「 だが”この先”は…それを口にする度胸のねェ奴が死ぬ海だ…!!“新世界”で会おうぜ」
「始まるんだよォ!!!誰も見たことのねェ“新しい時代”が!!!」
「死ぬか生きるか!!!そんな覚悟もねェ奴らが!!!この海に来るんじゃねェよ!!!」
「もののついでだ お前ら助けてやるよ! 表の掃除はしといてやるから安心しな」
「やっと…「四皇」に辿り着いたんだぞ…!! これで死んだら何なんだ おれの海賊人生…!!」
「命の限り力は出し惜しむなよ…!!? 刺し違えてもコイツを引きずり降ろす!!!」
解説
2年前に麦わらの一味やハートの海賊団などと同時期にシャボンディ諸島に集まった事から「11人の超新星」に数えられ、2年後現在は最悪の世代の一角としてなおも危険視されている。
超新星(スーパールーキー)とはルーキー海賊の時点で1億越えの賞金を掛けられた大物の事だが、初登場時は主人公のモンキー・D・ルフィを抑え、堂々の最高額であった。
また頂上戦争後には一度ルフィに懸賞金額を越えられるも2年の間に再び逆転。以後麦わらの一味が復活し、ドレスローザで事件が起きるまで超新星の先頭を走り続けていた。
そしてワノ国にて同じ「最悪の世代」のトラファルガー・ローとともに四皇の一角であったビッグ・マムを打ち破り、それまでの6倍以上となる30億ベリーという懸賞金を掛けられている(ちなみにこれはルフィ、ローと同額)。
新たな四皇に数えられたのはルフィだけだったが、それでも最悪の世代トップタイ。
プロフィール
本名 | ユースタス・キッド |
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異名 | “キャプテン”キッド |
年齢 | 21歳→23歳 |
身長 | 205cm |
懸賞金 | 3億1500万ベリー→4億7000万ベリー→30億ベリー(四皇ビッグ・マム打倒後) |
肩書き | 最悪の世代 |
所属 | キッド海賊団船長 |
所属船 | ヴィクトリアパンク号 |
悪魔の実 | ジキジキの実(超人系) |
覇気 | 覇王色、武装色、見聞色 |
出身地 | 南の海 クツック島 |
誕生日 | 1月10日(キッド=1,10) |
星座 | やぎ座 |
血液型 | F型 |
好きな食べ物 | ロールキャベツ |
嫌いな食べ物 | カレーうどん |
趣味 | 音楽鑑賞、武器集め |
好きな島と季節 | 夏島の夏 |
イメージ国 | スコットランド |
イメージ職業 | 武器商人 |
イメージ花 | チューリップ |
イメージ動物 | 闘牛 |
初登場 | 単行本51巻 第498話『11人の超新星』 |
WT100 | 23位(86454票) |
CV | 浪川大輔 |
人物
容姿・名前
眉毛が無く、鋭い目付きが凶悪な青年。
パンク系アーティストのような派手な風貌で、逆立たせた赤い髪にゴーグルを着用し、初登場時は素肌に分厚いトゲの意匠がある、赤いファーが付いた派手な茶色のコートを羽織っていた。
2年後の新世界編からは髪が伸びて、赤一色のファーコートを羽織っている。
赤髪海賊団との抗争では副船長であるベン・ベックマンによって左腕を失うが、能力で巨大な義手を作って補っている。また顔から腰にかけて大きな傷痕が見られ、新世界での冒険や四皇達との戦いの壮絶さが窺える。
名前の由来は、実在の海賊『ウィリアム・キッド』と同じく実在の海賊で僧侶でもあった『ユースタス』。
ユースタス・キッドが本名なのだが、他船長のルフィやローと異なり、そのような形で呼ばれる事は滅多になく、作中では「ユースタス・“キャプテン”キッド」と通称がミドルネームの如くついており、略しても「“キャプテン”キッド」または「キッド」と呼称・表記される場面が多い。
手配書の名前も「EUSTASS・“CAPTAIN”KID」となっている。
同様の例はカポネ・“ギャング”ベッジにも見られるが、彼もやはり最悪の世代の一角。
性格
凶悪な人相に違わず、非常に血の気が多く短気、凶暴で好戦的、そして悪辣な性格の持ち主。
