「体など痛うない………!!!」
「エースさん… 痛ェのは…………!!! 仁義を通せぬ… わしの心じゃァ!!!」
「───わしはこの男を 命に代えても守ると決めとる」
「失った物ばかり数えるな!!! 無いものは無い!!!」
「確認せい!! お前にまだ 残っておるものは何じゃ!!!」
「未来の「海賊王」の仲間になろうっちゅう男が 「四皇」ごときに臆しておられるかァ!!!」
「「"麦わらの一味"操舵手」じゃ…!!価値のある方で呼んでくれんか?」
解説
海賊「麦わらの一味」の一人で、主人公モンキー・D・ルフィの9人目の仲間。
“海侠のジンベエ”の異名で世に知られる大物海賊であり、一味加入前は「タイヨウの海賊団」の2代目船長を務め、マリンフォード頂上戦争勃発までは世界政府所属の一大勢力である7人の海賊“王下七武海”の座に君臨していた。
魚人島(魚人街)出身のジンベエザメの魚人で、大柄な体格と厳めしい強面の風体は威圧感を感じさせるが、その本質は仁義を重んじる侠客である。
一味での役職は「操舵手」であり、その技術はフランキーが 「やっと“夢の船”の本領を引き出す男が現れたか」 と高く評価する程で、自慢の腕力と海流を見極める目を駆使してどんな荒波も乗り越える。また、魚人空手及び魚人柔術を達人の域まで鍛え上げ七武海に選出された程の実力者でもあるため、戦闘時における一味の主力の1人とも呼べる存在である。
ワノ国編で麦わらの一味に正式に加入したが、ルフィと初めて出会ったのは大監獄インペルダウンであり、インペルダウンからの脱獄とポートガス・D・エース救出のためのマリンフォード頂上戦争、そして魚人島での新魚人海賊団との戦いとホールケーキアイランドでのビッグ・マム海賊団との抗争の際に共闘している。また、ルフィから一味入りを持ちかけられたのは魚人島での出来事であり、ホールケーキアイランド編では既に仲間と認識されていた。
プロフィール
本名 | ジンベエ |
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異名 | 海侠のジンベエ |
年齢 | 44歳→46歳 |
身長 | 301cm |
懸賞金 | 7600万ベリー(タイヨウの海賊団幹部時代)→2億5000万ベリー(2代目船長時代・七武海加入により撤回)→4億3800万ベリー(新世界突入時)→11億ベリー(ワノ国出国後) |
肩書き | 元王下七武海 |
所属 | リュウグウ王国ネプチューン軍兵士→タイヨウの海賊団2代目船長→麦わらの一味操舵手、麦わら大船団大幹部 |
所属船 | スナッパーヘッド号→サウザンドサニー号 |
覇気 | 武装色、見聞色 |
武術 | 魚人空手、魚人柔術 |
出身地 | 偉大なる航路 魚人島 リュウグウ王国 魚人街 |
種族 | ジンベエザメの魚人 |
誕生日 | 4月2日 (ジンベエ=4,2) |
星座 | おひつじ座 |
血液型 | F型 |
好きな食べ物 | もずく酢、フルーツ、お茶漬け |
嫌いな食べ物 | パフェ (食べづらいから) |
得意料理 | かつおのたたき |
気に入ったワノ国の料理 | お茶漬け |
入浴頻度 | 毎日海散歩+シャワーのみ |
就寝・起床時間 | 午前3時 ‐ 午前9時 |
好きな島と季節 | 夏島の秋 |
ニオイ(チョッパー談) | 海のにおい |
家族に例えると | 父 |
イメージ動物 | くま |
イメージナンバー | 10 |
イメージカラー | 黄土色 |
イメージ国 | インド |
イメージ都道府県 | 鹿児島県 |
イメージ職業 | 駅員さん |
イメージ花 | 牡丹 |
ドリンクの氷 | 飲み込む派 |
目玉焼き | 片面、蒸し焼き、塩 |
脳内 | 仁、仁、拳、水、鬼 |
イメージマーク | 周囲にタイヨウの海賊団のシンボルの名残が有る、ジンベエ自身の顔を模したドクロ |
夢 | 不明 |
初登場 | 単行本54巻 第528話『海侠のジンベエ』 |
WT100 | 18位(102,354票) |
CV | 郷里大輔(425話・430話)→宝亀克寿(440話 - )、坂本千夏(幼少期) |
人物
容姿
身長約3mと魚人の中でも大柄な巨漢。肌は水色で、への字型の大きな口からは牙を覗かせており、特に下顎には一際大きな2本の牙が伸び、口を閉じても露出している。髪は金のメッシュが二箇所入った癖毛の黒長髪で、後頭部に髷を結っており、モミアゲと眉毛がゼンマイのようにカールを描いた金髪となっている。
サメというよりは唐獅子や鬼瓦のような顔立ちをしているが、元々魚人族は千差万別の容姿を持つので、サメっぽくなくても何らおかしな事ではない。
胸の中央には、タイヨウの海賊団の証でもある太陽の刻印が刺青のように焼き刻まれている。
また、船長になって以降戦闘が激化したことで額から左頬にかけて稲妻型の切り傷跡ができた模様。
衣装は概ね和服(着流しと肩にかけたフード付きの羽織)姿で、生地の柄は場面によって変化はしつつも、衣装の構成は一貫されている。山のような巨躯も相まって、その風体は相撲取りやヤクザの親分を彷彿とさせる。
若い頃の少なくとも11年前の七武海入りした時期までは髷は結っておらず、毛先は今と違いギザギザで金髪の面積が多く、顎ひげの量も少なかった。また、眼光は現在とはまた違った意味で鋭く、当時は人間不信が強かった故にかなり目付きが悪く見え、アーロン曰く「マフィアみてェ」な雰囲気だった。
幼少期の容姿はSBSで描かれ、髪の色は明るい色だったことからおそらく金髪が地毛と思われ、成長と共に少しずつ黒髪に染めていった模様。
性格
態度
一人称は「わし」で、古風な口調を用いる。
アーロンやホーディ・ジョーンズなど、大柄なサメの魚人海賊は粗暴な者が多いが、ジンベエは『海侠』の二つ名の通り、義侠心に厚く仁義を重んじる。そのため魚人にしては珍しく海の生物達と会話し協力を仰ぐことも可能になっている(本来そういったことは人魚族の方が得意である)。また、魚人島の平和を強く望んでおり、そのための行動を取っている。
大切な人たちの危機や死に取り乱すルフィを含めた仲間を叱咤し自分たちがやるべきことを問うなど、ここぞという場面でも厳然とした態度を崩さず仲間たちを叱咤する強い心の持ち主でもある(詳しくは後述)。かつてはあのアーロンが止めに入るほどの暴力的な性格をしていた。
人間への想い
