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「………沈むまで乗りゃあ満足か…」

「呆れたもんだ… てめェそれでも一船の船長か」


「おれは今…奇跡を見てる …もう限界なんかとうに越えてる船の奇跡を… 長年船大工をやってるが…おれはこんなにすごい海賊船を見た事がない 見事な生き様だった」


「過酷なる“千の海”を“太陽”の様に陽気に越えていく船…あいつらにぴったりだ」

「こういう船の名はどうだ? フランキー…海賊船…「サウザンドサニー号」!!!」


概要編集

偉大なる航路”にある水の都「ウォーターセブン」の市長 兼 造船会社「ガレーラカンパニー」の社長。都市の生活の要となっている海列車「パッフィング・トム」を開発した「トムズワーカーズ」の元社員で、現在の管理者でもある。

シフト駅で駅長を務めるココロや、海列車を止めようとしていた角界ガエルのヨコヅナ、そして解体屋「フランキー一家」の棟梁(現麦わらの一味船大工)フランキーとは寝食を共にした仲で、特にフランキーとの縁は深い。

トムズワーカーズ時代には「伝説の船大工」トムの下で弟子として修行し、カティ・フラムという本名に代わって「フランキー」という愛称をつけ、海列車に挑んだフランキーが消息を絶った後も密かに案じ続け、無事だった事を知ると心から安堵して涙を流したほど。


都市におけるあらゆる分野に精通した敏腕市長ではあるのだが、職人気質で常々ぶっきらぼうな砕けた言動を用いる他、ときには子供のような気まぐれで行動することも。

とある事情により世界政府の役人たちに周囲を嗅ぎ回られているが、こうした掴みどころのない言動でのらりくらりといなしていた。


プロフィール編集

本名アイスバーグ
年齢38歳→40歳
身長199cm
肩書きウォーターセブン市長
所属トムズワーカーズ社員→ガレーラカンパニー社長
出身地偉大なる航路 ウォーターセブン
誕生日1月3日 (1←I←アイ、3←ス)
星座やぎ座
血液型X型
好物ココロの作ったカレー
口癖ンマー
初登場単行本34巻 第326話『アイスバーグさん』
CV及川いぞう岸尾だいすけ(少年期)

人物編集

肩書き・性格編集

ウォーターセブン市長にして造船会社「ガレーラカンパニー」社長。元トムズワーカーズ社員。海列車の管理者。

ルフィ達に会う少し前に拾ったハツカネズミのティラノサウルスをペットとしている。

ンマー

唇の色と青髭が濃い。口癖が「ンマー」なので一見そっち方面の人に見えるが、全くその気はなく、男らしい好人物。むしろ扉絵での新秘書を決める面接において、肌の大部分を露出させた網タイツのお姉さんの積極的なハニートラップに頬を染めている描写がある。まあそもそも前秘書があんなだったが…。


ガレーラカンパニー社長編集

職務としての予定を気分で突然キャンセルする(この時カリファは一切動揺することなく即座に行動しており、常習的なことがうかがえる。)など、一流企業のトップらしからぬ無節操な振る舞いが垣間見られる上、言葉遣いもさほど丁寧ではない。しかし経営能力自体は非常に優秀であり、頭脳明晰かつ理性的で造船技術も一流である。

また、その社長という地位をとても強かに利用している。

  • ウォーターセブンの造船所をまとめ上げ、大会社(ガレーラカンパニー)を組織。そしてトムの件で恨みがあるはずの世界政府にあえて近づき、“世界政府御用達”としての地位を確立する。
  • 造船会社ガレーラカンパニー社長とウォーターセブンの市長を兼任することで、誰もが支持し政府にとっても不可欠な存在となり、サイファーポールが自分に下手に手出しできない状況を生み出す。
  • 世界政府がCP9をスパイとしてウォーターセブンに潜り込ませた後も、政府が求める古代兵器プルトンの設計図に関する情報はほとんど明かさないどころか、一度は超一流のスパイであるCP9に偽物をつかませた。

船大工編集

船大工としての信念は当然に持っており、ルフィがボロボロのメリー号で航海を続けると主張したときは叱責する一方、メリー号に自身を求められたことで最低限航行可能なまでに応急処置を施した末に最終的なそのメリー号の雄姿には感動する姿を見せた。(上記セリフ参照)