“海賊王”を目標に掲げており、シャボンディ諸島に到達するまでの航路では、その夢を嗤ったものを皆殺しにしてきたとのこと。敵対者に対しては一切容赦せず、相手が戦意を失おうとも徹底的に叩き潰すスタイルを取る。
周囲を顧みずに暴れるため、民間人にも多大な被害を与えており、懸賞金の高さはこの凶悪性の表れでもある。
海賊としてのプライドも高く、自分が下手に見られる状態を極度に嫌い、たとえどんなに小さくくだらない事柄でも「自分が負けている」事実は許せず全力で張り合うなど、どこか子供っぽい一面も持つ。
粗暴な言動が目立つ一方で、シャボンディ諸島のヒューマンオークションとそれを楽しむ天竜人の構図を見て、「欲をかいた権力者の純真に比べたら 世の悪党の方がいくらか人道的だ クズが世界を支配するからクズが生まれる こんな事もわからねェか」とシニカルに語る理知的な面や、毒ガスなどの殺戮兵器についても「興味はないが知っておいて損はない」という姿勢も見せる。
またキラーをはじめとするキッド海賊団のクルーには強い仲間意識を持っており、彼らを傷付けられたりバカにされたりすると、自分がその仕打ちを受けたかのように激情し、状況を無視して相手に襲い掛かる場面も。この性分はゴール・D・ロジャーやポートガス・D・エース等にも見られるが、エースの場合はそれが文字通りの命取りになってしまったため、ただでさえ短気で冷静さを欠きやすいキッドも相応の危うさを孕んでいる。
世代
同世代の海賊、特に“麦わらのルフィ”に強い興味を抱いており、ルフィの言動を目の当たりにした時や、二年ぶりに姿を見せたルフィに対して楽しそうな反応を示していた。ただし、あくまで同世代のライバルとして注目しているだけで、もし遭遇すれば容赦なく叩き潰す気でいる。
ワノ国にてルフィと再会してからは(状況が状況なので一応)真っ向から対立してはいないが、お互いの海賊としてのプライドの高さや考え方の違いから、性格的にはまさに水と油。顔を合わせれば、子供のような口論や小競り合いが絶えない。
ルフィからは「ギザ男」と呼ばれ、一方のキッドは「バカザル」と呼んでいる。
いかんせん短気な性格ゆえに、人をからかうのを楽しむスクラッチメン・アプーとは全くそりが合わず、過去に2度戦闘になりかけており、その度にキラーをはじめとするクルー達に制止されている。
そしてワノ国編第三幕では海賊同盟の一件から、アプーとの対立はいよいよ決定的且つ不可避なものとなり、アプーの姿を見かけた瞬間にいきなり全力で攻撃を仕掛けるほどにまで溝は深まっている。
キラーとの関係
ルフィとゾロのようにキッド海賊団の戦闘員キラーとは対等の関係にあるようで、互いのことは呼び捨てで呼ぶ。また幼馴染でもあり(幼いころ、シルトン・ドルヤナイカちゃんなる女の子が互いに好きだった)、そうした立ち位置は子供の頃からの付き合いであるためだと思われる。
ちなみにキラーとキッドは共にカレーうどんが嫌いなのだが、理由は「カレーうどんの汁で汚れたドルヤナイカちゃんを2人で笑ってしまい、ボコボコに殴られた挙句、フラれてしまった」苦い思い出かららしい。
※そのドルヤナイカちゃんもギャングに殺されたとのことなので、単に「失恋の思い出があるから」以上のトラウマなのかもしれない
戦闘能力
悪魔の実
「時間をかけりゃ水滴でも石を削る」
「ノーダメージ? そんな物体はこの世に存在しねェんだよ!!」
名称 | ジキジキの実 |
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分類 | 超人系 |
能力 |
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覚醒 |
|
欠点 |
|
自分を中心に強力な磁気を発生させ、周囲に存在する金属類を引き寄せる芸当ができる。
かき集めた金属類を思うままに組み合わせ、巨大な腕や全身を包む鎧のようにして操るのがキッドの基本的な戦闘スタイル。
