「どうしたんだ?おれ……」
「何で?…まだ立てる」
「敗けたのに楽しくなってきた…アハハハハ!!」
「おれのやりたかった事全部できる…………!!」
「これだ…!!!"ギア5"!!!!!」
※この記事は本編の重大なネタバレを含んでおります
概要
『ONE PIECE』の主人公、モンキー・D・ルフィの身体強化技"ギア"シリーズの1つであり、現時点でのルフィにとっての最強の戦闘手段である。
その正体はルフィが幼少の頃に食べたゴムゴムの実……真名「ヒトヒトの実 幻獣種 モデル“ニカ”」の覚醒によって起きた身体の変化である。
"ニカ"とはかつて存在した伝説の戦士。"解放の戦士"、"太陽の神"とも言われ、その体はゴムそのものの性質を有していたと伝わる(詳しくは該当記事を参照)。その為、読者からは「ニカルフィ」という愛称が付けられている。
つまり、ギア5の発動は"太陽の神ニカ"の性質を再現した現人神になること、そしてルフィの心身が能力の力へ完全に追いついたことと同義である。
そのため、ギア4までのギアとは厳密に言えば別ベクトルの変身なのだが、作中ではギア5と呼ばれている。
自動車における5速の表現のひとつである「5ギア」(ファイブギア)とよく混同しがちで、かつ「ギアファイブ」と読むのはよくある誤りである。
内容 |
|
---|---|
能力 |
|
利点 |
|
欠点 |
|
初登場 | ワノ国編(カイドウ戦) |
経緯
四皇の一角である百獣のカイドウとの3度目の死闘の末、ルフィはCP-0ゲルニカの妨害によって、"声"が消える程の致命打を受けた。
しかしその後、ルフィの心臓が解放のドラムのリズムを刻み始め、ニカッと笑うと共に突如復活を果たす。
ルフィ本人にとっても予期せぬ出来事であったが、「やりたかった事が何でもできる」と直感。この状態を自身の最高地点であると定めて"ギア5"と命名した。
五老星はニカが再来する事態を恐れており、それを阻止すべくCP-0にルフィの暗殺を命じたのだが、皮肉にもその命令が覚醒の切っ掛けとなった。
容姿
[https://www.pixiv.net/artworks/111187254]
ギア5を発動すると、腰巻き以外の着用していた服を含めて全体が白くなり、目の虹彩は赤く染まる。また、髪は炎のように逆立ち眉の形状も変化する。
また、ギア4の時と同じくギア2の状態で出現する蒸気をさながら乙姫の羽衣のように羽織っており、髪型の変化も相まってどこか日本の神道における雷神や修験道における蔵王権現を思わせるような出で立ちをしている。
時折ではあるが、戦闘でない普段のシーンでも稀に変身してる時がある。エッグヘッドで食べ物がホログラムと知った時、涙を流しながら怒り狂った際に変身していた。アニメではこの時、髪と肌の色が赤色だった。
更にこの状態では象主が「解放のドラム」と形容し、ルフィ自身も気づく程に心臓の音が変化し、その音は正しくドラムのリズムである。
そしてこの形態になると"太陽の神"の影響が強く出るのか、ルフィの心は如何なる苦境であろうと楽しい感情で満たされ、意味もなく笑えてきてしまうらしい。
いかなる戦いも愉快な絵面に変え笑い続けるこの状態こそが、ギア5の最大の特徴と言える。
戦闘能力
発動方法
「上がれ心臓の音…!!」
自身の心臓の鼓動を"解放のドラム"のリズムにして発動できる。アニメでこの覚醒と鼓動が披露される際には、字幕では『弾む鼓動の音』と表記されていた。
本編でギア5を初めて発動させることができたのは、カイドウの一撃を受けた際に起こった正に奇跡であったが、以降はルフィがコツを掴んだことで自らの意志で心拍を変えて自在に発動できるようになった。