嘗てはアーロンほどではないにしても人間に対して否定的な考えを抱いており、人間と分かり合おうとするオトヒメ王妃の活動にも冷ややかな反応を示していたが、タイヨウの海賊団での活動の中でのコアラとの出会い、そしてフィッシャー・タイガーの遺した思いを受け継ぎ、オトヒメや白ひげと触れていくうちに考え方が変わり、現在では相手が人間だからと言って一方的に敵視するような事は無くなった。
無論、相対した者が魚人島に害を成す危険性があれば黙ってはおらず、王下七武海の立場としてそういった輩には容赦しない。特に「大海賊時代」到来期に海賊に散々島を荒らされた過去があるため、自身が海賊でありながら海賊を嫌っており、政府からも「海賊嫌いの海賊」という稀有な存在として認識されていた。
しかしタイガーの不殺の遺志を継いでいるので、どんな相手でも殺害する事だけは決して無い(規格外の強靱さに加え精神疾患に近い病を抱えるビッグ・マムという例外はいたが、未遂に終わっている)。
また例外として、親父と慕う“白ひげ”や主人公のルフィに対しては、島を守ってもらっていた事や個人の性格の良さから好意的に接している。特に白ひげについては、2年前の頂上決戦の際に七武海の称号を捨てて助太刀する程に慕っていた。
一方でバーソロミュー・くまの「暴君」という噂に関しては鵜呑みにしていたようで「気を悪くしないでくれよ」と前置きしつつ語っていた
茶目っ気
上記の通り豊富な戦闘経験から緊迫時でも比較的冷静に判断を下し、時には慎重な手も使うが、時間が無い中で立案した作戦に名前も付けようと考えたり、自分があまり関わらない部分については大雑把すぎたりといったお茶目な一面もある。
麦わらの一味と一旦別れた後も、その一面は健在だったのか、計算ボケを覚えたのか、しれっとした顔で捕縛したシャーロット・ブリュレ達を頭数にいれ、キレのいい突っ込みをされている。
また、ワノ国編後ではユースタス・キッドの挑発に乗せられた件でナミにキツくお灸を据えられたルフィを心配し仲裁に入ろうとして、「まあまあ、みんな無事だったんじゃ。そのくらいで…。」と何とか宥めようと笑いながら発言していたが、怒りが頂点に達していたナミの鬼の形相を見て「は…覇王色!?」と驚いていた(しかも、若干エネル顔)。
人間関係
- 魚人島の民との関係
『億超え』の懸賞金が付いた海賊でありながら、島民からは絶大な支持と信頼を受けており、親しみと敬意を込めて「親分」などと呼ばれている。
また、竜宮城の出入りも基本的に自由に許されているようでネプチューンやフカボシといった王族からも信頼されている。
- アーロン一味との関係
かつて、ナミの故郷でもある東の海「ココヤシ村」を支配していた“ノコギリのアーロン”(およびその一味)はジンベエの弟分の関係で、2人の兄貴分であるフィッシャー・タイガーが結成した「タイヨウの海賊団」の船員でもあった。
かつて自身の七武海加入と引き換えにタイガーの復讐の件で海軍に拘束されていたアーロンを釈放してもらったのだが、アーロンは彼の七武海入りを「政府の人間の狗になった」と非難。そこで2人は袂を分かち、アーロンはかつてのスラム時代の仲間を引き連れて海賊団を抜けることになる。これに際しジンベエは「またアーロンが悪事に手を染めたのならその時は自分の手で止める」と考えていたが、それを予想していたアーロンは当時自分達が活動していた東の海の海軍第16支部の幹部を買収して、その情報がジンベエの元に届かないよう根回ししていた。このためジンベエは最後まで東の海でのアーロンの悪行に気付くことができず、その被害を被ったココヤシ村出身のナミに出会った際には、自決覚悟で謝罪を行なった。それでもナミからは最後に笑って許された。ナミもホールケーキアイランド編の時点でジンベエを心から頼りにしたり認める場面も多くあり、ワノ国編で再会した時は心から喜ばれた。
- 白ひげ海賊団との関係
鶴の一声で魚人島に平和を齎してくれた”白ひげ”ことエドワード・ニューゲートには多大な恩義を感じ、白ひげ海賊団の面々とは親しくしていた。
(アニメ版では白ひげ直々の静止にも“白ひげ海賊団ではない(だから船長命令として受け取らない)”と自己責任の自由意志で白ひげの背後を防衛するほど。)
白ひげの部下である“火拳のエース”ことポートガス・D・エースがまだその傘下に加わるより前、白ひげを討って名を上げようとするエースと5日間に渡る一騎打ちに挑んだことがある。エースが白ひげ海賊団に加わってからは和解し、彼のことを「エースさん」と敬意を持って接するようになった。
エースの処刑が決定した際には、それによって引き起こされるであろう(実際に勃発した)マリンフォード頂上戦争や、その後の時代の混乱を憂い猛反発したことでインペルダウンに投獄され、拷問を受け続けても尚断固として反対の意志を貫いた。また、船員時代のティーチとも顔見知りで、この頃から得体の知れない不気味さを感じていた。
- 麦わらの一味
ルフィの事は交友のあったエースから聞かされていた事やインペルダウンの一件から当初より好感を持っており、マリンフォードでの激戦などを通じて躊躇いなく自分の命を懸けられるほどに信頼できる存在にまで昇華した。魚人島ではルフィ以外のメンバー全員とも一通り顔合わせを済ませ、その気質や実力を目の当たりにしたことで一味全体に最上級の好感を持つようになる。
ワノ国編にて遂に本格的に仲間入りを果たし、共に行動するようになったものの、まだ仲間の性格や能力について把握し切れていない部分があったり、一部のメンバーはわざわざフルネームで呼んでしまうなど、完全に溶け込むにはもう少し時間が欲しそうな描写が見られる。
特にゾロとはワノ国での百獣海賊団との抗争に至るまで比較的関わりが浅かった(ゾロが敵に捕まっている、寝ている、別行動中などの理由で交流する機会が極端に少なかった)ため、彼のキャラクターを掴み損ねている部分が多い。そのせいで敵陣に突撃するルフィをゾロ一人に追走させるという、麦わらの一味としては明らかな判断ミスを犯す一幕もあった。
戦闘能力等
特殊能力・技能
魚との会話能力
ジンベエザメを始めとする魚と会話する能力を持っている。そのため非常事態の際には魚に助けを要請することができ、本編ではジンベエザメの大群を呼ぶことで味方を窮地から救った。
なお、この能力は「魚を友」と考える思考が強い人魚族がよく有している能力であり、本来は「魚を支配する」思考が強い魚人族には珍しい。それゆえ、クロコダイルはそんなジンベエのことを粗暴な種族のハミ出し者と表現した。
戦況把握
