※この記事は単行本未収録のネタバレ情報を含みます。 |
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CV:堀秀行
概要
通称"PX"。その意味はpacifism(平和主義)から取って「パシフィスタ(平和主義者)」。
海軍の天才科学者Dr.ベガパンクが開発した人間兵器で、開発にあたって王下七武海バーソロミュー・くまが実験台として使用された。
このくまに対して行われた改造が後のパシフィスタに丸々流用されているため、パシフィスタの姿はくまと瓜二つなのである。
そんな彼らとくま本人との見分け方として有効な特徴がそれぞれ3つずつあり、
くまは
- 「基本的に手袋をしている」
- 「掌に肉球がある」
- 「常に聖書を持ち歩く」
という特徴を持っている。
これに対してパシフィスタは
- 「どの個体も聖書を持っていない」
- 「掌にレーザー発射口がある」
- 「常に素手」
であることが特徴であるため、一応見分けは付く様子。ちなみに、時系列2年前に麦わらの一味がシャボンディ諸島で交戦した際、ゾロは気配で本物を察している。(やられた経験があるにはあるが…)
なお特に自我があるような場面は見られず、自発的に発言することはないようだ。(偽ルフィを倒した戦桃丸に「こいつは誰だ」と聞かれた際「"三枚舌のデマロ・ブラック" ・・・懸賞金2600万ベリー」と機械的に応答した程度)
海軍本部科学部隊に所属しており、ベガパンクのボディーガードで大将"黄猿"の部下でもある海軍本部科学部隊隊長戦桃丸が指揮している。
製作には軍艦1隻分もの費用が掛かるらしい。
戦闘能力
銃や刃物のような並みの攻撃では通用しない頑丈な身体を持ち、鉄を溶かす程の高熱のレーザー光線を両掌と口から照射する事ができる。(くま本人も口から撃てる)
そして両目の部分はモニターとして賞金首の顔と名前、懸賞金を判別する機能が備わっているので、たとえ変装しようとも無意味。
一見するとロボットやアンドロイドの類いにも思えるが、血が出たり、吐血をしたりすることから生物組織もあると思われる。
その実力は、当時の超新星達や白ひげ海賊団傘下の海賊達でも倒すのに苦労するレベルであり、麦わらの一味が9人がかりでヘトヘトになるまで攻撃し続けてやっと機能停止する程。
ただし、これはあくまでプロトタイプ。
というのも、新世界編ではDr.ベガパンクに会ってきた大将藤虎が「見えやしねェんですが…すげェモンが完成してやした」「王下七武海はもう要らねェ・・・!!!」と語っており、明言こそされていないもののそれが完成型のパシフィスタを指している可能性は高い。
活躍
初登場は2年前のシャボンディ諸島編で、モンキー・D・ルフィらによる世界貴族(天竜人)ロズワード聖一家に対する暴行行為を受けて、大将"黄猿”、海軍本部科学部隊隊長戦桃丸と共にシャボンディ諸島にプロトタイプのパシフィスタが数体襲来。
その際、その容姿から多くの読者(及び海賊たち)に王下七武海バーソロミュー・くまが襲来したと誤解された。
次の登場はマリンフォード頂上戦争で、白ひげ海賊団に対する囲い込み作戦を、戦桃丸指揮の下、プロトタイプのパシフィスタ軍団が参戦した。
また、頂上戦争終結直後のゲッコー・モリア暗殺時にもドンキホーテ・ドフラミンゴの指示のもと複数体のパシフィスタが作戦に導入されている。
三度目の登場は新世界編のシャボンディ諸島で、再集結した一味を逮捕しようと戦桃丸指揮の下、プロトタイプが数体出撃した。
しかし2年の修業を経て見違えるようにパワーアップした一味の三強の攻撃にはまるで歯が立たず、結局諸島にいる他の海賊達を逮捕する程度の手柄しか上げる事ができなかった。
この他にも、このプロトタイプのパシフィスタを改造した過激組織NEO海軍の人間兵器PX-Zが、劇場版第12作目『ONEPIECE FILM Z』に登場している。このパシフィスタは、改造により普通のパシフィスタよりも白基調の風貌になっており、"白くま"と呼ばれている。それ以外の違いは右目周辺が機械じみたデザインになり、NEO海軍のマークからドクロを取り除いたマークが描かれたコートを着ている点。
なお、性能面はプロトタイプのパシフィスタと違いは無い。
ギャグパロディ『ワンピースパーティー』ではアインが新型の巨大白くまを嗾けているが、実は肩車しただけだった。
余談
サイボーグであるフランキーは2年前に戦った当時「こいつが”改造人間”である以上…元はあのバーソロミュー・くまと同じ姿をした”人間”だって事だ… 双子の兄弟か・・・もしくはスーパーそっくり人間を改造したと考えるのが 一番自然だな・・・」と語っているが、当のくまは「『鉄人』フランキーか…おれは『サイボーグ』とは少し違う」と言葉を濁しており、何かしらの差異はあるようだ。
そしてベガパンクのかつての研究仲間であるジェルマ王国国王・ヴィンスモーク・ジャッジはベガパンクの発見した「血統因子」による生物の複製技術の実用に成功していたため、恐らくPXくまもくま本人の親戚などではなく、くま自身をモデルとしたクローンをベースにしていると思われる。
関連タグ
セラフィム(ONEPIECE):完成形パシフィスタ。
ここから先はネタバレ注意。
「聖人・・・?おれはただの気弱な”平和主義者(パシフィスタ)”だ」
これはベガパンクに対してバーソロミュー・くまが自身の性格を例えて放った言葉である。娘に当たるボニーの難病、青玉鱗の進行が刻一刻と進む中、くまはベガパンクの所へと治療を打診しに尋ねる。このとき、ベガパンクは、くまが特殊な種族であることに気付き、くまの血液提供とくまのクローン兵作成の許可を条件にボニーを最新の技術によって治療する。このとき、後にくまのクローン兵が弱者にとっての盾になることを思えば、何よりボニーが助かるのならば自身は悪役で良いとくまがベガパンクに伝え、それを聞いたベガパンクが「聖人じゃな お前は」と返答したときのくまの返しが上記のセリフである。
その後、そのセリフを受けてくまのことを気に入ったベガパンク自身の好意によって「未来の戦士たち」に付けられた名前、それが”平和主義者(パシフィスタ)”なのである。
・・・なお、その名前がしっかりとした意味で使用されているのかというと…この上ない皮肉なのかもしれない。
加えて、第1100話”ありがとうボニー”にて、くま自身の改造には最低2年がかかることが判明している。
1106話において、くまの境遇とボニーの存在から、いずれ「くまの姿をしたクローン兵にボニーが殺される」という両者にとって最悪の事態を懸念したベガパンクにより、くまベースのPXシリーズに対する命令優先度の最上位にボニーを設定するという隠しコマンドが仕込まれていたことが判明。(恐らく基礎の制御プログラムに組み込まれていると思われる)
これによりエッグヘッドからの脱出に際し、立ちはだかっていたパシフィスタが丸ごと味方につくという戦力逆転が発生している。