なお、心拍を変える際にはかつてギア2を発動する際にとっていた構えをする描写がある(ワノ国編終盤や『海賊無双4』など)。
元々ギア2からの強化は、ゴムのような肉体(血管)をポンプのように使って血液の循環をブーストさせることで身体能力を向上させていたが、心臓そのものが変化したことにより更なる飛躍がもたらされたと考えられる。
能力
ギア5は悪魔の実の覚醒を基盤とした形態である。
五老星曰く、ルフィが食べた悪魔の実の覚醒はゴムの体に更なる“腕力”と“自由”を与えると伝わっており、ルフィ自身も「やりたかった事全部できる」と語るまでの極大の強化が為される。その為ギア5を発動させて行う戦闘は四皇のカイドウですら「見たことがない」「まるで絵物語」と称する程に自由なものになり、かつては苦戦を強いられ現在は同じく能力を覚醒させたロブ・ルッチを相手に一方的な戦闘を展開し、終始圧倒できる程の戦闘能力を発揮できるようになる。
ギア5の能力はバトル漫画の世界にギャグ漫画の住人が介入してくるのと同義であり、その無茶苦茶さが四皇としての理不尽な強さに繋がっているといえよう。
これまでに判明している能力は以下の通り。
- 身体の巨大化
ギア3と違って予備動作は基本的に不要。巨大化する範囲も自由自在で、龍に変形したカイドウの胴体を片腕のみで握りしめて捕らえられる程まで腕を巨大化させていたり、上半身全体を巨大化させてカイドウを掴んで振り回している。時間をかければ拳を鬼ヶ島全体を上回る大きさまで巨大化させることも可能になる。
- 腕力を自在に強化
こちらも予備動作は不要。「悪魔の実の中で、純粋に身体能力が向上するのは動物系のみ」と言われるように腕力の向上は目覚ましく、龍状態のカイドウをまるで子供のように遊ぶ感覚で振り回し、地面に叩きつけるようになるまで強化できる。
- 周囲にゴムの性質を付与
ルフィが食べた悪魔の実の本当の分類は動物系なのだが、超人系の覚醒のように周囲の物をゴムに変化させられる。
その変化は物体はおろか周囲の人物にも及び、ゴムに変化させた壁や地面を活用すればカイドウの"熱息"も跳ね返し、殴りつけたカイドウの顔面はその後ろまでめり込んで伸びた。このことから相手がどれだけ硬くても防御力をほぼ無視して攻撃できる模様。
また、どういう訳か雷までもゴムに変化させることが出来るようで、カイドウとの戦いの際には降り注ぐ雷を槍のように握って投げつけたり、掴んだ雷を軸にポールダンスの如く空中で回転するといった機動力の向上にも役立てている。(アニメ版ではそれが顕著に描かれた。)
- 空中を走る
身体を自在に動かせる為、たとえ落下している最中でも両足を超高速で回転させれば、落下を止めて空を駆けるように上昇することができる。
- 耐久力
もともとゴムのように柔軟な為打撃には耐性が高く、牛乳(カルシウム)を飲めば欠けた歯が治るほど再生能力は高かったが、カイドウの本気状態の「熱息」の直撃を受けて尚(黒焦げにはなったが)即座に反撃に出る程まで耐久力が向上する。黄猿との戦いでも、彼の放った高出力レーザーを食い尽くし、顔中の穴から激しい閃光を放っていたが、熱がるだけでダメージはなかった。
- ギア4と同様の戦法
今までの「腕を後方に伸ばして勢いをつけてから技を繰り出す」戦法に加え、ギア4と同様の「拳を腕に引っ込めて圧縮されたバネが飛び出すように撃ち出す」戦法も使用することが出来る。
- 物の創造能力
髪からゴーグルを作り出すなど、アイテムを創造する事が可能となる。
また、既存の物からの創造も可能で、ヤシの木を折って即席のバットを作ると言った応用も可能。
なお、創造したアイテムは一定時間で消滅する模様。
