闘牛
とうぎゅう
牛と牛を戦わせる競技。牛相撲、牛突き、牛の角突きなどと呼ばれ、岩手県、新潟県、島根県隠岐島、愛媛県、鹿児島県、沖縄県などで行われている。かつては東京都八丈島でも行われていたが、現在は行われていない。中国などの東アジアにおいても同様の文化が存在している。
スペインなどの闘牛とは異なり、むしろ闘犬に近く、相撲のような競技である。大相撲のような番付により牛の優劣が格付けされる場合もある。
闘牛士は「勢子」と呼ばれ、鼻綱で牛の体勢を調節したり、牛の傍でかけ声をかけ励ましたりする。また勝負の済んだ牛を捕まえ鼻綱を取らせるのも勢子の役割で、時には数人がかりでの大仕事となる。
起源に関しては不明だが、『南総里見八犬伝』では新潟の牛の角突きが紹介されており、この頃には既に始まっていたのは確かである。
牛と闘牛士(マタドール)がアリーナの中で戦う競技。ムレータと呼ばれるマントと 剣を用いて牛を仕留めるところを見せ物とした、一種のショー。
シーズンは3~10月。
各興行には3人の正闘牛士が2回ずつ出場し、6頭の雄牛と対決する。闘牛士が赤い布で牛を巧みにかわし、剣を突き刺す。華麗さによって称賛や賞金を得る。
スペインやポルトガル、フランス、ラテンアメリカなどで行われており、特にスペインでは闘牛は国技とされ、盛んである。
元は狩りから派生した貴族のたしなみであったが、フェリペ5世がこれを野蛮なものとして禁止してからは、大衆の娯楽になっていった。
なお、マタドールとは闘牛士全体の1割程度しか満たないエリート集団で、さらに活躍できるとなると更にその内1割に満たない。
1990年代辺りまでは日本のバラエティ番組でも勇敢な男の象徴として美化される風潮すらあったが、近年、闘牛士が牛を槍や剣で刺していき、死に至らしめるのを見せるということに対して動物愛護的な観点から批判が強まっている。
参考動画
Guy Jumps Over a Bull(You Tube)
よくある勘違い
「牛の前に赤い服や赤いモノを持っていたために、牛から襲われる」と言う場面が漫画などでよくあるが、これは闘牛においてマタドールが赤いムレータ(マント)を翻しているので「牛は赤い色に反応する」と思われる事が多々ある。
だが牛は色を判別する事が出来ず、実際にはムレータの動きで牛の興奮を促しているに過ぎない。
赤い色は、観客に動きが分かりやすいようにするため、と言うのが正しく、それ以外にも「赤は人間が興奮する色だから」、「怪我によって血液が附着したとしても分かりづらくなるから」というものがある。
イギリスでは12世紀ごろから、柵に縄や紐でつながれた雄牛と闘犬を闘わせるブル・ベイティングという競技が行われていた。ブルドッグ、ブルテリアなどは、そのために改良された犬種である。残酷なスポーツとして1835年には禁止された。
オマーンでは、牛を互いに戦わせる闘牛が有り、その様子は日本の闘牛に似ている。
wikipedia「闘牛」より一部抜粋
小説
「午後の死」「危険な夏」(アーネスト・ヘミングウェイ)
詩
「イグナシオ・サンチェス・メヒーアスへの哀悼歌」(フェデリコ・ガルシーア・ロルカ)
童話
「はなのすきなうし」(作:マンロー・リーフ/絵:ロバート・ローソン)→1938年に「牡牛のフェルディナンド」のタイトルでディズニーにアニメ化。2017年に「フェルディナンド」のタイトルでCGアニメ化。
曲
絵画
『闘牛』連作(パブロ・ピカソ)
ゲーム
「ザ・闘牛」(セガ/コアランド{日本} 1984年 アーケードゲーム)
「BullFighting Hero」(Magic cube{韓国} 2013年 iphone用 日本未発売)
「Bull Fighter Champion Matador」(Xerces Technologies{インド} 2014年 アンドロイド用 日本未発売)
「TORO -牛との戦い-」(Reco Technology{スペイン} 2016年 PS4用 日本ではダウンロード販売)