「私はいつか "科学" でこんな世界を作りたい!!」
「世界中に無償で "エネルギー" が行き渡る世界!!!」
「──これを目に見える "力" に変換出来れば戦争の大きな火種を一つ世界から消せる!!」
「科学はいつか必ずそこへ到達できる!!!」
「神がいるかいないかなど考えるまでもない…!!」
「面白かろう!!?この世界!!!」
※この記事はアニメ未収録の重大なネタバレ情報を含みます。 |
---|
概要
海軍特殊科学班(SSG)班長。
海軍の科学者達のリーダーであり、「世界最大の頭脳を持つ男」と称される天才科学者。画期的な技術の裏には必ずベガパンクがいるとされる。
現在は新世界にある未来島エッグヘッドに研究所を構え、日々研究に没頭している。
「ある科学者が人智を超えた新技術を海軍に提供している」事実は作中では序盤から何度も指摘されており、作中で何か新しい技術が登場すると「海軍の天才科学者が作った」とする伝聞情報がついてくるのもお約束になっている。その科学者の名前がベガパンクだと明かされたのはエニエス・ロビー編終盤である。
それからも名前だけはたびたび出てくるものも本人の詳細は分からず、パンクハザード編の回想シーンで首より下のシルエットが登場。
そして、本作が最終章に突入したエッグヘッド編でようやく本人が登場した。
プロフィール
本名 | ベガパンク |
---|---|
異名 | 世界最大の頭脳を持つ男 → 世界一の頭脳を持つ男 |
年齢 | 65歳 |
身長 | 314cm |
所属 | 平和研究所「MADS」所長 → パンクハザード研究所所長 → 海軍特殊科学班「SSG」班長 |
悪魔の実 | ノミノミの実(超人系) |
出身地 | 偉大なる航路 カラクリ島 バルジモア |
誕生日 | 10月9日(探究の日)※ |
星座 | てんびん座 |
血液型 | S型 |
好物 | りんごパイ、コーヒー、マカロニスパゲティ |
笑い方 | ぺぺぺ |
初登場 | 単行本106巻 第1066話『オハラの意志』 |
CV | 安原義人(第610話)→ 多田野曜平 |
※キャラクター大名鑑「BLUE DEEP」では「8月9日」
人物
容姿
後述の能力の特徴とベガパンク自身の施しによって頭の形が特徴的なものになっている。
他にも舌が胴体の下肢に差し掛かるほど長かったり、脚も足長族程では無いが細長いなど、作中に登場する人物の中でも一際目立つ個性的な容姿をしている。
服装は科学者らしく白衣を羽織っている。また、若かりし日はサングラスをかけていた。
性格
一人称は「私」。口調は基本的には普通だが、誰かに指示や依頼といった命令形で話しかける際に「くれ」が「クエーサー」になる特徴がある(「助けてくれ」→「助けてクエーサー」など)。
高齢になってからは割とテンションが高くノリも良い好々爺。また、自分の意見は決して曲げず、時には歯に衣着せぬ物言いで相手を突っぱねる事もある生粋の正直者である。
幼少の頃から常軌を逸した知識欲と発想力を秘め、様々な分野の学問や研究に手を伸ばし、あらゆる知識を己の頭脳に収めている。作中世界において知識力に関して言えば、間違いなくベガパンクの右に出る者は誰一人として存在しない。
徹底的な完璧主義者であり、特に自身が深く関わる研究に関しては一切の妥協を許さない。周囲や関係者からすればほぼ成功と言って差し支えない研究結果でも、ベガパンク本人が少しでも納得できない部分があればその成果は彼にとって「大失敗」と断定され、最悪の場合そのまま放棄されてしまう。
また、理性はあるものの自分の隠された欲については自覚が無く、その結果大惨事を引き起こしている。
ジュエリー・ボニーに凄まれてもバーソロミュー・くまとの約束でくまが殺された経緯を話そうとしなかったり義理堅い一面もある。
頭脳・科学力
ベガパンクが持つ頭脳は人類が500年をかけて到達する域にあると言われており、若い頃に制作した設計図ですら完成させるのに200年~300年を要するとされる発明がいくつも存在している。その研究分野も非常に広く、兵器開発から人間の細胞研究まで行っている。
天才すぎて常に忙しいベガパンクは人手を増やすために、個性的な分身体、猫(サテライト)を6人作成。
その一人一人が歴としたベガパンクであるが、ベガパンク本人は本体(ステラ)と呼ばれ、それ以外の6人には数字とコードネームと思しき名前が付けられている。
そんな先進的過ぎる実態には、普段は冷静なロブ・ルッチも自分の常識を超えているとボヤいていた。
自他共に認める天才であるが、その頭脳に関してのプライドは高く、どんな些細な事柄であっても「知らない」状態をバカにされたり挑発されたり、ド直球に「バカ」呼ばわりされたりするとムキになってしまう。これはたとえ自分の分身体が放った言葉であっても同様なので、結果としてベガパンクがベガパンクに対して「ベガパンクをナメるな!!!」と食って掛かると、文面だけではまるで意味が分からない事態が発生してしまう。
倫理観
読者の間では「どのような倫理観の持ち主か?」について、たびたび議論が持ち上がる人物でもある。
ペガパンクが本編に実際に登場する以前から、作中で様々な人々の口を通じてベガパンクの業績が語られてきたが、それを聞く限りは「正義の科学者」であるかのようだ。
ベガパンクの故郷であるバルジモアの人々の評価によれば、島の発展の為に様々な技術の研究や発明を行っていた良心的な人物である印象を受ける。
ルフィもベガパンクの研究や行為に対しては「皆を喜ばせようとしてる奴は立派だよ」と発言していたり、真っ当な善性はある模様。
