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光月おでん

こうづきおでん

光月おでんとは、尾田栄一郎の漫画『ONE PIECE』に登場するキャラクターである。
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煮えてなんぼのォ!! おでんに候!!!

見渡せやせぬ……!! それが“世界”だ!! モモの助!!

国に残した優秀な家臣らと共に!! 『ワノ国』を開国し!! 20年以上先の!! “未来”を待つとしよう!!!
おれはお前らがいい!! おれの“侍”になれ!!!

※この記事は単行本未収録のネタバレ情報を含みます。

プロフィール

本名光月おでん
CV石丸博也
肩書きワノ国九里大名
家族光月モモの助(息子)、光月日和(娘)、光月スキヤキ(父)、光月トキ(妻)
所属白ひげ海賊団2番隊隊長、元ロジャー海賊団船員
所属船モビー・ディック号→オーロ・ジャクソン号
年齢享年39歳
誕生日2月22日(おでんの日)
身長382cm
好物おでんの全て
武器大業物21工「天羽々斬」、大業物21工「閻魔
覇気覇王色、武装色、見聞色
口癖窮屈でござる


概要

かつてワノ国の無法地帯「九里(くり)」を平定し、一代でかの地を楽園へと再建した「大大名」で、先の将軍(国長)である光月スキヤキの一人息子。モモの助日和の実父でもある。本編では既に故人であり、かつての家臣・錦えもんや息子のモモの助たち縁者の話から名前だけが先に登場した。

その存在は海外にも広く知られ、世界会議終了後に海軍内でロックス海賊団の過去が語られた際、白ひげ海賊団隊長の一人でもあったことが判明。
センゴク曰く、白ひげ』、『海賊王』、『赤髪』の三人から好かれた男と評されており、実はワノ国だけでなく、歴史の影で大物たちを動かしていた語られざる英雄であることが明らかになった。

過去の回想において、その破天荒な生涯が判明した。

人物

容貌

おでん様


382cmの長身と、筋肉質で屈強な体格が特徴の偉丈夫。への字型の太い眉毛と目尻の上がった力強い目元が印象的で、何処と無く歌舞伎役者のような精悍な顔立ちをしている。髪は黒色で、角帽のような頭頂部に太いモミアゲ、癖の強い後ろ髪を伸ばしたかなり独特なヘアスタイル。

衣装はワノ国出身ということもあり基本和装で、六尺半纏の上から大きな仁王襷で袖を絞った姿に裸足下駄という、将軍家の嫡子とは思えぬあられもない出で立ちをしている。下着は褌一丁で、布地の中央に「牛すじ」「手羽先」などおでんのタネの名前が書かれている。

性格

窮屈でござる!!」が口癖の、心身ともにとにかく規格外な人物。度量が大きく、常識や偏見にとらわれない自由奔放な性格で、鎖国国家という閉ざされた法に長年疑問を持ち続けていた。
また、ワノ国に漂着した幼き日のネコマムシイヌアラシ、居合わせた河松の3人が妖怪狩りにあっていた所をその容姿で一切差別せず助けるなど懐が広く、錦えもんを始めとする家臣達や九里の人々からは死後20年経った現在でも絶大な信頼を寄せられている。
白ひげやロジャーすらも魅了したその人間性は、イヌアラシ曰くおでん様には ワノ国はちと狭すぎたのだ…とのこと。

過去の評判

ただ、その行動は良くも悪くも破天荒なものばかりであり、いわゆる「札付きのワル」と呼ばれるタイプで、大名霜月康イエの家に居候していた頃には彼からよく叱咤激励されていた。
そのような数多くの迷惑行為はもちろん多くの国民により疎まれてはいたが、その一方で最終的にはその破天荒さにどこか魅力を感じてしまう(通称・"おでん節")も広く知られていた模様。
「悪人だけど、礼が言いたい」「許せないけど、かっこいい」「ついていくわけにはいかないが、ついていきたい」…そんな隠しきれない大器の片鱗は、当時チンピラであった錦えもんも思わず敬服し、全ての大人たちを愚かと見下す傳ジローが唯一尊崇していた。

歴史の本文

また光月家は代々“石工”の一族であり、800年もの大昔、彼らによって「壊れぬ書物」が作られた。それが、現在“偉大なる航路”の様々な土地に点在する“歴史の本文(ポーネグリフ)”である。光月家代々の後継者は、高い石工技術と共に歴史の本文へ刻まれる古代文字の読み書きを“一子相伝の暗号”として伝授されており、おでんもその一人であった。後述の経緯から外界に出たおでんは、なぜ世界各地に光月一族秘伝の暗号が点在するのかという疑問から、歴史の本文に強い興味を抱く。

その他

現在のモモの助同様、一部の異国の者に和風のあだ名を付けており、白ひげのことを「白吉っちゃん(しろきっちゃん)」、シャンクスのことを「赤太郎(あかたろう)」、バギーのことを「バギ次郎(ばぎじろう)」と呼んでいた。バギーは自身がシャンクスとセットで“次郎(2番)”と数えられることには難色を示していた模様。

また、気乗りしない事柄があると露骨にイヤそうな顔をする癖があり、相手からもその都度「イヤそう!!!」と驚愕されることも。なお、後に邂逅する白ひげもこの癖を持っており、おでんが後述の理由でロジャーの船に乗ることを許してもらおうとした際には、逆におでんが「イヤそう!!!」と驚かされる場面もあった。

名前の通りおでんが大好物で、暇さえあれば(それこそ自ら材料を調達して)調理しては、家臣となった錦えもんたち、邂逅した白ひげやロジャーたちにも振る舞っている。味も大変美味なようで、彼がこうした人々との和をつなぐ一種のコミュニケーションとしても作用している(ネコマムシは猫舌ゆえ、当初は熱すぎて味わえず鍋をひっくり返してしまったこともあったが)。