戦況を的確に把握する術に長けており、一味屈指の常識人であるロビンをして 「大人ね 心強いわ!」 と高い評価と信頼を得ている。冷静な対応を心掛けて随所で味方側のサポートを行えるなど、サンジやブルックと同様に知将的な側面を持ち合わせている模様。
海流把握能力・操舵
「ええ船とええ航海士もおる!! 操舵が良けりゃあこの船は無敵じゃのう!!!」
海の動きを把握することに非常に長けており、この能力は船を操る際にも活かされている。本編では最高速度を常に引き出し続けることで敵船との距離を保ち続け、ビッグ・マムが船を飲み込んで余りある大津波を起こした際にも、ほんの僅かの間だけ生まれる海面と波との間に出来る筒状のスキマ『グリーンルーム』に入る(サーフィンの超高等技術を、人間ではなくサニー号ほどの巨体で敢行)ことで津波を回避するなどの神業を披露した。
この大津波の際、既に航海士のナミですら回避を諦めていた事を鑑みると、操舵に限ればその才能はナミ以上ともいえる。だが、それを殊更に誇ることはせず、むしろそれを可能にしたサニー号の性能とナミの実力を褒めている。
シャーロット・スムージーの飛ぶ攻撃に悩まされた時も彼の操舵技術により敵の攻撃をかわし続けていたことなどから、新世界の荒れ狂う海や海戦の際などにジンベエの操舵手としての活躍が期待される。
基礎戦闘力
「安心せい!!わしがおる!!!ここは任せて貰おう…!!!」
かつて王下七武海を務めたこともあるその実力は魚人の中でも最強クラスであり、魚人空手や魚人柔術を駆使した近接戦闘を得意とする。
魚人であるため水中での戦闘を得意としており、陸上戦では余り力になれないと自称しているが、陸上でもその実力は相当のもの。
漫画『ONEPIECE episode A』でのポートガス・D・エースとの戦闘では巨大な水の竜巻のような物を発生させながら彼に襲い掛かり、その後5日間戦っても勝負がつかないほどの力を持っている。本気を出せば災害のような規模の戦闘を可能にする。
元々人間の10倍近い腕力といった身体能力を持つ魚人族の中でも、間違いなくそれ以上といえる程の飛び抜けたパワーの持ち主で、ハッキリ言って魚人族における常識を大きく覆す描写が多い。
彼と肩を並べたと評価される程のアーロンを一方的にボコボコに殴り倒し、エネルギー・ステロイド(E・S)を過剰摂取し、ルフィからは「タフさは億越え」と称されるまで大幅に強化したホーディすら彼には全く及ばず力量差は目に見えており、100m以上に巨大化したワダツミを力技で強引に空中に浮かせたりなど脅威のパワーと運動性を発揮しており、一味の中でもトップクラスと言える剛力の持ち主。
また、彼にとって土俵といえる水中戦では圧倒的速力を誇るが、当然地上戦での機動力も素速く、フーズ・フー戦にて六式の「剃」を彷彿とさせるスピードで敵の強烈な攻撃を回避していた。
武術
概要 |
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能力 |
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魚人空手及び魚人柔術の達人であり、何倍以上にも強化されたホーディのすさまじい水の弾丸を、その魚人空手の技量であっさり撃ち落としている。
魚人空手の特性により大気中の水分を通じて衝撃を伝えることにより、直接触れなくても相手に大きなダメージを与え、吹っ飛ばす事ができる。
体細胞や体液中の水分を振動させることで直接ダメージを与える「衝撃」なので、ルフィのように単純な打撃に耐性を持つ相手にでも攻撃は有効となる。
覇気
概要 |
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不明点 |
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いつから習得しているかは不明だが、少なくとも『ONEPIECE episode A』におけるエース戦(約4年前)の時点で既に体得しており、覇気の錬度はルフィよりもかなり年季が入っている模様。
覇王色に関しては現状のところ未覚醒であるとされるが、フーズ・フーを撃破した際に彼の拳から覇王色の特徴と思われる黒い稲妻らしきものが発生しているのが確認でき、確定ではない以上単なる武装色の可能性も考慮すべきであるものの、長年一団を率いた経歴や彼の絶大な実力を鑑みてもむしろあり得る説が浮上しつつある。
武装色の覇気
概要 |
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彼の武装色の覇気の練度は非常に高い。
悪魔の実の能力による攻撃の防御がどの程度まで可能なのかは不明だが、ルフィ達よりもかなり年季に入っていることから、彼の覇気による効果の知識と扱い方には長けていると考えられるため、能力が生半可であれば、通常よりも覇気を強めることで対処できる可能性はある(因みにだが、同じ覇気使いであるルフィ・ゾロ・サンジは「悪魔の実の能力による攻撃を遮断できる」という効果については、知らない様子が窺える)。
- 纏う覇気・硬化
戦闘への応用 |
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ビッグ・マム海賊団との交戦の合間にも、刀剣による斬撃などを「武装硬化」で防御する技を見せている。その硬度はジンベエの長年の鍛錬と実戦によって非常に強固なものへと昇華されており、百獣海賊団の大幹部候補でもあったフーズ・フーによる武装硬化状態の「指銃」の連打をほぼ無傷で凌ぎ、逆に大きく上回る硬度で圧倒して打ち砕いた。
- 外に纏う覇気(弾く覇気・内部破壊)
戦闘への応用 |
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『ONEPIECE episode A』におけるエース戦では、武装色の高度な技術らしきものを使用しており、ワノ国編でも使用しているときがある。
見聞色の覇気
概要 |
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派生能力(様々な情報の探知) |
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彼の見聞色の練度も非常に高く、ルフィ達同様に様々な情報の探知が可能となっており、行える技能の幅も非常に広い。勿論だが、見聞色の派生能力について、覇気による効果と知識はルフィ達よりも長けているため、行える技能は上記だけとは限らない。