また、かつてベガパンクに師事していたシーザー・クラウンの回想シーンでは、非人道的な大量殺戮兵器の研究に没頭していたシーザーを糾弾し追放したり、そのシーザーによって引き起こされたパンクハザードでの事故の全責任を1人で背負った経緯が断片的に語られている。
だがその一方で、ベガパンクの実際の経歴を冷静に分析すると、「本当に善人だったのか?」疑う意見もある。
まず、バルジモアに在住していた頃から、秘密裏に軍事的な研究も行っている。わざわざ研究所を2ヶ所に作って違法な軍事研究は島民にも隠していた。つまり、世界平和に関係なく幼少期から兵器研究に興味があったように見受けられる。
また、かつては無法な研究チームに所属していた経歴と、本編に登場した人間兵器の試作品及び完成品の存在、そしてパンクハザードでのカイドウ並びにアルベルの実験についても、倫理観を疑われる要素の1つになっている。
実際、後述するパンクレコーズ(=記憶と経験を複数人で共有できる装置)に対して、ジンベエは「他人の思想や人格が植え付けられるのでは?(=強制洗脳)」と懸念を示したが、ベガパンクは「そんな心配をしていては科学は前に進めない」と気に止めないなど、MADSの仲間ほどではないが倫理観が欠如している姿が見受けられる。
そして、上述のシーザーを追放した件もシーザーの提唱する大量殺戮兵器が「非人道的だ」と憤慨したからではなく「お前の奇行は目に余る」のが理由。ベガパンクは大量殺戮に快楽を感じるシーザーの歪んだ人格を「兵器研究者としては非効率的だ」と考えていただけで、殊更に「大量殺戮兵器は存在してはならない」とする倫理観と使命感はあまり持っていなかった可能性もある。
ジュエリー・ボニーからはバーソロミュー・くまの人格奪取の件で命を狙われる程に恨まれており、「科学の発展のためならば、いかなる犠牲も厭わないマッドサイエンティストと見なされ、その所業を「科学という名の殺人」とまで酷評されていた。
ベガパンク本人はボニーが自分を殺したいほど憎んでいる現状に関しては、ショックを受ける素振りを見せるも「当然じゃのう……」と受け入れている。
ただし、くまの改造に関しては「私だって辛かった!!! 思い出したくもないくらいにな!!!」と断言している姿から、ベガパンク本人が進んでやったわけではなく、当初はくまの自我を無くす予定は無かったが、上の命令とくま自身の了承によりやらざるを得なくなった。
実際、人間そのものを改造には否定的な様子を見せており、くまを改造人間にする際「改造時にくまの思考や自我の消去」を条件として挙げられた時、ベガパンクは 「待てそれは死ねっちゅーことじゃ!!! ”改造人間(サイボーグ)” から意志を取ればただのロボットじゃろう!!! 私に人を殺せというのか!!?」 と普段からは考えられないほどの険しい表情で激昂していた。
また、ボニーにくまの壮絶な記憶を見せるのを必死で止めようとする、ボニーの真実からベガパンク自身は戦えないなりに彼女を守ろうと奮起するなどの一面も。
尚、実は彼は過去に1度だけマリージョアに訪れ五老星に謁見した経験があるのだが、その際に恐らく今の世界貴族の腐敗ぶりを直接見ているのか、天竜人を全く良く思っていない。そのような意味では、彼の倫理観とは、天竜人はまた相容れない存在なのかもしれない。
一連のベガパンクの面を総括すると「私人としては相応の倫理観を備えているが、科学者になるとより良い未来の発展以外を切り捨てる」と考えられる。
能力
悪魔の実
「持って生まれた天才の頭脳に無限のデータパンク!!!」
上限無しの記憶能力を持つ「脳みそ人間」だが、知識を蓄えるほど脳みそが(物理的に)肥大していく。幼少期のジュエリー・ボニーと会った頃の頭は巨人族に匹敵する程と化して、最早電球や気球の様な形状と化していたが、無限に肥大化する脳を自分の肉体がいずれ支えきれなくなる事態を悟った彼は、脳の大部分を切り取ったために現在は通常サイズになっている。
切り取られた脳の大部分は「パンクレコーズ」と呼ばれるクラウドのような記憶保存装置に搭載され、残りは分身体であるサテライト達に分け与えた。
ペガパンク本人は脳を切り取った後の頭の断面を、リンゴのヘタのようなもので蓋をしている。これは記憶保存装置と常時接続するために必要なアンテナとなっており、脳が肉体から離れても今まで蓄えてきた知識については全く失われていない。
これらの経緯を本人は「伸びてきたから切った」と軽く答えている。日常会話の言い間違いで「頭切った?」は有名な話だがこちらは本当に頭が伸びたので切っている。ボニーにも「髪切ったみてェなテンションで言うな!!」と突っ込まれている。
尚、彼はノミノミの実によって天才になったのではなく、初めから人類最強の天才だったのがノミノミの実によって更なる天才になっただけである(ノミノミの実は記憶力を高めるだけであり、知性を高めるわけではない)。
「パンクレコーズ」はペガパンク本人だけでなく、各サテライト達も常時接続しており、そのためにペガパンクおよび猫達は記憶や経験を共有している。それぞれの性格が異なる事情から、その記憶や経験から様々な刺激を互いに受けているらしい。
夢
将来的には「パンクレコーズ」を世界中に広め、全人類がパンクレコーズと接続されることで、あらゆる知識を共有できる時代を作る夢を語っており、世界の発展を真剣に考えている本心も明らかになった。ただし、倫理観の項目にもある通り、パンクレコーズの危険性については把握していながらも、人類の進歩の前にそれを無視する狂気性も垣間見せた。
