「“闇の正義”の名のもとに!!!」
プロフィール
本名 | ロブ・ルッチ |
---|---|
CV | 関智一 |
所属 | CP9諜報部員→CP“AIGIS”0総監、元ガレーラカンパニー1番ドック木びき・木釘職職長(古代兵器プルトンの設計図を入手するための潜入任務) |
道力 | 4000(2年前) |
出身地 | 偉大なる航路 |
修行地 | 偉大なる航路 グアンハオ |
年齢 | 28歳(CP9時)→30歳 |
誕生日 | 6月2日(6←ロ、2←ブ) |
身長 | 212cm |
星座 | ふたご座 |
好きな食べ物 | ブランデー |
嫌いな食べ物 | スパム |
掲げる正義 | 必要悪 |
悪魔の実 | ネコネコの実 モデル“豹(レオパルド)”(動物系) |
覇気 | 武装色、見聞色 |
異名 | 殺戮兵器 |
能力 | 六式 |
主な部下 | スパンダム |
概要
“偉大なる航路”の水の都ウォーターセブンに位置する一大造船会社「ガレーラカンパニー」1番ドッグ木びき・木釘職職長。非常に寡黙であり、普段は肩に乗せた相棒の鳩「ハットリ」の腹話術で話す。
割と毒舌家であり、同僚のパウリーに対してよく(腹話術を介して)苦言を呈することが多く、彼とは喧嘩が絶えない。
しかし、その正体は世界政府付属機関である諜報機関サイファーポールの1つ
「CP9」の諜報部員であった。同じく諜報部員であるカリファ、カク、ブルーノの3名と共に、ガレーラ社長兼ウォーターセブン市長であるアイスバーグが所有するとされていた古代兵器プルトンの設計図を捜索するため、それぞれウォーターセブンの住民として潜伏していた。
本拠地である司法の島エニエス・ロビーにて、ルフィ率いる「麦わらの一味」(およびガレーラ、フランキー一家連合軍)との激闘の末に敗走し、一時は他のCP9のメンバー共々海軍から追われる身となるが、現在は再びサイファーポールに復帰し、世界貴族に仕えるCP‐0の責任者である総監という役職に就いている。
桁違いの戦闘能力と任務のためには一切の情を捨て去る冷酷さからCP9史上、もっとも強く冷酷な「殺戮兵器」と呼ばれている。
その実力は王下七武海からも一目置かれており、バーソロミュー・くまやゲッコー・モリアも、ルッチがルフィに敗北する事は予想できなかったと語っている。
人物像
シルクハットをかぶり、ウェーブのかかった黒長髪に鋭い目つき、厚い唇が特徴。
眉毛と顎髭が音記号のような曲線を描いており、2年後の『新世界篇』では髭が伸び、振り子のような形になっている。
背中には、かつて敵の放った砲弾を背中に受けて負った傷跡があり、その形は奇しくも世界政府のシンボルに酷似した形となっている。
世界政府の命令にこそ忠実に従うが、上司に対して忠誠心そのものがあるのかは怪しい。
実際、CP9時代に上司だったスパンダムの事も「政府が長官と認めているから」割りきっていただけで内心では完全に見下しており、新世界編で世界貴族が殴られるところを目の当たりにしても、動揺を見せないばかりか、何とも思っていない様子であった。
ビブルカードによれば、ルッチの掲げている正義は必要悪。「闇の正義」を自称するように、「巨悪に対して、“正義”は悪をもってでもそれを討つべき」と考えている様子。ただし、ルッチにとっての「正義」とは「世界政府による統治」。ゆえに上司を尊敬せずとも世界政府の命令には忠実に従い、世界政府に従わない・意に反する者は、たとえ真っ当な人物だろうと粛清の対象になることもある。
また、「悪に敗北した“弱き正義”」も認めておらず、とある王国の兵士達が海賊に降伏してむざむざ人質となって王が人質を思うあまり亡国の危機になっていた際には、「弱きは罪」「簡単に人質になって国を危機に陥れるような兵士達は今後同じことを起こしかねず、そんな兵士達は生きている資格がない」として兵士達を粛清した上で海賊を討伐した。
政府の英才教育により完全な殺し屋気質となっており、“闇の正義”という信念を掲げ、任務遂行のためならどんな犠牲を出すこともためらわず、任務遂行の邪魔だと判断すれば味方にも手を下す冷酷な性格。
さらに地位や称号・出世には興味がなく、純粋に"殺し"そのものに喜びを感じている様子。カクやカリファがウォーターセブンに愛着を持っていたのに対してルッチはその殺しが出来ない5年間を「名残惜しむ情も湧かない」と唾棄したり、中々の強敵であるルフィとの戦いを許可されたときには凄まじい笑みを浮かべていたりしている。