金属の持つ強度や質量がそのまま自身の戦闘力に反映されるため、単純な攻撃力や防御力は通常時と比べて大きく強化されるが、やはり強みが周囲の金属の数によって左右されるため、金属が少ない環境では「攻撃力」「技の規模」が縮小してしまうのが欠点。
また、仮にそのような環境で戦闘が分かっている場合でも、あらゆる場所から金属を掻き集める時間が必要になるのも短所であろう。
しかしキッド自身の練度もあってか、大砲など普通の人間では容易に持ち歩けないような質量を誇る代物でも容易に引き寄せることが可能で、敵の持つ金属の武器や防具はキッドの元に集められるため「自己強化」と「敵戦力の弱体化」を同時に行える。金属の材質があれば自身の武器を生成するだけでなく、他者を閉じ込める檻なども作成可能で、磁力で引き寄せた金属がボロボロになったり能力を封じられたりしない限りは何度でも作り直せる。
キッド自身の能力の影響範囲内であれば「自分『に』引き寄せる」だけでなく「自分『を』引き寄せる」芸当も可能。
自分の指定した物体に磁気を掛けて、その物体が存在する地点にどこからでも飛び移れる。
距離についても海戦中に船から船へ飛び移る程度ならば全く問題なく、敵の本拠地や軍艦などを直接強襲する作戦などで非常に有用。
磁気は反発作用によって「引き離す」のもできるため、この性質を応用し、集めた金属塊を弾丸や砲弾のように射出する遠距離攻撃も可能。突然能力を解除すれば、今まで形を成していた金属塊を丸ごと崩落させられるので、そのまま重さで押し潰したり、生き埋めにしてしまうこともできる。
覚醒
能力は覚醒の段階に至っており、対峙した相手や周囲の物への磁力の付与ができる。そのため、本来磁力がない木製の物や人間などにも磁力を帯びさせられるようになり、周囲に金属類が無くても同様に戦える。
ただし、強力な技である故に体力の消耗が激しいらしく多用はできない。この辺りもルフィやローと共通している。
基礎戦闘力
ワノ国編以外ではバトルシーンが少なかったが、そのワノ国編で四皇ビッグ・マムと渡り合えるほどの実力を持つ事が示され、彼女が腕試しで放った攻撃「震御雷(フルゴラ)」を受けて吹き飛ばされても、難なく立ち上がる程のタフさを見せた。
左腕の義手は自身の能力を利用して作られているため、海楼石などで能力そのものを封じられるとその形を維持できなくなり、本来の隻腕に戻る。
ただし、片腕でもルフィに匹敵するほどの馬鹿力を誇り、決して能力任せて勝ち上がってきたわけではない(そもそも能力による使用幅と力は、能力者の力量と技術に比例している傾向があり、「覚醒」していることからもその強さを物語っていると言える)。
どれだけ叩きのめされても決して折れない不屈の精神も含め、「最悪の世代」の一角として世間に恐れられるだけの実力と気迫は本物である。
覇気
基本的な2色の覇気(武装色・見聞色)を高水準で扱うことができる。
また、ワノ国編でカイドウが発したセリフにより「覇王色の覇気」にも目覚めている事実が明らかになっているが、キッドが戦闘の際に覇王色を使用した描写は現時点ではなく、まだ制御できていない可能性がある。
しかしこの主張は、読者が描写の印象だけで判断したものであるため、信憑性が疑われる。
実際のところ、今までの強者の傾向や彼が実力者であることを考えると、制御できないとはとても考えにくい。
体質
ルフィと同様に大量に飯を喰らって風船のように膨らみ、一気に消化吸収して萎んでいく不思議な力(?)を発揮した場面がある。
技
技名は「磁気(パンク)○○」と付く物が多く、自身の能力と趣味の音楽鑑賞にちなんでかパンクロックなどのロックミュージック関連に由来している技が多い。
ワノ国編で一気に技が増えたが、それまでに明確に使った技は「反発」と「磁気弦」くらいで、この技も長らく技名が不明だったこともあり、初登場~ワノ国編までの期間内(約12年間)に登場したゲーム作品などでは独自の名前がついていたりする。
- 反発(リペル)
