「二つ言っとく おれは冗談が大嫌いだ」
「 ─── そしてもう一つ…今日」
「お前には“死相”が出ている」
概要
魔術師の異名を持つホーキンス海賊団船長で、シャボンディ諸島編で登場した「11人の超新星」と呼ばれるルーキー海賊の一人。
現在は「最悪の世代」と呼ばれ、四皇"百獣のカイドウ"率いる百獣海賊団の幹部として活動していた。
プロフィール
本名 | バジル・ホーキンス |
---|---|
異名 | 魔術師 |
年齢 | 29歳→31歳 |
身長 | 210cm |
懸賞金 | 2億4900万ベリー→3億2000万ベリー |
肩書き | 最悪の世代 |
所属 | ホーキンス海賊団船長→元百獣海賊団真打ち |
所属船 | グラッジドルフ号 |
悪魔の実 | ワラワラの実(超人系) |
覇気 | 武装色、見聞色 |
出身地 | 北の海 |
誕生日 | 9月9日(占いの日) |
星座 | おとめ座 |
血液型 | S型 |
好きな食べ物 | フォーチュンクッキー |
嫌いな食べ物 | 肉 |
趣味 | 入浴、インテリア |
イメージ国 | エジプト |
イメージ職業 | インテリアデザイナー |
イメージ花 | クロユリ |
イメージ動物 | 馬 |
初登場 | 単行本51巻 第498話『11人の超新星』 |
WT100 | 82位(10590票) |
CV | 宗矢樹頼 |
人物
容姿
紳士のような出で立ちの長身痩躯の男性。
色白肌の面長の顔にウェーブのかかったロングヘアーの金髪が特徴。額にある6つの三角マークはそれぞれが一本の眉毛。喉仏付近に十字架型の模様が存在する。
性格
一人称は「おれ」。占いを得意としており、自身や他人の未来を言い当てる。占い結果を“%”で数値化して話す。基本的に冷静沈着で、表情を変えることなく冷徹に行動する。
こうした彼の冷静さは自身の占い(おそらくタロットによるもの)に絶対的な信頼を置いていることから培われたと見られ、常々カードを取り出しては占いによって現状や未来を予知し、自身が吉となる方に従い行動している。それこそ、シャボンディ諸島では海軍大将“黄猿”に眼前まで迫られていながら、変わらずその場に座して占いを続けていた。
占いの結果は、明確にどのようなことが起こる(もしくは起こった)かが判るわけではなくパーセンテージによって表されるらしく、「~~の確率 ○○%」といった言い回しを常々用いている。その日の行動も占いによって決めているらしく、運気が落ちると出た行動は控え、部下にも取らせない。なお、自身の占いでラッキーアイテムがミニスカートと出た場合、特に問題無く履くという。
なお、占いの際には 自分の持つワラワラの実の能力で展開した藁の触手の上にまるで空中に配置するかのように並べて占いを行っており、机のない場所でもカードが広げられる。
また人の“死相”が見えるらしく、天竜人であるチャルロス聖に斬りかかろうとしたゾロやパシフィスタとの戦闘で絶体絶命に陥ったウルージを見ても、この場で死ぬような事は無いと断言し、実際にそうなった。
逆にフードヴァルテン島で遭遇した茶ひげに対しては、彼の名乗りに「おれは冗談が大嫌いだ」と言い放ち、さらに「お前には“死相”が出ている」と宣告して戦ったが、ホーキンス自身が茶ひげに完全なトドメは刺さなかったらしい(しかしこの戦いで両足を失ったため、茶ひげの海賊としての人生は断たれたも同然となった)。
意外に気短な部分もあるようで、新世界編では同盟を組もうと持ちかけてきたユースタス・キッドやスクラッチメン・アプーとの面会の際、いきなり一触即発の空気になった二人に呆れた様子を見せ、話し合いすら始まっていない段階で帰ろうとした。
もっとも、気短な一面を抑え、冷静さと敵味方の被害に対する関心の薄さが入り混じった言動で相手を翻弄し、ワラワラの実の能力とカードの結果で周囲を振り回すこともあれば、被害をある程度考慮した上で冷静にカイドウやジャックに進言することもある等、厄介な人物でもある。
