概要
『打倒世界政府』を目的に暗躍する反政府組織。海賊は政府や海軍と敵対しても、政府そのものを倒そうとまではせず、その点で海賊と革命軍は異なる。
彼らにも相当数の賞金首指定がされており、海賊と同様に生死を問わない捕縛が求められている。
直接的な敵対関係にある都合上、政府は革命軍の影響力を恐れており、トップの革命家モンキー・D・ドラゴンを「世界最悪の犯罪者」として危険視しているが、彼と組織の手がかりを掴めずにいる。本拠地は『バルティゴ』と呼ばれる秘密の地であったが、襲撃を受けた末に現在はモモイロ島(=カマバッカ王国)に移っている。
作中において、2年後の新世界編までは、新聞で革命軍の影響と見られる内乱が報じられる程度で、目立った活躍はなかった。
ルフィとドラゴンの親子関係が暴露されたマリンフォード頂上戦争終結後は、幹部達が招集され今度の動きについて話し合われた。また、麦わらの一味ニコ・ロビンが2年間の修行期間で革命軍に身を寄せており、本格的に本編にも絡みだした。
組織
トップはモンキー・D・ルフィの父親でモンキー・D・ガープの息子でもある「総司令官」モンキー・D・ドラゴン。不条理な社会とその未来をただそうと、世界中にその思想を広め、悪政・圧政を行う国々にクーデターや革命を引き起こしている。
序列2番目の「参謀総長」はエースとルフィの義兄弟であるサボが務めている。
各地域をまとめる「軍隊長」と呼ばれる役職があり、東西南北の海と偉大なる航路に1人ずつ、計5人置かれており、各軍隊長の下には彼らを補佐する副隊長が存在する。
王下七武海バーソロミュー・くまのように政府系機関に入り込みスパイ活動を行っている幹部もいる。
また「支部長」の役職も存在するようだが、CP9のジャブラ、クマドリ、フクロウの手によって23名(「3名で済んだ」発言もあったので、20名は護衛だったかもしれないが)が消されてしまっている。
『ONE PIECE novel 麦わらストーリーズ』では、世界政府等から被害を受けた難民の子供の保護をしている描写が見られた。
過去に作者が「重い話も多いかな」と言発した通り、組織のメンバーには天竜人の元奴隷だったり、希少種故に迫害された壮絶な過去を持つ者達もいる。
活躍
20年以上前からドラゴンは『自勇軍』として活動していたが、新世界篇基準による22年前にオハラがバスターコールで滅亡。
そのリーダーだったクローバー博士と面識があったドラゴンは「世界政府の暴力による弾圧」に怒り、以降は「戦える軍隊を作ろう」と決意し、バーソロミュー・くまとエンポリオ・イワンコフを初期メンバーとして革命軍を結成した。
新世界編以降は、近隣諸国へ武器の裏取引を行うドンキホーテ・ドフラミンゴが治める国家ドレスローザにハック、コアラ、サボが調査のため潜入した。そこで闘技大会に参加していたルフィと接触して、彼に成り代わる形で試合に参加し、亡きポートガス・D・エースの能力である大会の賞品メラメラの実を獲得した。そして、ルフィ達の戦いをサポートしながら、ドレスローザの地下で生産されていた武器の輸出阻止と回収に成功した。
回収した武器の中には『酒鉄鉱(きてつこう)』と呼ばれる産出国の限られる特殊な鉱物が含まれており、秘密裏に武器製造を命じていた首謀者を突き止められる可能性が出てきた。ドラゴンはこの機を逃さないよう、各地に散らばる全軍リーダーに再び招集をかけた。
しかし、ドレスローザからの帰還に利用した船に侵入していたジーザス・バージェスからの通信を受け、黒ひげ海賊団がバルティゴを襲撃、総本部が壊滅状態に陥る事態となった。その後、何者かの情報を受けて海軍やサイファーポールもバルティゴに駆け付けたが、黒ひげ共々その姿はなく残されていたのは廃墟と化したバルティゴだけだった。
バルティゴ撤退後はしばらく音沙汰がなかったが、ホールケーキアイランド編後に本拠地をカマバッカ王国に移した経緯が判明し、そこで各海に散っていた軍隊長を全員集結させて『世界政府への宣戦布告』についての会合を行った。
その後サボ、モーリー、リンドバーグ、カラスの四名が宣戦布告に加えて天竜人の奴隷となってしまったバーソロミュー・くまを解放すべく、世界会議が開催される聖地マリージョアに潜入。しかし、世界会議4日目に海軍大将2名との交戦が報じられたのを最後に、全員消息を絶った。
ワノ国でのカイドウとビッグ・マムの陥落後の世界情勢では、マリージョアの天竜人の居住地に掲げていた『天駆ける竜の蹄』の旗を焼き宣戦布告し、更に可能な限りの奴隷達を解放した後、食糧庫を破壊し兵糧攻めを行った。
大将藤虎・緑牛との交戦の末に、奴隷にされたくまを奪還しサボ達は逃走に成功し、一通りの任務は完了。
世界経済新聞にはこの1件と共に “サボがコブラ王を殺害” の記事が大きく報じられた。
同時期に起きた “王女ビビの失踪事件と天竜人チャルロス聖殺害未遂” は「サボが裏で糸を引いていたのではないか?」と世間は大きく盛り上がりした。
その影響で民衆達の革命運動が起きて(一部では革命の起きた国の数から『12国革命』の俗称で呼ばれる)、8ヵ国の王が陥落し、サボは「炎帝」の二つ名で呼ばれるようになり、ドラゴンを凌ぐ影響力を持つようになった。
