エニエス・ロビー
えにえすろびー
ウォーターセブンの海列車にて政府関係者(海兵含む)専用の路線が敷かれており、民間人は基本立ち入れないが、その海列車を設置したガレーラカンパニー(設置した当時は前身のトムズワーカーズ)の職人たちは補修の際に立ち入りが許される模様。
世界政府が直轄する裁判所が設置されていることから"司法の島"、そして世界政府中枢にも繋がる玄関口として「政府の玄関」とも呼ばれる。
政府創設以来800年間一度も侵入者も脱走者もいなかった鉄壁の施設で、ここに連行された者は名ばかりの裁判を経て海底監獄インペルダウンか海軍本部へ連行される。つまり、ここに連れて来られた時点で犯罪者の烙印を押されてしまうのである。
しかし政府の直轄地であるため、ここに攻め入ることは政府に宣戦布告するのと同義。なのでどんな無法者でもエニエス・ロビーに連行された仲間を奪還しようとは考えないらしい(ロジャーとか白ひげ、シャンクス辺りはやりそうだが、彼らの場合強すぎるので下手に手出ししたらこっちがヤバいと半ば捨て置かれている状態であり、キッド海賊団等もまだ登場してなかったので、言葉のあやとも言える)。
主な兵力
- CP9(サイファーポール・ナイン)
「六式」と呼ばれる特殊な体技をマスターした"超人"達で構成されたアサシン集団。
エージェントとして諜報活動にあたるのは勿論、「政府に非協力的な市民は抹殺してもよい」という特権を持っているため、その存在は公にされていない。
ちなみにエニエス・ロビーのヒエラルキーは、CP9の司令官をトップに、そのメンバー達→同裁判所の裁判長→下級役人となる。
- 役人・海兵の皆様
総勢1万人も常駐で警備しており、主な装備は役人がライフル銃、海兵は他にサーベルやバズーカ砲等。海兵は中佐までは確認されているが、大佐以上が常駐しているのかは不明(シュウやシャリングル等の大佐クラスはバスターコールで派遣された面々)。
ちなみにCP9が「強さの指標」として用いていた単位「道力(ドウリキ)」はライフル銃で武装した衛兵一人分の戦闘力を"10"に換算して数えるので、これを彼ら自身に当てはめると精々10~20道力程度と思われる。
エニエス・ロビー前門を警護するエルバフ出身の二人の巨人。もとはドリーとブロギーの率いる巨兵海賊団の海賊だったが、些細なことで両首領が決闘を始めてしまい、50年経っても一向にどちらも戻って来ないことに疑問を感じ、様子を見に行く道中で世界政府に捕らえられ、「すでに拘束しているドリーとブロギーを助けたくば100年間エニエス・ロビーの前門を守れ」と虚偽の命令を下され、働かされていた。しかしウソップがドリーとブロギーは捕まっておらず、今もリトルガーデンで決闘を続けていることを告げたことにより世界政府に反旗を翻し、麦わらの一味に手を貸した。
エニエス・ロビー崩壊後はウォーターセブンでしばらく働いた後に船を作ってもらい、エルバフに旅立った。
- 法番隊(法の番犬部隊)
大型の犬に跨ったインド風の衣装を身にまとった役人。構成人数は100人。
両手に手甲剣を着用しており、素早い動きで敵を翻弄する。
政府の役人故か、上腕に政府のマークがタトゥーとして刻まれている。
- 公正なる11人の陪審員
陪審員の名は付けど全員が海賊の死刑囚であり、罪人の道連れを望んでいる。そのため基本的に「有罪」を口癖とし、上腕に「有罪」と刻印されている。
全員が覆面を付けた巨漢で、巨大な鎖付鉄球を軽々と振り回すほどの怪力で侵入者と戦う。
立地
前後に分かれた2つの小島からなり、手前側には正門→市街地(役人・海兵達の居住区)→裁判所、後ろの小島には「司法の塔」と「ためらいの橋」、及び護送船の停泊する船着き場がある。あと周囲は鉄柵が張り巡らされている。
しかしこの島を挟んだ中央部には底も見えない程の大穴()が空いており、島はその穴の両端からせり出すように位置している。その為、飛行能力でもない限り行き来することは不可能だが、裁判所の後ろには跳ね橋が、それを下ろすためのレバーは裁判所の両脇にある。
そしてためらいの橋の向こうには「正義の門」と呼ばれる天を衝く程巨大な鋼鉄の門が設置されており、開閉レバーはためらいの橋の支柱にある。正義の門を通ると"海底監獄"インペルダウン、及びマリンフォード島(2年前までは海軍本部、現在はG-1支部)へ行ける。
1年中夜にならない「不夜島(別名昼島)」とも呼ばれている。そのため真夜中であろうとエニエス・ロビーとその周囲だけは陽光が差す(雨天や曇天になるのかは不明)。