ルフィウソップにも会って間もなく、話の判る男として認められ「アイスのおっさん」と呼ばれる。

フランキーが去った後も海列車2号機「パッフィング・アイス」を完成させるなど精力的に活動を続けている模様。また地盤沈下と高潮に悩むウォーターセブンを滅亡から救うための「ある秘策」に水面下で取り組んでいる。


能力編集

戦闘能力があるかは不明。

トムズワーカーズ社員時代から、トムにも将来を有望視された天才的な腕前と設計センスを持つ優秀な船大工であり、ウォーターセブンの市民や船大工らの信頼と敬意を一身に集める。

かつて七つの造船会社が業績を競い合う群雄割拠の世界だったウォーターセブンの造船業界を纏め上げ、ガレーラカンパニーを創設、街の市長としても市民の信任を得ているなど彼の指導者・経営者としての手腕は非常に優れており、敵であるスパンダムロブ・ルッチ「お前の兄弟子アイスバーグは厄介だった」「あなたの思慮深さには呆れて物も言えない…!!!」と彼の能力を高く評価している。

そして麦わらの一味二代目海賊船サウザンドサニー号の造船後、不可能だったはずの海列車2号船「パッフィング・アイス」を作り出す事を成し遂げている事からも、自分やトムやフランキーに匹敵するかそれ以上の天才的な腕前を持つ船大工を多く集め、育てられる事がうかがえる。

来歴編集

過去編集

少年時代は造船会社「トムズワーカーズ」の社長であるコンゴウフグの魚人、トムの下で弟子として過ごしていた。

フランキーは同じくトムに師事した弟弟子であったが、トムの下で忠実に船大工としてのキャリアを積み上げていったアイスバーグに対し、自分なりのやり方で「俺流」を追い求めたフランキーとは信念の違いから反りが合わず、フランキーが仕事をそっちのけで自作の戦艦シリーズ作りに没頭していたことへの不満から彼を度々批判し、フランキーもトムが好きにさせてくれているにもかかわらず口うるさいアイスバーグに反発し、互いに反目し合っていた。


ある日、世界政府から派遣された司法船にて、トムが「“海賊王”ゴールド・ロジャーの船を造った」という罪で死刑が求刑されてしまうが、トムはその刑を受け入れつつも「死ぬ前に、沈みゆくウォーターセブンを救うために“海列車”を製造したい」という考えを明かし、10年間の執行猶予が与えられる。


その日からトムズワーカーズは執行猶予期間の全てを会社総出で海列車作りにあてがい、10年もの期間を費やして海列車を完成させ、堕落した都市情勢を大きく立て直す功績を残した。

しかし、トムの持つ古代兵器の設計図を求める「サイファーポール」はこれを快く思わず、トムの再審の日、密かにフランキーの戦艦シリーズを盗み出し、司法船を攻撃。

濡れ衣を着せられたトムズワーカーズはその場で裁判にかけられるも、トムは今回の騒動を「海列車を造った」功績で帳消しにするように交渉し、結果、トムは改めて「ロジャーの協力者」として死罪を言い渡され、司法の島「エニエス・ロビー」に連行されてしまう。

これを止めようとしたフランキーもまた、全速前進する海列車にはねられ、消息を絶った。


遺されたアイスバーグは、生前のトムから受け取ったウォーターセブン改革の意思古代兵器プルトンの設計図を胸に我武者羅に仕事に打ち込み、ついには世界一の造船会社「ガレーラカンパニー」を組織。さらにはウォーターセブンの市長にまで昇り詰める。


かの事件から数年経ったある日、秘書のカリファを介して「カティ・フラム」と名乗る人物からの面会の申し出を受ける。その名前の意味を知るアイスバーグは驚愕し、敢えてその場では追い返してその晩にかつてのトムズワーカーズの本社跡に密かに足を運び、死んだと思われたかつての弟弟子と再会する。

かつての事件のそもそもの原因である戦艦を造っていた行為を理由にフランキーと杯を分かち、トムから継承された古代兵器の設計図を押し付けて街を離れるように言いつける。しかし内心ではフランキーの生存を誰よりも喜んでおり、去り際には彼に背を向けながら号泣していた。


てめェ…本当に……!!生きててよかったなぁ…………!!!