更に「全人類が私の知識を身に付けたもの同然」と発言している様子から、暗にオハラの知識を世間に公開させる気である意志を示唆させている。
そのため読者からは「世界で一番危険な男」「世界政府に狙われて当然」とする意見も挙がっている。
また、「世界中に無償でエネルギーが行き渡る世界を作りたい」とも語っている。それによって戦争の大きな火種を世界から消せるとしている。
それに伴うリスクのようなものは作中ではまだ言及されてないが、これまでの言動から何かリスクがあってもそれを気にしていない可能性もある。
研究成果
達成済みの事項
- 作業用改造動物(サイボーグアニマル)
少年時代に冬島の環境を改善するための「土暖房システム」を完成させるために、バルジモアの森の動物達を改造した結果の産物。
動物達は現在もバルジモアに解き放たれている。
自身の研究ラボのあるエッグヘッドの近海にはそれを更に発展させた海獣兵器(シービーストウェポン)を大量に解き放っている。
- GPフラワー
MADSに所属していた頃に開発した“火薬に咲く花”。
開発過程は不明だが、この成果は世界で評価され、イベル平和賞を受賞した。
- 血統因子の発見
MADSに所属していた頃の世紀の大発見。
「生命の設計図」とも云われる血統因子は後の研究開発にも重宝されている。しかし、この成果は発見当時の同僚達がそれぞれの利益のために、血統因子を悪用する事態も招いてしまった。
- 複製人間(クローン)
MADSに所属していた頃の成果。
ベガパンク曰くクローンは立派な「人間」であり「この成果は世界の平和への大きな一歩である」との弁。
クローン実験の成功体第1号はあの人物。
- 海楼石の利用
海と同じエネルギーを発する海楼石を航海の際に利用する技術を確立させた。
この技術が反映されているのは海軍の軍艦である。また、新世界編の世界会議解散後には海楼石パドルシップも開発された。
- 悪魔の実の伝達条件の解明
後述の物に悪魔の実を与える技術にも繋がった成果。また、2つ悪魔の実を食べれば体が跡形も無く飛び散って死ぬという事実もこの成果によって発覚した。
- 無機物に悪魔の実を与える新技術
銃や剣などの形のある武器はもちろん、形のない殺人ガスなどに悪魔の実の能力を与えられる技術。
現状、これらの技術が反映されているのは、いずれも実に意志が宿る動物系の悪魔の実ばかりである。
- 人工悪魔の実
昔、百獣のカイドウを捕えた際に彼の血統因子を抽出して、ウオウオの実の模造品の誕生に成功した。ただしモデルは青龍ではなく桃色の龍になっている。
尚、この実を食したモモの助は後にカイドウと同等の能力を発揮しているが、ベガパンク本人は色を再現できなかった事からその出来に納得していない。
- 人工生物の生成
実在する生物のみならず、空想上の生物をも生み出す技術。この技術には恐らく血統因子が応用されている。
パンクハザードにサイズが異なる2種類の竜が解き放たれており、後に誕生した小型の方が凶暴な性格であった。
- 防護服
たとえ灼熱や極寒の過酷な自然環境の中であろうと、空間内に一度吸い込めば死に至るガスが充満していようと問題なく活動できる装備。
パンクハザードでシーザーに利用されていた兵士達が着用していた。
マリンフォード頂上戦争より少し前の時期から導入され始めた海軍の人間兵器。バーソロミュー・くまの人体改造手術を進めて開発に至った。この経緯から、パシフィスタにはくまの血統因子が応用されていると思われる。
試験体であるにもかかわらず、その戦闘能力は新世界の海賊達でも破壊に手を焼く程強力。
元は弱き市民達を救うヒーローとして作られ、くまが自身を「気弱な“平和主義者”」と称したことからその名が付けられた。
王下七武海制度の撤廃後、彼らに代わる新戦力として導入され始めた人間兵器。「最強の人類」として生み出された。
その全貌はまだ明かされていないが、上記の複数の研究成果の集大成と断言できる性能を誇る。
- ベガフォース01
200年前、聖地マリージョアを襲撃した伝説の鉄の巨人を参考に作り上げた巨大なロボット。ただし当時の動力は未だに再現できていない。
海中での活動が可能で、エッグヘッドの環境でのみ飛行もできる。
エッグヘッド内で利用されている立体映像。
自身が開発した「光圧グローブ」を併用すれば、ホログラムの人間とも物理的な干渉が可能。
- 島エアコン
少年期に完成を目指した「土暖房システム」を更に発展させた上で完成させた大規模な装置。その規模は本来冬島であるエッグヘッドの環境を南国のものに変えてしまう程。
- 無人調理器
材料さえあれば、1分以内に500種類の東西南北の海の美味しい食事を提供できる。
食べたいエリア(海)の料理の選択と次の料理の表示は、中央の4つのボタン(同じスイッチを2回押すと次の料理)、料理の選択は左右のディスプレイで操作する。
作中で判明している作れる料理の内容はハンバーガーセット、ステーキ、フライドチキン、ホットドッグ、オムライス、とんかつ、綿飴、ケーキ、ラーメン、ピザ、パスタ、ワッフル、エビフライ、etc.。
「余った食材お任せモード」もあるらしく、ベガパンクとしても自信作だったらしいが、設計図通りに作れる技術者がいない為、量産はできていない。
- 未来風の服装
重厚な見た目に反して異様に軽い服装。
ヘッドホンのような装置は他に着けている者達の声が聞こえる機能が付いている。また、DOMシューズと呼ばれる靴はどんな足にもフィットできる他、レバーを引くと浮遊ができる機能や、研究所内であればベガパンクの意志でコントロール出来る機能も付いている。