砲弾などの金属の塊を反発させる。
銃や大砲による攻撃を無効化し、即座に反撃できる。
またロケットパンチのような応用も可能。
- 磁気魔人(パンクロットン)
磁気によって周囲の金属類を引き寄せ、全身に纏う事で自分専用の鎧として武装する。
巨大なガントレットを用いて攻撃し、資材の量や質に応じて更に巨大化・強化させることも可能。相手の武器を奪って自身を強化するキッドの技の総結集たる大技で、アニメでは派手なCG演出が用いられた。
元ネタはミュージシャンのジョニー・ロットン。
- 磁気弦(パンクギブソン)
磁気で集めた金属類を巨大な腕の形に形成し相手に叩きつける。金属の量が多いほど攻撃の規模も拡大し、最大の規模になれば8m程の巨体である四皇ビッグ・マムをダメージを与えられずとも抑えつけるぐらいは可能。
技名が初めて明かされたのはワノ国編でのアプー戦。
初披露時の「シャボンディ諸島(超新星集結)編(2008年)」から「それまで(2020年)」の約12年間は、技名も能力名も明かされなかった。
この期間に含まれる劇場版の『STAMPEDE』(2019年)でも、やはり技名を呼ばずに使用していた。
元ネタは大手ギターメーカー。
- 磁気万力(パンクヴァイス)
磁気魔人の形態で相手を左右から挟んで押し潰す。
腕部以外が非武装の状態でも使用可能。
- 破壊弦(スラムギブソン)
磁気魔人の形態で相手にバックドロップを決める。
- 磁気(パンク)ピストルズ
磁気で集めた槍を相手に撃ち込む連射攻撃。
元ネタはパンクロックバンドのセックスピストルズ。
- 付与(アサイン)
覚醒能力の技で相手や周囲の物に磁力を与える。
1つの対象のみに磁力を与えて後述の技に繋げられる他、2つの対象に使用する際はS極とN極をそれぞれ刻印して指定し吸着させ、相手の動きを封じるのもできる。
その吸着はビッグ・マムの怪力を以てしても引き剥がせなかった。
- 磁気激突(パンククラッシュ)
付与で磁石人間にした相手に周囲の金属類を集中的に吸引させ押し潰す技。
下手をすれば自身も金属に巻き込まれかねないため、自身が避難できる状況かつ勝負所でしか使用しない模様。
ビッグ・マムに対して使用。大きな鉄骨を大量に使用してビッグ・マムに全て激突させ鉄骨の山の下敷きにしてみせた。
元ネタはパンクロックバンドのザ・クラッシュ。
- 磁気大魔牛(パンクコルナ・ディオ)
磁気で集めた金属類を巨大な闘牛の姿に形成し相手に突進する大技。
その全容はビッグ・マムよりもかなり巨大であり、ふっ飛ばしてマムに大打撃を与えた。
元ネタはハンドサインのコルナとミュージシャンのロニー・ジェイムス・ディオ。
- 電磁砲(ダムド・パンク)
磁気で集めた金属類でレールガンを製造し、左腕に装填して砲撃する大技。
キッド曰く「とっておきの一撃」であり、その破壊力は圧倒的な防御力を誇るビッグ・マムもすぐには跳ね返せないほど絶大で、敵に対し地面に向かって撃ち込めば、はるか地中の底まで押し込んでいく。
砲撃は一回限りではなく追撃が可能で、一発目は耐えていたビッグ・マムも追撃を受けた際には耐え切れなかった。
更にシャンクスの「見聞色の覇気」による未来予知によれば、赤髪海賊団傘下の勢力を10秒で殲滅できる(週刊誌では一撃だったが、単行本化では10秒に、おそらく週刊誌の方が間違い)ほどの威力があった模様。
発動した際に周囲に強力な磁力を発生させる効果もあり、海上で使用すれば相手の船を自身の方へ引き寄せ、回避を不可能にさせる。
元ネタはパンクロックバンドのダムドとテクノ・デュオのダフトパンク。
活躍
過去
南の海の世界政府非加盟国で生まれたキッドは、島にある4つの街の4つの不良グループの内の1つのボスとして過ごす。
抗争が絶えない日々を過ごしていたが、ある日親友のヴィクトリア・S・ドルヤナイカが島全体を王のように取りしきっていたギャングに殺害される事件が発生。
この事件を機にキッドはそれぞれ他の不良グループのボスだったキラー(幼なじみ)、ヒート、ワイヤーと共に不良グループを束ねてギャングを討伐。
