「人の売り買いなんて世界中で『禁止(タブー)』よ!!政府にいくら払ってんの?」
「政府や軍の関係者は我々と話をしても『人身売買』という言葉が『聞き取りづらい』らしく、この商売の存在など全く知らない様ですねェ」
「………バカバカしい…完全にグルってわけか…」
概要
『ONEPIECE』世界の闇商売の一つ。
世界政府は当然、世界中のどの国でも「人身売買」を重罪として禁じている。白ひげ海賊団など一部の海賊でも、「自分の縄張りで人身売買に手を出したやつは殺す」といった掟を課しているくらいである。
だがそれは表向きで、その「犯罪」たる人身売買を堂々と行っているのが、偉大なる航路の折り返し地点「シャボンディ諸島」に存在する人間屋(ヒューマンショップ)である。
人間屋で売り買いされているのは世界政府非加盟国の住人及び犯罪者とされており、主に海賊や、シャボンディ諸島に無数に存在する賭場での破産者などが贈られることが多い。
しかし、それはあくまで名目であり、実際は高値が付く人魚などの非人間種族(注:この名称は便宜的なものであり、彼らと人間種族との間の優劣などには無関係である)などは何の罪も持ちあわせていなくても、人攫い屋により人間屋送りにされることがある。世界政府加盟国の国民ですら安心はできない。
魚人族・人魚族に至っては200年前に政府が撤廃したはずの魚類という認識で罷り通っており、シャボンディ諸島の古い気風故に商品扱いするにもかかわらず気味悪がられることもあり、それどころか命持つ動物とすら扱わない輩も少なくない。
内部では競売(オークション)が行われており、観客の間で競り落とされた者に奴隷の保有権が渡される。
競売送りが決定次第、奴隷には外すと爆発する首輪が付けられるため、脱走は死もしくは重体を意味する。
競売前の奴隷を「奪還」することは、「他人(この場合は人間屋という法人)の財物を強奪することと同一」という扱いになっており、止めようとしても秩序を維持する側の世界政府から逮捕される。
天竜人の奴隷に対する残虐非道さが目に余るが、奴隷を所有・購入している層はなにも天竜人だけではない。彼らにもオークションのルールに従い購入・売却する制限は存在する。だが天竜人は加盟国からの貢ぎ金「天上金」体制により非常に豪勢かつ消費を厭わないため、数億単位でも平気で押し通してしまえる。
よって、彼らに目をつけられたらまず購入する事で奴隷を解放しようとする者の思いは踏みにじられる。
尤も、世界政府に捕まるリスク等を度外視してでも奴隷の救助を試みる者が居るならば話は別だが…。
冒頭の台詞からわかる通り人間屋は(上記の天竜人の存在も有るが、何よりも海賊を含む犯罪者を人件費0で使い潰せるというメリットが大きいからか)政府から黙認されており、海軍本部では「職業安定所」という隠語で呼ばれている。例えるならパチンコ屋のすぐ近くにある建物のような扱いである。
過去一度、魚人により自爆テロが敢行され死傷者も出たことがある。
また、22番GRにはルフィ達が訪れた小規模な店が存在し、こちらは競売ではなく店側が予め値段を表示しており、奴隷は狭いショーウィンドウに並べられていた。
リスト
以下は奴隷オークションの底値とされ、価格相場の書かれたチラシを見たサンジは「胸糞悪いリスト」と評した。
- 人間:50万ベリー
- 小人族、ミンク族、手長族、足長族、蛇首族:70万ベリー
- 魚人族:100万ベリー※人間の10倍の腕力を持つ故労働力扱いとして重宝されやすいため。
- 巨人族男性:5千万ベリー※屈強かつ労働力扱いとして重宝されやすいため。
- 巨人族女性:1千万ベリー
- 人魚族男性:100万ベリー※女性への扱いからの差によると思われる。
- 人魚族女性(二股):1千万ベリー
- 人魚族女性:7千万ベリー※愛玩用として求められるためと世界一の遊泳速度を誇る難易度から。そもそも魚人・人魚は水中に逃げ込むことができるうえ、シャボンディ諸島周辺は1万メートル下の魚人島まで通じる深さの海域があるため、地上にいて気を緩めていたりしなければ中々捕まるような存在ではないのである。
- 能力者:時価
- その他の希少種族:時価
余談
買い取り金額のリストを見ると分かるが若い女性の人魚や男性の巨人はともかく、その他の種族の相場は時には天竜人が直々に買いに来る程の貴族御用達であり、尚且つ人身売買という多方面から恨みを買ってしまうようなリスクの高い商売であるにもかかわらず異様に安い。一応、上記のリストはあくまでもドンキホーテ・ドフラミンゴが経営していた人間屋の相場のリストであるため他の人間屋ではもっと高値で取り引きされていた可能性はある。
また、アニメにて人攫い屋が人間屋にケイミーを売り飛ばした際にその場では金を受け取らず「期待しているよ」と言いながら去っていったため、オークションでの引き上げによってはリストの相場に上乗せされた金額を貰えるのかもしれない。
関係者
ディスコ
CV:増谷康紀
人間屋の支配人。長い髪と星型のサングラスが特徴で「歩くスーパーバザール」の異名を持つ。軽快な口調でオークションを進行する一方裏ではサクラを使って値上げをさせて暴利を貪っている卑劣漢。また人間屋の支配人もあってか差別意識が強く、抵抗していたケイミーを「魚」呼ばわりをして、平手打ちを行った。
麦わらの一味が起こした乱闘騒ぎで店を破壊された上に、逆上したシャルリア宮に銃撃を受け負傷。しまいにはドフラミンゴから見限られ、最終的に信用が失墜した店は2年後には自然の木々に飲み込まれた廃墟と化し潰れた。2年後の扉絵連載ではホームレスにまで落ちぶれてしまい、人間屋跡地でヤケ酒を煽りながら三船長の手配書にナイフを突き立てている様子が描かれていた。その後人間屋2号店が出来たかどうかは不明。
ドンキホーテ・ドフラミンゴ
王下七武海にしてドレスローザ王国国王、そして人間屋のスポンサー。麦わらの一味やキッド・ローの起こした騒ぎを受けてディスコと事業を人身売買なんてもう古い、時代は“スマイル”と切り捨てた。「新ビジネス」への移行時期にあり人身売買が最早不要になった事に加え、白ひげ海賊団との全面戦争による強制招集の最中だったのでそもそも助けに行く余力は最初から無かった事や、(彼の出生から考えれば)微塵もこの稼業に後ろめたさを感じなかった理由は読み取れる。因みにローは元部下。
人攫い屋
マクロ一味やらデュバル(改心)やら、この近海を縄張りに無数に存在する。
当たり前だが基本的に彼らは「犯罪者」扱いされ、世界政府から摘発の対象になる「こともある」。ただし犯罪者を捕らえて来ることも多いので半ば黙認されている節もある。
パシア
オークションに売られたモブキャラの1人で数少ないネームドキャラ。
関連項目
マザー・カルメル:上記の価格相場リストを所持しており、また彼女も育てた孤児を高値で売り払っていた(とはいえ売り払い先は基本的に海外の一般家庭、才能が有る者はCPや海軍などの政府機関に限るため余程マシである)。
アラマキ:「非加盟国の人間には人権はない」と発言しており、間接的ながら「世界政府側の見解と現状」を明確に示している。
クロスギルド:ある意味似たようなビジネス。