トム(ONEPIECE)

わんぴーすのとむ

トムとは、少年漫画『ONE PIECE』に登場する船大工である。

｢男なら～～あ ドンとやれ!!｣

｢造った船に!!! 男はドンと胸をはれ!!!!｣

概要

コンゴウフグの魚人で、かつてウォーターセブンに存在した少数精鋭の造船会社｢トムズワーカーズ｣の社長。現在は故人。

フランキーとアイスバーグの師匠にして海列車｢パッフィング・トム｣の生みの親、そしてかの"海賊王"ゴール・D・ロジャーの母船「オーロ・ジャクソン号」も建造した「伝説の船大工」。

ちなみに故郷に同じく船大工兼海の森研究者であるオオカミウオの人魚のデン(CV:島田敏)という弟がいる。

風貌はまったく似ていないが、これは魚人や人魚の遺伝特性が「親から子へ形質を受け継ぐ」のではなく、「代々の先祖が持っていた魚、および一部の海生動物の形質のどれかが発現する（要は先祖返り）」という仕組みになっているため。なので親子・兄弟・姉妹でも全然似てないのは彼らにとってごく当たり前の事らしい。

プロフィール

本名	トム
年齢	享年67歳※
身長	296cm
所属	トムズワーカーズ社長
出身地	偉大なる航路 魚人島
種族	コンゴウフグの魚人
誕生日	3月16日（トムさん＝10,6,3）
星座	うお座
血液型	F型
好物	ココロの作ったラーメン
笑い声	たっはっは※
初登場	単行本37巻 第353話『伝説の船大工』
CV	村松康雄→石川ひろあき

※新世界編から数えて10年前に極刑が執行された

※正確には「たっはっ…!!　…!!　…!!」と独特な間が入る

人物

豪快かつ懐が深い人物で、船大工が造った船については「乗ったやつが海賊旗を掲げれば海賊船、軍旗を掲げれば海軍船」として一切否定はしないが、「作った船に男はドンと胸を張れ」という信条から、生みの親がその船の存在を否定してはならないという考えを持つ。

活躍

明確な時期は不明だが、ゴール・D・ロジャー率いるロジャー海賊団に宝樹アダムを使って建造した海賊船「オーロ・ジャクソン号」を提供。ロジャーには好印象を抱いていたようで、彼に助力できたことを誇りとするようになる。

それから数年後、海賊だった親に捨てられストリートチルドレンとして生きていたフランキーと出会い、彼の境遇を笑い飛ばすとともに「行くところがないならウチに来い」と誘い、以降は弟子 兼社員として扱う。この頃には美人秘書のココロと一番弟子のアイスバーグ、角界ガエルのヨコヅナと共に、石橋の下に建てた小さな小屋にて共同生活をしていた。

24年前、上述のロジャー海賊団に船を提供したことが罪に問われ、ロジャーの処刑から間もなく裁判にかけられる（本来、船大工が海賊に船を提供しても罪には問われないが、海賊王は例外とされた）。その裁判で死罪を求刑されたトムは刑は受け入れるものの、当時退廃し滅びゆこうとしていたウォーターセブンの未来を憂い、以前より考えていた海列車の開発プランを公表。その開発プランに対する興味と、都市を復興させる真実味をみた裁判長は、開発に必要な期間としてトムが掲示した10年を執行猶予として与え、トムはその日の内に家族のもとに戻った。

以降はトムズワーカーズ総出で海列車開発に取り掛かり、無事に執行猶予期間内に海列車「パッフィング・トム」は完成。近隣の島々を結ぶ海列車はウォーターセブンに大きな収益を与え、見違えるほど発展することになる。

海列車完成から更に4年、近隣の島との線路開通に加え、世界政府の直轄地「司法の島エニエス・ロビー」への線路も完成させたトムに対して再審が行われることが決まるが、裁判の3日前、海列車開発と執行猶予の一件を知らない世界政府の諜報機関「CP5」がトムのもとを訪れ、彼が持つ古代兵器「プルトン」の設計図を渡すように詰め寄るも、トムは身に覚えがないとはぐらかした。しかし、彼が設計図を持っていると確信している主管のスパンダムは、そんな彼を陥れんと策謀を巡らせるようになる。