そして「こんな狭い世界に居たくない」と感じたキッドは悪友となったキラーたちを引き連れて海賊となった。
偉大なる航路突入後も民間人に被害を出しながら悪名を轟かせ、4年前の時点では既に名が世界中に知られる存在となった。
実際、エースがワノ国の鬼ヶ島でヤマトに若い海賊について聞かれた際には、南の海賊代表としてキッドの名を挙げていた(ちなみにキッドはエースの一個上)。
第1部 サバイバルの海 超新星編
シャボンディ諸島~頂上戦争編
オークションハウスにてモンキー・D・ルフィが天竜人を殴り飛ばす様を見て「イカれている」と称し、冥王シルバーズ・レイリーの「覇王色の覇気」にも耐える。
その後、ルフィやトラファルガー・ローと一時的に共闘して、海軍本部の包囲網を突破。マリンフォード沖合で頂上戦争を見届け、白ひげ亡き後の新たな海賊時代の到来に歓喜していた。
新世界突入直後に、新世界のある島にてモブ海賊団一つを壊滅させている。
彼らは新世界の過酷さに心が折れ、戦意もない事から「おれ達はもうこの海を出るとこなんだ!生きて楽園(前半の海)へ帰らせてくれ!!」と命乞いするが、そんな泣き言をキッドが許すはずもなく、全員張りつけの上始末された。新世界まで進出していながらも覚悟の無さ故に心が折れ、おめおめと引き返そうとする弱腰な姿勢は彼にとって相当耐え難いものだったようだ。
「楽園(パラダイス)…?暖かい家庭の事か?」
「死ぬか生きるか!! そんな覚悟のねェ奴らが!!この海に来るんじゃねェよ!!!」
第2部 最後の海 新世界編
パンクハザード~ゾウ編
赤髪海賊団との抗争を経た後に、ビッグ・マム海賊団傘下の船を襲って沈没させ、万国に踏み込んで大幹部である将星の1人(誰かは不明)を手負いにして奪うべきもの(恐らくロード歴史の本文の写し)を奪い去るなど、四皇やその海賊団を相手に怯まずに海賊活動を行っていた。それ故2年後も、新世界を引っかき回す強豪海賊として名が知れ渡っていた。
しかし、そんな彼も四皇のレベルを肌で感じて限界を悟ったのか、麦わらの一味の新世界突入と同時期に、自分と同じ最悪の世代と呼ばれる、スクラッチメン・アプー、バジル・ホーキンスと海賊同盟を画策する。
一時は話し合いすらままならない雰囲気だったが、相棒キラーの説得もあり同盟は無事締結される。四皇の一角”赤髪のシャンクス”を目標に定め、いざ行動に移ろうとしたところ、空島からの投身自殺を図った”百獣のカイドウ”に遭遇してしまった。
その際に元よりカイドウの傘下であったアプーの裏切りに合い、その場で百獣海賊団の傘下に入るよう迫られる。「逃走成功率0%、服従生存率40%」との占いの結果に従い、即座に傘下入りを決めたホーキンスとは違い、キッドとキラーは立ち向かいその場で動けなくなるまで戦い続けた。その態度をカイドウは気に入り、彼らを服従させようとワノ国へ連れて帰る。
ワノ国編
第一幕~第二幕
心を折り服従させる目的で兎丼にある囚人採掘場に収監されて労働を強いられていたところ、同じくカイドウに敗れ囚人採掘場に送られてきたルフィと再会する。
彼ら2人は海楼石の手錠をつけたまま互いに競争して労働をし、百獣海賊団のドボンに難癖を付けられたときは逆に互いに協力して彼を倒す。その痛快な様から彼ら2人は囚人の星と呼ばれて同じ囚人から慕われていった。
それから少ししてキッドは一度は脱獄に成功するものの、黒炭オロチから与えられた任務を果たせず連行されていた罪人“人斬り鎌ぞう”の正体に気付き、海楼石の錠をつけたまま彼を助け出そうとしてしまったため、返り討ちに遭い再び捕らえられてしまう。
それからは百獣海賊団の大看板であるクイーンによって、見せしめのため鎌ぞうと共に水責めに合っていたが、兎丼に現れたビッグマムが大暴れして囚人採掘場が崩壊し解放される。
その後、兎丼を制圧したルフィから「共にカイドウと戦う」のを提案されるが、キッドは「同盟はもはや信じられない」のを理由にこれを拒否して、"鎌ぞう"と共に仲間達の奪還のために動き出した。