しかし、フランキーもまたトムを死なせた自責の念と、彼の遺志でもあるウォーターセブン(ひいてはアイスバーグ)を守るため、街を離れないことを宣言。

「ウォーターセブンの裏の顔」として君臨したフランキーは世間に弾かれたゴロツキたちをまとめ上げ、賞金稼ぎの名目で悪党を街から締め出し、陰ながら兄弟子に火の粉がかからぬよう尽力していたのだ。


アイスバーグもこうした弟弟子の内情を理解しており、表向きは互いに対立関係を演じつつも、内心では未だ自戒に徹する彼の行為に心を痛めていた……。


第1部『サバイバルの海・超新星編』編集

ココロの紹介でゴーイングメリー号の修理を依頼しに現れた海賊麦わらの一味」を快く受け入れ、職長のカクを介して船の査定を行う。

結果として「竜骨を損傷していてもはや修理不能」「どちらにしてもメリー号ではこの先の海を越えられない」という旨を告げるも、事実を受け入れられず食い下がる船長のルフィの姿に呆れ、厳しい言葉を投げかける。


その日の晩、アイスバーグは何者かの襲撃を受け瀕死の重傷を負わされてしまう。

辛うじて意識を取り戻した後、翌日その襲撃犯の中に麦わら一味の船員ニコ・ロビンがいたことを明かす。これを聞いたガレーラの職人たちは麦わらの一味を追走、アイスバーグも職長たちによる厳戒態勢で保護されることになる。


しかし、その日の晩も再び襲撃犯が現れ、命を狙われる。

瀬戸際にマスクを外し明かされた正体は、なんと自身が信頼を置いていた職長のカクやロブ・ルッチ、秘書のカリファ、さらには街の酒場の店主ブルーノであった。

彼らはかつてトムの設計図を付け狙っていたサイファーポールの暗躍諜報機関「CP9」の特殊工作員。ロビンはこの前々日に彼らに捕らえられ、ルフィたち一味の仲間を守るためにアイスバーグ暗殺に協力していたのである。


長年の信頼を裏切られたショックに苛まれる間もなく暗殺されそうになるが、その間際に割って入ったルフィたちに救い出され事なきを得る。

彼らへの誤解を解いたアイスバーグは、彼らが海列車を追走することを予見し「パッフィング・トム」の先代に当たる失敗作の海列車「ロケットマン」を重傷の身体を押して自ら修理。ロビンやフランキーが連行される列車を追う手助けをした。


大津波「アクア・ラグナ」が過ぎ去ってからは街の様子を見て回っていたが、偶然にも先の大津波で廃船島に打ち上げられたメリー号を発見する。船に宿る精霊クラバウターマンの「もう一度だけ動きたい」という懇願を聞いたアイスバーグは、再び工具を手に出来る限りの船の修繕作業に没頭する。


あらかたの修理を終えて我に返ったアイスバーグはそのまま立ち去ろうとするが、「ありがとう」という言葉と共に波に攫われていったメリー号を目の当たりにし、自身を探しに現れた部下たちを引き連れて、共にメリー号を追うために船を出させた。


エニエス・ロビーからメリー号に乗って脱出したルフィたちと再会したアイスバーグは、これまでに起きたメリー号の奇跡を語り聞かせ…

「おれはこんなにすごい海賊船を見た事がない…見事な生き様だった」

…と、船職人として最大限の賛美を送ると共に、改めて一味にメリー号との離別を促した。


その後は麦わら一味、フランキー一家共々自身の船で保護し、共にウォーターセブンに帰還。

フランキーが麦わら一味のために新たな海賊船を製造する場に立ち会い、職長たちと共に力を貸した。船首となるライオンのオブジェを「見事な太陽だ」と勘違いし、「サウザンドサニー号」という名前を考案。後に出港した一味はこの名前を気に入り、そのまま採用されることになる。