作者によると、正確には「ニカの空想の入口」からゴーグルや野球のヘルメットなどを出現させているとの事。
弱点・反動
打撃に対する防御力がこれまで以上に強化されるギア5だが、ギア4とは異なり斬撃が弱点であることは変わらないままである。
また、ギア5が解除された時にはカイドウやボニーがルフィであることが分からなくなるほど身体が老化する。この反動は超新星編時点のギア3の身体が縮む副作用と同じようなもので、一定時間が経てば元に戻る。
他にも、ルフィ本人曰く消耗が凄いらしく、死にかけの状態でギア5を連続で発動した際にはカイドウに「死ぬぞ」と忠告された。
しかしルフィの驚異的な生命力によってこの弱点はある程度軽減できるようで、エッグヘッド編終盤では長期戦ゆえに何度も変身が解除されてしまっていたのだが、その都度近くにあった食糧を補給し、それらを食べ終わった瞬間にギア5を再発動して戦闘を続行するという四皇の名に恥じぬ恐ろしいほどの継戦能力を見せた。ちなみに短時間の発動であれば使用後の反動は起こらない模様。
また、この状態になったら誰相手でも無双できるというものでもなく、覚醒後もなおカイドウに苦戦している。尤も、覚醒時のルフィは瀕死の状態であり万全ではなかったことや、相手のレベルが文字通り「世界最強」だった故、あまり比較にはならないが。
実際、万全な状態で使用できたエッグヘッド編ではかなりの実力者であるロブ・ルッチに一方的に攻撃を浴びせ、続く黄猿との戦闘においても疲弊した状態ながら大将クラスの中でもトップレベルの実力を読者から買われているあの黄猿を相手に善戦し、最終的に相打ちに持ち込むなど覚醒能力の名に恥じない活躍を見せた。
技
技名は初登場のワノ国編ではルフィも予期してなかった変身だったこともあり、ほとんどがその場の思いつきであった。技をやった後に「今の技の名前何にしよう?」と考えてるものすらある(この事から、ルフィは今まで使用してきた技の名前は全て自分自身で考え使用している事が判明している)。
エッグヘッド編以降は技を考えていたのか、白い(ドーン)”というフレーズがつく技が増えた。これは夜明けを意味する“Dawn(ドーン)”も掛けたダブルミーニングと思われる。
通常時の「ゴムゴムの風船」と同じ技。ただし龍状態のカイドウの体内で使用した際にはカイドウの胴体が膨らむ現象が起きた為、通常時よりも膨らんでいると思われる。また浮力もカイドウが強制的に宙に浮かんでいってしまう程に強力である。
- ゴムゴムの脱出ロケット
カイドウの体内から脱出する際に使用。
流れは通常時の「ゴムゴムのロケット」と同じだが、この技を使用する際、ルフィはカイドウの目玉の裏から手を伸ばし、鼻を掴んで勢いをつけていた。
- ゴムゴムの巨人(ギガント)
身体を自在に巨大化できる能力を用いて、自身を巨人族並かそれ以上の体躯に変化させる。
ある意味ギア3の究極形とも言える。
エッグヘッド編以降もよく使用しており、主に相手を握りしめて拘束し、遠くまで投げ飛ばす戦法をとっている。
余談だが、アニオリながらこの技以前に「身体の大きさを変えられる悪魔の実の能力を持った巨人を小人サイズの状態で呑み込み、体内で巨大化させる」という驚きの方法で、ほぼガワだけながら文字通り巨人サイズにまで巨大化したことがある。
- ゴムゴムの縄跳び
カイドウ戦で使用。巨人化した状態で龍になったカイドウを縄に見立て、縄跳びをする要領でぶん回す。
- ゴムゴムのお返し
カイドウ戦にて使用したアニメオリジナル技。
相手の攻撃によって自分に向かって伸びてきた地面を掴み、そのまま相手に投げ返す即興の技。
- ゴムゴムの???