能力

生前は大刀二刀流の我流剣術「おでん二刀流」を扱う剣豪で、街一つを喰らわんとする巨大猪「山の神」を口から尻まで上下真一文字に両断するほどの凄まじい実力の持ち主だった。

覇気”も体得していたことが語られており、ルフィ百獣海賊団の船員たちを気絶させる姿を見た酒天丸アシュラ童子)は「おでん様と同じ」だと発言しており、覇王色の覇気が使えた模様。また、後にゾロの手に渡った愛刀のひとつ「閻魔」を唯一扱えたことなどから武装色の覇気にも長けていたと考えられる(後述)。

戦闘以外では、共に旅をしたロジャーや実子である現在のモモの助、ルフィ等と同様に「万物の声を聞く」力が潜在的に備わっていたようで、魚人島へ向かう深海の航路や象主の背中にあるモコモ公国に滞在した際は、何者かの声や気配を無意識に感じ取ってしまいロジャーと揃って居心地の悪さを訴えていた。

愛刀

共に“大業物21工”に位列する銘刀で、
“天をも切り落とす”「天羽々斬(あめのはばきり)」に、
“地獄の底まで切り伏せる”「閻魔(えんま)」という。
特に「閻魔」は、“地上最強の生物”と呼ばれているカイドウの体に唯一傷をつけた伝説の刀らしい。

彼の死後、二刀は刀工の天狗山飛徹に預けられ、二十年の歳月を経て「天羽々斬」は息子のモモの助に、「閻魔」は娘の日和(リンク先ネタバレに注意)に継承。さらに「閻魔」はゾロの「秋水」に代わる新たな得物として、日和本人の意向で譲渡された。

飛徹によると「閻魔」はゾロの持つ「鬼徹」同様の妖刀であるとのことで、その切れ味は一本の樹木を斬ろうとして、その木が植えられた崖ごと斬り落としてしまうほどで、まさに“地獄の底まで”という喧伝が決して誇張ではないことを頷かせる凄まじい威力を誇る。
一方で、「持ち主の“覇気”を吸い上げてしまう」という大きなリスクも併せ持ち、故にワノ国でこの刀を手懐けられたのはおでん唯一人と言われている。ゾロはこの試し斬りの直後、持っていた腕がみるみる内にミイラのように干からびてしまうが、腕に覇気を込めることでこれを回避している。
つまり、「閻魔」で強大な力を行使するには、それを使いこなせるだけの鍛え抜かれた覇気と強靱な肉体の持ち主である剣士でないと不可能と言える。

技の名前はおでんの具材に由来する。

  • 桃源白滝(とうげんしらたき)
二本の刀を横に振るって対象を両断する。

  • 銃・擬鬼(ガン・モドキ)
刀を十字に交えて攻撃をする。

  • 桃源十拳(とうげんとっか)
相手の体を十字に斬りつける。
おでん本人の強力な覇気と剣術、前述の「閻魔」などの強さも相まって、その威力は20年前の時点のカイドウの身体に現在も残るほど深い傷を付けるほどである。

One Piece ch 970 - Oden vs Kaido



来歴

※時系列は新世界編基準。
本編では20年前に死亡したとされる人物であるが、彼の目線から41年前の過去篇に入ったことで、その滅茶苦茶な来歴が明かされる。

出生から勘当まで

回想の冒頭にて、父スキヤキに家臣が語ったおでんの経歴を以下の表にまとめると…

年齢主な出来事
0歳乳母を投げ飛ばす。
2歳兎2羽を捕まえる程の俊足を得る。
4歳岩を投げてクマを撃破。
6歳遊郭に入り浸り、城の金を使い込む。
8歳賭場において酒の勢いで博徒達と大喧嘩。
9歳やくざ達のブラックリストに載り、賭場出禁。
10歳腹いせに賭場に火を付けやくざ達と大抗争を起こし、暴行傷害で服役。服役先の採掘場において石工としての才能を発揮し、棟梁にまで上り詰める。
14歳その後出所し、日照りに苦しむ人々を見かねて川を曲げて水を確保するも、それが大水害を引き起こす事となる。
15歳山寺の住職を脅して隠れ住み、夜な夜な女達を侍らせる。これに怒った女達の親や恋人である男達と乱闘を起こす(これを「ハーレムの乱」と呼ぶらしい)。
18歳今も順調に問題を起こし続けている。
…と、こんな感じでかなり破茶滅茶な人物であった事が窺い知れる。このとき既にスキヤキは息子を勘当することを考えており、報告した家臣に“絶縁状”を渡してくるように促していた。

一方その頃、当のおでんはワノ国の首都である「花の都」にある火葬場において、遺体を焼く火でおでんを煮込み、酒を飲むという奇行を行っていた。だが実は、亡くなったのはおでんの飲み仲間だったらしく、前述の奇行も彼なりの弔いであった。それが判明した時、亡くなった者の息子はその“おでん節”に涙し、その妻や娘もおでんの振る舞いに胸をときめかせる。
おでんが去った後の骨のそばには、彼が立てたと思われる一本の線香が残されていた。

その直後に、当時単なるチンピラであった錦えもんの軽はずみな行動によって、花の都は山神である巨大な白猪によって襲撃され、多くの人間が山神に飲まれ、町が破壊されるという大被害にあう。事の経緯を錦えもん本人とその友人の傳ジローから聞いたおでんは、山神に襲われた幼馴染・鶴女を救おうとする錦えもんの男気に関心を示し、彼の代わりに「自分が山神を引き寄せた」という喧伝した上で、山神を“おでん二刀流”“桃源白滝”で上下真一文字に両断して倒し、都を救う。