反面、破天荒揃いの同期の新参海賊の中では良くも悪くも“常識的”すぎる所があり、ルフィら他の同期海賊のほとんどが、四皇や政府を相手に武力による撃破か知恵を使っての出し抜きを図り、たとえどれほど力の差を見せつけられても挫けず挑み続けたのに対し、彼はカイドウと遭遇してからというもの「自分たちでは四皇には敵わない」と完全に心が折れてしまい、以降はそのカイドウに服従する道を選んでいる(かつてビッグ・マムに付いていたカポネ・ベッジは当初より機を見ての裏切りを画策しており、先にカイドウの配下だったアプーも自分が組織から見捨てられるや否や今度はドレークやヤマトに擦り寄って次のチャンスを狙うなどの狡猾さを見せていた)。
また、自身の行動指針を決める占いに際しても“出た結果の中で成功確率が低いものは基本的に選択しない”傾向があり、そういう意味でも“冒険ができない”性分であることが窺える。
その他、北の海出身であるためトラファルガー・ローやドレークと同じく新聞掲載漫画『海の戦士ソラ』の事は知っており、当然ジェルマ66にも詳しい。その為、ワノ国の湯屋にてジェルマの戦士ステルスブラックと対峙した時は、わざわざ同郷のドレークにその姿を確認させてまじまじと眺めたり、戦闘中は「加速装置」「浮遊装置」「透過装置」といった漫画通りの能力にもドレークと揃って興奮を隠せずにいた。一方で、絵物語と異なる行動(悪の戦士でありながら女性を守る)に苛立ちをみせたりなど、普段の冷静さを欠いた行動を見せた。
戦闘能力
悪魔の実
「“ワラワラ”の能力で部下達を体に宿すおれに ダメージはない!!! 10人宿せば10回死ねる……」
体から藁を生み出し、全身を藁人形のように変身させる事ができる「藁人間」。
能力を発動すると通常よりも巨大化し、非常に不気味な姿に変貌する。指も藁のようになるため、細いものならその藁を触手のように巻き付けて持つ事が可能。その特性を利用して五寸釘を指で持ち、武器として振るう。
他にも刀身を藁に変化させることができる剣を携えており、剣で巨大な藁人形を生み出して遠隔攻撃をすることもできる。
最大の特徴は呪術的な能力。体内に藁人形(ストローマン)と呼ばれる小型の藁人形を仕込み、これを媒体に自分が受けたダメージを他者に移す事ができるのである。
例えばホーキンス本人が大爆発に巻き込まれた場合、体内の藁人形がそのダメージを肩代わりするように炎上、同時にダメージを全くの別人に移転させ、対象となった人物は訳も分からないまま爆炎に包まれて大火傷を負う。そしてダメージを受けて使い物にならなくなった藁人形はそのままホーキンスの体内から排出される。
この能力を使う上で何らかの制約や準備が必要なようだが、藁人形は少なくとも10体は体内にストックしておく事ができる様子。
ストックがある限り、どれほど強力な攻撃でもホーキンスにダメージを与える事はできない。
ストックを全て消費してしまうとダメージを移す事ができなくなり、通常通りあらゆるダメージを受ける事になるが、本人もそのリスクや限度をある程度自認したうえで使用している。
偉大なる航路編では他の無関係な海賊にダメージを肩代わりさせていたが、ワノ国編では、自分の部下である侍や海賊(カイドウの部下)にダメージを肩代わりさせていた。
藁人形が作られる条件等は不明なのだが、「丑の刻参り」をベースに考えると、身代わりとなる他者の体の一部(毛髪、血、皮膚など)が必要なので、予めホーキンスが他者の体の一部を奪い身代わりの藁人形を作っているんじゃないかと思われるが詳細は不明。
藁人形の能力によって発生する相手側へのダメージは、本来ホーキンスの肉体が直接受けたはずの部位に対して、ホーキンスが受けるはずだった分のダメージが反映される。つまり右腕を切りつけられれば相手の右腕に切り傷が生じ、頭を横から殴りつけられれば相手側は突発的な片頭痛のような痛みを覚える。そのため、ダメージを肩代わりさせる相手がいてその準備が整えば、自分で自分を傷つける事をしても全てその痛みを押し付ける事が簡単にできるから相当タチが悪い。
