概要
『ONEPIECE』の偉大なる航路後半"新世界"の鎖国国家ワノ国の大名一族。
代々、ワノ国の元首たる将軍の座を襲名していた氏族である。
元々光月家は石工の一族であり、かのポーネグリフも彼らにより硬石に古代文字が刻まれ、作り出された。そのため、当主(≒将軍)は古代文字の読み方並びに彫り方を伝授されている。ただし、現在の当主光月モモの助は伝授される前に先代・光月おでんと死別したため、その術を有していない。現時点ではおでんの父・光月スキヤキが最後の技能後継者となっている。
この紋章はゾウにも刻まれており、光月家とゾウの住民ミンク族は代々兄弟分とされている。
該当人物
おでんの父、ワノ国先代将軍。
ワノ国「九里」大名にして、白ひげ海賊団二番隊隊長、ロジャー海賊団船員。
偉大なる航路の最後の島、ラフテルに到達し世界の全てを知った男。
赤鞘九人男と呼ばれる豪傑に慕われる快男児であるが、オロチとカイドウにより命を落とす。
旧姓は天月。800年前の時代の住人だったが、トキトキの実の力で8世紀もの時を超え、おでんの妻となった。
オロチに居城「おでん城」を攻め落とされ、モモの助と赤鞘の侍たちを未来に飛ばし戦死する。
おでんとトキの息子で、日和の兄。現光月家当主。
幼くして両親をカイドウ、オロチに殺され、未来へと飛ばされた所で麦わらの一味と出会う。
現代で人造悪魔の実の失敗作を食べたことで、桃色の龍に変身する能力者となってしまった。
おでんとトキの娘で、モモの助の妹。おでん城落城後、河松と共にワノ国に残り、母の美貌と父の気丈さを受け継ぐ絶世の美女となった。源氏名は『小紫』、ワノ国の太夫(花柳界の最高峰でありトップアイドル)である。
歴史
黒炭との因縁
元々、スキヤキの父(おでんの祖父)はなかなか子宝に恵まれず、周囲を固める「雨月」「霜月」「天月」「風月」「黒炭」の五大大名は後継者争いに浮足立っていた。このうち黒炭家が他の大名家の暗殺に手を出したが、あと一歩のところでスキヤキが誕生し失敗。さらに暗殺が露見しお家断絶に追い込まれた。
黒炭当主の孫である黒炭オロチはまだ子供であったが過激化する残党狩りにより路頭に迷い、同じく生き残りのひぐらし、せみ丸と共に光月への復讐を目論む。
煮えてなんぼの、おでんに候
その頃、成長したスキヤキは結婚しおでんという嫡子に恵まれるも、素行のムチャクチャさに頭を痛めおでんを追放。世間の荒波を乗り越えてひとかどの豪傑に成長を遂げたおでんは後の赤鞘九人男を率いて無法の地「九里」を開拓し、平和な国として統治することに成功。スキヤキはこれに感心し、おでんの勘当を解き九里の大名…そしてひいては自身の後を継ぐ将軍の器として認めた。
しかし、おでんの小間使いとして接近していたオロチは、ひぐらしの「マネマネの実」の力を用いた策略でスキヤキの部下として「花の都」に潜入。そしておでんが白ひげの船に乗ったのをいい事に、オロチはスキヤキに毒を盛り、遺言を偽造して自らを「おでんの代理」と称し将軍の座に着いてしまう。
こうして失脚したスキヤキを差し置いて将軍となったオロチは「四皇」カイドウの後ろ盾をいい事に悪政を敷くこととなる。おでんと別れ、九里のおでん城に戻ったトキと子供達、赤鞘九人男はなんとかして黒炭家の暴挙を止めようとするも、多勢に無勢であった。
ロジャーと別れ、帰国したおでんは国の惨状と妻子への傷害をゆるせずオロチを討とうとするが、せみ丸の「バリバリの実」の力で阻まれてしまい、更に大量の人質をタネにオロチ殺害を断念。オロチは「いずれ船が完成したらワノ国から出ていく」と称し、人質解放と引き換えにおでんに裸踊りをさせて国民からの信頼を削ぐ。
2年の月日を経て、約束を反故にしたオロチに激怒したおでんは、赤鞘九人男と共に二度目のオロチ征伐に向かう。しかしその情報は何者かによりリークされ、カイドウ率いる百獣海賊団がこれを迎え撃つ。激戦の末、おでんはカイドウに痛恨の二太刀を浴びせるも、ひぐらしの加勢により逆転負けを喫する。
捕えられたおでんは釜茹での刑に処され、自分の命と引き換えに赤鞘九人男を逃がす。オロチの一党は光月家を滅ぼすべく九里に侵攻し、おでん城は落城。表向きはここで光月家は滅亡と相成った。
月は夜明けを知らぬ君
しかし、日和は河松により逃がされ、モモの助はトキにより錦えもん、カン十郎、雷ぞう、お菊と共に20年後の世界に飛ばされていた。
ひとまず別れ別れになったイヌアラシ・ネコマムシ両名と再会すべくモモの助たちはワノ国を出て、そこで麦わらの一味と出会うこととなる。
ルフィは人情と利害関係一致もあり、カイドウ討伐に加勢。これにより忍者海賊ミンク侍同盟が誕生し、ワノ国に戻った一行は、各国の侍や侠客を纏め、遂にオロチとカイドウを迎え撃つのであった。
闇夜に月が光る時
そして討ち入り当日、卑劣な裏切りによりモモの助は俘囚の憂き目に遭うも、忍者海賊ミンク侍ヤクザその他色々同盟により、モモの助は救護される。戦いが激しさを増す中、モモの助はカイドウとオロチの目論む「花の都壊滅作戦」を阻止するべく、しのぶに頼み込み、自らを20年分熟成=強制成長させ、カイドウに匹敵する巨体を有する桃色の龍となる。
モモの助はカイドウとの一騎打ちに向かうルフィを助け、焔雲を発生させて鬼ヶ島の落下を阻止。
時同じくして、財宝に紛れ鬼ヶ島に侵入していた日和_小紫はオロチを篭絡させ、隙をついて海楼石の針でその力を奪い、自らが光月の遺児であることを宣告。自らの失策で火に包まれるオロチは最早助からぬと知り小紫を道連れにしようとするも、駆け付けた傳ジローによりトドメを刺される。
時同じくして、オロチとは比較にならぬ業火の龍王となったカイドウはルフィと最後の決戦に向かうも、新たなる力に目覚めたルフィはカイドウを殴り倒し、地中奥深くまで突き落とし完全なる勝利を収める。
無力だった光月の兄妹は、20年の時を超えて仇討ちを完遂するに至ったのである。
戦いは終わった。
火祭りが佳境を迎える花の都に、処刑されたはずの太夫と赤鞘の侍たちが次々と現れる。
彼らを率いる桃色の龍は、煙と共に一人の偉丈夫の姿となり、民の前に降り立った。
おでんに瓜二つのその侍___ワノ国新「将軍」、光月モモの助は、やがてワノ国の歴史に残る名君と称されることとなるのだが、それはまた別の話。