地形
赤い土の大陸にある聖地マリージョアの真下、海底1万mの世界で唯一海底に陽光が指す海域に存在するリュウグウ王国の巨大なシャボンで包まれた島。宮殿「竜宮城」の存在する浮島と、その下の魚人島本島により構成され、海底の楽園と言われる「偉大なる航路」の名所でもある。
真上には海底に根を届かせている陽樹イブにもたらされる地上の日光が届き、光合成を行う植物やサンゴにより空気が供給されるため人間も活動することが出来る。
その遠さと水圧から魚人と人魚以外が赴くにはシャボンディ諸島からシャボンで船を覆ったコーティング処置をした上で潜水しなければならないが海洋生物の襲撃(シャボンが割れてしまうので反撃にも注意が要る)や海底の地形に船ごと粉砕されることも多い事に加え、途中で深海の暗闇に包まれ海底火山やこの海域を周回する略奪者達の餌食にされるケースも多いので魚人島に向かう船は到達前に七割が沈没すると言われている。
文化
魚人島とは別にリュウグウ王国領土(?)内には「魚人街」というスラム街が存在し、タイヨウの海賊団の幹部たちはここの出身者が大勢を占める。
深海の中に存在しているにもかかわらず、もう一つの空や雲などが存在している。
高級住宅街にギョバリーヒルズがあったり、魚民文化会館、マリンショッピングモールなどの施設も存在する。
仕事帰りにスイーツを食べるOLがいたり、害虫駆除をする清潔な環境を望むくらいの余裕ある人達もいたりするくらい文化的ではある。
また、世界政府加盟国ながら、人間の海賊たちが落とす金で成り立つ観光国というモックタウンのような一面を持つ。
それゆえ、人魚・魚人に危害を加えられない限りは、島民達は基本海賊にも寛容。
新世界を目指す海賊達が必ず通る要所ながら海軍の基地がないのは、行き来が非常に難しい(モンキー・D・ガープですら深海には「死ぬかと思ったわい」と述べている)ことやリュウグウ王国側が必ずしも海軍による取り締まりを望んでいないことも理由と思われる。
記録指針
記録指針(ログポース)の記録が溜まる期間は半日だが、以降は偉大なる航路で唯一頼りになった磁気すら変動する環境となるため、指針が3つあるものに変える必要がある。
住む人々
魚人島は500万人(12年前の時点)の人々が居住しており、大きく分けると魚人族と人魚族に大別される。
魚人と人魚は人間に非常に近い遺伝子を持つため(輸血も医学上では可能)、魚人同士・人魚同士だけではなく、この3種族のいずれとも生殖し子孫を残すことが出来る(それどころか巨人族と交配したヤツまでいる)。従って、魚人と人魚がカップルになった場合、生まれてくる子供は性別と種族により4パターンが存在する。
彼らは基本的に親の遺伝子をメンデルの法則通りに受け継ぐことはなく、先祖の遺伝子のうちどれか一つをランダムに表層に出して生まれてくる。そのため、タコの人魚からサメの人魚が生まれることも珍しくない。更に体格差も生じやすく人間の子供のような小ささで成人に達している者もいれば巨人族に匹敵するかそれ以上の体躯の者もいる(こちらは発現する魚の種族に由来する模様)。
こういった種族故に、彼らは基本的に外見で差別するという考えは生まれず、人間のように姿形の異なる姿を持つ種族を忌み嫌う発想を理解することが困難である(そのため、一部の過激な連中は、「そんなことしかできない下等生物」として人間を見下している)。
しかし、恋愛感情や結婚に関する倫理観などは人間とそれほど離れておらず、悪魔の実を傍迷惑なストーカー行為に使う海賊とその被害者とのやりとりには、ごもっともなツッコミやリアクションをとっている。
魚人と人間の混血児は半魚人(例:デリンジャー、サピーなど)、巨人との混血児は魚巨人(ウォータン)(例:ビッグパンなど)と呼ばれる。人魚の場合は半人魚(例:シャーロット・プラリネ、チムニーの父など)と言われるようだ。
また、体格だけでなく腕や足の数までがバラバラの人物が多いためか、武器や護身具の種類が多いが、各々の個性に合わせた指導や鍛え方をさせづらいのか、練度は左程高くない。そのため、魚人族・人魚族の強者の多くは、素手や水を活かした徒手空拳に重点を置いて鍛えている。
魚人族
魚人族は魚、甲殻類、軟体動物(映画『デッドエンドの冒険』では海獣であるシャチの魚人まで登場していた)など水生生物(淡水の生物もいるが海中でも支障はない)の特性を主に「上半身」に受け継ぐ種族であり、
人魚族同様人間から進化したれっきとした哺乳類であり、胎生で体毛や爪も備えている。
水の抵抗に逆らえるようにするためか生まれながらにして人間の10倍の筋力を有し、水中では首元にある鰓で呼吸を行い、深海1万mの水圧にも耐えられる体を持つ。