「行こうぜキラー 仲間達を取り戻しに!!!」
「(おれ達はおれ達の道を行く!!!)」
第三幕
金色神楽当日、仲間達とは無事合流できたらしく、ルフィ達に先にカイドウの首を取らせまいと参戦。鬼ヶ島に到着してからは、錦えもんの計らいで百獣海賊団船員の服装にしてもらった状態で潜入するも、その道中ルフィとゾロを苦戦させているアプーの姿を目撃し、自分達を罠に嵌めた彼に対する怒りが再燃。キラーの制止を振り切ってアプーに急襲を仕掛け、「お前は率先しておれ達の『同盟』に乗ってきた すぐに気づくべきだった…!! お前がすでにカイドウの『情報屋』だった事に!!!」と言い放つも、アプーからは「おれ達が手を組んだ程度で…!! 『四皇』を一角でも潰せたと思うか? 現実に気づけ!!! そもそも海賊の同盟がハッピーエンドを迎える事は無ェんだ!!!」と返され反撃を受けた。
騒ぎに乗じてその場から離れた後、キラーと城中を駆け巡りながら、敵から奪うなどして周囲の金属類を大量に搔き集めていき、遂に鬼ヶ島の頂上に到達。同じく到達したルフィやゾロ、ローも合わせた5人で、遂にカイドウとビッグ・マムの2人を相手に挑みかかる。
四皇2人相手に善戦する5人だったが、ルフィの戦闘不能及びゾロの大ダメージを契機に戦況が不利に傾く。キッドとキラーはビッグ・マムを請け負い、場内へと突入。ビッグ・マムと対峙する最中、ゾロをサンジの下へ送り届けたトラファルガー・ローから同盟を持ちかけられる。
そんな中、ホーキンスの能力で彼が受けるダメージをキッド自身に肩代わりさせられてしまい思うように動けなくなってしまった上でビッグ・マムの攻撃を受けたりと次第に劣勢となってしまう。
しかし、ホーキンスの能力の欠点とキッドの底力を信じ抜いたキラーの一撃で解放され、再び調子を取り戻す。一時はビッグ・マムの「威国」を受けて絶体絶命になるも、ローの覚醒した能力によるとっておき「KROOM」で窮地を脱すると同時に彼女にかなりの深手を負わせ、キッドは直前に覚醒した能力による「磁力付与(アサイン)」で「磁石人間」にした後に放つ大技・磁気激突(パンククラッシュ)を決めて見せる。
磁気万力(パンクヴァイス)とは比べ物にならない攻撃範囲と圧力で一時は勝利を確信するも、ビッグ・マムはそれでも倒れる事はなかった。
そればかりか、怒りと執念、更には「ライフオアおしるこ」と魂への言葉(ソウル・ポーカス)を放っては周囲の人間達の魂を奪いながら立ち上がり、キッドが使用した鉄骨に奪った魂を宿らせて反撃に転じられ、ビッグ・マムは寿命1年分と引き換えに更なるパワーアップまで果たしてしまった事で三度、絶体絶命の状況となってしまう。それでもキッドはローと共に諦めずに立ち向かい「刺し違えても倒す」と言う覚悟と信念を再度抱き挑んでいく。
再び立ち上がったビッグ・マムに追い込まれるものの、ローとの絶妙なコンビネーションで諦める事無く立ち向かう。ローは彼女に袋叩きにされても穿刺波動(パンクチャーヴィレ)を放ってビッグ・マムにダメージを与えつつ鬼ヶ島からワノ国本土まで続く大穴を開通させ、キッドは渾身の一撃である電磁砲(ダムドパンク)をビッグ・マムに与え、とうとう勝利に王手をかける。
そして、尚も抵抗するビッグ・マムにトドメの一手を刺すため、ローが能力の覚醒によって使用した凪(サイレント)で魂への言葉(ソウル・ポーカス)を完璧に封じ、キッドは電磁砲(ダムドパンク)の追撃を決めてビッグ・マムを鬼ヶ島からワノ国本土まで突き落とす役割を果たした。
キッドはローと共に長く四皇の座に君臨し続けたビッグ・マムを遂に討ち倒し、四皇の座から引きずり降ろす悲願を達成した。
戦いが終結した後は、ルフィとローと揃って懸賞金30億ベリーもの破格の金額を懸けられ、その名声と四皇を打倒した話は世界中を駆け巡る事態となった。
因みにルフィがお祭りを楽しんでいた際に「てめェをここで消せば!!!」と襲撃をかけようとしたのはルフィが自分を差し置いて四皇に名を連ねた件に依るもので、「このおれが四皇だ!」と続いたと思われる。そしてルフィにはいいようにあしらわれた挙句に半ば乗せられる形で参加する事になった。