One Piece Ch. 961



後にこの一件は「山の神事件」として伝えられた。

放浪~九里大名襲名

錦えもんの罪を被ったおでんは、この一件も含めてこれまで起こした問題の数々により、ついに父親から勘当されるだけでなく、花の都からの追放命令まで突きつけられることになる。しかし、おでんはこれを「“将軍殿”もとい“花の都”が自身を持て余しただけの事」として喜んでその宣告を受け入れ、ワノ国中を放浪するようになる。また、この一件に深い感謝の念を抱くと共に男惚れした錦えもんと、元々彼にあこがれていた傳ジローの二人が自ら志願しておでんの旅に同行した(おでんは露骨にイヤそうだったが)。

その後、3人はおでんが「オジキ」と呼び慕う「白舞(はくまい)」の大名・霜月康イエのもとに身を寄せる。康イエから当時荒廃していた「九里」の現状と、その地を牛耳る“鬼”の噂を聞き、翌朝かの地を目指して旅立った(またこのとき、後に大きな因縁を持つことになる当時コマ使いだった黒炭オロチと出会う。オロチは、康イエの貸した部屋を壊さんばかりに使い潰したおでんたちをいいことに金庫から金をくすね、その罪をおでんに擦り付けた。)。

九里を目指す道中から、おでんは海外の航海者に倣い自らの旅の事局を手記にしたためるようになった。「鈴後(りんご)」では家族離散により路上で舞踊をしながら生計を立てていたイゾウ菊の丞を(結果的に)飢えから救い、「希美(きび)」では“人の毛髪を奪っていく妖怪”と噂されていたカン十郎を鉄拳制裁し、「兎丼(うどん)」では(くノ一にフラれたショックで)山賊に身を落としていた元お庭番衆・雷ぞうと再会したりと様々な人物たちと邂逅し、いずれもおでんの心意気に惹かれ、勝手に家来となって付いてくるようになる。

図らずも大所帯となったおでん一行は、追放された浪人や罪人たちが集う流血沙汰の絶えない無法地帯「九里」の門前にとうとう到着する。大便だと嘘をついて家来たちとの野宿から離れ一人で九里に入ったおでんは、当時九里を牛耳っていたアシュラ童子一味を相手にたった一人で奮戦し、丸一日におよぶ死闘の末に全員を叩きのめす。

これまで多くの蛮行を働いてきたアシュラ童子一味だが、そんな「どうしようもねェクズ共」ですら見捨てられなかったおでんは、家来たちの力と知恵を結集して彼らを纏め上げることを決意する。荒くれ者だった彼らに働くことを覚えさせて街や城を築き、彼らのために桃源農園を作るなど大々的な開拓をおこない、「地獄」とまで呼ばれていた九里を、自由で笑いの絶えない活気ある「郷」へと変貌させた。
その功績により、スキヤキはおでんを許して絶縁を解消すると共に、弱冠20歳の彼に「九里大名」の称号を与えた。共に旅を続け、九里の復興にも協力した家来6人とアシュラ童子は、大名となった彼お抱えの家臣として“侍”に取り立てられた。

それから6年後(33年前)、九里ヶ浜にミンク族の少年・ネコマムシイヌアラシが漂着する。これを珍しがっていたカッパ(魚人)の河松共々、九里のゴロツキたちに磔にされて迫害を受けていたところをおでんが助け城に連れ帰る。その後、自分の好物であるおでんを振る舞いながら、3人それぞれの経緯を訊いたおでんは、海外への憧れを一層強めることになる(そして例の如く3人にも居着かれる)。

こうして家来が増えるのは良いものの、そのせいで生活費は嵩み、さらには独立したオロチから金を貸してほしいとせがまれては(康イエの顔もあり)断れず、九里大名家は金欠に悩まされていた。ある日、それを気遣った家臣たちが白舞大名家に盗みに入ってアッサリ捕まる事件が起こるも、霜月康イエは彼らのおでんを慕う忠誠心に免じて彼らに金を与えると共に、“大名の家臣”もとい“次期将軍の家臣”に相応しい人物になるよう彼らに身なりや礼儀、学問、そして武勇を身につけるように薫陶を与えた。

3年後(30年前)、父スキヤキが病に伏したという報告を受け、おでんは九里大名として家臣団一行を連れて久方ぶりに花の都へ帰郷する。この頃には家臣たちも立派な侍となり、都の住民たちも思わず飲んだ息を吐くのも忘れる程だったという。いざ再会したスキヤキはおもったよりも快調で、父子水入らずの談話をしばし楽しんだが、奇しくもこれがスキヤキとの最後の会話となってしまう。

白ひげとの出会い~白ひげ海賊団2番隊隊長

花の都への帰郷と同年、白ひげ海賊団が九里の伊達港へと流れつき、外の世界に強い興味を持っていたおでんは真っ先にその現場へ向かっていた。対面した船長の“白ひげ”ことエドワード・ニューゲート唐突に斬りかかると共に

おれの名は光月おでん!!! 誰だか知らんが!!
お前の船に!! 乗せてくれ!!!

と懇願する(この突拍子もない行為には、白ひげも困惑した表情を浮かべていた)。
そんなおでんに対して、当初白ひげは、

お前は人の下につけるタイプの人間じゃねェ
そういうのが集まるとチームがどうなるか おれは前の海賊団でイヤって程思い知ってんだ
てめェで船を出せ!!