周囲からの評価
新魚人海賊団の面々は彼を「怪物」と評して警戒し、その圧倒的なまでの実力に戦慄していた。
ビッグ・マムがサニー号に乗り込んだ時は、大きく海に吹き飛ばされはするもののマムの攻撃を受け止めて、さらにマムを海に吹き飛ばした。その時のビッグ・マムは食いわずらいが長引き痩せていたとは言え、マムと張り合う実力にペロスペローやダイフクといった、マムの強さをよく知る上の兄弟も驚愕するほど。
他にも、世間で名の通った大物海賊や世界政府関係者にもその実力は広く知られており、最悪の世代のトラファルガー・ローとユースタス・キッドはジンベエが麦わらの一味入りする瞬間を目撃した際は動揺し、過去にジンベエと会敵した当時海軍本部少将だったストロベリーは彼と交戦した結果「アレの強さは尋常ではなかった」と語っており、ゲルニカをはじめCP-0のメンバーは元CP9であり現四皇幹部のフーズ・フーが「ジンベエを相手に生き延びる確率は低い」と評するなど、評判の高さは各勢力に轟いている。
技
本編で使用した技
- 唐草瓦正拳
魚人空手の技の一つ。一見するとただの正拳突きだが、大気中の水を利用して衝撃を伝え、距離を置いた相手や背後の相手にもダメージを与える。
ちなみに魚人空手にはこれと似たような技がいくつか存在するようで、同じくジンベエが使用する”鮫瓦正拳”、ホーディが使用する”海太鼓”なども水を利用して衝撃波を相手に伝える技である。
- 五千枚瓦正拳
魚人空手の技の一つ。相手に直接拳を叩き込む。「正拳」と銘打ってはいるが、動きはアッパーカットに近い、打ち上げ正拳突きである。インペルダウンの獄卒獣を一撃でのしてしまうほどの破壊力。
なお、”○枚瓦”という表現は一部の魚人空手に共通する威力の指標のようなものらしく、他にもクロオビの”百枚瓦正拳”、ハックの”四千枚瓦正拳”、ジンベエの”七千枚瓦回し蹴り”などの技が存在している。
ちなみに柳田理科雄氏の計算によれば瓦5000枚を割る衝撃力は2400万t(TNT火薬5.6tの起爆に匹敵)で、3tの敵を6㎞上空まで吹っ飛ばせるらしい。
- 海流一本背負い
魚人柔術の技の一つ。同じく魚人柔術の技である”水心”と併用して海水を掴み、背負い投げの要領で擬似的な海流を巻き起こす。
「液体」であれば何に対しても使えるのか、WCI編では「紅茶」でやってみせた(マンガでは紅茶に「かいりゅう」のルビ)。
- 槍波
海中で使用する技で、水中から掌底の要領で巨大な水の塊を撃ち出し、対象を撃ち貫く。軍艦の外板に風穴が開くほどの威力。百獣海賊団の巨大戦艦に放った際は、一撃で船体に風穴を開けて致命傷を負わせた。
- 槍波 群雨
槍波を拡散させて放つ。
- 鮫肌掌底
相手の攻撃に合わせて掌底を打ち込み、攻撃を弾く。
ゲッコー・モリアとの戦いで使用。
- 鮫瓦正拳
突進すると同時に強烈な正拳突きで攻撃する。水の衝撃を飛ばして攻撃することも可能。
- 撃水
水の塊を投げつけるように打ち出す。
通常は単純な打撃程度の威力しかないとされるが、魚人空手の達人であるジンベエならその威力も桁違い。エネルギー・ステロイド(E・S)によって覚醒したホーディ・ジョーンズの撃水をあっさり相殺してみせた。
- 七千枚瓦回し蹴り
強烈な回し蹴り。80mの巨駆を誇るワダツミのE・Sで強化されたパンチを容易く弾き返すほどの攻撃力。
魚人空手の「奥義」の一つ。現状のジンベエ最大級の大技。
拳に纏わせた水の塊を渾身の力で叩き付け、衝撃波と共に相手の体を撃ち抜く。その衝撃は推定100m以上に巨大化したワダツミの体を容易く空中に浮かせて貫通し、横転させるほどの攻撃力を誇る。
規格外すぎるタフネスを持つ“四皇”ビッグマムに対しては直撃させても流石に貫けなかったが、ジンベエの倍以上もあり、ギア4のルフィの“ゴムゴムの猿王銃”すら涼しい顔で受け止めるその巨体を後方に吹っ飛ばし、海に落としかけるほどの威力を見せた。
- 梅花皮(かいらぎ)
武装色硬化した両腕を十字に組んで敵の攻撃を防ぐ。ビッグ・マムの燃える巨剣「皇帝剣 破々刃」を一旦は受け止めて見せた。梅花皮とは鮫肌の別名であり鰄とも表記する。また同音異義語で海乱鬼という言葉があるがこちらは日本の海賊倭寇の別名である。
- 渦潮一本背負い
魚人柔術の技の一つ。ワノ国にてビッグ・マム相手に使用。彼女を軽々と背負い投げ、ロビンとの連携で遠くへ横転させた。
主にサイファーポールや海兵などの政府側の人物が使用する覇気を基盤とする体術六式の基本技の一つ。
本人の弁によると武装色の覇気の応用である「武装硬化」と同質な様で、覇気の使い手であれば使用することが可能な模様。本気を出した場合、フーズ・フーの攻撃をほぼ寄せ付けないばかりか、逆に武装色を纏った指を突き指させる程の堅牢さを発揮する。
ただし、攻撃を防いだ右腕の描写は武装色を纏っているようにも見えるため、皮肉にも捉えられる
- 引潮一本背負い
魚人柔術の技の一つ。海水を始めとする液体を用いた「海流一本背負い」と違い、武装硬化した腕で相手の攻撃を受け止め、その突進や攻撃の勢いを利用して思い切り背負い投げする。鬼ヶ島にてフーズ・フー戦で使用し、彼に相応のダメージを与えた。
- 粗鮫(ソシャーク)
魚人空手の技の一つ。掴んだ身体の部位を渾身の握力で握り砕く技。ホーディも同種の技を使用しているが、人獣型のフーズ・フーの武装硬化した状態の腕の骨を粉々に砕いている点を鑑みると、素の威力は比べるまでもなくジンベエの方が遥かに強力である。
魚人空手「奥義」の一つ。こちらも同じ奥義「武頼貫」のように最大級の技と思われる。武装色の覇気を纏った状態で相手の前に拳を繰り出し、そこから衝撃波を放ち攻撃する“唐草瓦正拳”の強化発展形といった大技。覇気による黒い稲妻が複数発生し、辺りの建造物を破壊する程の衝撃波が発生する。
かつてタイガーが自身の憎しみや怒りの感情を“鬼”と称していた事や、SBSで明らかとなったジンベエの脳内にも僅かに“鬼”が含まれていたことなどがこの技の由来の可能性がある。
- 五千枚瓦手刀
魚人空手の技の一つ。強力な手刀を放ち周囲の物体を両断する。地面を直接叩くことで土煙を発生させ目くらましとして用いることも可能。
- 肩車
魚人柔術の技の一つ。肩に担いだ相手をドッジボールの球を投げるように投擲する。サニー号に襲い掛かろうとする謎の怪物の元へゾロを運ぶ為に使われた。