尚、上半身の服装がアロハシャツになる南国仕様もある。
- 空島の再現
エッグヘッドの空調を完璧に制御し、海楼石に含まれる成分「パイロブロイン」と水分の密度を変化させて、「島雲」と「海雲」の形成に成功している。
- 雲フト
エッグヘッド工場層の中心に設置された島雲製造機。この機械を用いることで自身の研究所及びパンクレコーズを浮遊させる研究層を生成、維持している。
空白の100年について研究したことである真実に気づいたベガパンクは雲フトのことを「失ってはいけないもの」として重要視している。
超人系悪魔の実の能力を再現できる人工血液。緑色の透明度の高い液体。
超人系悪魔の実の能力者の血統因子から造られ、セラフィムに搭載するとそのセラフィムは超人系悪魔の実の能力を再現できる。
完成度や悪魔の実の研究が高いレベルまで進んでいるのか、血液さえあれば少しの時間で再現可能で、スイスイの実の能力者セニョール・ピンクのインペルダウン投獄から、S-シャーク実戦投入までの(最長でも)2ヶ月も無い期間で実現している。
- マークIII
エッグヘッドに保管されている新型のパシフィスタ。
モデルは試験体と同様にバーソロミュー・くまだが、あらゆる攻撃から身を守る盾「バブルシールド」を新たに身につけており、その実力は試験体を遥かに凌ぐ。
ベガパンクの研究の集大成ともいえる消えない炎。
自身の夢である「全世界にエネルギーが無償で行き渡る世界」を目指して実用化まで進めてきたが、本編では思わぬ形で利用されることになる。
詳細は個別記事を参照。
- ベガタンク
真空ロケット以外でエッグヘッドの研究層と工場層を移動する際に使用する乗り物で、機体には「VEGATANK8」とマークされている。
外観はシャボンの膜でコーディングされた球状のコックピットの左右に「島雲」がついた車輪がある。
島雲は互いにくっつく性質が有るので、島雲を使えば垂直移動が可能。
- 配信電伝虫
エッグヘッド事件より少し前に完成したという、三角形のウズ貝タイプの電伝虫。本編ではベガパンクが世界中の海軍支部を中継する形で全世界に向けて世界の真実を伝える為に使用した。また、ONEPIECE FILM REDではウタがライブの際に使用していた。
記録用のメモリーと配信する際に発する念波は別回路であるため、直接破壊されない限り発信された映像や音声は継続して再生され続けるが、衝撃を与えることで一時的に発信内容を遮断することは可能。
未達成の事項
- 人体の巨大化
世界政府が戦力増強のために昔から推進している研究だが、天才であるベガパンクをもってしても、この技術は未だに確立できておらず、シーザーもベガパンクの失敗をバカにしていたが、内心では絶対不可能と判断している。
- 自然系悪魔の実の能力再現
超人系、動物系の能力をそれぞれ異なる手段で再現しているベガパンクだが、自然系は難しいとのこと。能力自体の再現は確立していないが能力を用いた個人の技に関しては再現可能。作中で黄猿のレーザーを再現した装置が登場している。
経歴
過去
幼少期
偉大なる航路の冬島「未来国バルジモア」で生まれ、文化的発明を目的とした研究所と、兵器的発明ができる研究所を作って日々を過ごす。
少年期には故郷の人の助けるための"土暖房システム"を開発するため、森の動物たちを労働力に改造していったが、そこまでしても頭の中の設計図に現実がついて来れない現状に悩まされることになった。
MADS所属~世界政府の研究者へ
バルジモアから飛び出した後は平和研究所という名目の無法な研究チームMADSに所属し、シーザー・クラウン、ヴィンスモーク・ジャッジ、クイーンたちとあらゆる分野の研究に取り組んでいた。
その際、MADSの元同僚であるミス・バッキン曰く35年前に誕生したウィーブルの誕生にも関わった模様。
またモンキー・D・ドラゴンとは旧知の仲で、彼が立ち上げた「自勇軍」の勧誘を「私の知恵と技術があった所でお前達の様な貧乏軍隊で何が作れるのか」という理由で断っていた。
研究の末、一歩間違えれば神の領域に達する生命の設計図と呼べる代物「生物の血統因子」を発見。しかし、この功績が世界政府に危険視されたためベガパンクは逮捕され、所属していた研究チームは世界政府に買収された。この際に黄猿と出会い、交友関係を築いていく。また、2人でとある島に赴いた際には1人で複数の熊を倒した戦桃丸とも出会い、彼をボディーガードとして雇った。
オハラ滅亡前後
26年前には「(物理的に)世界最大の頭脳を持つ男」となっており、海軍がパンクハザードに所有する研究所の所長を務めていた。
ある日、パンクハザードに考古学者のクローバー博士が訪れる。共に空白の100年を研究してほしいと懇願されるも断り、すぐに手を引くように助言する。この時彼の本名(リンク先ネタバレ注意)を知る事となる。
その後、クローバー博士率いるオハラの学者たちが「歴史の本文(ポーネグリフ)」を研究した罪でバスターコールにより滅亡。
彼を弔うためにオハラを訪れたところで偶然ドラゴンと再会し、彼に対して世界政府の巨大さと海軍には特に話のわかる者が多いこと、そして標的を見失うべきでないことを助言する。
この事件をきっかけに革命軍を旗揚げしたドラゴンとは現在も通話するなど、裏で交流は続いている。
また、巨人族が湖に沈んだ大量の書物を運び出しているのを目撃しており、この後で内密にエルバフに行き、「空白の100年」と「ある巨大な王国」の存在を知る。
研究所移設
