「最後にたどり着く島の名は『ラフテル(Laugh Tale)』」
「"偉大なる航路"の最終地点であり歴史上にもその島を確認したのは海賊王の一団だけだ」
概要
「偉大なる航路(グランドライン)」の最終地点。"海賊王"ゴール・D・ロジャーが残した「ひとつなぎの大秘宝(ワンピース)」が眠るとされている。数百年の歴史上で唯一、ロジャー海賊団だけがこの島を確認したという。
その名前が最初に出てきたのは麦わらの一味が偉大なる航路に入る直前、双子岬のクロッカスから「記録指針(ログポース)」をもらった時のことであり、その時の説明では記録指針を辿っていけば、偉大なる航路の終着点である「ラフテル」に辿り着くとされていた。
このことから、記録指針が指し示す最後の島がラフテルだと長らく思われていたのだが、ゾウ編に入ってから、記録指針の終着点はラフテルではなく「水先星島(ロードスターとう)」と呼ばれる島であることが判明。そこにたどり着いた者は「真の最終地点」であるラフテルへの到達方法を知る事になり、ロジャー海賊団はそこから大きく冒険をやり直したという。
麦わらの一味は幾つもの運命の巡り合わせでゾウにたどり着いたことで、水先星島に行く手間をかけずにその情報を入手する事になった。
到達方法
世界に4つ点在する「ロード歴史の本文(ポーネグリフ)」に記された地点を結ぶと、その中心に浮かび上がるとされる。実際ロビンが1つを解読し、その情報をナミに伝えた際には「海図が書けそう」と呟いており、ロジャー海賊団も"万物の声"が聞けるロジャーに加え、古代文字を読める光月おでんが実際にすべてのロード歴史の本文を解読して島の場所を特定したことでラフテルにたどり着いた。
ロード歴史の本文の入手は海賊王になるために必須の物であるため、四皇同士が奪い合うものとされている。
ロード歴史の本文の在り処
現在4つのうち3つは所在が判明しているが、残りの1つの所在は不明である。
ゾウ
モコモ公国奥地のくじらの森にそびえ立つ巨大な「くじらの樹」の内部に保管されている。ネコマムシ曰くくじらの森はロード歴史の本文がある神聖であり、ペドロ率いる侠客団(ガーディアンズ)が昼夜守る必要があるという。
麦わらの一味は最初に、ロジャー海賊団は最後に発見した。
ホールケーキアイランド
四皇“ビッグ・マム”の居城であるホールケーキ城(シャトー)の4階「宝物の間」に保管されている。宝物の間はシャーロット家の親族でさえ簡単には立ち入れない程、厳重に警備されている。
ホールケーキアイランドに昔からこれがあったわけではなく、どこか別の場所にあったものを略奪したと思われる。宝物の間には通常の歴史の本文も2つ保管されている。
ロジャー海賊団は光月おでんが加入する前に既に発見して解読していたが、いつからホールケーキアイランドにあったのかは不明。
麦わらの一味はビッグ・マムに捕まったブルックが宝物の間のロード歴史の本文を写しとり、それを持ち帰った。入手順としては2番目となる。
写しの内容は海賊同盟を結んでいたトラファルガー・ローも共有している。
ユースタス・キッドも将星から盗んだ写しを入手していたが、後にエルバフでキッド海賊団を返り討ちにしたシャンクスの手に渡っている。
ワノ国
800年前に建設された防御壁によって雨水が溜まり、水没したかつてのワノ国の都の跡地にある、藤山の麓の高台に厳重に保管されている。海底にあるため現在は花の都の城の地下室に隠された階段から下っていくしかないが、魚人族であれば水中を自在に探索できるため、発見が容易になる。
また、ワノ国内には通常の歴史の本文が花の都の城の地下室と、鬼ヶ島の地下2階の2ヶ所にも安置されている。
麦わらの一味はワノ国を支配していた四皇カイドウ率いる百獣海賊団撃破後、生存していた光月スキヤキに案内されたことでその内容を把握した。入手順としては3番目となる。写しは同盟を結んでいたトラファルガー・ローやユースタス・キッドも共有し入手していおり、キッドの物は後にエルバフでキッド海賊団を返り討ちにしたシャンクスの手に渡っている。
ロジャー海賊団はおでんを連れて入国した際にその内容を把握した。
もう1つの在り処
26年前、ロジャー海賊団がロード歴史の本文を探している際にロジャーはその在り処に心当たりがあるとしていた。そしてその読みは的中したのだが、その場所は魚人島の海の森であり、ジョイボーイの謝罪文が記された歴史の本文の隣に安置されていた。
だが、麦わらの一味が魚人島を訪れた際、海の森の歴史の本文は上述のものしか残っておらず、ロード歴史の本文は消えていた。そのため現在の在り処は不明だが、1081話にて「火ノ傷の男」という人物が所持している可能性が高いことが示唆されている。
また、ロジャー海賊団が発見した際にはリュウグウ王国の国王ネプチューンもいたが、彼が現在ロード歴史の本文が海の森から消えたことを知っているかも不明。
名前の由来とその綴り
「__あの日おれ達は世界の全てを知った__」
「本当にあった"莫大な宝"を目の前に…ロジャーはあの時……」
「笑ってた」
ワノ国編の光月おでん視点の回想にて、島の名付け親がロジャーであることが判明した。ロジャーたちは上陸前までずっと「最後の島」と言っており、つまりロジャー海賊団が行き着く前は島の名前すら知られていなかった、もしくは無かったのである。