本編以外で使用した技
- 閑羅瀬(しずらせ)
『ONEPIECE episode A』にて使用。
魚人空手の技であり、エース自慢の“火拳”を容易く相殺して見せた。
過去
タイヨウの海賊団へ
30歳当時はネプチューン軍に所属する兵士で、同郷のアーロンからは「アニキ」と呼ばれていた。15年前、フィッシャー・タイガーが聖地マリージョアを襲撃し、世界政府と対峙したフィッシャー・タイガーを見殺しにはしないと軍を除隊し、タイガーが結成したタイヨウの海賊団に加入。タイガーに次ぐNo.2として主力を担った(この時期に初頭額7600万ベリーの懸賞金が掛けられた)。兵士時代から人間との融和を唱えるオトヒメ王妃には否定的だった(曰く「歴史が答えを出しとる」)が、長い航海で様々な人間達との出会いを経験し、次第に認識を改めていった。
12年前、フールシャウト島で待ち伏せしていた海軍本部中将ボルサリーノの部隊の急襲により、タイガーは瀕死の重傷を負ってしまう。ジンベエ達船員は攻撃をかいくぐってタイガーを救出し、彼の血液型と合致する「人間の」血液で回復させようとするも、タイガーは拒絶し、嘗て自分自身も奴隷であった過去、そこで受けた人間達からの非情な迫害を明かし、心で分かっていても拭い切れない人間への嫌悪感を吐露する。同時に、オトヒメ王妃の思い描く人間と魚人の融和には賛同しており、コアラの様な何も知らない“次の世代”が魚人島を変えてくれる事を願いながら息を引き取り、ジンベエは2代目船長としてタイヨウの海賊団を率いた。
一方、アーロンはタイガーを死に追いやった“人間”への激しい怒りから人間への無謀な報復に挑み、海軍本部中将ボルサリーノ(後の大将“黄猿”)に捕縛され、インペルダウンに投獄されてしまう。
王下七武海加入
11年前、魚人族が政府に近付く為に政府からの誘いを受け、魚人族初の王下七武海となる。しかし、恩赦により釈放されたアーロンからは「政府の“人間“の……!!!“狗”になるんだなァ!!!」「大アニキは死んだんだ!!おれは 元の“アーロン一味”に戻る!!」として反旗を翻され対立。
タイヨウの海賊団を抜けようとするアーロンはジンベエに「止めたきゃ、おれを殺せ」「おれこそが魚人族の怒り」といい、種族主義者のアーロンはジンベエに手を出さない一方でジンベエはタイガーの遺志を守ろうとしないアーロンを叩き伏せるも、同胞であり弟分のアーロンを殺すことは当然できず、アーロンと袂を分つことになってしまった(アニメ版ではアーロンがジンベエに殴りかかって猛反撃にあった)。
これにより、アーロンとその傘下であったクロオビ、チュウ、ハチ達はジンベエの下を離れ「アーロン一味」として、彼の目が届かない東の海で蛮行を働くようになり、同じくマクロ、タンスイ、ギャロの三人も「マクロ一味」として人魚を狙った人攫い稼業を行うようになってしまう。
ジンベエは、アーロンの暴挙に気付けば止めるつもりだったが、アーロンの裏工作(アーロンは海軍第16支部大佐ネズミに賄賂を贈り、支部の管轄内での横暴を黙殺させていた)により、それが露見するまで知る事ができなかった。
その為、彼の野望を打ち砕いたルフィには感謝と謝罪の気持ちを抱いている。
活躍
第1部 サバイバルの海 超新星編
インペルダウン編
バナロ島の決闘で“黒ひげ”ことマーシャル・D・ティーチに敗北したポートガス・D・エースが海軍に逮捕され、当時の海軍本部「マリンフォード」での公開処刑が決定した際、海軍は白ひげの襲撃によって起こるであろう一大争乱に備え、王下七武海を強制招集した。しかしジンベエは、大恩人であるオヤジさんに牙を向くことも、ましてや友人でもあるエースの処刑を見過ごせるわけがなく、拒否するどころか大暴れしてエースの処刑を止めようとしたため、大監獄インペルダウンに投獄されてしまう。奇しくも収監されたインペルダウンLEVEL6でエースと再会を果たし、力及ばず仁義を通せなかった己の不甲斐無さを悔やんだ。
処刑当日、エースがマリンフォードに連行されて間もなく、兄である彼を救おうとインペルダウンに潜入していたルフィとその協力者達が一足違いでジンベエのいる牢獄に到達する。前日エースを謁見しに現れたボア・ハンコックから「エースの弟」の存在を聞かされていたジンベエは、すぐに彼が件の弟であることを悟ると、元七武海のクロコダイルを解放しようとするルフィ達の会話に割って入り、エースを救いたい事とマリンフォードを自らの死に場所と定めた事を明かし、解放する様に懇願。ルフィも己の直感でジンベエの人格を悟ったのか、二つ返事で彼を解放した。その後はルフィやクロコダイル、革命軍のエンポリオ・イワンコフなど錚々たる面々と共に、インペルダウンからの大脱走を決行した。
マリンフォード頂上戦争編
マリンフォードに到着すると、海軍本部元帥センゴクに王下七武海からの脱退を宣言。白ひげ陣営としてゲッコー・モリアをルフィから退けるなどルフィをサポートした。
海軍の最高戦力にも、ましてや白ひげにすらも物怖じせず、遂にはとうとうエースを処刑台から解放してみせたルフィに対して、彼の信念を貫き通す姿に強い思い入れを抱くようになる。しかし、ルフィ達の努力も虚しく、エースは動けなくなったルフィを庇い海軍本部大将“赤犬”に殺害され、白ひげも突如乱入してきた裏切り者の息子“黒ひげ”黒ひげ海賊団の総攻撃によって命を落とすことになる。
失意に打ちひしがれる暇もなく、直ちにジンベエは意識を失ったルフィを担いで戦場から脱出を図り、ルフィを殺害しようと狙う海軍将兵から身を挺してルフィを守る。特に“赤犬”から追撃中は、自身の胸を貫通してルフィの胸元に現在まで残る傷を負わされながらも、決して立ち止まらずに駆け続け、超新星“死の外科医”トラファルガー・ローの助勢を受けて彼らの潜水艇に逃げ込んだ。
ローの船での治療でルフィ共々一命を取り留め、ハンコックの厚意(というか完全にルフィへの好意)により女ヶ島の外れで療養する。その約2週間後、敬愛する兄の死で自暴自棄に陥ったルフィを叱咤激励してやるべきことを気づかせ、彼の再起に貢献した人物の1人となる。これらの行いがあったため、ルフィはジンベエを恩人として認識している。