ルフィがまだ名前をつけていない技。
全身を「ゴムゴムのUFO」のように高速回転させながら突進し、「ゴムゴムの銃弾」のように敵の顔面に目掛けて拳を放つ。
一見ふざけた技であるが、武装色と覇王色の覇気を纏った技の威力は拳がカイドウの顔面を貫通したように見える程にのめり込み、カイドウを地面に背をつけさせる程強力である(アニメ版では遠くの岩盤まで殴り飛ばすという派手な描写に改変された)。ただし実際に顔面を貫通しているわけではなく、悪魔の実の覚醒によって拳が当たる瞬間にカイドウの顔がゴム化したからと思われる。
落雷をゴム化することで掴み、投げ槍のように相手に投げつけるという、カイドウ曰く「デタラメ」な技。技の性質上、使用の際に天候が雷である必要があるためいつでも使用出来る技では無い。
高い威力を誇る落雷のタイミングを自在に操れるという強力な技だが、カイドウには避けられてしまった。一応言っておくが雷を反射神経で避けられるカイドウが異常なだけである。
アニメ版では雷を掴む場面が増えており、その際にはエネルの万雷やビッグ・マムの天満大自在天神を彷彿とさせる規模で描写された。
- ゴムゴムの猿神銃(バジュラングガン)
「奈落のどん底まで叩き落とす!!!」
自身の腕を鬼ヶ島を上回る程の大きさまで巨大化させ、莫大な武装色及び覇王色の覇気を纏って放つ「ゴムゴムの覇猿王銃」の強化版。ルフィはこれまで100種類を超える技を使用してきたが、技名に神という単語が付けられたのはこの技が初であり、今までのギア5の技名がその場の思いつきの様なネーミングセンスであったのに対してこの技のみしっかりと当て字を使われた上で放っている(意味は後述)。
漫画・アニメ・映画・ゲームにこれまで登場したルフィの(他者との連携・合体技も含めた)技の中でも、現状作中最大規模の威力と攻撃範囲を誇り、「火龍大炬」を使用したカイドウの防御を正面から打ち破り、左角をへし折ってそのまま天空から地中奥深くのマグマ溜まりに叩き落とせる程絶大。
ただしその性質上、技の扱い方や技を使用する場所を少しでも間違えると、技を使用した周辺で二次災害(大規模噴火・大地震など)を誘発する危険があるため、この技を下手に使用することはできないと考えられる。
- ゴムゴムのモグラ銃(ピストル)
地面をゴム化させて地中から相手を殴り飛ばす。腕が地中に潜る特性上、相手に軌道を予測させない利点がある。
余談だが、この技以前にアニメ版ではアラバスタ道中にてメスカルサボテンを食べて錯乱した状態で、腕を砂中に忍び込ませ軌道を予測させないように打つ「ゴムゴムのサブマリン」と言う技をゾロに対し使用していた。
- ゴムゴムの白い鞭(ドーンウィップ)
ギア5を発動した状態で放つ「ゴムゴムの鞭」の強化版。
全身を猛スピードで回転させた際に生じた遠心力を加えることもでき、その際は自身の回転の勢いが強すぎて使用後に無防備になる弱点があるが、当たったときの威力は高い。
- ゴムゴムの白いロケット(ドーンロケット)
周囲の建物をゴムに変化させてパチンコ(スリングショット)のような発射台を再現し、そこから自身を猛スピードで発射させて敵を思い切りぶん殴る「ゴムゴムのロケット」の強化版。
発射の際は髪の毛からゴーグルを創造して装着する。
エッグヘッドでは真空ロケットの軌道パイプを発射台にして使用し、その威力は覚醒フォルム状態のルッチの意識を飛ばしかける程だった。
アニメ版におけるルフィとルッチの戦闘シーンでは、お互いの目線でエニエス・ロビーで対峙した際の姿が重なる演出が入った。
- ゴムゴムの白いスタンプ(ドーンスタンプ)
ギア5を発動した状態で放つ「ゴムゴムのスタンプ」の強化版。
黄猿戦では本体と光の分身体すべてを攻撃するために1列に整列するよう仕向けてから放ったが、効果は得られなかった。