と、彼の仲間入りを拒否し、錦えもんをはじめとする彼の家臣団と結託しておでんの出航を阻む。

2週間後、船の修繕が完了した白ひげ海賊団は、おでんの再来を危惧して夜逃げ出航を図ったが、おでんは既に勘付いていたのか城を抜け出して港に駆け付けており、鎖分銅を船のマストに巻き付け無理矢理ついていこうとする。さらにはそんなおでんを止めようと駆け付けたイゾウがおでんにしがみつき、そのまま両者は船をつないだ鎖に引きずられる形で海上を滑走することになる。

見かねた白ひげは船員のマルコにイゾウだけを船に引き上げさせると、もしおでんが3日間鎖を離さずにいられたなら船員として船に迎え入れるという無理難題な条件を掲示し、おでんはこれを承諾する。新世界の海の天変地異のような環境に長らく晒されたことでブクブクに水ぶくれしながらもおでんは決して鎖を離さなかった。彼の忍耐にはいつしか船員たちも感心し、マルコはじめ応援する声も徐々に増えていった(一方でイゾウは、尊敬する主君にこんな責め苦を与える白ひげに対し、涙ながらに怒りを顕にした)。

とうとう約束の3日目まであと1時間を切るまでに差し掛かったそのとき、とある島で人攫いたちに襲われる天月トキの悲鳴を聞いたおでんは、彼女を助けるために鎖を手放し島に上陸する(このとき水ぶくれでとんでもない巨体になっていたため、人攫いたちはおでんを“海坊主”と勘違いして慌てて退散した)。
人攫いたちは追っ払ったものの、おでんのほうも連日海を引き回された疲弊もあってその場で倒れ込んでしまうが、トキの介抱もあり翌日にはすっかり全快し、白ひげの条件もクリアこそ出来なかったが結果として海外に出られたとケロッとしていた。

その後、前日の人攫いたちの親玉であるタコトパス海賊団船長のカルマが襲来するも、そこへおでんを探しに来た白ひげが峰打ちでカルマを叩き伏せて登場。自分の野望を投げ出そうと見ず知らずの女を助ける男気を見直した白ひげは、おでんの事を「弟」として船に迎え入れ、おでんも又白ひげの事を「白吉っちゃん(しろきっちゃん)」と呼び慕うようになる。

また、この際助けたトキはワノ国に行くことを夢見ており(これを話したおでん、白ひげにはそれぞれイヤそうな顔をされたが)、白ひげからの許しを受けて同じく船に乗り込んだ。…さらには、おでんよりも先にネコマムシイヌアラシも白ひげの船に密航しており、おでんが船員として迎えられたことを確認して姿を現した。

こうして九里大名・光月おでんは海賊として白ひげ海賊団の船に乗り込み、仲間たちと共に大海原を冒険することになった。

初めて見る外界の島やその生態系、独特の文化はおでんの探究心を大いに刺激し、己の生きてきた世界がいかに小さかったかを改めて痛感する。それ故か、後先を考えず突出してしまうことも多々あり、ときには仲間たちに手間を焼かせてしまうこともあったが、仲間たちとの絆を着実に深めていった。

中でも、先の島で出会ったトキはワノ国の空気を持つおでんに惹かれるようになり、ついには夫婦となる。おでんの海賊団入りから2年後(28年前)、第一子である長男・光月モモの助が誕生する。
この頃にはおでんも海賊として首に懸賞金がかけられており、イゾウからも妻子の身を案じて帰国するべきと諭されていたが、まだ「答え」が出ないとして拒んでいた。

その後、船員も増え巨大化した白ひげ海賊団を分割し、それぞれに「隊長」を設ける方針が掲げられ、おでんは2番隊の隊長を半ば強制的に任されることになる。

また、「ワノ国の侍」という異色の存在は新聞でも取り上げられるようになり、それは白ひげのライバルでもあった後の“海賊王”ゴール・D・ロジャーの耳にも届いていた。

ロジャーとの出会い~ロジャー海賊団入り

第二子・日和が誕生したのと同年の26年前、とある島にて先程まで海軍と交戦…もとい一方的に叩き伏せていたロジャー海賊団のもとに、白ひげ海賊団は上陸する。

いつものように先陣をきって突出したおでんは瞬く間にロジャーの船員たちを斬り伏せてみせるが、対面したロジャーの放った“神避”は全く対処できず、弾き飛ばされてしまう。その後、ロジャー海賊団・白ひげ海賊団の戦いは三日三晩と続けられるが、4日目には何故か宴会になっており、おでんも白ひげやロジャーと膝をつき合わせて酒を仰いだ。

そんな中、ロジャーからは「歴史の本文(ポーネグリフ)」に書かれた古代文字が読めることに強い感心を寄せられる。
ロジャーが言うには、世界に散らばる4つの「ロード歴史の本文」には記録指針では到達できない“最後の島”の存在が示唆されており、その記された古代文字を読み解くことで島への行き方が明らかとなるという。その島に眠ると噂される莫大な財宝と、前人未踏の世界一周の目標を掲げるロジャーは、二人に対して「とある夢」を語る。白ひげの方は「ガキでもあるめェし」と笑い飛ばしたが、おでんはその夢に度肝を抜かれ、声を失ってしまう。

そしてロジャーは白ひげに「おでんを1年だけ貸してほしい」と土下座をして懇願。宿敵を相手に頭を下げる姿に船員たちはどよめき、白ひげは“家族”であるおでんを奪おうというロジャーの発言に怒り、島を沈めんばかりの大地震を起こした。

当のおでん本人は、突然のロジャーの提案に驚きつつも、何故光月家に伝わる一子相伝の暗号が外界に存在するのかという謎や、今日だけで2度も度肝を抜く行動を見せたロジャーへの興味も後押しし、気付けば白ひげにロジャーについていく許しを求めていた。