本当に存在した「莫大な宝」と「世界のすべて」を知り、涙が出るほど笑ったロジャーは同じく笑っていた仲間たちに名前をつけることを提案したのである。
「800年誰も行きつけなかったこの「最後の島」にこんな名前をつけねェか?」
「"Laugh Tale(ラフテル)"と!!」
「Laugh Tale」の訳は「笑い話」。
発見した宝と世界の真実から名付けたのだろう。
アニメ版ではロジャーたちが世界一周を果たしたという新聞がニュースクーによって配られた際に流れた挿入歌が「ビンクスの酒」であり、その後のおでんの語りに加えロジャーが笑っていたところで流れていた挿入歌が最初のエンディング曲「memories」となっているため、聞く人によってはかなり情感を揺さぶられるものとなっている。
なおこれより前に海外版でクロッカスが「RAFTEL」と言っている。これはスペルによるネタバレを回避するためと、ルフィ達視点では綴りが分からないためそのような表記になったと考えられる。そのキャラが理解できない言葉を漢字→カタカナ表記することの英語版である(例:塩分濃度→エンブンノード等)。
考察
- ラフテルには何があるのか
いくつかの「情報が記されている歴史の本文」を揃えてラフテルに上陸したロジャーたちは、そこで「空白の100年」「Dの一族」「古代兵器」とは何なのかを知った。
また光月おでんは自身の故郷である鎖国国家のワノ国がかつては世界と接していて、800年前には「巨大な力」からワノ国を守るために当時の光月家が国を閉じたことも知ったという。
世界政府によって隠されている情報をここまで詳しく知ることができるラフテルには一体何があるのだろうか。
- ある人物の関与
莫大な宝を発見したロジャーは海の森で存在を知ったジョイボーイに対して 「お前と同じ時代に生まれたかった」「とんでもねェ宝を残しやがって…!!!」 と呟いており、莫大な財宝とはジョイボーイが残したものである可能性が高い。
- 島の名前
ラフテルという名前はロジャーが付けたものであるが、その際「800年間誰も行き着けなかった」としており、言い換えれば800年よりも更に前には人がいた可能性がある。
つまりラフテルにはまだ別の名前があるのかもしれない。
考察というより余談になるが、主人公モンキー・D・ルフィは、原作者により沖縄県のイメージのキャラクターとされており、沖縄には似た名前の豚肉料理としてラフテーがある。
- 島の正体
当初ラフテルは偉大なる航路を記録指針で辿った先の最終地点にあると言われていたが、新世界編にて真の到達方法が判明したことにより、その特殊な行き方からただの島ではないという説が考察され始めていた。
しかし後述のある秘宝により、他の偉大なる航路内に存在している島同様、特殊な磁気を帯びた鉱物によって構成されているれっきとした島であることが確定し、巨大な植物の島やそもそも島ではないといった説は否定された。
- ある歌の歌詞
「笑い話」というフレーズが歌詞の最後にある「ビンクスの酒」も実はラフテルに関係あるのではという声もある。
ビンクスの酒は海賊たちにとって伝統的な楽曲であり、麦わらの一味やロジャー海賊団など多くの海賊団がその存在を知っているが、その作詞作曲者は現在不明であり、800年程前からある歌なら、関係があっても不思議ではない。
映画『ONE PIECE STAMPEDE』
バレット 「死にゆく貴様らに教えてやる。こいつは本物のロジャーの宝だ! この中にゃあ……『ワンピース』が入っている!!」
モルガンズ「ラフテルへの…永久指針……!?そんなもんが…。世界中がひっくり返る、大ニュースだ……!!」
劇場版第14作『ONE PIECE STAMPEDE』にてラフテルが話題となる。それというのも祭り屋ブエナ・フェスタが主催した海賊万博の目玉「海賊王の遺した宝」の正体がラフテルへの永久指針(エターナルポース)だったからである。
これさえあれば誰でも一発でラフテルの場所が分かるという代物であり、海賊王を目指す海賊はもちろん、それを阻止したい海軍やCP-0も喉から手が出るほど確保したい、まさに伝説級のお宝であった。
ちなみにこの永久指針はロジャー海賊団の一人が万が一のことを考え、ラフテルの場所を記録したことで生まれたもの。だがそれを知ったロジャーは「『ひとつなぎの大秘宝』はこんなもんに頼る様な奴に手に入れられる宝じゃない」と、没収して海に投棄。そのまま海王類に食べられ葬られたはずだった。
だが永久指針を飲み込んだ海王類は偶然フェスタを飲み込み、そこで彼は永久指針を見つけてしまう。そしてフェスタは、ある目的のためにダグラス・バレットと手を組み、ロジャーが残した宝だというデタラメを広め、海賊万博を開催するのだった。
最終的にこの永久指針は、バレット撃破後手に入れたルフィが、クロコダイルやルッチと争奪戦になる前に「自分には必要無い」と握り潰し、最早何の役にも立たない破片と化した。
なお、ラフテルの綴りが「Laugh Tale(=笑い話)」であることが初めて発覚したのは原作ではなく、この劇場版である。
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