その後、海楼石を用いた軍艦、悪魔の実の伝達条件の解明と、物に悪魔の実を食べさせる新技術の確立など数多くの偉業を達成し続けていく。4年前、シーザーが汚職により海軍に捕まる際に抵抗して殺戮ガス兵器を発動させたことでパンクハザードの研究所は壊滅したため、海軍科学班第8研究所のある島(現・エッグヘッド)に拠点を移す。
くま、ボニーとの交流
研究所を移して間もない頃、バーソロミュー・くまが娘ジュエリー・ボニーの病気を治すために来訪。ここでくまが希少なバッカニア族である事を知ったベガパンクは、ボニーを治す最新式の治療には金が掛かるため、くまに高額な治療費の代わりにくまの血液提供とくまのクローンの作成の許可を条件として提示する。くまはこれに困惑しつつも「もし自分のクローンが誰かを救ったなら自分が生まれた意味があるかもしれない」との考えから承諾。
ベガパンク「聖人じゃな お前は」
くま「聖人…?…おれはただの気弱な“平和主義者(パシフィスタ)”だ」
ベガパンク「ぺぺぺ‼︎気に入った‼︎『未来の戦士たち』をそう呼ぼう!!!」
しかし五老星のジェイガルシア・サターン聖からいくらくまがクローンの素体として優れていても、名の知れた高額賞金首の海賊であるくまの姿をしたクローン兵を海軍が保有すれば海軍の面目が立たない事、革命軍の元メンバーであるくまがその力を世界政府に向けてくる可能性がある事を指摘される。
追加条件として
- くまが王下七武海に加盟する事
- くま自身も人間兵器となる事
- くまに一切の「思考」と「自我」を残さない事
というあまりに残酷な条件を提示する。
このあまりに人道に反する取引に対しベガパンクは激昂。
猛反対するものの、くまはその条件を涙ながらに承諾。
ベガパンクはサターン聖にくまの改造に2年、ボニーの病気の手術に半年と1年の養生の計1年半が必要だとと説明。
これを受けサターン聖は更なる追加条件として
- ボニーの治療完了後、ボニーの身柄は世界政府が預かる
- 治療後はボニーとくまの接触及び逃走を禁ずる
- 以上の取り決めを破った際はボニーを奴隷とする
- くまの自我が消えた時、ボニーを自由の身にする
という追い討ちをかけるような難題を要求。
これに対しくまは
- ボニーにこの取引を知らせない事
- 手術後のボニーを政府の施設ではなくソルベ王国の教会で養生させる事
と以上の取り決めを要求。双方が合意することとなった。
こうしてベガパンクは不本意ながらもボニーの病気の治療とパシフィスタの作成に加え、くまの改造に取り掛かることとなる。また、時折島を訪れる黄猿や戦桃丸と共に食卓を囲むなど、交流を深めていった。
半年後にはボニーの手術が予定通り終わったため、彼女と再会の約束をして別れた。
3年前の時点では、脳を切り離し林檎のアンテナを被った現在の風貌となっており、第8研究所の島も現在のエッグヘッドに近づきつつあった。
この期間内で“魂”に関する研究を行っていたベガパンクはくまのニキュニキュの実の能力は「痛み」だけでなく「イメージ」や「思い出」といった“心象”も具現化できるのではないかと考察。くまに「記憶」を出して欲しいと頼み、最初は断られるも最終的に承諾される。
第1部 サバイバルの海 超新星編
本人の登場は無いが、ベガパンクの研究成果はアラバスタ編から登場していた。
この時点で現在のエッグヘッドは完成していた。
エニエス・ロビー壊滅後に人間兵器パシフィスタの試験体を完成させた。それを視察に来たくまから世界政府に喧嘩を売った海賊団の船長がドラゴンの息子である事を知らされる事となる。
そしてマリンフォード頂上戦争勃発の数日前。
最後の改造によりくまが自我を完全に失う日がやってくる。
この直前ベガパンクはサターン聖に万が一の為にくまに自爆スイッチを取り付ける事を強要される。その代わりに二重人格のように意識を切り換える回路を試す為にくまの自我を少し残させて欲しいと懇願するも聞き入れられなかった。
以前の約束通りくまから「記憶」を出して貰い、保管するベガパンク。
そして、くまの最期の頼みを聞き入れ「麦わらの一味の誰かが戻ってくるまで彼らの船を死守せよ」というプログラムを施す。くまがルフィをこの海を変えるヒーローだと思っている事を明かした際には
「…“革命軍”が“海賊”に賭けたか…ずいぶんなダークホースを選んだな」
と笑いながら答えた。そして、ボニーへの10歳の誕生日を祝う伝言を託される。
最初は淡々と最後の改造を準備を進めていたベガパンクだったが、次第に涙を流しながらくまをヒーローだと称える。
部屋の外では研究員達や戦桃丸がくまに敬意を示し、黙祷を捧げていた。
「…‼︎お前を愛した人間の数だけ‼︎お前の死は迷惑である!!!」
「ええか くま」
「お前こそヒーローじゃ!!!ボニーの!!!みんなの!!!」
悲痛な思いの中、最後にくまからボニーを救ってくれた事を笑顔で感謝されながら、ベガパンクは自らの手でくまの自我を消し去った。自我の消えたくまのそばでベガパンクの慟哭の声が響き渡るのであった…。
第2部 最後の海 新世界編
世界会議~ワノ国編
海軍大将藤虎の口から、ベガパンクが王下七武海に代わる新兵器を完成させたことが明らかになった。
そしてワノ国編終幕後にはその新兵器セラフィムが実戦に初投入され、九蛇海賊団と黒ひげ海賊団の面々を驚愕させた。
エッグヘッド編
- 「エッグヘッド事件」前日
ワノ国を出航した麦わらの一味が次に到達した未来島エッグヘッドにて遂に麦わらの一味と邂逅。
頂上戦争から2年の間で自身の分身体"猫(サテライト)"を6人誕生させており、彼らと共に研究を続けていた。また、フランキー曰く「とんでもない未来」を感じさせる新たな研究成果についても多く語られることになった。