ルフィが心身共に回復傾向に入った頃、彼の知人でもあり海賊王ゴール・D・ロジャーの右腕でもあった“冥王”シルバーズ・レイリーが一人で凪の帯(カームベルト)を泳いで女ヶ島に上陸。ルフィに対し2年間修行をする事を提案し、ルフィもこれに承諾する。そして、各地の海に散り散りになってしまった一味へこのメッセージを伝えるため、ジンベエとレイリーはルフィに協力し、再びマリンフォードへ上陸。戦争で命を落とした全ての者達への追悼が名目の「16点鐘事件」を起こす。マスコミはこぞってルフィの不可解かつ大胆な行動を大見出しとして取り上げ、結果として、ルフィの腕の「3D2Y」の暗号が一味全員に伝えられた。
その後は、無人島「ルスカイナ」にてレイリーとの覇気の修業に入るルフィに別れを告げ、2年後に魚人島で再会することを約束した。
第2部 最後の海 新世界編
魚人島編
先の戦争で王下七武海を脱退したため、仲間共々魚人島に居辛くなってしまい島から距離を置いて暮らしていた。新魚人海賊団による王政に対する反乱騒動で海の森に逃げ込んだルフィと再会するが、彼がリュウグウ王国王女であるしらほしを連れ出していることに目玉をひん剥いて驚いた。
その後、初めて出会った麦わらの一味の面々に、魚人島とタイヨウの海賊団の歴史を説明すると共に、ナミに対してはアーロンの暴挙を止めることができなかった事に責任を感じ、弟分の被害者であるナミから罰を受ける覚悟だったが、ナミから、自分が嫌いなのは飽くまでアーロンであり、魚人達への偏見を持っていないこと、同時に、例え辛い過去でもそれがあって今の仲間に巡り会えたことを伝え、「私の人生に勝手に謝らないで!!」と、彼女なりの優しい言葉でジンベエを許し、ジンベエも涙を流し感泣した。
リュウグウ王国に反乱を起こしたホーディ・ジョーンズ率いる新魚人海賊団の野望阻止の為、麦わらの一味と共にネプチューン達国王一家の処刑場であるギョンコルド広場に乗り込み、サンジとの共闘でワダツミを倒す。
長らく人間と造作も無い関係を築けず往生している魚人族を憂い、麦わらの一味が闇雲に戦いホーディ達をブチのめす凶暴な人間にならず、本当の意味で「魚人島を救うヒーロー」になるように尽力しながら勝利。
戦いが終わって直ぐ、ジンベエは負傷したルフィに輸血を行う。魚人島では人間に輸血拒否をされて死んだと言われている英雄・フィッシャー・タイガーの死や古い法律から魚人や人魚からの人間への輸血は禁止事項とされていたが、ジンベエがその輸血を行うことでか細いながらも確かに種族間の和平へと繋がる“タイヨウ”へと続く道が生まれた。
ルフィが一命を取り留めた後、一味入りを持ち掛けられたが、ビッグ・マムへの義理を理由にこの場では断り、「人の道に仁義を通し──スッキリと身軽になった時 今一度わしはお前さんらに会いに来ると約束しよう その時にまだ今の気持ちのままでおってくれたなら もう一度誘ってくれんか…“麦わらの一味”に!!!」として加入を見送った。
表紙連載『ジンベエの海侠一人旅』
ルフィ達が魚人島を去った後に描かれた表紙連載『カリブーの新世界でケヒヒヒヒ』では、一味が去った後に懲りずに魚人島で人魚の誘拐を目論んでいたカリブーを懲らしめ、新世界の海軍G-5支部に引き渡す。その後、仲間達の元へ向かう道中に迷子の子海ネコの住処である遺跡が地上の港町に打ち上げられ、住処を失った海獣が暴れ回る事態に出くわす。騒動を起こした原因が魚人島永久追放刑を受けたワダツミである事を突き止め、騒ぎを収めると、同行を申し出たワダツミと共に町を出港する。万国(トットランド)に戻り、遺跡で発見した「歴史の本文」ビッグ・マムに献上した。
ホールケーキアイランド編
麦わらの一味の仲間になりたい気持ちを知るタイヨウの海賊団は、常に仲間達やリュウグウ王国の未来を案じてきたジンベエの気持ちを快諾。ビッグ・マム海賊団の傘下を抜けるよう決意。
万国で暴れていたシャーロット・リンリンに彼女が望んでいたお菓子を届けて暴動を止めることに成功。
正気を取り戻したリンリンに、ビッグ・マム海賊団を抜けたいと打診するものの、代償必須の無茶な「落とし前」を迫られる(百人単位で部下の命を差し出すように迫る理不尽なもの)。新聞に「脱退を取り下げた」と載り、ビッグ・マムから城への出入りも禁止される。
だが、ルフィ達を助けるため城に入りオペラを撃破。敵の本からルフィとナミを解放して、チョッパーたちと合流。ルフィにベッジを紹介して彼との同盟を持ちかけ、両者を引き会わせる。
結婚式が始まると、カタクリの弱点を突くことでルフィを助け出した。
そして彼は怒り狂ったビッグ・マムに相対することになる。彼女は自分の傘下から抜けることを気に入らず、自分に臆した者や死を覚悟した者の命を奪う魂の言葉(ソウル・ボーカス)を使い、ジンベエの命を奪おうとした。しかし、ジンベエにはそれが通用しなかった。
「未来の『海賊王』の仲間になろうっちゅう男が 『四皇』ごときに臆しておられるかァ!!!」
「寿命を取らんのなら 盃は返上する!!」
「これにて ビッグ・マム海賊団をやめさせてもらう!!! ──どうも お世話んなりやした」
その後は麦わらの一味の一員として仲間のために動く。自身の実力もさることながら元傘下としての知識や長年の経験により仲間を上手く導いた。
そして、ついに一味はビッグ・マムのナワバリの最終地点カカオ島にたどり着く。ルフィの救出にも成功して逃げられると思いきや、最後の最後で艦隊に囲まれる。万事休すかと死を覚悟したそのとき水中からとてつもない巨体が突如現れ助けられる。その姿である事に気づいたジンベエは水中に潜り、そこにアラディンやタイヨウの海賊団といった仲間の存在を目にする。
彼らの活躍でその場を切り開く道が遂に生まれる。仲間への恩を改めて感じ、その場を任せてナワバリを抜けようとするが、そんななか敵の母船クイーン・ママ・シャンテ号が到着しある船を壊す。海面に漂う海賊旗には麦わら帽子を被った髑髏が描かれていた…。
実はアラディンがワダツミに指示してサニー号を水中に隠し自分達の船を身代わりにしていた。船を失った彼らはジンベエのため己が身のみでビッグ・マム海賊団の艦隊や幹部に挑む。
しかし、ジンベエがそんな仲間を見過ごせるはずもない。そこでジンベエは彼らとともにビッグ・マム海賊団を食い止めサニー号を守るための殿軍としてこの場に残ることを決意する。ルフィも船長としてジンベエの意思を汲み 「ワノ国で待ってる!!! 必ず来い!!!」 と再会の約束を交わした。その後仲間と共に魚人の本気を見せつけ海流を操り敵の艦隊を完全に足止めする。
そんな彼らの前に食いわずらいから回復したシャーロット・リンリンがやって来る。その後のジンベエ達の詳細は世界会議編でも描かれず、読者をやきもきさせたが...