結局、弟の我儘を嫌そうに聞き入れた白ひげにより、光月おでんとその妻・トキ、二人の子供であるモモの助と日和はロジャー海賊団に迎え入れられた。また、例の如くイヌアラシとネコマムシは密航してロジャーの船に乗り込んでいた。一方、イゾウは白ひげの船に残り、1年後に再会することを約束した。

以降はロジャー海賊団の一員として共に“偉大なる航路”の各地を旅し、空島スカイピア魚人島リュウグウ王国などに眠る歴史の本文を解読して回った。
途中、故郷にある歴史の本文を読み解くため4年ぶりにワノ国に帰国するが、この際、トキが長年の船旅による疲弊と緊張の糸が切れたことで体調を崩してしまい、おでんは妻子や家臣を連れてワノ国に戻ろうとも考えたが、これに対してトキは夫の夢を尊重しようと「こんな事で止まるようなら離縁してもらう」とまで言っておでんに旅を続けるよう勧め、待ち構えていた錦えもんら家臣団にもおでんを行かせてほしいと懇願する。
結局おでんは、妻の言葉や自身の中にある謎の答えを追い求める意志に従い、錦えもんたちの訴える声や変貌したワノ国の姿に敢えて背を向け、妻子や同行していた家臣二人だけを船から下ろすと歴史の本文を手早く写し取り、足早に故郷を後にする。

元々ロジャーが持っていた(ビッグ・マムから奪った)石碑の写し紙、魚人島、ワノ国、そしてゾウと、4つのロード歴史の本文を読み解いたおでんは、ロジャー達と共にとうとう最後の島に辿り着く。
この島にておでんは「かつてワノ国が開国していたこと」や「空白の100年」「Dの一族」「古代兵器」といった世界の様々な謎の真実を知った。同時に、当初から噂されていた“莫大な宝”の正体はおでん含む皆が涙を流しながら大笑いするもので、ロジャーはこの島に「とんだ“笑い話”」という意味を込めて「ラフテル」と名付けた。

“世界の秘密”を知った後、ロジャーは予てよりの死の病から海賊団の解散を宣言する。この旅でようやく自身の中の答えを見出したおでんもまた、自らワノ国に帰ることを決意しており、宣言を受けた後は船の上で仲間たちと宴を楽しみながら各々の帰路についた。その際にロジャー達への礼を述べるとともに「20年後にはワノ国を開国する」と宣言した。

はじめにオーロ・ジャクソン号を下りたロジャーを見送った際には、おでんを含む船員たちは皆号泣しながら見送ったが、男の別れに涙は恥だという考えから、手記には「誰一人涙を流さず笑顔で見送った」と書き残した。

おでん不在時のワノ国の情勢

おでんが海賊として航海をしている間、ワノ国の情勢は大きく変貌していた。

かつて黒炭家を取り潰しに追いやる原因を作ったスキヤキを恨む老婆・黒炭ひぐらしは、一族の末裔であるオロチを焚き付け、将軍家乗っ取りを企てる。はじめ、「マネマネの実」の能力者であるひぐらしが、その変身能力でおでんに化けるとオロチを“おでんの弟分”と偽って将軍家に潜り込ませ、更には病床のスキヤキに成りすまし「おでんが帰国するまでの代役」として“将軍代理”に指定した。

まんまと将軍の権限を得たオロチ達であったが、オロチの報復はこれだけでは終わらなかった。実は、オロチが真に憎んでいたのは「黒炭家を取り潰しに追いやった光月家」ではなく「罪人を罰しただけでは飽き足らず、その一族諸共を蔑むワノ国そのもの」であり、彼自身もかつて、祖父の処刑後も民衆たちから執拗に追い回されては迫害を受け、家族も次々に死に追いやられ、いつ殺されるかも分からぬ恐怖に怯えた過去があった。

将軍の地位について以降はカイドウ率いる百獣海賊団と結託し、国中に武器工場を建設。国民を食うには不十分な賃金で重労働を強いると共に、自身らは工場で生産した大量の武器と、家臣たちに密に捕らえさせた国中の民たちを売りさばいて金を集め、贅の限りを尽くして生活する。

目に見えて疲弊していく国の情勢に対し、各大名家でも不満の声は上がり、当然、おでんの家臣団9人(赤鞘九人男)もこれを見過ごせずにいた。一度、僅かな兵を居城に残して花の都へ攻め入ったが、すでにこれを予見していたオロチは手薄となったおでん城に百獣海賊団を仕向け、結果、子供たちを庇ってトキが足を矢で貫かれて負傷してしまった。

ワノ国への帰国~“バカ殿”への転落

25年前、おでんはロジャー海賊団に送られて帰国する。
数年間も大名の職務を放棄していた手前、当初は家臣や民衆から不満をぶつけられるのではと身構えていたが、妻トキが日頃、民たち一人ひとりに親身に接して廻ってくれたおかげもあり、暖かく出迎えられた(錦えもんたちからはサラッと「ろくでなし」と毒づかれる一幕もあったが)。

一方で、ツギハギだらけの衣や家屋で暮らす民の姿や、国の各所に点在する黒煙を上げる工場など、異様な変貌を見せる国の情勢にも早期に気づき、城に帰ってからは将軍となったオロチの布く悪政の数々や、その裏で糸引くカイドウ一味の存在、更には、先の襲撃でトキが負傷した経緯などを伝えられ戦慄する。妻の脚にまざまざと残る傷跡を確認し激憤したおでんは、自らオロチを討たんと単身で花の都へと駆け出した。オロチを守る侍たちを瞬く間に打ち倒し、オロチの眼前まで迫ったおでんであったが、怒りを込めて振るったその太刀も「バリバリの実」の能力者であった琵琶法師・黒炭せみ丸により阻まれてしまう。

