解説
南の海出身の海賊。
超新星の一角ユースタス・キッドが船長を務める海賊団で、船員全員がビジュアル系バンドのような服装をしている。旗艦はヴィクトリアパンク号。
作中に登場する最悪の世代達の中で、主人公一味を含めて3つしかない億越えが2人以上在籍する海賊団である。
組織
気質
多くの船員はキッドを「キッドの頭」、キラーを「キラーさん」と呼び、荒っぽい敬語で接している。キッドやキラーの為に苦行や屈辱に一心に耐え続けるなど、仲間意識は強く、ある意味で気持ちのいい連中。
その一方でクルーが酷い仕打ちを受ければ、相手が何者であろうともキッドを先頭にして一丸となって(無関係な周囲までも巻き込みながら)報復行動に出るなど、彼らなりの理由こそあれど素行不良の面は目立つ。明確な敵対者に対しては容赦せず、戦意を失おうとも徹底的に叩き潰す。
世間からは麦わらの一味に負けず劣らず危険な集団と認識されており、実際に民間に対しても大きな被害を齎しているが、あくまでこれは(主にキッドが)暴れた結果巻き込んでしまっただけであり、完全な悪意を持って積極的に一般の人々を襲撃するような気質ではないらしい。
構成
31名で構成されており、102巻のSBSにて一部のメンバーの名前と設定ラフが公開された。
現在分かっているメンバーの名前は音楽に関連しているものが多い。
船長
戦闘員
- "殺戮武人"キラー
船員
- バブルガム(CV:半田裕典)
- UK(CV:清水健佑)
- ポンプ(CV:奥畑幸典)
- パパス
- ヒップ
- ギグ
- ダイブ
- クインシー
- ブギ
- エマ
- レック
- ジャガー
- ハウス
- ホップ
- モッシュ
- ディスクJ
- モアイ
- コンポ
経歴
構成員の大半が南の海のとある島に存在する政府非加盟国の生まれである。島にある4つの街にはそれぞれ不良グループが存在し、4人はそれぞれのボスとして日々抗争が絶えなかった。
しかしある日、キッドの親友であるヴィクトリア・S・ドルヤナイカがギャングに殺されてしまう事件が起こり、頭に来たキッドが4つの不良グループを束ねて国1番のギャングを打倒。
その後は「こんなせまい世界にはいたくない」と悪友達を引き連れたキッドにより結成される事となった。
新世界編では赤髪海賊団、ビッグ・マム海賊団、百獣海賊団など、作中でも指折りの強大な海賊団との抗争や直接戦闘などを経験しており、それでもなお勢いと闘争心を喪失しておらず、新世界を舞台に暴れ続けている。
ワノ国出航後、当初の標的であった赤髪海賊団に戦いを挑む事になるが、彼等のナワバリが巨人達の暮らす国であるエルバフであった事が、完全に仇となってしまう。
エルバフに到着したキッドは、すかさず赤髪海賊団と元・巨兵海賊団の連合軍に攻撃を仕掛けるも、シャンクスの圧倒的な力も前に主力であったキッドとキラーの二人はあっけなく返り討ちに遭ってしまい、太刀打ち出来無い事を悟った船員達はキッドらを助命すべく降参してロード歴史の本文の写しを差し出す。
しかし、自分達の国を荒らされようとしたエルバフの巨人達相手には無意味で、許しを得られるはずなども無く、彼等の攻撃「覇国」によりヴィクトリアパンク号を破壊されると共に海に沈められ、“壊滅”を迎えた。キッド海賊団の生死は不明。
奇しくももこれとほぼ同時期、ワノ国で共闘したトラファルガー・ロー率いるハートの海賊団も、黒ひげ率いる黒ひげ海賊団に敗北し、船を沈められる。
余談
シャンクスとドリー・ブロギーによって壊滅させられたシーンには、過去の複数の場面との関連性がある。
- フーシャ村にて、ヒグマの山賊団に対してシャンクスたちが放った「友達を傷付ける奴は許さない」「銃を抜いたからには命を懸けろよ、そいつは脅しの道具じゃねえ」「卑怯?甘ぇ事言ってんじゃねえ、聖者でも相手にしているつもりか」という台詞と、今回のドリーとブロギーの「人の故郷に銃口を向けたら同じ目に遭う覚悟をしろよ」という台詞からの、ポーネグリフを得ているのにもかかわらず覇国で追い討ちをしたことの類似性。
- 恐竜の姿を模したヴィクトリアパンク号が、恐竜殺しで知られるドリーとブロギーの覇国で破壊されたこと。
- ミホークの初登場時の戦闘描写。
また、カイドウとリンリンの"覇海"を受け止めたゾロとは異なり、二大巨頭を一撃で戦闘不能にされるというまさかの事態に恐慌へ陥った団員達には、その直後放たれた"覇国"を受け止める準備などできていなかった。
- 覇海を受け止めたゾロが比較対象にあげられることが目立つが、ゾロも覇海を受け止めたのはわずか数秒であり、その後は全身の骨が折れていた。
なおシャンクスや巨人達は決してキッド達に悪感情や恨みを持っていたわけでは無く、むしろ個人的には好ましく思っていた節さえある。先手必勝の全力殲滅にかかったのも、それだけ彼らの力量を評価した上で、キッド達のカタギへの被害を厭わない攻撃力と容赦のなさを危険視したからに他ならない。
海軍本部大将"緑牛"の襲撃から「新緑を摘むな」と庇ったり、今回もキッド側の体調を心配し全面衝突を止めるか事前確認する筋を見せたが、改めて敵として対峙した際の容赦のなさは「海賊らしさ」を感じさせる場面である。
皮肉にも「一度仲間に手を出せば、戦意喪失し謝意を示そうが許さない」というキッド海賊団の方針を相手にやられる形で、事実上のリタイアを果たしてしまった。
なお前述したSBSでのメンバー紹介に際し、尾田先生は「覚えなくていいです!笑」と言及しており、これは活躍もなく退場してしまう伏線だった、という意見もある。