノ国の1里が日本における1里=約4㎞と同じである保証はどこにもないのだ。
さらに言えば、仮に陸地を我々の知る長さで千里伝わるところまでは事実であっても、誰も一射でとは言っていない。
と、いうか個人で千里(3900㎞)飛ばせる弓取りがいるだけで創作物としてもあまりに荒唐無稽な話なのに、それが『ワノ国の矢文は』と言えるレベルでごろごろしているとすればそれはワノ国の広さがどうのこうのといった問題など些細なものとなる異常事態である。むしろそんな化物連中と赤鞘九人男の半数が残っている状態なら、いくら裏切り者が暗躍したとておでんがいなくてもそうやすやすと百獣海賊団に支配などされないだろう。
と、なると考えられるのはリレー形式で矢文を飛ばして最終的に千里伝わるというパターンになるが、この場合は『千里(の道のり)を伝わる』でよくなるため直線距離で約3900㎞もの長さを取れる広大な陸地は必要なくなる。仮に外周部を飛ばして千里、つまり円周が3900㎞ほどであれば必要な直線距離は1200㎞強となる。これは東京~那覇間の直線距離と大体同じであるため、島としてはかなり大きくはなるが割と現実的なサイズ感で落ち着くことになる。また、島の内部を蛇行して千里取れる広さであれば、グリーンランド島や本州、あるいはグレートブリテン島(それぞれ現実世界の島では世界第1位、7位、9位の面積を持つ)と言わずとも北海道くらいの大きさがあればかなり余裕で、九州くらいのサイズ感でもギリギリ不自然でない程度の大きさとなる。
結局のところ、この一文のみからワノ国では陸地部分のみで直線距離で千里=3900㎞ある箇所があるとは一概に言えないことには十分留意する必要がある。
ただし、武器を量産しつつ国土の大半が荒野と化し、その上で武器と引き換えに手に入れたであろう分を考慮しても一部地域のみとは言え何不自由ない生活を送れるだけの食料を生産できることを考えれば、それらの生産リソースとなる土地は相応にあるものと思われる。『千里あるとは限らない』という点から『じゃあ小さいのでは』ということも一概に言えないことにも気を付けたいところ。
- 鬼ヶ島の決戦
第三幕にて描かれた鬼ヶ島の決戦では、『ONEPIECE』では珍しい死者が敵味方関係なく発生した。
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伝説の侍
錦えもん カン十郎 雷ぞう ネコマムシ イヌアラシ お菊 酒天丸 河松 傳ジロー
黒炭家
小紫…ワノ国一の花魁。
日ノ国:『ブラッククローバー』における日本をモデルとした国。丁度『ワノ国編』終了と入れ替わる様に登場している。
クズモブ 手のひら返し:ワノ国住人に対してドレスローザ王国民以上に感じられたもの。因果応報染みた仕打ちを受けながらも反省してなさそうだと疑われている。
本編の流れ