上司の命令に対しても、極力忠実に振る舞うが、ルフィとの対決のためにあえてスルーすることもあった。
「“血”ですかね ここにいると… “殺し”さえ正当化される」
世界政府の命令に基づく「大義名分ある殺し」を楽しむのがルッチであり、逆に新入りのネロが命令違反をして殺しを行おうとした際はCP9に相応しくないとして容赦なく粛清している。
人を見る目はあり、アイスバーグの周到さには「あきれて物がいえない」と敵として認めたり、仲間を信じて自分と戦うルフィのことは「なかなかのボスの器」と評価したりしている。
ただし認めた人間でも、任務の障害となるなら容赦なく排除する。
一方、ルフィとの戦闘で意識不明の重傷を負い、CP9を解職同然になってしまった時には、仲間達が自分を救おうと医療費稼ぎをしてくれ、復活後何の義理もない町の人々を海賊から救う(しかし意識を失った海賊を痛めつけすぎて人々からは「過剰なる正義」ゆえに恐れられた)、故郷に海軍の追手が来た際には「騒ぎは故郷へ持ち込ませない」として撃退するなど、彼なりの正義心と仲間達からの信頼・絆は持っている様子。
また、幼少時からハト(ハットリ?)を連れているなど、ペットにも思い入れはある様子。
戦闘能力
「迫撃において “動物系”こそが最強の種だ!!!」
悪魔の実 | ネコネコの実 モデル“豹レオパルド”(動物系) |
---|---|
能力 | 豹に変身できる |
豹に変身する事ができる「豹人間」。
肉食動物に変身する動物系の能力者はその能力を開放すると凶暴性も増すという。
柔軟で強靭な肉体を誇る豹の能力とルッチ本人が秘める心技体を備えた武術「六式」を主とした戦闘力は非常にマッチしている。
基礎戦闘力
能力を使わない人間型でも驚異的な身体能力を誇り、偉大なる航路編時点でもエネルギー全開のフランキーの拳を受け止め、逆にフランキーを真正面から叩き伏せる事ができるほど。
作中、純粋な体術においてルフィを圧倒した初めての敵でもある。
さらに僅か13才にして500人もの兵隊を素手で瞬く間に葬るなど、彼に関する逸話は伝説的ながらも恐ろしいもの。
一応クマドリが語る生命帰還の習得条件を満たした出来事にもなってはいる。
獣人型に変身すると人間型より二回り以上も巨大化する。筋肉も大きく膨れ上がり、あらゆる攻撃の威力が段違いに跳ね上がる。
ルッチ曰く、純粋に身体能力が大きく強化されるのが動物系の能力の特徴であり、「迫撃」においては自然系ではなく動物系こそが最強であるという。
実際、獣人型で繰り出される「六式」の威力は凄まじく、建物や軍艦さえも派手に破壊してしまう。
さらに獣型に変身して相手に喰らい付いたり、尻尾を相手の体に巻き付けて動きを制限する搦め手を用いたりと、ただ真っ向から戦うだけでは終わらない。
加えて「六式」だけでなくクマドリと同様に生命帰還を体得しており、筋肉量などを制御し、相手や状況に合わせて攻撃力や速力を自分で調節する事ができる。
ウォーターセブンに23歳の時から潜入任務を続けていたため、政府や七武海からの信頼の多くは23歳までの実績で築き上げたようだ。
また、ルフィへの打撃も彼の喉笛を突くか吹き飛ばすかにとどまっており(ルフィはそれでも吹き飛ばされ続けて圧倒されていたが)、ルフィも後の戦桃丸との戦いの時と違って違和感は覚えてなかった様子から当時は武装色の覇気を習得していなかったようだが、打撃の効かないルフィに対しても、斬撃・人獣型の爪による刺突・獣型の噛み付き・奥義による衝撃波と様々な技で彼を圧倒していた。
覇気
新世界篇(2年後)からは六式と関連のある“覇気”も強化されている(『VIVRE CARD~ONE PIECE図鑑 INDEX SET』にも覇気との関係性は明記されている)。
「”迫撃”においては動物系こそが最強」という彼の持論を証明するがごとく、映画『ONEPIECE FILM GOLD』では、自然系能力者のサボと渡り合う技量を見せた。
六式
主に六式及びその派生技を操る。
悪魔の実の能力を直接利用した技はあまり無いが、2年前の時点でも人獣型のパワーや鋭い爪を活かした攻撃は極めて強力で、指銃の一撃で人体を貫通してしまうほどの威力を持つ。