主要人物
総司令官
モンキー・D・ドラゴン( “反逆竜” )
- 革命軍総司令官。
- 世界最悪の犯罪者。
- 海軍本部中将モンキー・D・ガープの息子であり、四皇“麦わらのルフィ”の父。
幹部
参謀総長(No.2)
サボ( “炎帝” )
- 革命軍参謀総長。
- 麦わらの一味船長モンキー・D・ルフィ及び、元白ひげ海賊団2番隊隊長ポートガス・D・エースの義兄弟。
- 懸賞金6億200万ベリー。
- メラメラの実(自然系)の能力者。
軍隊長
エンポリオ・イワンコフ( “オカマ王” )
モーリー( “毛皮のモーリー” )
副軍隊長
- 革命軍 “グランドライン軍” 副軍隊長。
- チョキチョキの実(超人系)の能力者。
- 革命軍 “西軍” 副軍隊長。
- 革命軍 “東軍” 副軍隊長。
- 革命軍 “南軍” 副軍隊長。
- 革命軍 “北軍” 副軍隊長。
その他幹部
- 革命軍幹部。
- 魚人空手師範代。
バーソロミュー・くま( “暴君くま” )
その他構成員
ハック( “百段ハック” )
- 革命軍兵士。
- エビスダイの魚人。
- 魚人空手師範、魚人柔術武闘家。
- 革命軍情報管制官。
- 革命軍兵士。
- 劇場版『ONEPIECE FILM GOLD』のオリジナルキャラクター。
革命軍東軍の軍団長を務めていた女性。故人。
劇中のポジション
基本的には海賊と同じ犯罪者サイドの組織だが、『世界政府と世界貴族(=天竜人)の打倒』を掲げる為か、それなりの読者からはヒーローポジションに見られている。
ただし、それとは逆に「海賊以上の極悪非道の集団」として忌み嫌う読者もおり、その理由は「革命の過程で出る被害を一切考えていない姿勢」を挙げている。
例えば『12国革命』で「8ヵ国の革命に成功した」発言も裏を返すと「4ヵ国は革命に失敗し、多数の死傷者を出した」を意味し、サボによるコブラ王殺害事件の直後に起こった『ルルシア国消滅事件』も、革命軍に否定的な読者からは「革命軍の行動によって起こった未曾有の人災」と厳しく糾弾されている。
しかし、対する世界政府も過去の非加盟国で行われた『先住民一掃大会』を皮切りに、どれだけの悪行と暴虐を重ねても「天竜人である」為に放免される、天上金を納められない国は何時滅ぼしても構わない絶対的な強権を持つ等と、既に真っ当な政治組織ではない実態が周知されているのも事実である。
また、トップであるドラゴンも「とある国の陥落成功により別の国での作戦失敗を挽回できる」と喜ぶ部下に対し「勝利を喜ぶな」「戦争だぞ」と厳しく叱責する場面があり、(少なくとも組織の基本姿勢として)「過程で出る被害を一切考えていない」のではなく「それを踏まえてでも動かねばならないと結論した」というのが正確なところであると考えられる。
その為「どちらが正義か?」ではなく「少しでも良い未来を得るべく戦って死ぬか、現状に甘んじて飼い殺されるか」の問題であると捉えるべきだろう。
革命軍の容赦の無さを象徴するエピソードとして、エッグヘッド編にて革命軍による聖地襲撃が行われた際にサボの手で食糧庫の爆破が行われ、マリージョアが食糧的危機に陥っている。
全ての物資を止められる訳ではない為「特権に肥太った天竜人を苦しめ、マリージョアの統制を乱すのが目的」であるが、一部の読者から「兵糧攻めは普通悪役がやることだろ……」とツッコミを入れられたとか。
- そして兵糧攻めの結果、天竜人は食糧不足に陥るがこの期に及んでも「責任者を殺せ」「下じもの者達の怠慢」と騒ぐばかり。天竜人の中には「肉が食べたかったのに魚を出された」という理由でコックを撃ち殺した者もいる。
関連タグ
モンキー・D・ドラゴン サボ エンポリオ・イワンコフ モーリー ベロ・ベティ リンドバーグ カラス イナズマ コアラ ハック
ロックス海賊団:同じくかつて世界政府そのものを狙っていた海賊にして実質的なテロ組織。ただしこちらの目的は船長が世界の王となるのが目的であり、あくまで天竜人の打倒を目論む革命軍とは大幅にスタンスが異なる。また、あちらは革命軍と違って仲間殺しが日常茶飯事だった点が対照的。
以下、単行本未収録話のネタバレが含まれます。
バーソロミュー・くまの過去が明かされ、共に生活していたジニーと共に革命軍に加入した経緯が明かされた。
くまは革命軍の初期メンバーであるとベガパンクが明かしている為、ジニーも初期メンバーの1人になる。
その後、くまとジニーは共に革命軍の軍隊長となり、その内ジニーは東軍の軍隊長となる(くまに関しては「軍隊長」と呼称されたのみでどの軍かは不明)。
更にその後、ジニーが天竜人に拉致されるが青玉鱗の罹患により捨てられ、何とかくまと共に過ごしたソルベ王国の教会まで辿り着くも、そこで青玉鱗により死亡。
くまはジニーの遺体の横に置かれた赤ん坊のボニーの養育を決意するが、後にボニーも青鱗病を発病。くまはその治療の為に各地の巡回を決意し、革命軍を辞する決意も固める。
その後、ドラゴンの意向によりくまの承諾が得られるまで東軍隊長はジニーの永久欠番となっていたが、革命軍の船が各地を回るくまの船と邂逅した際に、ベロ・ベティが東軍隊長就任の承諾をくまに懇願、くまはそれを承諾しベティが東軍隊長を任命するに至った。