オロチに自らの国崩し計画の全貌を伝えられると共に、カイドウへの貢物である数百人の民を見せられたおでんは、今度はその場に居合わせたカイドウに刃を向けるも、人質となった民の手前、これもすぐに制されてしまう。
続けざまにオロチからは「毎日定時に一度、花の都で裸踊りをすれば、その都度人質を100人解放すること」と「自身とカイドウらは、5年後に完成する船に乗って海に出ること」を告げられ、おでんはこれを承諾(人質の解放は勿論だが、オロチが将軍になった理由が『この国を滅ぼす為』である以上、光月の名を用いて大軍を集めて国を二分した戦争に持ち込んだとしても、オロチとカイドウを倒せたは良いがワノ国は滅んでいたという結果になりかねないと懸念したと思われる。また、前述の通り、アシュラ童子一味のような「どうしようもねェクズ共」ですら見捨てられない男であったことから、オロチの話を聞いてオロチ本人でさえもおでんにとって救いたい対象に入ってしまったが故に、自分一人笑い者になればオロチを含め全員を救うことができると判断しての選択だった可能性もある)。
それから5年に渡って毎週都に一人で赴き、国民の前で裸踊りを続けては僅かな賃金を得る生活を過ごすようになる。

「数時間後──光月おでんは 将軍オロチの城の前で裸になり おどけていた──」

光月おでん




事情を知らない国民は「おでんが悪政を布くオロチを討ってくれるという期待を裏切られた」と失望し、その滑稽な姿を「バカ殿」と罵るようになるが、旧来から彼を信頼する妻子や家臣、白舞の霜月康イエ、ヤクザの大親分であるヒョウ五郎夫妻などは、変わらず彼を慕い続けた。

24年前、オロチから渡された外界の新聞でロジャーが処刑されたことを知る。おでんは、かけがえのない友の死に対する悲嘆と、彼が最期の一言で“世界をひっくり返して”みせたことへの歓喜から、笑い泣きしながら海岸を駆けずり回り、彼の人生を讃えて収まらぬ興奮を露わにした。

カイドウ一味との大激闘

20年前、オロチの約束を信じ、周囲に馬鹿にされながらも5年間ひたむきに裸踊りを続けていたおでんであったが、ある日九里を訪れたオロチの発言でそれが反故にされたことを悟るとともに、九里に新たに工場を建てることや、自身に変わらず接してくれていたヒョウ五郎たちが捕縛され、その際に彼の妻や子分16人が射殺されたことを知る。

おでんは大粒の涙を流しながら遂にカイドウを討つことを決意し、赤鞘九人男を引き連れて進軍を開始する。

One Piece ch. 969



このとき、先のおでん城襲撃に備え、康イエら白舞の侍たちがおでんの妻子護衛に協力した。

しかし、その道中である兎丼にてカイドウ百獣海賊団が待ち構えており、おでん一行は想定外の大人数をたった10人で相手することになる。カイドウは、おでんとヒョウ五郎一家が結託し自身らに反旗を翻したら「分が悪い」と考えていたらしく、そのため先手を打ってヒョウ五郎たちを捕縛したことを明かす(一方で、何故この日この時おでんたちがオロチ討伐に動いたことを悟ったかについてはトボケた態度でいなした。)。

絶望的な戦況ではあったが、それでもおでん一行は一人として物怖じせず、カイドウの部下たち1000人を相手に奮戦。

One Piece ch. 970 - Kozuki Oden



戦闘中、将軍家のお庭番衆であったしのぶもまた、光月家への恩義から自ら加勢に入る。彼女は光月家が再び将軍になることを信じオロチの下にいたが、オロチとおでんの間で約束が交わされた瞬間を目の当たりにしており、おでんに味方する道を選んでいた。一方で、福ロクジュたちはオロチに寝返ったことを伝えられるが、おでんはバカ殿を信じられなかった者を責められやしない!!と理解を示した。

仲間たちの善戦もあり、ついには“地上最強の生物”とも称されるカイドウに“おでん二刀流”“桃源十拳”で脇腹に傷を負わせる。

しかし、ひぐらしの化けたモモの助が人質に取られる姿に油断し、隙を突いたカイドウの金棒による反撃で昏睡。これに動揺した家臣団も次々に倒れていった。

敗北したおでん一行は、オロチに逆らった罪人として捕らえられ花の都へと連行され、町民の行き交う牢で晒し者にされる。(このときしのぶは敵にも素性が知られていなかったことから、おでんが機転を利かせ「戦に乗じて自身の首を狙ったくノ一」として解放された。)この5年間ですっかり評判が地に落ちたおでんたちに対して、国民はオロチへの謀反の話を聞いても「何を今更」と冷ややかな態度をとっていた。そして、おでんと家臣団は「三日後に釜茹での刑に処す」ことが宣告される。

この間、密かにおでんに会いに現れたトキに愛刀を「子供達に」と託した。死刑宣告を受けた手前でありながら、二人の様子はいつもと変わらず、最後まで共に笑みを綻ばせていた。

釜茹での刑

処刑当日、「バカ殿の最期を見てやろう」と野次馬根性で集まった大観衆が見守る中で、おでんとその家臣団の公開処刑が執り行われる。用意された大釜にはが酌まれ、一度触れれば瞬時に焼死するほどの高熱まで煮えたぎっていた。

冒頭、おでんはオロチやカイドウたちに「おれはまだ生きねばならない」と助命のチャンスを求め、カイドウも彼の提案に乗り「十人同時に釜に入り、1時間耐えたら解放してやる」と約束した。おでんはその発言を確認すると、自ら真っ先に釜の中に飛び込み、9人の家臣たちを橋板の上に載せたまま、それを一人で持ちあげた。強引な理屈で「十人同時に釜に入った」おでんたちに対し最初は不満をみせたオロチであったが、カイドウは九人もの侍たち(いずれも常人より大柄な体躯の巨漢)を支えながら高熱の油に浸かるおでんの苦悶する姿を面白がり、それを認めて続行させた。