現在の六式の力はエニエス・ロビー編時点よりも大幅に増大しており、映画『ONEPIECE STAMPEDE』では、「嵐脚」だけでも大型バレット(島一つ分の大きさはあろうかという「鉄の怪物」)の右腕を吹っ飛ばす程の絶大な一撃の威力になるまで成長している。しかし、そこまで本気になって放っている様子はなかった。
技
六式の派生技を自在に使いこなし、人獣型となれば威力は更に向上する。
- 指銃 ”黄連(オウレン)”
両手版の指銃 ”斑”も存在する。
- 剃刀(カミソリ)
六式の移動技「剃」と「月歩」を融合させたもので、空中で自在かつ瞬時に移動を行えるのが強み。
- 嵐脚 ”豹尾(ヒョウビ)”
他の嵐脚と比べてかなり独特な軌道を描き、完全に避けるのは難しい。
- 鉄塊 ”空木(うつぎ)”
そのダメージは常人の拳なら砕き割れるほどだという。
- 飛ぶ指銃 ”撥(バチ)”
鎌鼬・飛ぶ斬撃に近いようで、通常の指銃なら効かないはずのルフィにもダメージを与えていた。
アニメ版では派生技として、三連続で放つ「飛ぶ指銃”三ツ撥”」(3連続で放つこと自体は原作でも行った)、相手に着弾すると発火し爆発する「飛ぶ指銃”火撥”」が登場した。
- 嵐脚 ”凱鳥(ガイチョウ)”
「嵐脚」の中ではカクの最強技”周断”に次ぐ威力と規模を誇り、鉄製の軍艦の外板に一撃で亀裂が入るほど。
- 紙絵武身(カミエブシン)
攻撃力は幾分落ちるが、代わりに俊敏性と機動力は跳ね上がり、ルフィのギア2の速度にも引けを取らないほどの素早さで戦える。
- 六王銃(ロクオウガン)
両手の拳を相手に押し当て、衝撃貝の数倍もの威力を持つ強烈な衝撃を直接体内に叩き込む。
- 最大輪六・王・銃(さいだいりんロクオウガン)
活躍
過去
幼少期より、世界政府管轄下の修練場にて、CP9にされるべく集められた孤児達と共に、7歳上のジャブラやブルーノらと共に修練を行っていたことが0巻で語られている。
そしてエニエスロビー事件の15年前、すなわち13歳の時には既にサイファーポールに入隊しており、とある王国の兵士500人が海賊の人質に取られた事件の解決を依頼された時には、「国民を守るべき兵士が国を危機に陥れるということ自体が悪」として兵士を皆殺しにし、海賊の首領の首を取って事件を収めた。
背中の5つの傷はその時、彼を殺そうとした海賊の砲撃を受けてついたもの。
偉大なる航路篇
ウォーターセブン編
スパンダムの命令により、アイスバーグが持つ古代兵器プルトンの設計図入手のため、同僚数人と共にウォーターセブンで数年間の諜報活動を行う。
そして、古代兵器の設計図のありかを知るフランキーと古代兵器を復活させられるニコ・ロビンの身柄を手に入れ、ロビンを追ってきたルフィとゾロを撃破。
その後、2人の身柄と設計図と共に、本来の拠点である世界政府直轄の司法の島エニエス・ロビーに帰還した。
エニエス・ロビー編
ロビンを追ってエニエス・ロビーにやって来たルフィと再度対戦し、ギア2を発動したルフィに対して地力の差で追い詰めるが、最後はルフィ渾身の「ゴムゴムのJET銃乱打(ジェットガトリング)」を受けて敗北した。
バスターコールに巻き込まれた際には気を失っていたが、ブルーノにより他の仲間共々救い出され、彼のドアドアの実の能力で亜空間を渡ってセントポプラという町に逃れる。ルッチはルフィから受けた傷が深く意識を取り戻せなかったが、CP9の仲間たちが大道芸やアルバイトで治療費を稼いでくれたことで、無事治療を受けられて意識を回復。しかしこの間、エニエス・ロビーに残っていたスパンダムから島の壊滅の全責任を押し付けられ、ルッチたちは彼のけしかけた海軍に追われる身となってしまう。
退院後はセントポプラで束の間の休息に興じるが、町をキャンディー海賊団が襲撃。
病み上がりとはいえその実力差は圧倒的で、海賊をまたたく間に撃退するが、意識不明の海賊相手にすら一切の容赦ないあまりに残忍な制圧ゆえに町人にから恐れられ、町を去ることになる(海賊から助けられた少女にはお礼として一輪の花をもらった)。
その後はキャンディー海賊団の船でCP9の養成地である故郷に一度帰還し、次世代の育成される姿を見学。海軍の追っ手が来襲するも「騒ぎは故郷へ持ち込ませない」として撃退。
スパンダムにお礼参りの宣告をし、仲間と共に姿を消した。
新世界篇
ドレスローザ篇
ドンキホーテ・ドフラミンゴが捕縛され、ドレスローザの騒乱が終息した後、町の一角でやたらと小物臭い印象の部下を連れ、肩には同じような仮面を付けたハトがいるCP‐0のメンバーが年寄りめいた口調の誰かに電伝虫で連絡を取っている姿があった。
