概要
悪魔の実の能力を大別した分類の一つ。読み方は「自然(ロギア)系」が正しいが、作中では便宜的に「自然系」でロギアと呼ばれる事が多い。
ストレートに身体能力が強化される動物系、様々な超能力が使える超人系に対し、身体を自然物そのものに変化させる能力を指し、三種の中でも最も希少。また後述の特性から3系統のうち最強種と位置付けられる。
食した者の肉体を自然物そのものに変えるため、それが流動物であれば物理攻撃をすり抜ける事が可能になる。従って銃や刀などでは傷つかず、首を刎ねられようが蜂の巣にされようがすぐに元通りになってしまう。
ヒエヒエの実など一部固形物に置換する自然系もいるが、こちらも砕けはするものの破片から再生してしまうのでダメージにはならない(※ヤミヤミの実のみ例外)。
更に雷であれば雷速、光なら光速で移動する、マグマであれば地面を溶かして地中を掘り進む、ガスや煙は擬似的に飛行を可能とするといったように、自然物に応じた移動手段を得られるものもある。
その自然物を放出することも可能であり、練度次第では文字通り自然災害といえるほど大規模に影響をもたらすこともできる。
当て身の無効、移動力の向上、広大な影響範囲などバランスのよい強化具合、それが自然系は最強と称される所以。
ただし砂は液体に触れると凝固する、雷は絶縁体に伝わらないなど、自然物なりの天敵が存在しており、天敵による攻撃は受け流すことはできず、場合によっては能力による現象全てが完封されることもある。
また、マグマグの実>メラメラの実、ヒエヒエの実>ユキユキの実など、一部の実には明確な優劣関係が存在し、能力者同士がぶつかった場合は、下位の方が一方的にダメージを受けてしまう。
覇気を纏えば相手の「実体」にダメージを与えることができるため、自然系能力者相手でもダメージを与えることが可能となる。
しかしそれは同じ土俵に上がれるだけにすぎず、そこから相手を打ち倒せるかどうかはまた別問題。
その自然系能力者が覇気を使用できる場合は、覇気で攻撃されても自身の覇気を超えられなければ無理矢理防御したりその傷を回復したりできるようである(赤犬、青キジなど)。
自然系以外の能力者と同様に、海楼石に触れている間は生身の人間に戻ってしまう。
このように強力ではあっても、決して完全無欠ではない。
他の能力より何倍も一足飛びに強くなれるため、増長して能力の研鑽を怠る者も少なくなく、油断を突かれると意外なほどあっさり倒されてしまうこともある。
実際、自然系能力者の中でも初期に登場したスモーカーは、覇気等による打つ手の無かったモンキー・D・ルフィを圧倒する強者ぶりを見せていたが、新世界篇でルフィ達が覇気を取得してからは殆ど能力が通じなくなってしまい、ヴェルゴやドンキホーテ・ドフラミンゴといった覇気の取得だけでなく実力も桁違いである彼等からは連敗を喫してしまっている。
このことを作中でペコムズは、「自分が無敵と勘違いした自然系の寿命は短い」と表現している。
また、四皇やその幹部、七武海などの強豪の多くは何の役に立つのかわからないような能力でも工夫と鍛錬しており、自然系にも負けない、より強力な使い方を見せている。
要はどんな能力も本人次第であり、能力が強いから無条件に最強というわけではないのである。事実、能力の制御は高い練度を必要とするため難しく、一朝一夕の者は、任意の部位だけを自然の物質に変化させることすら上手くいかない。
一覧
名称 | 自然物 | 能力者 | 備考・特殊能力 |
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モクモクの実 | 煙 | スモーカー |
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メラメラの実 | 火 | ポートガス・D・エース→サボ |
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スナスナの実 | 砂 | クロコダイル |
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ゴロゴロの実 | 雷 | エネル |
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ヒエヒエの実 | 氷 | クザン |
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ヤミヤミの実 | 闇 | マーシャル・D・ティーチ |
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ピカピカの実 | 光 | ボルサリーノ |
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マグマグの実 | マグマ | サカズキ |
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ヌマヌマの実 | 沼 | カリブー |
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ガスガスの実 | ガス | シーザー・クラウン |
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ユキユキの実 | 雪 | モネ |
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派生作品オリジナル
名称 | 自然物 | 能力者 | 備考 |
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トロトロの実 | 液体(蜜?) | ハニークイーン(劇場版ONE PIECEねじまき島の冒険) | ※ |
ズマズマの実 | プラズマ | スマッシュ(USJプレミアショー2014夏) | |
ニトニトの実 | ニトロ | ビュルスト(USJプレミアショー2015) | |
メタメタの実 | 液体金属 | グレイドル(ONE PIECE ドラマティックステージ THE METAL 〜追憶のマリンフォード〜) |
※ノベライズ版では「蜂蜜」のような液体とされている。
シャーロット・カタクリの能力
ジャンプ本誌掲載時には、カタクリの能力である「モチモチの実」は自然系とジンベエの口から語られた。確かに原型を止めず、攻撃を受け流すことができるなど、カタクリの能力は自然系に近いものではあったが、そもそも餅自体が自然物とは言い難く、掲載直後から物議を醸した。その後ルフィとの対戦中、未来を見るほどの見聞色の覇気との組み合わせで、効率よく身体を変化させて攻撃をかわしていることが言及された(青雉や赤犬なども同様の芸当を行っている)。
単行本掲載時に「特殊な超人系」と設定が改められたが、このような設定の根幹が大幅に変更されることは非常に稀である。
ちなみに、ほぼ同様の性質を持ち、非自然物の水飴に変形する「アメアメの実」が先に劇場版で登場していたりもする。