しかしその性質上、対象者が体の一部を欠損している場合、その欠損している部位に対してのダメージは肩代わりできずにそのままホーキンスに対してのダメージとして通ってしまう。たとえば左腕のない人間を請負先にしてる場合、自分が左腕を斬られると押し付ける事はできずそのまま斬り落とされる等、恐ろしさと厄介さは凄まじいが、万能ましてや無敵と言える能力ではない。
基礎戦闘力
新世界の海賊たちが基本的に会得している2種類の覇気(武装色・見聞色)をホーキンスも使用している。
他にも、能力を使うことなく剣のみで応戦することもあるが、ホーキンスは自身の能力に絶対の自信を持っているのか、能力に頼り切っている姿勢を見せており、無防備の状態を見せることが多い。ホーキンス自身の耐久力もそこまで高くはなく、基礎戦闘力は他の最悪の世代と比べて若干劣っていることが窺える。
ただしワノ国編では海楼石の釘を入手し、悪魔の実の能力者相手に使用して厄介な能力を封じ込んで追い詰めたことがある。
技
- 藁人形(ストローマン)
藁人形を介してダメージを他者に肩代わりさせる能力。ストックは10体までは確認されている。
- 降魔の相
巨大な藁人形のような姿に変身する。
- 藁備手刀(ワラビデとう)
剣の刀身を藁の束に変化させ、敵を貫く。
- 藁人形ズカード(ストローマンズカード)
藁化した剣から巨大な藁人形を召喚した後にタロット占いによるゲームを行い、結果に準じて藁人形が攻撃を仕掛ける大技。
ゲームに成功して敵への攻撃に移行した巨大藁人形は口から釘を連射したり、ホーキンスの動きと連動して技を仕掛ける。そのパワーはゾロも驚くほど強力である。また遠隔操作された巨大藁人形が受けたダメージはホーキンスに連動して伝わるが、身代わりを事前に用意していればホーキンスはノーダメージで済む。藁人形を遠隔にしなければダメージが連動することはなく、仮に藁人形が倒されても再びカードを引けば何度でも復活できるとのこと。
ホーキンス曰く「リスクを受け入れる分 己の限界を超える力を与えてくれるカードもある」とのことであり、ギャンブル性は高いが成功した際の見返りが大きいため、ホーキンスの切り札と言える技になっている。
現在登場したカードの種類と効果は以下の通りである。
カード | 位置 | 内容 | 効果 |
---|---|---|---|
愚か者 | 逆位置 | 仲間割れ | 身代わりに指定している人物同士が殺し合ってしまう。 |
法王 | 逆位置 | 追撃 | 巨大藁人形が遠隔操作に切り替わり、釘付きの棍棒を持って敵を追撃する。 |
法王 | 正位置 | 援護 | 敵が何者かの救援を受けて逃げ切ってしまう。 |
死神 | 正位置 | 消滅 | 巨大藁人形が刀身に繋がったまま鎌で敵を攻撃する。 |
塔(タワー) | 正位置 | 古きものの崩壊(新しい道) | 倒された巨大藁人形が復活しない。 |
活躍
第1部サバイバルの海 超新星編
シャボンディ諸島〜頂上戦争編
シャボンディ諸島では、襲来したパシフィスタ相手にX・ドレーク、スクラッチメン・アプー、ウルージと共に戦うが、後にやって来た海軍本部大将黄猿に4人まとめて倒される。
その後、命からがら諸島を脱出。頂上戦争の終わりを、他の超新星達と共にマリンフォード近海で見届けた。
新世界に入ると、四皇“白ひげ”の縄張り跡に上陸。その後、そこを支配していた海賊茶ひげと対決し、彼やその部下達に重傷を負わせ大勝した。
第2部 最後の海 新世界編
パンクハザード編
自分と同じ11人の超新星として新世界に突入し“最悪の世代”の海賊として恐れられるユースタス・キッドとキラーから話し合いを持ちかけられる。