彼らは人間に近い上半身を有する人魚族とは異なり、人間とは明らかに異なる肌の色を持っているケースが多く、頭足類等の多足生物の形質を持つ場合には阿修羅のような多腕になる。
タコやイカ以外の魚人は手の指に水かきを備えているが、普通に物を持つことはでき、指輪を付ける者もいる。
魚食を避ける傾向の強い人魚族とは異なり、魚や海獣も問題なく食す(形質が何であれ特に意識することは無い。例えばタコの魚人のはっちゃんはたこ焼きが大好きである)。
劇中では、魚人達族が人間達に虐げられてきた事実がクローズアップされる事が多いが、魚人族達も魚人族達で気性が荒く野蛮な側面が描かれる事があり、ナミの故郷であるココヤシ村におけるアーロン一味の蛮行等が代表的で、人魚族の中には攻撃的な魚人達と同類扱いされる事を嫌がる者もいる。海洋生物も「自分より劣る」と見て、力で従えようとする事が多い傾向から、人魚族の様に「魚と会話する」という技能を持つ魚人も少なく、その事は地上の人間にとってもある程度認知されている模様。
冷酷非道なサー・クロコダイルでさえも、魚人達の事を「粗暴な種族」と認識している様で、それを言われたジンベエも、アーロンの事があってか否定していない。その為、例外的にジンベエがジンベエザメとの会話を可能としていたのを知った際はクロコダイルは驚きを持って反応していた。
一方、中には気性の荒さ以上に、団員特有のノリが目立つ上に、仲間意識は非常に強く、争いごとより商いや船大工仕事を好む者もいる。
人魚族
人魚族は水中生物の特性を主に下半身に受け継ぐ種族であり(この形質から下半身には何も着用しない傾向にある)、多くは上半身が人間に酷似した姿を取る。
下半身が魚を模している分、水中の移動速度は魚人や他の海洋生物の追随を許さない。一方人間の進化系であるため基本の骨格は下半身も類似しているようで座り方は人間と変わらず腰痛を患ることもあり、加えて鰭一対で支えるという点さえ解決すれば直立もできる(下記参照)。
筋力は人間と大差ないものの、深海1万mの水圧にも平然と耐えられる点は変わらず、鍛えれば魚人に匹敵するほどの実力を持つ者(ネプチューンや三王子やヒョウゾウなど)もいる。
男性は年老いてもそのままだが、女性の人魚は30歳を超えると尾鰭が二股に分かれ始め、足の役割も果たすようになり陸上で活動できるようになる(頭足類などの多足生物の人魚の場合は子供の頃からフツーに歩き回れる)。男の人魚や若い女の人魚は歩くのに向いてないため、シャボンを浮き輪や車椅子代わりにして浮遊し、尾びれで空気を掻いて移動することが一般的である。なお、イタチウオの人魚であるアラディンはシャボン無しで地上を歩いていたので、尾びれで普通に歩ける者も居るようだ。
人魚の多くは魚と会話することが可能で、性格もおとなしい者が多い。ココロは角界ガエルのヨコヅナとも会話できる。ネプチューンは鯨とも会話できる。海洋生物の多くを友達と認識しているため、魚や肉を食べるものはほとんどおらず、タンパク質は貝から摂取することが多いらしい。
魚人族を含む他の種族が魚や肉を食べることに関しては、特に忌避感は抱いていない様子(人魚のケイミーははっちゃんのたこ焼き屋を手伝っていた)。
原作での関わり
本作が新世界編に突入してから初の長編であり、物語初期から登場していた魚人族に本格的にスポットが当たる内容となっている。
ゴルゴン三姉妹の恩人でもあるフィッシャー・タイガーが回想で登場したり、過去の時系列だがアーロンが十数年振りに物語に再登場している。
ホーディ・ジョーンズ率いる新魚人海賊団が魚人島編の敵対勢力だが、麦わらの一味は2年の修行を経て大幅なパワーアップを果たしているため新技をお披露目する形で圧勝している。
訪問までの長さ
ジンベエの名と同じく、作中で初めて言及されてから実際に描かれたのに意外と時間がかかっており、最初に言及したのは原作69話のサンジの口からで、原作435話でココロの口から出た時点で忘れかけた人もいたのかもしれない。しかも待ちかねていたサンジの期待に反し、このあと紆余曲折を経て、実際に訪れたのは原作607話。69話からは約12年、435話からは4年かかった。その上、魚人島直前までサンジはよりにもよってカマバッカ王国行きのハメ。作中では69話で言及してから2年あまり(バラティエからシャボンディ諸島までは日数不明なため推定で半年足らず)待たされたことになる。
関連タグ
ONEPIECE 魚人海賊団 新魚人海賊団 タイヨウの海賊団
グランオーシャン:日曜日の他局世界に登場する、人魚が住む島。