出血しながらも熱と重みに必死に耐え続けるおでんに対しても、一瞬の最期を期待していた民衆の反応は冷たく、口々におでんを罵倒する。観衆に紛れて密かに主君の最期を見届けようとしていたしのぶはその発言に怒り、刃を抜いて民の一人に詰め寄ると共に、オロチの“復讐者”としての全貌、人質となった民のため直向きにバカ殿を演じ続けたおでんの真意など、これまで決して口外されなかった真実を語り聞かせた。この唐突すぎる話にはじめは動揺した観衆たちだったが、いつの間にか自身らを囲う百獣海賊団の軍勢や、おでんの助命を懇願する一部の民が次々に射殺される姿にこれが真実だと悟り、これまで彼を蔑んでいた声は、いつしか応援の言葉へと変わっていった。

そんな中、おでんは頭上にいる家臣たちに対し、「ワノ国を鎖国させたのは大昔の光月家であること」「その目的は“巨大な力”からワノ国を守る為だったこと」「800年の時を経て現れる“ある人物”を待っていること」など、ロジャーとの旅の中で知った“世界の真実”の一部を語る。そして、カイドウたちが自身を今日確実に殺そうとしていることを察していたおでんは、その“ある人物”が現れるであろう20年後にワノ国を開国する“夢”を家臣たちに託し、必ずこの場を生き延びるように命令する。

とうとう約束の1時間を耐えきったおでんであったが、これを快く思わぬオロチは独断で「釜茹で刑を耐え抜いたら銃殺刑にする」「おでんの家族も皆殺しにする」と新たな条件を立て、既に満身創痍のおでんや家臣たちを銃で武装した部下たちに包囲させる。民衆が抗議の声を上げる中、おでんはその一瞬の隙きを突いて、橋板を観衆の外まで投げ飛ばして家臣たちを逃がす。家臣たちも先程のおでんの託した“夢”を尊重し、脇目も振らず只管に駆け出した。

オロチ・カイドウの部下たちが直ぐ様彼らを追う中、おでんはとうとう最期の時を迎える。自ら拳銃を取ったカイドウからは、敵ながら見事な死に様をみせた賛美の言葉と、先の戦いにおいてひぐらしが卑劣な罠を仕掛けたことに対する詫びの言葉(この件でひぐらしは始末されたらしい)を伝えられた。

かくして九里大名・光月おでんは、大見得と共に辞世の句を詠みながらカイドウに介錯され、39年の生涯に幕を引いた。奇しくもその最期の顔は、盟友ロジャーのように笑みを浮かべていた。

カイドウの銃撃によって阻まれた最期の言葉は、見届けた観衆によって代弁された。

煮えてなんぼの



“一献の” “酒のお伽に なればよし”
“煮えて” “なんぼのォ〜”

“おでんに候”!!!!

死後

おでんによって逃された赤鞘九人男は、主君の妻子を救わんと一路おでん城を目指した。差し向けられたカイドウ一味の追手の妨害により仲間たちが次々に倒れるも、「誰か一人でも到達すべし」と我武者羅に走り続け、なんとかおでん城までたどり着く。既に火が放たれ、焼け落ちつつある城内にてトキたちを発見した錦えもんらは、主君を救えなかった無念とその見事な最期を伝えた。

オロチ討伐の出立前におでんから託された遺言状にて真意を伝えられていたトキは、夫の夢を未来へと繋ぐため、その能力でモモの助と家臣たちを20年後の世界へ飛ばし、日和もまた、同じくその場に到達した河松によって城から脱出させた。自らは崩落するおでん城から単騎で脱し、領民たちの前で辞世の句を詠み、その句に秘められた“希望”を暗示しながら敵兵の銃弾を受け命を落とした。

それぞれの時代を生き長らえることになった彼らの胸中にあるのは、おでんが残した一言。
“ワノ国を開国せよ”!!!

その言葉に込められた無念を晴らすため、モモたちはその存在をオロチやカイドウに悟られぬよう、身分を偽って外界へ旅立つ。紆余曲折を経て、ミンク族の故郷ゾウに赴き、彼らは兄弟分であるミンク族だけでなく、旅の最中に出会った麦わらの一味ハートの海賊団にも協力を仰ぎ、ワノ国を支配するカイドウや黒炭家に反旗を翻す。

また、20年後の現在のワノ国では、オロチを名君として崇拝し、逆におでんたち光月家を「ワノ国を開国しようとする逆賊」として蔑むプロパガンダが横行するようになるが、そんな中でもおでんの遺志を信じる若き世代も数多く現れ、モモの助たちへの助勢を自ら願い出ている。

ロジャーが死に際に放った一言のように、おでんが残した一言も世界に多大な影響を与えたのだった。

余談

おでんが所有していた「天羽々斬」は日本神話では十束剣とも呼ばれ、スサノオヤマタノオロチを倒した剣として知られる。

また「閻魔」については、ロロノア・ゾロが当初から所有している愛刀「和道一文字」を打った刀工(兼 剣豪)の霜月コウ三郎の作刀であり、彼がワノ国を違法出国する以前に寄贈されたものであるらしい。

おでん城の跡地には、おでんやその妻子、忠臣である赤鞘九人男の墓が建立されているが、20年間手入れもされずに放置されていたのか、コケだらけの荒れ果てた卒塔婆が立てられているだけの粗末なものとなっている。城に関しても、崩落しガレキの山となったそのままの形で現在まで放置されており、かつての慕われぶりとは一転し、手入れどころか誰も足を運ぶことがなかったようである。