その後、ルフィ達(と読者)はキッドから教えられるカタチで、3船長の懸賞金の更新や新しい四皇について知ることとなった。
ワノ国出航の日、記録指針が指す次の進路をルフィとのくじ引き勝負に勝利して東(真ん中の進路)に定める。また、ルフィが四皇になった現状は素直ではないが認めているようで、前触れもなく突如四皇になったバギーに対して苛立ちを見せていた。
出航直前にはローから「抜けがけはつまらない」を理由にロード歴史の本文の写しを渡され、その際にキラーとの会話で「火ノ傷の男」なる謎の人物の存在について言及した。
エッグヘッド編
記録指針の指針に従って航海した結果、巨人族の総本山エルバフに到達。
島には巨人族と友好的な関係を築き上げていたシャンクス率いる赤髪海賊団及びその傘下の海賊団が集結しており、キッドは前回の抗争でシャンクスの顔すら拝めずに惨敗した記憶を思い出しながら、雪辱を果たすべく再戦に挑む。手始めに目の前に立ち塞がった9隻の赤髪海賊団傘下の海賊船を沈めるべく、電磁砲を構えるが……
「被害がでかすぎる‼︎」
「やべェ未来が見えた様だ…」
シャンクスが見聞色の覇気で「電磁砲の一撃によって傘下の海賊団が皆殺しにされる」未来を見、単身キッド陣営に突入する選択を取ったことが、キッド達の運命を決めた。
シャンクスのこの予想外の行動に対応できなかったキッドは「神避」の直撃を受け電磁砲を喪失、キッド自身もキラー共々一撃で瀕死にまで追い込まれてしまう(アニメでは倒れて薄れゆく意識の中、走馬灯(後述)が流れた)。
残された船員達は二大巨頭の敗北で戦意喪失し、シャンクスが目に入るやいなやロード歴史の本文の写しを差し出しキッド達の助命を嘆願。しかしシャンクスに見逃すつもりはなく、それでいてトドメを刺すでもロード歴史の本文を受け取るでもなくレッド・フォース号に飛び乗り、直後にドリーとブロギーが「覇国」を放つ。
「おいチビ人間…!!」
「人の故郷に銃口向けたら」「同じ目に遭う覚悟をしろよ?」
"巨人族最強の槍"は海賊船ヴィクトリアパンク号を真っ二つに貫き、海の藻屑と消えたキッド海賊団は“壊滅”する事となった(生死は不明)。
ドリー&ブロギーも居たとはいえ、「どんな理由があろうと友達を傷つける奴は許さない」というシャンクスのスタンスが敵対者にはどれ程恐ろしいのかが示された一幕とも言える。因みに同じようにシャンクスに喧嘩を売る(シャンクスのナワバリの赤髪海賊団の海賊旗を焼き払うという)行為をしたバルトロメオも、そのケジメをつけさせられた(ただし、壊滅ではなく生死不明)。
余談
- 髪型
特徴的な髪型について、SBSで「チューリップですか?菊ですか?」と問われた原作者は「菊」と答えている(もちろん作者も意味も分からずに回答しているので、いつもの悪ノリである)。
- キャラクターデザイン
初登場時の顔立ちや髪型、能力の描写からモデルは「デーモン閣下」や「AKIRA」の「島鉄雄」ではないかと考察されている。
- 声優
CVを担当した浪川氏はキッドを「今まで演じたキャラの中でもトップレベルで凶暴な奴」、「赤髪でワイルドで強くて優しくてよく叫ぶ」と評している。
「とにかく低い声」とディレクションを受けており、声優仲間からは浪川だと気付かれない場合も多いが、声優冥利に尽きると語っている。
- 3船長
pixivではモンキー・D・ルフィ、トラファルガー・ローと共に描かれるイラストが多く、「3船長」と表記されている。
- 悪魔の実
登場以来名称が不明であり、読者からは「ジキジキの実」「ジバジバの実」と予想されていたが、SBSにて「ジキジキの実」と判明した。
作者曰く「言ってませんでしたっけ?」と完全に言及を忘れていたらしい。
そして、作中で初めてジキジキの実の名前が登場したのは、ビッグ・マムに磁気激突を放った後である。
- ポケモントレーナーのキッド?