ワノ国編
第三幕
「……どちらさんもお控えなすって!!!」
「方々のお兄いさんとお姐えさん方に厄介をかけながら」
「この度"麦わら"の親分さんに盃を頂く」
「駆け出し者にござんす!!」
「人呼んで"海侠のジンベエ"!!!」
「以後面体お見知りおきの上」
「よろしくお頼み申します!!!」
上記の口上を引っ提げ遂に登場し、トラファルガー・ローやユースタス・キッドといった彼を知る者たちが驚愕する中で遂に9人目の仲間として、正式に一味へ加入する事になった。
これと同時に、彼の一味内での役職が「操舵手」となる事が改めて示され、彼の操舵技術をナミ・チョッパーから聞いたフランキーは「”夢の船“の本領を引き出す男が現れた」と称賛した。
また、タイヨウの海賊団の仲間たちも無事に死線を切り抜けたらしく送別会もして貰ったらしい。ちなみに遅れた理由は負傷者の手当てと送別会が長引いたからとのこと。流石魚人族である。
一味加入後は自身も忍者海賊侍ミンク同盟の討ち入り作戦に参加し、錦えもんの能力で百獣海賊団戦闘員の恰好に変装してから鬼ヶ島に潜入する。
なおこの時、正面から乗り込んでいったキッド海賊団に作戦を台無しにさせまいとルフィが一人先に突入した際、それを止めようとしたゾロを(彼が方向音痴だと知らなかったとはいえ)そのまま先に行かせてしまったり、百獣海賊団戦闘員の演技がどこかぎこちなかったりと、コミカルな一面も多く見せるようになっている。
本格的に始まった百獣海賊団との決戦ではルフィを四皇百獣のカイドウがいる屋上へ体力を温存させて向かわせるためにサンジと共にルフィを護衛。そして城内4階にて飛び六胞の一人であるフーズ・フーと対峙し、戦闘に移る。当初は一騎打ちではなくフーズ・フーの部下の援護もあってフェアじゃない戦いが続いていたが、お玉の秘策によって1対1の勝負となった。
経歴上扱える普通の六式とジンベエの武装防御も突破する牙銃を放つフーズ・フーを相手に一歩も引かず、互角に渡り合う。その最中、彼から「太陽の神ニカ」に関する質問をされるが、同時に魚人族やその歴史に関する差別的な侮辱や煽りを受けて、普段は冷静沈着なジンベエもブチ切れ、停滞していた戦局を一変させる。苦戦していた状況がまるで嘘だったかのようにフーズ・フーの技を絶大な覇気と技術で容赦なく破り、最後は「魚人空手 奥義 鬼瓦正拳」による一撃と 「おんどれ 歴史に口を挟むなら ハンパな覚悟で踏み込んでくるな!!」 とする義憤の言葉を浴びせて勝利を収めた。
その後は百獣海賊団の部下と交戦しながら、火事が広がり続ける城からの脱出を開始する。そして雷ぞうの用意した海水を操り消火した。
戦勝祝いの宴では、待ちきれず城下町の屋台に繰り出した一味を尻目に、2時間も酒でやり過ごしていた。えらい。
海軍本部大将アラマキの襲来時にはルフィ、ゾロ、サンジと共に予め察知していたが、ワノ国の戦力で抑えようというモモの助と赤鞘九人男達の心意気を組んで有事になるまで出ないつもりだった模様。
ワノ国出航後、自身の懸賞金が11億ベリーに増額したことを知り、作中でもごく一部である『10億超え』を果たした。一味の中では2位→3位と順位こそ下がったものの、2位のゾロとの差は僅か1100万ベリー(現実的には「僅か」ではない額だが、海賊の懸賞金の額としてはそれほど大きな額ではない)。
4位のサンジに些かの対抗心を向けられるものの、ジンベエ自身は懸賞金の額に対してそれほど拘りは無いようで、『なぜサンジがヒートアップしているのか』を察することは出来ず取り乱したサンジを心配していた。
エッグヘッド編
荒れる海を航海している途中で強風に吹き飛ばされたチョッパーとそれを助けようとしたルフィ、そして目の前に発生した巨大な暖水塊に囚われていたジュエリー・ボニーが海に落下してしまったため、船の操舵をフランキーに託して潜水。3人を拾うことには成功したものの、波が荒れ続けていることに加えて巨大な機械仕掛けの鮫がサニー号を襲撃したため、戻ることを断念。能力者3人の呼吸を確保するため上陸できる島を探した結果、次の島であるDr.ベガパンクの研究所がある未来島エッグヘッドに辿り着く。
上陸後は島の工場層を探索し、ベガパンクの猫(サテライト)の一体、アトラスに出会う。彼女に食事を与えられた後は島の警備を担当していたパシフィスタに無銭飲食の罪で追跡されるが、ボニーの能力で難を逃れた。
その後ボニーがバーソロミュー・くまの娘であることを知ると、あくまで自身が知る限りのくまの経歴を語った。
その後、ルフィたちと伝説の鉄の巨人の亡骸がある場所に辿り着き、ベガパンクの本体と出会う。
ルフィがベガパンクをエッグヘッドから連れ出すことを了承すると、ベガパンクの指示に従って研究層へ向かうべく行動を開始するが、道中でベガパンク抹殺を目論むCP-0と遭遇。ジンベエは戦闘に参加することなく、ロブ・ルッチによって破壊されたアトラスを抱えて真空ロケットに向かい、研究所に到着した。
余談
- 名前
“海侠のジンベエ”という名称はよく間違えて表記されることが多く、例えば名前のジンベエのことを「ジンベイ」や異名の海侠を「海峡」などのようによく誤記される。似たような名前や言葉があるので注意しよう。
- 声優について
登場当時は、これまでも作中で数多くのキャラクターの声を演じてきた郷里大輔氏がジンベエの声を担当していたが、2010年に逝去された為、以降は宝亀克寿氏が担当している。麦わらの一味に後任声優が担当する登場人物が加入するのは史上初である。因みに一味の声優陣では最年長でもある。
- 登場までの長さ
ジンベエの名が原作で初めて語られたのは69話のヨサクからである。その後はほぼ音沙汰がなかったが、頂上戦争直前にて原作523話でようやくセンゴクの口から語られた際にシルエットで初めて描かれ、原作528話でサブタイトル“海侠のジンベエ”を着飾った。ヨサクの口から名が出たのはグランドライン突入直前であり、本格登場には実にグランドライン前半終点あたりまでかかったことになった。作中のルフィたちの時間軸では半年もかからなかったと思われるが、現実の連載では10年もかかっている。
この本格登場を強調するかのように、前述の528話に続き原作546話でも『魚人海賊団船長“七武海”ジンベエ』を着飾る快挙となった。
- 諫言
- 目の前でエースを失った悲しみのあまり、自身の身も顧みず暴れ回るルフィを止める為に、ジンベエは傷も癒えてない時点でルフィを取り押さえる。そして失ったものへの後悔と自責の闇を押し殺すように諫め、残っている仲間の存在を思い出させる事でルフィの再起を促した。
- この時の 「失ったものばかり数えるな!!! 無いものは無い!!!」 「確認せい!!お前にまだ残っておるものは何じゃ!!!!」 の台詞は本作でも指折りの名台詞と名高いが、「失ったものばかり数えるな」との言い回し自体は『ONEPIECE』以前から存在していた為、本作が初出ではないものの、涙でグチャグチャになりながら 「仲間がいる゛よ!!!!」 「ゾロ…ナミ…ウソップ…サンジ…チョッパー…ロビン…フランキー…ブルック…!!」「おれには仲間がいる…!!!」 と力強く返したルフィの姿も相まって、強く印象に残る名場面であった。
- 目の前でエースを失った悲しみのあまり、自身の身も顧みず暴れ回るルフィを止める為に、ジンベエは傷も癒えてない時点でルフィを取り押さえる。そして失ったものへの後悔と自責の闇を押し殺すように諫め、残っている仲間の存在を思い出させる事でルフィの再起を促した。
年配者としての的を得た台詞はかなり多く、黒ひげとルフィの激突を中断時には何が先だ?!よう考えるんじゃ!と当初の目的を見失いかけたルフィに時間も体力もここで無駄にするな!(エースさん救出に向けろ!) と静止したり、インペルダウン脱出時にベンサムの死を覚悟した件でルフィが“あいつ置き去りにするのかよ!”には目的のエースや、犠牲覚悟のベンサム以外何百人もの置いてきたモブには一切考慮に気が回らなかったのを咎めながら“(勝算も時間もないのを全く考えないルフィにさすがにキレて)また戻ってマゼランと戦う気か!!”と優先順位に注意が回らないルフィに一喝している。(図星ゆえかルフィは反論しなかった。)
エッグヘッド編でもSFに詳しそうな描写はあるがどこまでかは未知数。その際はベガパンクに思想の共有の不都合も指摘していた。
- 能力
魚と会話できる能力は人魚に多く、魚人がこの能力を持つのは珍しいという。海洋生物と会話、特に王族に目立つ珍しい能力とされるのは、DCコミックのアクアマンの世界観と似ている。
- 裏切り?