ベガパンク本体はルフィと出会い、現在より科学が優れていた「空白の100年」の知識に興味を持ち研究を進めたために世界政府から消されようとしていると語り、この島から連れ出すことを依頼する(ルフィからは頭が面白いからという理由で即承諾された)。
そして懸念通り、政府からベガパンク抹殺の指令を受けたCP‐0が近海に現れる。派遣された戦力はロブ・ルッチ、カク、ステューシー、そしてバーソロミュー・くまタイプのセラフィム「S-ベア」と精鋭揃いであったが、島の工場層でルフィがギア5を駆使してルッチを圧倒し、S-ベアも戦桃丸が出陣して一時的に奪還したことで島を脱出するための時間稼ぎに成功した。なお、ルフィ達よりひと足早く研究所に戻った本体は、その場にいた一味の面々に太陽の神“ニカ”の存在と悪魔の実の正体の仮説について話した。
その後、S-ベアに加えて戦桃丸と共に出陣した「S-スネーク」、「S-ホーク」、「S-シャーク」がCP‐0の手に渡る事態になってしまうも、サニー号の船番に残っていたゾロの活躍と、ベガパンクと深い縁のあるステューシーがルッチたちを不意をついて眠らせたことでセラフィム全員の動きを止める時間を作り、研究所が破壊される事態は防がれた。
しかし、一味と成り行きで行動を共にしていたボニーから、くまを非道な実験の犠牲にしたことの経緯について問い詰められることになってしまい、本体は能力で非力な子どもの姿にされてしまう。本体は「くまが自らの意志で人格を手放すことを決意した」と話したが、その理由までは口にせず膠着状態に。そして、ボニーがくまの記憶の結晶が保管されている部屋を発見した際には、彼女が結晶に触れるのを阻止しようとしたが、部屋から追い出されてしまう。
その後、ベガパンクは突如何者かに拉致され、旧悪魔の実研究室にて「エッグヘッド失踪事件」で消息を経っていたサイファーポールの面々と共に監禁されてしまう。
2か月前からエッグヘッドに訪ねてきたサイファーポールが全員監禁されている現状に驚きつつ、ベガパンクはそもそも何故自身の空白の100年に関する研究が世界政府に漏れたのかを考え始める。
そして彼は予想だにしなかった裏切り者の正体を知ることになる。また、この騒動によりシャカとピタゴラスが死亡してしまった。
- 「エッグヘッド事件」当日
翌日には麦わらの一味とボニー、そして一時的に彼らと共同戦線を張ったルッチたちの手によって解放され、黄猿率いる海軍の艦隊が到着した際には騒動の黒幕と五老星の通信を横で聞いていた(救出されるまでの具体的な過程は現時点では明かされていない)。
政府側の目的を知った後は、エッグヘッド脱出後の行き先をエルバフに決定し、「フロンティアドーム解除後はベガフォース01で研究層に停泊しているサニー号をエッグヘッドの気候区域の限界まで運搬し、その後はベガフォース01を放棄してサニー号の風来バーストで1km飛行して海軍の包囲網を突破する」という、所謂二段ロケット方式での脱出作戦を提案。自身は黒幕によって脱出の弊害となったフロンティアドームの解除を試みる。
戦桃丸が黄猿を相手に時間を稼いだことで何とかコードを解く事には成功するも、50体のパシフィスタの命令権を奪われてしまい、脱出作戦の「一段ロケット」であるベガフォース01がルフィと黄猿の戦闘の余波で大破してしまう。
更に、黄猿との戦闘でボニーが工場層に落下してしまったため、彼女を救出とパシフィスタの奪還を果たすためにサンジ、フランキー、アトラスと共に「ベガタンク」で下層へ向かうことになる。
ボニーとは合流出来たものの、パシフィスタの命令権の奪取は島に五老星のジェイガルシア・サターン聖が上陸したことで失敗。更にベガタンクは黄猿のレーザーで島雲が消えた事で落下し壊れてしまい、サターン聖と多くの海兵に囲まれてしまう。
しかし、このタイミングで「完全停止」したはずのくまがボニーを守るためにエッグヘッドに出現。更にくまの姿をしたパシフィスタを秘密裏にボニーの命令を聞くように設定していたため、形勢が逆転。パシフィスタはバスターコールのため集まった軍艦を攻撃し大打撃を与え、少しずつ脱出への道が開いていった。
- 「世界の真実」発信
工場層に降りた一行が窮地を脱した後、ベガパンクは何故か命を狙われている張本人であるにもかかわらず、ボニーたちを一足先に行動させ、サターン聖の前から逃げなかった。当然隙だらけだったため、くま及びパシフィスタによる政府側への反撃に激昂したサターン聖に胸を貫かれてしまう。更に黄猿の天叢雲剣もまともに喰らってしまったことで絶命。しかし…
「__これから残すメッセージに皆驚くと思うがそれが世界の「真実」である…!!!」
突如、世界各地の電伝虫をジャックした映像配信が始まる。
余談
- 麦わらの一味との関係
海軍の下でペガパンクが発明した兵器や武器は海賊に脅威を与えるためのものが多く、本作の主人公であるルフィとその仲間たちはその兵器類によく苦しめられている。その意味で言えばペガパンクは「ルフィの敵」という立ち位置でもある。
一方フランキーに限っては、ベガパンクが海軍に入る前から使っていたバルジモアの研究所に押し入り、そこにあった設計図などの資料を参考に体を再改造した為、極めて間接的だが彼や一味の戦力増強に少なくない影響をもたらしている。大天才であるベガパンクも彼が作ったコーラを動力源とする風来バーストは驚いた模様。
また上記の様に、ジャッジが転用した血統因子操作の影響を受け生まれた子供の一人がサンジであり、間接的にベガパンクはサンジの出生の大きな要因にもなっている。
- 月の技術の持ち主?