また、この頃トムは古代兵器の設計図をスパンダムが未だに狙っていることを危惧し、二人の弟子に設計図を託す。フランキーは目を輝かせて作ってみようと意気込んだが、アイスバーグはその恐ろしい兵器の仕組みに戦慄するとともに本当に作りかねないフランキーに呆れ果て、自らが保管すると宣言した。

ちなみに彼らが古代兵器の設計図を処分しなかったのはオハラの学者やニコ・ロビンの様な歴史の本文を解読でき、その情報から古代兵器を復活させる可能性を持った相手に対する警戒心を抱いていたため。そもそも設計図が残っていたのも、かつてこれを建造した技師たちが「万が一悪意ある者の手に渡り暴走したとき、その対抗手段として使ってほしい」という意図故である。

裁判当日、当初の約束通り海列車を開発した功績によってトムの罪は帳消しになると思われたが、スパンダムらCP5の策略によりフランキーがこれまで趣味で製造していた小型戦艦「バトルフランキー」が乗っ取られ、司法船を襲撃する事件が発生。トム・フランキー・アイスバーグの三人は必死で止めようとするも戦艦の砲撃で大傷を負い、さらには襲撃犯に仕立て上げられてその場で裁判が行われることになる（特にトムは極太の銛で深傷を負い、片目も潰れてしまった模様）。

自分の作った船がとんでもない騒ぎを起こしてしまったことを悔やむフランキーは「あんなのおれの船じゃねェ」と吐き捨てるが、これを聞いたトムは怒りを顕にし、渾身のゲンコツで殴り飛ばした（これにはアイスバーグも驚愕している）。

「造った船に!!!　男はドンと胸をはれ!!!!」

生み出された船がどんな船だろうと、その存在自体に善悪はない。どんな船を作り出すのも船大工の自由。だからこそ生みの親として、作り上げた我が子同然の船を否定することは決してあってはならないことだと薫陶を与えたのだ。

一方で大きな実害を生み、尚且つ無罪を主張する証拠もなく、何よりも襲撃の罪をなすり付けてきたのも、それを裁くのも政府である以上自分達がどんな主張をしても有罪は覆らないことを悟ったトムは、自慢の船を悪用されたフランキーの悲しみ・苦しみ・怒りを汲み取り、一矢報いるべくスパンダムに「お前にアイツの痛みが分かるか！？」と言い放ちながら怒りの一撃を叩き込むが、直後に麻酔弾を撃ち込まれる。

意識が朦朧となりつつも裁判長に交渉して海列車を造った功績で司法船襲撃の罪を帳消しにしてもらいたいと懇願する。裁判長からは「それでは以前の判決と同じになる」と諭されるが、トムは「そのほうがいい」「ワシはロジャーという男に力を貸したことをドンと誇りを持っている」と高らかに宣言。

この言葉を聞いた傍聴人たちはトムに向けて非難の声を浴びせるが、トムはその光景から当初の目的だったウォーターセブンの復興が為されたことを確信し、安堵の言葉を漏らす。裁判長もトムの意志を踏まえて、改めてトムに「オーロ・ジャクソン号製造の罪による死刑」を言い渡し、アイスバーグとフランキーを罪に問わなかった(スパンダムに対する態度を鑑みれば、薄々トムの冤罪に気づいていたと思われる)。

判決を受けたトムは、裁判長に感謝の言葉を述べると、先程の麻酔弾と事件で受けた砲撃による傷もありそのまま意識を失って倒れ込んだ。

その後は意識を取り戻すことなく、奇しくも自身が設計製造した海列車に運ばれてエニエス・ロビーへと連行された。

以降の些細は不明だが、エニエス・ロビーにて裁判にかけられたのち処刑された事がフランキー達の言葉から示唆されている。

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