しかし一方で、モモの助たちがタイムスリップによりこの地に現れた際には、光月家を慕う領民たちが直様その場に現れており、オロチやカイドウ一派からの警戒を避けるため敢えて荒廃させたまま放置していたのかも知れない。結果的に、光月の将軍家奪還のために動き出した錦えもんたちはこの地を協力者たちとの密会の場として利用し、ルフィやローたちとの現状報告や今後の作戦についての会議を行っていた。

日誌

青年期に花の都を出奔して以降、おでんは海外の航海者に倣って自身の身の回りの出来事を手記にまとめることを習慣にしており、これは海賊として航海を終えるまで続けられていた。この日誌の所在は現在まで不明であったが、実は彼の最期を看取ったとある人物によって回収されていたことが発覚。

その最期と日誌を通して、光月おでんという男の見事な生き様と“ある真実”を知ったこの人物もまた、おでんの遺志を継ぎ、独自の方法でワノ国を開国させることを志すようになった。生前の彼の衣装を真似し、“光月おでん”の名を自称するなど、かなりの影響を受けている模様。

モデル

モデルについてはファンの間で諸説あり、歌舞伎演目や講談などでも知られる戦国末期の盗賊・石川五右衛門や、江戸時代の水戸藩第二代藩主・徳川光圀、そして戦国時代の尾張大名・織田信長などが挙げられる。

五右衛門については、特にその派手な外見や時折見せる歌舞伎じみた口上、貧しい身分から成り上がった天下人に釜茹でにされた末路などが由来とおもわれる。一部の説話では「釜の中身は水ではなく油であった」「共に煮られた妻や子供を最期まで抱き上げていた」ともあり、全体的な人物像のベースとなったと考えられる。

光圀については、若い頃は色街を出入りしたり刀傷沙汰を起こすなど不良としての振る舞いが強かったとされる他、鎖国令が布かれた当時に外国の品々に強い感心を持ったという。また、藩主になってからは日本の正史をまとめる『大日本史』の制作に着手したり、領民や家臣に後楽うどん(ラーメン)を作って振る舞ったことがあるなど、本作のおでんに通じる部分が多い。ワノ国を放浪したのも、光圀を題材とした『水戸黄門漫遊記』が由来とも解釈できる(因みに現在にも水戸黄門がネームモデルとおもわれる、狂死郎一家の「スケさん」「カクさん」「クニさん」というヤクザが登場している)。

信長に関しては、光圀と同じような破天荒かつ外向きな性格に加えて、彼の名前自体が織田(おだ)の姓を捩ったような名称になっている(織田→おでん)。また、ポルトガル人の宣教師が連れていたアフリカ人奴隷を小姓として取り立てた逸話もあり、おでんが海外出身者であるイヌアラシやネコマムシ、河松を家臣として迎え入れたエピソードに通じる部分もある。その他、忠臣・同盟者の中に裏切り者がいたことも共通しているとも。

その他、旅先で出会った家来を連れて“鬼”を退治したエピソードは『桃太郎』、その倒した鬼の名前が“アシュラ童子”後の“酒天丸”であるのは『金太郎』、海岸で町民から虐めらていた河松たちを助けた話は『浦島太郎』…と、俗に「三大太郎」とも呼ばれる日本の代表的昔話の要素が多く見られる。

おでんの日

2020年2月22日、おでんの最期が描かれた原作972話が掲載されたジャンプが発売された。

2月22日は新潟にある「越乃おでん会」が「おでんの日」として2007年に制定した記念日である。由来はおでんを冷ますときの「ふーふーふー」。
また、翌2月23日は天皇誕生日であり、さらにこの年は天皇誕生日が日曜日だったため翌2月24日が振替休日となり、それに合わせジャンプの発売も月曜日ではなく2日前の土曜日発売であった。これらのことが偶然かはたまた作者が狙ってやったかは定かではないが、おでんの日に光月おでんが死すという読者にとって強い印象に残ることとなった。

なお、上述のプロフィール通り、SBSにておでんの誕生日が本当におでんの日に決定した。

治世者として

大名としてのおでんは、荒れ果てていた九里を復活させ豊かな地に戻したことから、なかなかの政治手腕およびカリスマ性を持っているが、いざ海に出られる機会を得るなり勝手にワノ国を抜け出したりと大名就任後も自身の興味を優先する傾向は改善されなかった。

その結果、オロチの台頭とカイドウの介入を許してしまうこととなり、さらに一度国に戻った際も国土の荒廃を目の当たりにし、なおかつ錦えもんら家臣の懇願を受けても聞き入れずまた国を離れるなど、漫画の世界の住人からも読者から見て長期的な統治者には向いていなかったのではないかとも言われている。
(ただし、これには黒炭ひぐらしという外界との謎のパイプと数々の悪魔の実の能力で光月家の地位を揺るがした戦犯の存在や、トキが夫の最後の島への冒険を後押ししたことなども要因すると考えられるため、一概に彼だけの責任とも言い切れないが。)

関連リンク

ONEPIECE ワノ国 ポーネグリフ

光月スキヤキ しのぶ 霜月康イエ 花のヒョウ五郎
 
光月トキ 光月モモの助 光月日和 

赤鞘九人男 
錦えもん カン十郎 雷ぞう 菊の丞 
アシュラ童子 河松 傳ジロー ネコマムシ イヌアラシ 

黒炭オロチ カイドウ 百獣海賊団 

ロジャー海賊団 ゴール・D・ロジャー シルバーズ・レイリー シャンクス バギー
白ひげ海賊団 エドワード・ニューゲート イゾウ

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