二人からの提案で、四皇を崩すべくキッド海賊団、オンエア海賊団と同盟を結ぶことを承諾。パンクハザード編終了後、海賊同盟締結が新聞で報道された。
ドレスローザ編
モンキー・D・ルフィとトラファルガー・ローの海賊同盟によるドンキホーテ・ドフラミンゴ討伐の報を受け、自分達も四皇“赤髪のシャンクス”を崩すべく、行動を開始しようとした矢先空島からの投身自殺をはかった四皇“百獣のカイドウ”が目の前に現れる。
元より百獣海賊団の傘下であったスクラッチメン・アプーの裏切りにあい、その場でカイドウの部下になることを迫られる。
“勝利確率0%”、“逃走成功率0%”、“服従生存率40%”の占い結果に従って傘下入りを決め、短期間で“真打ち”と呼ばれる百獣海賊団の幹部に上り詰める。
ワノ国編
第一幕~第二幕
ワノ国入りしたルフィとゾロの前にカイドウの部下として現れ、自身の占いで、ルフィ達の1ヶ月後の生存確率を19%と予告。
最悪の世代2人を相手に一途に戦うほど実直ではないと発言し、ワラワラの実の能力で翻弄したが逃げられてしまった。
その後、麦わらの一味と同盟関係にあるハートの海賊団もワノ国に入国していることを突き止め、活動拠点を九里から花の都に移した後は、合流した飛び六胞のX・ドレークと共に真打ちとしての任務をこなしつつ、ベポ達を人質に取ることでトラファルガー・ローを捕らえることに成功する。
しかし、実は海賊ではないドレークの手引きによってローが解放され形勢が逆転。オペオペの実の能力で斬り刻まれてしまった。
この際、カイドウに屈している現状を良く思ってないらしく、同盟関係が上手くいっているルフィやロー達の事を羨ましく思っている旨をローに打ち明けていた。
第三幕
金色神楽当日、斬り刻まれた状態から無事に戻って復帰。
決戦が本格的に始まった頃には“ある男が明日まで生きている確率”を占っていた(結果は1%)。
その後、花の都でローを解放した張本人であるドレークをクイーンやフーズ・フーと共に包囲し、彼を拷問にかけようとするが逃げられてしまった。
その後はキッドと共にビッグ・マムの元へ向かおうとしていたキラーと対峙。
キラーにより身代わりをほとんど使い果たしてしまうが、最後に残った藁人形がキッドのものであると示唆し、膠着状態に持ち込んだ。
「残り僅かだが…重要なのは誰の命か…!!」
「…さァ興じろ。苦しゅうないぞ!!」
その後は柱に頭突きをすることでキッドに偏頭痛のような痛みを与え続けキラーを脅すと同時にリアルタイムでビッグ・マムと戦うキッドを間接的に更に不利な戦況にさせていく。しかしキラーの想定外の攻撃によって自身の能力の弱点を暴かれ左腕を切断される。
持っていた藁人形はキッドのもので最後であり、脅しが効かなくなったことで藁人形ズカードで応戦する。出たカードは死神でありキラーへの攻撃を開始するがあえなく首を切り落とされる。
次に引いたカードが"古きものの崩壊"を意味する塔のカードであったことに驚愕、その瞬間キラーに真正面から斬り刻まれてしまった。
討ち入りの決着後は同じく満身創痍のドレークと遭遇。
そして前述の"明日まで生きている確率が1%の男"が自分自身であった事と、カイドウが負ける未来が見えていた事、そして「(負けて死ぬと判っていても)これ以上"命惜しさに鞍替えする"ような自分には耐えられない、できなかった」ことを明かし、変えることが出来なかった自身の運命を嘲るような表情を浮かべた後、その場で力尽き倒れた。
余談
- 名前の由来は、イギリスの海賊にして海軍提督にして元奴隷商人「ジョン・ホーキンス」と海賊船医「バジル・リングローズ」。
- アニメ版では先行して、“1%の男”がドレークである事をホーキンス自身が発言しており、アニオリで「お前の生存確率を親切に教えてあげただろ」とより強調して発言しているため矛盾が生じていたが、アニメ版ではこのシーンについてドレークが「おれじゃなかったのか?1%は」と一言挟む形で補足された。