リンリン「関節が多いから外してあげようと思って」
カルメル「ダメよ! 手長族はもともと1つ関節が多いの!!」
概要
漫画『ONE PIECE』に登場する人種。他の種族同様人間から進化した部族である。
その名が表す通り肘が二つあるのが特徴で、体型は人間と変わらないが腕が常人の1.5倍以上の長さになっている。関節の自由度がかなり高く、コマによっては、「これ逆関節になってんじゃねえの?」というシーンもあるが、基本的には「コ」の字か「N」の字に曲がるようだ。
110巻SBSによると、手に近い方の肘は「友肘」、肩に近い方の肘は「恋肘」と呼ばれており、相手との距離感を表してるとの事。
彼らは偉大なる航路(グランドライン)に生息しているようで、人間よりは少々希少であるためかシャボンディ諸島の人間屋では手長族であるだけで最低金額が70万ベリー(人間は50万ベリー)になっている(ミンク族や足長族などと同様の金額となっている)。
手長族の生態に関してはまだわかっていない部分が多いが、ブルックがバーソロミュー・くまにより送り飛ばされたテーナ・ゲーナ王国(後述)では手長族が数千人規模の集落を築いており、山向こうの「ハラヘッターニャ」を襲撃して人間を拉致、「手の関節が1つ少ない希少な亜人」などと称し見世物にしていた。ブルックが作中で発言している通り、その姿はまるで人間たちが手長族に見せる奇異の視線そのものであり、なかなか難しい問題を抱えていることが窺える(作中で活動していた実行犯の一味はブルックが導いたハラヘッターニャの住人に一度返り討ちにされたが以後の対立しているかは描写されていない)。
また、扉絵連載では「足長族と千年抗争を行っている」とされており、ライバル関係にあることが明かされた(とはいえ下記のイデオと足長族のブルーギリーが同じ組織を結成するに至っておりその敵対状況は魚人族と人間族のように互いの種族の先人から聞くなどした先入観から来ているのが大きい可能性が高い。こういった点やアニメオリジナルではあるがシューゾの様に世界政府に所属する(していた)者もいる事、上記の扉絵に登場した手長族はテーナ・ゲーナ王国の住人とまるで違う服装であった事を踏まえると巨人族同様少ないながらも複数の生活圏を形成していると思われ全ての手長族が他民族との対立意識は持っているのではない模様)。
テーナ・ゲーナ王国
偉大なる航路前半のとある島に存在する手長族の単一民族国家。山を隔てて貧困に喘ぐ人間の集落「ハラヘッターニャ」がある。
文化圏はどことなく花ノ国やアマゾン・リリー同様、中華風の趣がある。
王国という扱いであるが、世界会議(コミックス82巻から開場)に手長族の姿は見受けられない。非加盟なのか欠席なのかは不明であるが、2年前時点では人間と全く共存する意識が見られなかったため、この時点では非加盟だった可能性もある。
彼ら手長族の暴れ者たちにより見世物にされたブルックがその楽才で一世を風靡し「ソウルキング」として世界的スターダムに伸し上がると、彼らはマネージャーを名乗って空島由来の音貝(トーンダイアル)の養殖販売を始め、人間社会に迎合しまくっていた。
主な手長族のキャラクター
かつての11人の超新星、現在の"最悪の世代"の一人で超人系 悪魔の実「オトオトの実」の能力者。オンエア海賊団船長だったが、「四皇」百獣のカイドウの軍門に下った。
- サンクリン
ハラヘッターニャの住人を攫っていた手長族の盗賊三人組のリーダー格。
一度はブルックに敗れ捕縛されるも、改心するフリをしてブルックを攫い、見世物にした。
ブルックがギターを弾き始めてからは、彼を利用して金儲けを企むべく、2人の部下と共に彼のマネージャーとなる。
ところが2年後、ライブで訪れたシャボンディ諸島にてこの地で麦わらの一味の元に戻るために彼から引退の話を告げられた事に激怒し、海軍に通報するが逃げられてしまった。攫う形で始まった打算ありきな共同の旅をしていたが銃を突き付けられながらもブルックは2年間世話になりシャボンディまで連れてきてくれた礼と観客達からせめて彼にもう一度歌わせてほしいと海軍を引き止めていたのに答える形で最後の曲を聞かされておりそれなりに感謝されている(アニメでは2年間共に過ごした苦楽を回想しそれでも銃を突きつけるも歌に感化されて後ろめたくなったのか部下達が止めに入っていた)。
ドレスローザ編後、シャボンディ諸島で麦わらの一味を取り上げた新聞を破って、部下共々暴れていた。
エッグヘッド編ではベガパンクのメッセージに対し、ロジャー海賊団が「古代兵器」や「空白の100年」の全ての情報を知り、掌握している事に対して、部下やテーナ・ゲーナ王国の他の住民たちと同じく映像電伝虫の映像越しで抗議していた。
「破壊砲」の名を持つ拳闘士。腕の関節を肩の上に押し込め、パイルバンカーのように叩き込む強力なパンチを有する。麦わら大船団に子分杯を交わし、足長族のブルーギリー及び元賞金稼ぎのアブドーラ&ジェットと共にXXXジム格闘連合を結成。後にイデオ海賊団に改称し船長となる。
ビッグ・マム海賊団の一員で、シャーロット家の25女。純粋な手長族ではなく手長族のハーフ("ビッグ・マム"ことシャーロット・リンリンが人間であるため)。
31男シャーロット・モービル、24女シャーロット・マーブル、26女シャーロット・メープルとは四つ子であるため、彼らも腕が長い。
CP‐0のメンバーの一人。
今の所戦闘シーンは描写されていない為、戦闘スタイルも不明。
余談
テーナ・ゲーナ王国とハラヘッターニャで起こる「拉致」や「見世物」といったいざこざは、古典落語の演目「一眼国」がモデルと思われる。
「一つ目の人間がいる」という噂を聞いた男が、これを捕まえて見世物にしようとするも、逆に一つ目人間たちに捕縛され、最後は「目が二つある珍しい人間」として見世物にされてしまうというストーリーで、眼と腕という違いはあれど大まかな話の内容はほぼ一致している。
「四皇」"ビッグ・マム"の「珍獣コレクション」の中には、手長族と足長族のハーフと思しき手足長族が幽閉されていた。