二人にとって一種の呪いでもあった古代兵器の設計図が焼却されたことでフランキーとの亀裂も払拭され、彼の抱く「自身の造った船が海の果てまで行き着くことを見届ける」という本来の夢を尊重したかったアイスバーグは、ルフィに彼を強引にでも連れ出すように交渉する。

 

そしてルフィによって誘き出されたフランキーに対し「もう自分を許してやれよ」と言葉を投げかけ、彼の抱え続けた自責の念を解いた。


その後…編集

一味が去ってからは傷も無事に回復し、再び市長・船職人として邁進の日々を送っている。

フランキーの子分であったフランキー一家も、ガレーラの社員として迎え入れ、彼らからは「ニューアニキ」という変なあだ名で呼ばれている。

新たに秘書を雇おうとしたが、希望者が殺到している模様。扉絵の一コマでは、面接会場にてカリファ以上に積極的すぎる候補者に赤面してたじろぐ姿を見せていた(結果、採用したのはエントリーNo.153の当時8歳の少女だった)。


二年後も変わらず健在であるようで、ガレーラの職長たちと共に新聞を囲んで読み耽る姿が描かれた。更新されたフランキーの手配書に写る“フランキー将軍(合体ロボ)”の姿を社員たち共々本人と勘違いし「お前とうとう…」とつぶやきながら愕然とした表情を浮かべていた。


エッグヘッド編では世界全土を襲った巨大地震の際のダイジェストシーンにて彼の姿が登場しており、その後ベガパンクが全世界に緊急の配信を行うと、その時のウォーターセブンは真夜中で自身も就寝中だったが、ただならぬ雰囲気を察したアイスバーグは、アリーチェに映像電伝虫の準備をしろと指示する。


余談編集

「いやだ!!!」編集

アイスバーグがルフィ、ナミ、ウソップの3人と初めて出会った際、彼はカリファから伝えられた今日一日の予定を「いやだ!!!」という一言でいきなり全キャンセルし、挙句の果てには鼻をほじりながら「どうせ今日は退屈な日だ」などと言いながら一般人は立ち入り禁止にされている造船所を自ら案内し始めるという市長としても社長としてもそれはどうなの?とツッコミたくなるような言動を見せている。事実、ウソップは心底呆れたような態度を見せており、「市長失格じゃねェか完全に」と本人を目の前にしてツッコんでいる。


しかし、この『ONE PIECE』らしいアホなやり取りだが、アイスバーグの視点から見てみると、世界政府が若くして1億もの懸賞金を掛ける海賊が、自分の師匠が危険因子として警戒していた要注意人物を引き連れて上陸して来ており、しかも当人が現時点で既に島の中心部にして自分の自宅兼職場である造船所にまで海賊団の仲間数名と共に入り込んで来ているという状況を知った直後である。これを非常事態と呼ばずして何と呼ぶか。

この一瞬で自分の今後の予定を全て切り捨て、ルフィと共に行動する≒ルフィの傍でルフィ自身を監視しつつ隙あらば要警戒対象のニコ・ロビンの情報を得ようとする行動に出た、という点は特筆すべき有能ぶりである。


しかし、仕事の全キャンセルを宣言した瞬間、カリファが一切狼狽えず言われた通りに今後の仕事のキャンセルを進めており、このようなやり取りが今回が初とは思えない描写もある。どこからどこまで、どの程度本気だったのかは彼のみぞ知るところである。


後、ウォーターセブンは『海賊もお客様』な業態(勿論マナーの悪い海賊は船大工たちに袋叩きにされるが)の為、海賊が造船所にあること自体はよくあることでもある。


関連イラスト編集

Iceburg啾

関連タグ編集

ONEPIECE

ウォーターセブン 市長 社長 大工 海列車 理想の上司 苦労人


トムズワーカーズ

トム フランキー ヨコヅナ ココロ


ガレーラカンパニー

カリファ パウリー ロブ・ルッチ カク タイルストン ピープリー・ルル ティラノサウルス

アリーチェ


サウザンドサニー号…製造を職長たちと共に貢献し、名付け親になった。


中の人繋がり

居眠り狂死郎…少年期のアイスバーグと中の人が同じ。また髪色が青系統、黒ずんだ唇などの共通点もある。

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