- ゴムゴムの白星銃(スターガン)
全身を竜巻のように高速回転させながら強力な武装色と覇王色の覇気(黒い稲妻が発生していることを根拠にした推測)を纏った拳を放つ。
エッグヘッドに襲来した海軍大将黄猿に対して使用し、彼の側頭部に直撃した際にはゴム化によって拳がめり込み、星が飛び散るようなエフェクトが発生した。
その威力は黄猿を一撃で動けなくさせるダメージを与えるほど。
カイドウとの戦いでも似たような技を使っており(名前は決まっておらず、ルフィ本人も使用後名前を何にしようか考えていた)、その技に付けた名前である可能性が高い。
- ゴムゴムの白い銃乱打(ドーンガトリング)
「そして これからパンチはこう撃て!!」
「友達(ダチ)を傷つけやがって!!」
ギア5で腕力を強化した拳に武装色を纏い、相手をタコ殴りにする「ゴムゴムの銃乱打」の強化版。
エッグヘッドで交流を結んだ人物たち、そして2年前に一味を救ってくれた恩人を苦しめた全ての元凶に向けて放った。
- ゴムゴムの白い万力(ドーンシンバル)
二人の相手を掴んだ後、巨大化させた腕で挟み潰す。
潰された相手はピザ生地の様にペラペラになり、そのままピザ回しの如く回転させた後に遠くへ投げ飛ばす。
恐らくはキッドの磁気万力(パンクヴァイス)による「いかに敵が固かろうと、大重量で潰されれば“圧死”は免れない」と言う戦法と、ローの「戦場から敵を直接倒さず排除する形で脱落させる」という戦術を組み合わせた技。
エッグヘッドでボルサリーノとサターン聖に対し使用し、ボルサリーノを軍艦まで吹き飛ばしたが、サターン聖はペラペラになった状態を逆利用されヨーヨーやフリスビーの如くUターンした事で復帰してしまった。
- ゴムゴムの白い風船(ドーンバルーン)
身体を大きく膨らませて敵を腹部に押し込み、味方に背中側から攻撃してもらうことで思い切り反発させて敵を空の彼方へ吹っ飛ばす「ゴムゴムの風船」の強化版。原理としてはギア4タンクマンの「ゴムゴムのキャノンボール」に近いため、そちらの派生技とも解釈できる。
作中ではサンジの「魔神風脚 地獄の思い出」、フランキーの「ストロング衝撃”右”」、ボニーの「ニカのパンチ」を背中で受けて腹部を反発させ、マーズ聖を空の彼方へ吹き飛ばした(なおフランキーは不明だが、全員覇気を纏って攻撃していたので当然ルフィは悲鳴をあげて痛がっていた)。
- ゴムゴムの白い銃(ドーンピストル)
ギア5で腕力を強化しつつ、覇気を纏った拳を敵に向けて一直線に放つ「ゴムゴムの銃」の強化版。奇想天外かつ予測不能な挙動が多いギア5の技の中では比較的シンプルな攻撃。
戦績
対戦相手 | 勝敗 | 備考 |
---|---|---|
カイドウ | 〇 | アクシデントにより一度は死の淵に立たされるが、突如解放のドラムが鳴り響き、ルフィの能力が覚醒。奇想天外な技でカイドウと互角以上に渡り合い、最後は”ゴムゴムの猿神銃”で勝利を収めた。 |
ルッチ | - | ベガパンク抹殺のためエッグヘッドに襲来し、ルフィとエニエス・ロビー以来の戦闘を繰り広げたが、最終的にルフィ達は真空ロケットで離脱したため決着はつかず。 |
黄猿 | △ | エッグヘッドで戦闘。当初はスネイクマンで対抗していたが、攻撃を捌ききれずギア5に切り替え。ルッチやセラフィムとの連戦で疲弊した状態ながら相打ちに持ち込む活躍を見せた。 |
??? | - | エッグヘッドで戦闘。身体能力では圧倒して見せたが相手の再生能力などの特性も相まってダメージは与えられない事から撤退戦を選び、最終的に巨大ロボットが出した特大の覇王色の覇気で強制送還させる形での決着となったため勝敗はつかず。 |
余談
- コミカルな描写
