概要
作中の時系列で900年前~800年前にあたる「空白の100年」の間に実在した地上の人物とされており、魚人島の王族にその名が伝えられている。
作中での登場
魚人島編
その名が作中初めて語られたのは、魚人島にあった歴史の本文(ポーネグリフ)を読んだニコ・ロビンとネプチューン王との会話。
その歴史の本文には、ジョイボーイという人物から当時の人魚姫に宛てた謝罪文という、既存のそれとは違う異質な内容が記されていた。
王家には「"偉大なる人物"」として伝わっており、「いずれ必ずジョイボーイに代わって約束を果たしに来る者が表れる」との伝説が残されていた。
ワノ国編
光月おでんの冒険を描いた過去編にて、おでんを含めたロジャー海賊団が先述の魚人島の「歴史の本文」を発見した時、そして最後の島ラフテルで"ひとつなぎの大秘宝(ワンピース)"を発見した時に言及された。
ゴール・D・ロジャーはラフテルでジョイボーイに対して
「同じ時代に生まれたかった」「とんでもねえ宝を残しやがって…!」
と笑いながら口にしたことから、"ひとつなぎの大秘宝"をラフテルに遺した(あるいは隠した)人物であることが示唆された。
また、おでんは世界のすべてを知ってからワノ国の開国を志すようになる。それは、いつかジョイボーイが現れた時のためにその人物を迎え入れる国としてワノ国が必要なためだという。
その名を知るもの達によれば、やがて800年の時を経て再びこの世界に現れるとされているが、それが光月(天月)トキのように生きながらにして時間を渡ってくるのか、その魂または意志を受け継いだものが現れるということなのかは明言されていない。
鬼ヶ島にてルフィとの2度目の戦闘を制した際、海に落下するルフィに対して
「お前も…ジョイボーイには……なれなかったか………!!」
と漏らした。
またカイドウのルナーリア族の部下の回想によると、カイドウは彼からジョイボーイについて聞いたことがあること、彼本人はカイドウのことをジョイボーイだと思っていた節があることが判明。
会話からルナーリア族にはジョイボーイに関する伝説があり、「キング又はルナーリア族の望む世界を作れる人物」がジョイボーイだと言い伝えられている模様。
これらを踏まえると、ルナーリア族もジョイボーイに関わりがある可能性、そして「ジョイボーイ」が称号・通り名のようなものである可能性が浮上してきた。
また、おでんとトキの息子であるモモの助から、象主(ズニーシャ)とジョイボーイは仲間だったこと、象主が歩き続けることしか許されなくなったきっかけである「罪」を800年前に共に犯したことが明らかになった。
CP‐0の妨害により、カイドウに三度の敗北を喫したルフィ。
様々な感情が交差するなか、鬼ヶ島討ち入りは終結に向かおうとしていた。
そんななか、モモの助は象主の声を聞く。
「モモの助……!!」
「聞こえる……!!」
「懐かしいな」
「“解放のドラム”が聞こえる」
「800年振りに聞く……!!」
「間違いない そこにいるぞ」
象主は告げる。
「ジョイボーイが帰ってきた!!!」
その時。
敗北した筈のルフィは、にかっと笑っていた。
次の1044話における五老星のセリフと同話以降の象主のセリフを合わせると、ジョイボーイが先代のニカであるのはほぼ確定と思われる。
「キング…おれはジョイボーイが誰だかわかった」
「誰です……?」
「この先おれを倒した男だ!!!」
「じゃあ………現れそうにないな…」
以前、カイドウが口にしていた「お前も…ジョイボーイには……なれなかったか………!!」というセリフの真意(?)が判明。結論から言うと、カイドウはジョイボーイのことについて何かを詳しく知っていた、というよりは「自分を倒した人物がジョイボーイである」、というカイドウの持論に基づくセリフであった。
かつて光月おでんが目指し、その家臣でもある赤鞘九人男らが受け継いだ目標は「ワノ国の開国」であったが、カイドウ曰く、その目的はジョイボーイを迎えるためのものであるらしい。つまり、世界政府非加盟国であるワノ国を開国し、ジョイボーイを堂々と迎えられるようにすることが開国の目的の一つであったのだろう。しかし、結果としておでんやその家臣は敗れ、自分が居座ることでワノ国の開国は絶望的になったことから、カイドウの考えとして、
自分がこの国に居座る以上、ジョイボーイ自身が開国を直接しに来なければそれは叶わない→その為には自分を倒す必要がある→つまり、ジョイボーイ=カイドウを倒した男
というものが根幹にあると推測される。
そしておでんが敗れ、20年後に対峙したルフィが鬼ヶ島屋上にてカイドウに二度目の敗北を喫した際にルフィが敗れた、つまり、カイドウを倒せなかったことから、「お前も…ジョイボーイには……なれなかったか………!!」というセリフをつぶやいたものだと思われる。
しかし、来る1049話、遂にカイドウはその真の力を解放したルフィの渾身の一撃を食らい、彼に敗北した。
由来?
現在ジョイボーイに関しては謎に包まれているが、1989年12月に刊行された「想像と幻想の不思議な世界―エンサイクロペディア・ファンタジア」という本に「ジョイボーイ(JoyBoy)」という人物が記載されている。
その内容を要約すると、「踊り、歌い、歓喜の声をあげたいという人間の欲求を具現化した西インド諸島の人物であり、人間が抱える欠点や問題を笑い飛ばし、絶妙なリズムで太鼓を叩くことで人間の苦悩を癒やした」とされる。
ジョイボーイの音楽を聞いた人たちはそのリズムにあわせて踊って歌いたくなり、最終的に抱えていた苦悩は消えてしまうようである。
ちなみにこの由来が記された本は現在入手困難である。
太古の昔に奴隷達が「人を笑わせ、苦悩から解放してくれる」と信じた伝説の戦士との共通点が多いが果たして…。
関連タグ
以下1114話の内容を含みます
エッグヘッド編にてベガパンクにより世界中に明かされた事実。
それはジョイボーイは900年前に実在し、エルバフに伝わる太陽の神ニカの能力を持っていた......
歴史上最初に海賊と呼ばれた人物であるとのことだった。
ジョイボーイの敵は現在の「世界政府」が樹立される前の前身である、20の王国の臨時共同体の「連合軍」であり、出身は驚異的に文明が発達した国である事、20の王国が団結しなければならない程ジョイボーイの一団は堅固であった事、そして空白の100年にジョイボーイの一団と「連合軍」との戦争が勃発し、戦争はジョイボーイが「連合軍」に敗北した事で幕を降ろした事が判明している。
そして1122話にてシルエットで登場した際は、いつか訪れる死に対してエメトと対話すると同時に、「自分の命が危ない時」或いは「護りたい誰かの命が危ない時」である「いざって時」に対し、自身の最大級の覇王色の覇気を体内に閉じ込めた事が明かされ、それは後に五老星をマリージョアへ強制送還させ、黄猿を除いた海兵を全員気絶させる形で麦わらの一味と巨兵海賊団を脱出させる手助けとなった。
人物像
- 性格
一人称は「おれ」。
回想では基本的に冷静な口調で話していたが、エメトがいつか訪れるジョイボーイの死を心配している際は気さくな態度で励ましていた。
- 能力
覇王色の覇気を扱えることが分かっている。
その威力は五老星の変身を解除させ、パンゲア城へ強制送還する程の凄まじいものである。
- 容姿
マントを羽織っており、その頭には麦わら帽子と思わしき帽子を被っていた。
なお、エメトとの対比からすると体格はルフィと大差ないか少し上程度の模様。