スパンダインが病床に臥せって権力が弱ったことや、ルッチ達自体の価値もあってエニエス・ロビーの一件は不問となり、CP-0に所属するようになったとのこと。
劇場版ONEPIECE FILMGOLD
CP‐0の一員となったことが改めて明らかになった。
海軍本部元帥サカズキに、ギルド・テゾーロが用意した天上金護送任務の名目で強引に軍艦10隻を用意させ、ギルド・テゾーロの元へ向かう。
いざテゾーロの旗艦グラン・テゾーロにつくと、テゾーロが暴れていたこともあってか砲撃を開始。グラン・テゾーロの天竜人お構いなしという相変わらずの姿勢を見せていた。
しかし、グラン・テゾーロにいるルフィ達を守るべくサボが砲撃を妨害。
彼を相手に戦闘を繰り広げていたが、テゾーロがルフィに敗れると彼を捕縛し目的を果たしたため撤退した。
世界会議編
「──天竜人はこの世界を創造した『神』」
「ここにいるのはいわば“下界の王達”」
「『神』が欲する物は全て差し出すのは必然」
世界会議編でも登場。
しろほし姫を世界貴族のチャルロスが奴隷にしようとした際、それを止めようとした麦わら大船団の一員であるサイとレオを不意打ちで制止。
ネフェルタリ・ビビらに上記の言葉を言ったが、実際世界貴族に手を出せば王族といえどただでは済まないため、傲慢な物言いとやり方でもビビらを一応守ったことになる。
ブチギレたリュウグウ王国国王ネプチューンの殺戮をチャルロスに命じられたときは嬉しそうな表情を見せるも、ミョスガルド聖の登場でそれが中断されたときは、攻撃をやめてミョスガルドを静観していた。
映画『劇場版ONEPIECE STAMPEDE』
映画STAMPEDEではラフテルへのエターナルポースを手に入れるために暗躍。任務中につき服装は他のキャラと違いいつも通りのもの。
バギーがマギー玉を撃った機に乗じ、能力で巨大化したダグラス・バレットの右腕を斬り落とす。バレットの能力が解けた際にはエターナルポースを奪おうとするもサンジに阻まれ、その後ルフィがエターナルポースを手に入れた際にもう一度奪いに動くもそれをルフィが握りつぶしたことで任務は失敗に終わった。
ルッチのハト
本名 | ハットリ |
---|---|
誕生日 | 8月10日(8←ハ,10←ト) |
好きな食べ物 | 豆 |
嫌いな食べ物 | 米 |
CV | 関智一 |
ルッチが肩に乗せて連れている、ペットの鳩。ネクタイをつけている。この鳥の存在によりルフィがルッチを「ハトの奴」と呼ぶようになっている。
船大工として潜伏していた頃のルッチはこのハットリを連れて腹話術を用いて会話していた。腹話術の実力も凄まじく、ルフィ達も最初はハットリが喋っていると思い込んでいた。
正体を明かすまでの間はルッチ本人が喋ることは無かったが、これによりパウリーは仮面をつけた敵の正体がルッチであることを見抜けなかったと思われる。事実正体が判明した際にパウリーは声でルッチと仮面の敵が同一人物であることを認識した。カクに関しては謎であるが。
余談
- ボスキャラクターとなった経緯
『ONE PIECE 総集編 THE 22ED LOG』ではルッチのキャラ造型の経緯が明かされた。
ウォーターセブン編で当初決まっていたことは、「フランキーが加入」「ゴーイングメリー号との別れ」の二つのみ。
そのため、船大工としてだれが加入するか分からなくさせるためにルッチやパウリー、カクなど多くの個性的な船大工が登場。
そこでようやく「誰を敵にしようかな?ハトをのせた変な奴に決定」と、適当なビジュアルを持つキャラとして選ばれたとのこと。
- 映画『FILM GOLD』での登場
しかし作者尾田栄一郎氏は、映画『ONEPIECE FILM Z』でクザンが原作の新世界編に先駆けて先行登場を果たしたことに対し、「原作で登場させれば驚かさせられただろうに、原作の読者にやんわり伝わってしまったことが残念だった」とのこと。
そのため、映画『ONEPIECE FILM GOLD』公開前に、原作ドレスローザ編ラストでロブ・ルッチらを登場させる形をとったという。
関連イラスト
関連タグ
ONEPIECE・ワンピース・サイファーポール
CP‐0 世界貴族
スパンダム・カク・ステューシー
CP9
ジャブラ・ブルーノ・クマドリ・フクロウ・カリファ
暗殺者