仁義・義侠心に溢れる人柄なのだが、相手からしたら『裏切り』と見て取れる行動を自らかましていることもある。
そもそも彼自身の海賊行為がリュウグウ王国の悲願である人間と人魚・魚人族の共存の障害になっていたのでこれを裏切りとしてカウントするなら一回目(ただし、王国からは常に敬意を向けられている)。
王家七武海でありながら世界政府にエースの処刑及び白ひげ海賊団(魚人島にとっての大恩人が率いる海賊団)との戦争を止めるように直談判したことが二回目。
ビッグマム海賊団を抜け、麦わらの一味に鞍替えしたことで三回目の裏切りと見れる行為を行っている。
もっとも、彼自身は性格上通すべき筋を通そうとしており、上記のうち下2つは筋を通そうにも相手が話を素直に聞かない組織でもあったため、仕方がないとも言える。スパンダムがロビンを評したように『他人を裏切ってきた表裏比興の人間』というのは流石に筋違いといえるだろう(もっともロビンもロビンで事情はあるのだが)。
- 舞台版
2015年に市川猿之助率いるスーパー歌舞伎版『ONEPIECE』では、ジンベエを市川猿弥が演じており、前述の「失ったものばかり数えるな!!! 無いものは無い!!!」といったセリフと、エースを失い、途方に暮れるルフィに一喝する一幕を再現した。なお、市川猿弥は本編でも“黒ひげ”ことマーシャル・D・ティーチを演じている。
- 麦わらの一味として
何気にルフィの仲間になる前から名前を挙げていた人物こそ居たものの、一船の船長経験者が仲間になるのはブルック(但し、彼はあくまで船長代行の立場だった)以来であり、王下七武海だった人物が仲間に入るのは初である。更に、種族的な意味でチョッパー以来の人外のクルーとなった(まぁ、人外っぽいのは他にも居るが一応種族は人である)。
そして懸賞金もゾロ(11億1100万ベリー)に次ぐ高さであり、麦わらの一味にとって(経験・実力・サイズ共に)間違いなく、最高戦力と言える大きいメンバーが入ったと言えるだろう。
- 誕生秘話
実は連載開始以前の段階でジンベエの前身のキャラクターは既に「かじとり」として設定されており(この時点ではロビンに当たる人物は存在しなかったため、彼女より構想は先)、人間だが見た目に共通点が見られる。
また、ルフィから仲間に誘われる以前にもインペルダウン脱獄の際にも奪った軍艦の操舵手を務めており、インペルダウンを護衛している他の軍艦から砲撃を巧みに回避して損傷を最小限に抑えていた。さらにアニメ版においてはマリンフォードに乗り込む直前に白ひげの海震によって発生した大津波を見事に乗り切るシーンも描かれており、後の麦わらの一味操舵手としての姿は既に垣間見えていたのかもしれない。
- 空手とイメージ
名前、服装、技に反して「イメージ国は日本じゃないのか」と思うかもしれないが、ジンベエの得意技である「魚人空手」のモチーフである空手は彼のイメージ国であるインドで発祥した古武術であるカラリパヤットを源流に持つという説がある。
また、ジンベエザメはテンジクザメ目に属しており、「天竺」とはインドの別名である。
ちなみに彼のイメージ動物は「くま」。そこはサメじゃないのか。ちなみにゾロのイメージ動物がサメ。
…あと、知っている人の方が多い事であろうが一応記しておくと、現実のジンベエザメは『現存魚類最大種なサメのくせして穏やかで大人しく、人に直接的危害は加えない』と言う事からも解る通りヒゲクジラ類と同様のプランクトン食であり、ジンベエの様な牙どころかギザ歯の一本すら生えていない(一応歯自体は無数に生えてはいるのだが極めて小さく退化してしまっており、上記の食生上全く役に立ってない)。
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王下七武海 魚人族・人魚族(ONEPIECE) 任侠 親分 ブラウンヒーロー
モンキー・D・ルフィ ロロノア・ゾロ ナミ ウソップ サンジ ネフェルタリ・ビビ カルー ニコ・ロビン フランキー ブルック
魚人街 魚人海賊団 タイヨウの海賊団 フィッシャー・タイガー アーロン はっちゃん アラディン シャーロット・プラリネ ワダツミ
白ひげ海賊団 エドワード・ニューゲート ポートガス・D・エース マルコ
サー・クロコダイル、バギー、ボア・ハンコック、トラファルガー・ロー
ジンベエと同じ七武海在籍歴を持つ人物たちで、マリンフォード頂上戦争時に奇しくもジンベエに対して協力・救助をしている(ハンコックは愛する殿方のついで感があるが)。
中の人繋がり。2年前はジンベエと同じく王下七武海であり、頂上戦争でも戦った間柄。ジンベエよりも上ずった甲高い声で喋るモリアだが、中の人曰く、演じるのが難しいのはジンベエの方らしい。