主人公モンキー・D・ルフィ率いる麦わらの一味はCP9に連れ去られた一味の考古学者ニコ・ロビンとフランキー一家の棟梁フランキーを救出すべく、ウォーターセブンから引き連れてきた協力者達(ガレーラカンパニーやフランキー一家)と共にエニエス・ロビーに乗り込む。ロビンは自身が過去に体験した海軍本部中将5名と10隻もの軍艦による集中砲撃「バスターコール」が麦わらの一味に向けられることを恐れ、ルフィを追い返そうとするも一味は拒否し、司法の塔の頂上にあった世界政府の象徴の旗を狙撃し宣戦布告を行う。ロビンから生きたい意志を聞いた一味は解放されたフランキーと共に司法の塔に集結したCP9との全面戦争に挑む。
ウォーターセブン編から続くCP9との戦いを描いたストーリーであり、ロビンの壮絶な過去が明かされる。戦闘ではルフィのギア2を始め、各メンバーが新しい戦闘方法または武器を披露している。
終盤にはCP9の司令長官スパンダムのミスによってバスターコールが発動されてしまい、エニエス・ロビーが砲火に包まれるなか、死闘の末ルフィはCP9最強のロブ・ルッチを撃破しロビンを奪還。
しかし周囲は軍艦の船団であり、進退窮まる状態になってしまうも、なんと既に廃船と化していたはずのゴーイングメリー号が駆けつけて脱出。
近海から一部始終を見届けていた海軍大将青雉は「政府の完全敗北」を認めた。
そしてウォーターセブンへ帰還する途中、アイスバーグ率いる迎えの船と合流した所でついに力尽きたメリー号は前後に折れてしまう。メリーを救ってくれと懇願するルフィ(元々アイスバーグから「損傷が酷く修理は不可能」と聞いている)だが、アイスバーグは「既にやれるだけの手は尽くした。もう眠らせてやれ」と提案。改めて決別の覚悟を決めた一味はメリー号を"火葬"した。
なお政府の情報操作で「麦わらの一味がエニエス・ロビーにカチコミを掛け壊滅させた」凶悪事件(実際政府に対する重大なテロ行為ではある)として報じられたため、フランキー以外の協力者達(フランキーの子分&パウリー達ガレーラ職長組)は手配を免れたが、一味はルフィが1億→3億、ゾロが6000万→1億2000万と大幅に増額され、ロビンも8000万に微増。またそれまでノーマークだったサンジ達にも一律賞金が懸かった。
※サンジ7700万、ナミ1600万、ウソップが「そげキング」として3000万、フランキー4400万、チョッパー50(ただのペットと誤認された為、現在に至るまでやたらと低い)
町に戻った後は恒例の大宴会、フランキー&職長達によって建造された新たな船「サウザンドサニー号」を進呈され、(引き入れた方法こそアレだが)フランキーが船大工として加入・ウソップとの和解→再加入・コビー&ヘルメッポとの再開・ルフィの祖父にして「伝説の海兵」ガープ中将の本編初登場、および革命家ドラゴンがその息子(ルフィの父親)というそういう要素の判明、偉大なる航路後半の海域が「新世界」と呼ばれている事など重要なイベント・布石が多々。
ちなみにサニー号の名前はウォーターセブン出港(というかガープがぶん投げる砲弾の嵐から全力で逃げる)道中で命名され、進呈された当初は名無しだった。フランキーは「ニューバトルフランキー ライオンギャングチャンピオン号」を考えていたようだが、前フリでアイスバーグとのやり取りを語ったのが(フランキー的には)災いし、ルフィ達の満場一致で「サウザンドサニー」が採用されたのだった。
こうして気分も新たに海を行く麦わらの一味だったが、この一件でいよいよ看過できなくなった政府は本気で一味に警戒の目を向けるようになり、各地の大物海賊たちも一目を置き始めるのであった。
その他政府職員
- バスカビル(裁判長)
- 公式ギャグマンガ『ワンピースパーティー』によれば、バスターコールの後もう一度建て直したようで、新たに建立された司法の塔でバルトクラブの麦わら狂信者の皆さんが撮影会を開いた。
- 「エニエス・ロビー」に関してはまだストーリー上では未使用のままとなる部分が存在し、1年中夜にならない理由やエニエス・ロビーに巨大な穴がある理由も原因不明となっている。
- これまでゴールデンタイムで放送されていたアニメ版はルフィが世界政府に宣戦布告するシーン辺りで現在の日曜9時半に移行している。
- ロケットマン乗車中辺りでチョッパー役の大谷育江、エニエス・ロビー編の終盤でロビン役の山口由里子がそれぞれ休養していたため伊倉一恵と小林優子が一時的に2人の代役を務めていた。