作者が熱心なポケモンGOプレイヤーであるためか、ワノ国編にてキッドが能力を使用して金属類をかき集めたコマには、時折メルタンが紛れ込んでいる。パンダマンの如くしれっと紛れ込んでいる姿は一部で話題になり、ほとんどポケモンを知らない読者がメルタンのモンコレだけ購入してみるなど、ちょっとした経済的影響も見せている。
- 盗ませた?
前述の「将星を手負いにして奪うべきものを奪った」とあるが、別の場面ではロードポーネグリフを見た時に「将星に盗ませたアレか」と言及しているため、既にロード歴史の本文の写しを1枚保有していると思われる。
- 当たりくじを引いた?→いいえ、貧乏くじです
ワノ国出港後のルートにて、3船長のうちルフィは勿論ローも壮絶な事態に陥っていたところ、キッドはもしかしたら一番楽なルートじゃないのかという予測・考察を立てていた読者もそれなりにいた。結果はハズレすら生易しいもんじゃなかったが…。
- 主人公補正を抜いたルフィ?
カイドウに負けて捕らえられるまでの間、読者からは「2年間の修行をしないまま新世界に行ったルフィ」「運と人望のなかったルフィ」と、ルフィから主人公補正を抜いたらこうなるという「ルフィのif」的なものと言われていたこともある。
実際に新世界に突入して隻腕になったり、海賊同盟結成直後にカイドウとの遭遇と同盟相手からの裏切りがあったりと「それ自体は別に間違ってはいない」ものの、反面隻腕になりながらも力を蓄えたりロードポーネグリフの映しを得ていたりと成果を残し、カイドウとの件以降も屈することなく立ち向かっている。なによりルフィですらカイドウに幾度となく返り討ちにされたり同盟相手の一人であるカン十郎に裏切られたりとなんだかんだ壮絶なことになってたので、そう言われることは無くなっていった。
- 走馬灯
TVアニメ1112話(2024/7/14放送分)ではシャンクスの神避でキッドが倒されたあと、オリジナルシーンとしてキッドの走馬灯と思しきシーンが追加されている。
それは「新世界の大海原を前に自身の海賊王としての未来を確信する」といったものである。言動的にはシャンクスに勝利した後の未来のようだったが、相棒のキラーの笑い声に振り向いたキッドがマスクを破壊され血塗れになったまま立ちすくむキラーを見た事で一気にシャンクスに敗北したという現実に引き戻されている。
まさに「これで死んだらおれの海賊人生何なんだ」という無念を感じさせるシーンであった。
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シャンクス:本編外で一度対峙し、エッグヘッド編でもう一度相見えた四皇。キッドも彼と同じ赤髪だが、この対戦でキッドは左目に傷を負い左腕を失う羽目になり、奇しくも文面での外見的特徴がより似通う事態となった。
カイドウ:本編外でローやルフィより先んじて対戦し、ワノ国編でもう一度相見えた四皇。同盟者のホーキンスやアプーが寝返る中(後者に関しては元々傘下であったようだが)、抵抗を続けていた模様。なお、両者の中の人同士は長年共演が多い。
シャーロット・リンリン:ワノ国編で対戦した四皇。ローと連携して撃破した。