空島スカイピアでルフィと激闘を繰り広げたエネルが主役を務めた表紙連載「エネルのスペース大作戦」には、月に残されていたからくり人形軍団の同型であるスペーシー中尉率いるからくり人形部隊が登場する。
このスペーシー達を作ったツキミ博士だが、彼の出身はベガパンクと同じバルジモアだと語られている。
この事からツキミ博士は月の文明=空島の人々の祖先が用いていた技術体系を何らかの形で(恐らくほぼそのまま)継承していたことが推測できるが、同郷のベガパンクもまた月の先史文明の技術や知識を持っており、数々の発明はそれをもとにしたものではないかという考察が存在する。
- オマージュ
・容姿
常に出しっぱなしの舌を含めた全体的な容姿や、プロフィールに於ける好物は、恐らくアインシュタインのオマージュ。
アインシュタインは死後研究の為に自身の脳が分割されている点及び彼自身の脳も常人よりも発達している点もオマージュされていると思われる。
ただし、彼の脳はその後散逸の憂き目に合っている。
・リンゴ型アンテナ装置
万有引力発見のヒントとなった「ニュートンのリンゴ」や食べることで人類に”神と等しき善悪の知識”を与えるとされる「知恵の実」が候補に挙げられる。パンクレコードを通じて世界中の人々に英知をもたらそうとしている点や、それにより”神に近しい存在”の禁忌に触れその罰を受けつつある点は、元ネタである失楽園のエピソードと通じるものがある。
- 担当声優
パンクハザード編におけるシーザーの回想では安原義人氏が担当しているが、ジャンプフェスタ2023においてエッグヘッド編以降はアニメオリジナルキャラのプロディ中将も担当した多田野曜平氏が担当することが発表された。
関連イラスト
関連タグ
ONEPIECE 科学者 悪魔の実 海楼石 バルジモア エッグヘッド
バーソロミュー・くま カイドウ:ベガパンクの研究対象。
モンキー・D・ドラゴン:旧知の仲
PUNK-01〝正〟(シャカ)
PUNK-02〝悪〟(リリス)
PUNK-03〝想〟(エジソン)
PUNK-04〝知〟(ピタゴラス)
PUNK-05〝暴〟(アトラス)
PUNK-06〝欲〟(ヨーク)
世界の真実発信
ここからはONEPIECE1113以降のネタバレを含みます!単行本派の方はブラウザバック
「結論から話そうか……!!!」
「この世界は……海に沈む!!!」
そう前置きをして話し始めたベガパンクは、全世界の人間が半信半疑の中、これから起こるであろう大災害の予言を行い、かつて世界政府に消された考古学者たちに託された研究とその成果の報告とともに、世界の真実について語り始めた。
「歴史とは物語である-つまり私が知るのは不完全な100年間の物語…!!」
「この物語の主人公は………まるでエルバフに伝わる太陽の神ニカの様に、伸縮する体で戦ったという男…」
「彼の名はジョイボーイ。この海で初めて、海賊と呼ばれた男じゃ!!!」
ベガパンクの解読した幾つかの歴史の本文に記されていたのは、「ある巨大な王国出身の世界初の海賊『ジョイボーイ』の一団と、世界政府樹立前の20の王『最初の20人』の共同体にして後の(マリージョアへの移住を拒否したネフェルタリ家を含む)天竜人の祖先である『連合軍』との戦争の記録」であり、ジョイボーイの生まれた王国は、900年前とは思えない程文明が発達した国であること。800~900年前に発生したこの戦争で使われた兵器は現代の科学技術は勿論、ベガパンク自身ですら再現不可能なオーバーテクノロジーであり、最終的に戦争は多くの傷痕を残しながらもジョイボーイの敗北によって幕を降ろした事を語った。
だが、問題はここからであり、空白の100年で起こった戦争による兵器の濫用により、世界は天変地異が発生し…
「世界は一度海に沈んだのだ!!!」
「我々は今 かつての”大陸の断片”の上に暮らしておるのじゃ!!!」
そう、何者かが古代兵器を用いて「ある巨大な王国」を含む大陸を海の底へと葬り去ったのである。
「ONEPIECE」の世界において、陸地のほとんどが島になっている理由がまさにこれであり、これらの島々は1000年前に存在し、800年前の天変地異によって海へ沈んだ大陸の断片だったのである。
そして僅か100年間での海面上昇幅は200メートルも上昇した事。その災害は「人為的災害」であるとベガパンクは断言。
空白の100年に起きた戦争は、まだ終わってはいないのだった。
ベガパンクは続けて「マザーフレイム」に関する話を挙げ、それがある日一欠片だけ盗まれた事や、並びにそこから約2週間後にルルシア王国が消滅した事、つまり自身がルルシア王国を消滅させた遠因となってしまった事に対し、土下座して謝罪を表明。
(とは言えバルジモアの住民達は「マザーフレイムを悪用した人間が悪いのであって、ベガパンクの責任では無い」と同情していたが。)
更に「空白の100年」は、海賊王の一団が全てを知った事を告白する。
一通りの話を語った後、「”D”の名を持つ者達」に対して、
「お前さんたちの中に……も……」
「その……名前……」
という所で、ウォーキュリー聖による一撃で上記の古いロボットの中に仕込まれていた電伝虫が気絶し、核心的な内容の一部がスキップされてしまう。
しかしまだ気絶しただけで破壊されてはいなかったため、配信は再開された。