ギア5の発動時には覚醒したルフィやその覚醒ルフィに掴まれたカイドウ、そして戦いを観ていた周囲の人物の顔から目玉が飛び出すという、一昔前のカートゥーンアニメのような演出が覚醒後の戦闘には追加されている。
カイドウからも「まるで絵物語」と評されたが、これは前述の周囲の物体にゴムの性質を付与する能力によるものとみられる。
これらは1930年台のカートゥーンに顕著にみられた、キャラクターの体やあらゆる物体がゴムホースのように伸縮する「ラバーホースアニメーション(Rubber Hose Animation)」と呼ばれる表現を意識したものと思われる。
ちなみに、その代表の宇宙の帝王をも恐れさせた中年警官は、コラボ企画にてゴムゴムの実を食べている。
ルフィの心臓が鳴らした「ドンドットット♫」とのリズムは、かつて麦わらの一味が辿り着いた空島で行った大規模な宴(キャンプファイヤー)で響いていたものと同じである。また「太陽の神」のワードが初登場したのも空島編だった。
- ジョイボーイとの関係
現時点では太陽の神ニカとほぼ同じ人物とされるジョイボーイだが、現実の伝承でのジョイボーイも体が伸びる特異な性質を持っていたとされる。
- 読者の質問に対する作者の回答
単行本98巻のSBSのコーナーにて、読者の「ギア5は来るのか?」という気合の入った文字で書かれた質問に対して、作者は「今の世界は5Gの時代」というジョークの混じった回答をしていた。この時点でギア5の構想はあったのだろうか。
- モチーフ
「ニカ」とは「ゴムの木」の現地での別名であり、またハッピーツリーでもある。
また、インドにおいて白い猿、人々を笑顔にする、伸縮自在の法で大きくも小さくもなれる、服装が2年後のルフィとそっくり、父親が風に関係する、インド神話最強クラスの戦闘力、「猿神」で「バジュラング」という当て字になっていることからハヌマーンなのではとも考察されている。
小冊子「Road To Laugh Tale」に掲載されたギア5の設定画に「ハヌマーン 猿神」とあり、ほぼ確定と思われる。
尚、「ゴムゴムの猿神銃(バジュラングガン)」に関しては雷神インドラがヴリトラという龍を倒すのに使われた武器である『ヴァジュラ』もモチーフに含まれているという意見も少なからずあり(ヴァジュラ+コングでバジュラング)、ルフィはこの技を龍に変形したカイドウとの戦闘で使っている。
また、コンセプトとして確定しているモチーフがあり、それが『トムとジェリー』である。
尾田氏は青山剛昌氏との対談にて、ギア5のカートゥーン的な描写は『トムとジェリー』に由来していると述べている。
更に、『トムとジェリー』を参考にしたと思われる描写は、ゴムゴムの実の腕が伸びる様や、水を飲み干して身体を水風船やポンプの様に膨らませる、ギア3の腕を風船の様に巨大化させる等、これまでにも散見される(と言うか、他作品を参考にしたとしてもその中でも明らかに『トムとジェリー』から参考にしたと思われる要素が多い)。トムとジェリーとギア5を比較しているユーザーも多いので、気になったら調べてみよう。
また、主人公の1人であるトムの本名は「Thomas D. Cat(トーマス・D・キャット)」と「D」のイニシャルをミドルネームに持っている点も類似している。
- メディアでは
2022年8月6日公開の『ONE PIECE FILM RED』においてテレビアニメ本編に先駆けて映像作品に初登場。終盤の決戦(※リンク先ネタバレ注意!!)にてギア4から覚醒する形で顕現し、その直後に一瞬だけの後ろ姿とはいえ全身像が明らかになるなど、サプライズとしての登場であった。
そして劇場版公開から丁度一年後、遂に地上波でも登場する事になる。この回の演出は長峯達也。
アニメでは体の柔らかさや奔放さが強調されており、立っているだけでも全身がふにゃふにゃと揺れ、動けばカートゥーンのような無軌道かつ自由すぎる挙動を見せ、この世で最もふざけた能力の評価に相応しい描写が施されていた。