そして、起こりうる未来として「“ひとつなぎの大秘宝”を手に入れた者に世界の命運が委ねられる」と宣言。
そこへウォーキュリー聖の再度の突進攻撃により、遂にロボットの中に仕込まれた電伝虫は破壊され、世界に向けてのメッセージは必然的にここで終了となった。
放送は最後まで流れる事はなかったが、その言葉によって全世界を震撼させた。
ベガパンクの語った事実まとめ
ベガパンクの話自体があっちこっちに飛ぶ上に、ベガパンクの話が続いている途中にも五老星との戦いや、過去の回想などの様々な話が交錯している為にややこしいが、ベガパンクの語った事実をまとめると、以下の様になる。
- これからの世界について
1.これからONEPIECEの世界は全て海に沈む。
2.世界が海に沈むのは人為的な理由。それも過去に大規模な地殻変動が起きた事がある。
3.世界が海に沈む人為的な理由とは、古代兵器による地殻変動であり、その地殻変動を起こすのにベガパンクが開発した「マザーフレイム」が利用された。
- 空白の百年について
1.空白の百年とは、かつて存在した王国と現在の世界政府(かつての連合国軍)との戦争である。
2.空白の百年の時に起きた戦争は未だに続いている。
3.かつて存在した王国にはジョイボーイと呼ばれる人間がおり、彼は「世界最初の海賊」である。
4.空白の百年の真実は、かつての海賊王ゴール・D・ロジャーとその仲間たちが知っている。
- Dの一族について
詳細は不明。ただし、彼らに対して何らかのメッセージを残していた。
また、新たにオハラのクローバー博士がDの一族であることが明かされ、名前を名乗るだけでも殺されるほど差別されていることが明かされた。
- ひとつなぎの大秘宝(ワンピース)について
古代兵器、空白の百年などの過去の歴史を知る事は、現在の世界政府の支配体制を大きく揺るがす事につながる。
そして、それらを知る事ができる方法はひとつなぎの大秘宝(ワンピース)を手に入れる事である。
すなわち、ひとつなぎの大秘宝を手に入れた者は、全てを手に入れる事ができる。
五老星との戦いの最中に、これらの真実を世界に配信したベガパンクは、ルフィたちにひとつなぎの大秘宝(ワンピース)を手に入れて欲しいと言い残して、本体(ステラ)である自身は欲(ヨーク)と悪(リリス)を除く猫(サテライト)と共に死亡した。
- メッセージの配信に至るまで
更に、回想によって今回の事件の原因と真相が明かされる事になった。
ルフィたちがエッグヘッドに到着する2週間前、ベガパンク、正(シャカ)、知(ピタゴラス)の3人は、様々なデータの痕跡から、ベガパンクの中に裏切り者が存在し、世界政府に自身の研究が流されている事を知る。
その中でも、アリバイの成立するこの3人だけは確定して信じられる事は分かった為、この三人で結託してチームの中の裏切り者を探って居た。
当初は悪(リリス)を疑っていた三人だったが、調査の結果、欲(ヨーク)が裏切り者である事が発覚したことで、ベガパンクは死の覚悟を決める。
「人間から…欲を切り離すべきではなかった!!!!」
一方で、ベガパンク自身は自身の頭脳そのものと知識を既に切り離しており、更に「ベガパンク」と言う個性の違う分身をも作成している。
その為、何を持って自身の「死」とするかと言う点において、欲(ヨーク)や世界政府を出し抜く手段を持っていた。
エッグヘッドから逃げたところでいずれ必ず殺される。それならば自分が死んでも世界政府への大ダメージを与える手段を用意しよう。
そこで今回の配信をはじめとする様々な善後策を講じた末、ヨークに自分たちが気付いたことに気づかれないよう3人の記憶を消した。そしてその3日後、麦わらの一味がエッグヘッドに到着した好機を利用して、世界政府からの逃亡を画策したのだった。
その後、サンジに麦わらの一味こそがひとつなぎの大秘宝を手に入れる様に言い残した末に、あらゆる物事を麦わらの一味に託して、物語から退場した。
「猫」たちは最終的に離反した「欲」と一味に保護された「悪」以外抹殺されたが、能力者としての本体であるパンクレコーズは無傷で確保。
さらにこれも「物理的に政府に渡すよりは『欲』のアクセスを許してでもどこかに隔離すべき」との判断により、最後までエッグヘッドに残った「想」により大量の島雲によって高空へ持ち去ることに成功。
破壊された「正」「暴」「知」「想」の4人もパンクレコーズにて会話している場面が描かれ、ウェザリアと連絡を取りつつ安全地帯への移動を開始。結果的に元々の肉体である「本体」こそ失ったものの、「猫」たちのベガパンクとしては勝利に近い痛み分けという形で決着をつけることに成功している。
なお、自我再生時における「正」「暴」「知」「想」の肉体は、頭部が「想」、左腕が「暴」、胴体と右腕が「正」、脚部が「知」という実にアンバランスな状態だった。
これは「想」がパンクレコーズに辿り着いた際、近くにあった代替パーツをくっ付けて仮初の肉体だからである。
また、パンクレコーズ側の「猫」たちは「想」以外吹き出しが二重であることから、自我は健在だがボディの再生は出来ていない様子。とは言え、背景にはリリスの顔面やシャカの胴体などのパーツが大量に並べられていたので、近いうちに元の肉体を取り戻せるに違いないだろう。
事件から数日後、世界経済新聞には麦わらのルフィがベガパンクを殺害したという、事実とは異なる記事が記載された。