なお、強敵との戦いで大ピンチの主人公が自身の秘めたる能力に覚醒し反撃に移るという、少年漫画(を原作とするアニメ)としては王道の展開であり、ルフィ自身もとても楽しそうなのに、一瞬映る神にも悪魔にも見えるシルエットやひたすらバカ笑いしながらカイドウを圧倒する姿に底知れない恐怖を覚えた視聴者も多かったという。ルフィ個人はONEPIECEの世界においては前代未聞の大悪党という評価であり、確かにこれが世界にとっての『悪』であり『敵』であるとすれば怖すぎる存在と言えよう。
また、その後のエッグヘッド編でもその自由さと狂気は変わっていないどころかむしろワノ国以上に強化されており、やはり敵としての狂気性が全面的に押し出されている。
また、アニメ版独自の演出として目が赤く光るというのも特徴であり、これがギア5の底知れぬ狂気性を醸し出す要因になっている。
- 声優
ルフィ役の田中真弓曰く「ハ行は音が抜けるからギアフィフスは言いにくく現場で大変だった」とのこと。ただし、ギア5のときは常に笑っている演技をしていればいいので楽だったとも語っている。
- 手配書
ワノ国編終盤にてゲルニカが撮影したギア5状態のルフィの写真がモルガンズの手に渡ったため、四皇入りを果たしたルフィの手配書の写真はギア5のものになっている。
- 使用頻度
現在のルフィの最強の戦闘手段であるが、同時にルフィがやりたいことが全部出来る形態でもある為か、使用頻度は多い。実際、エッグヘッド編ではセラフィム戦以外のすべての戦闘において活用している。
- 乗っ取られている説
ギア5習得後のルフィについて、一部の読者から「段々とルフィの意思がニカに乗っ取られているのではないか?」という意見が挙げられている。根拠としては...
- 信頼を置いている人物が瀕死の重症を負っているのを見かけた際、心配こそするものの、ほぼ毎回ギャグ顔(状況的に場違いにも見える反応)で驚く
- 味方が命の危機に瀕しているようなシリアスな場面でも、終始ゲラゲラ笑い続けながら戦う
といった感じで、状況とルフィの態度が噛み合っていないように見える事に違和感を感じているのではないかと思われる。
更に、ルフィのこの姿について作中では、
- カイドウが「お前は誰だ」と問い掛ける
- この場ではルフィは自身の名を名乗ったが、この質問自体、カイドウがルフィとして認識出来ていなかった証左であり、この発言がフックになっている読者も多い
- 麦わらの一味(特に覇気を使用出来ないメンバー)はこの姿がルフィである事を認識できていない
- アニメ版での話になるが、ロブ・ルッチとの衝突でギア5発動時に「来た」という発言をしており、ルフィがまるでニカを呼び寄せている様な言動をとっている
と言った感じで、ルフィの身近に居る人物がこの姿をルフィと認識できておらず、ギア5が普段のルフィからかけ離れた姿である事は間違いない。
だが、前者については味方を傷つけた張本人をその後容赦なくボコボコに叩きのめしていたり、後者はバカ笑いこそしているものの言動は普段のルフィと変わらないことから「ギア5の影響でギャグテイストが強くなっているだけであって、根っこは変わらず普段のルフィのまま」というのが現状の最適解と考えられる。
実際、カイドウ戦や映画『ONEPIECE FILM RED』の最終局面などの臨場感溢れるシーンでは、普段のおふざけは鳴りを潜めてシリアスな表情を見せている。
- 初登場時の容姿に対するファンアートへの影響
本誌に初登場した際は、カラーイラストが無く明確なカラーリングが判明していなかった。そのため、当時pixivで投稿されたイラストでは服が過去の"ギア"シリーズに合わせた赤色で、髪の毛が金髪(スーパーサイヤ人の影響?)となったものが多く見られる。