黒炭ひぐらし
くろずみひぐらし
オロチに負けず劣らず卑劣な人物であり、弱肉強食を当然の在り方と考え、黒炭家がワノ国の将軍の座に着くことに執着する野心的な性格。
黒炭家が他の大名達に行った過去の暗殺劇の数々を正当な行為だったかのように全肯定し、切腹させられたオロチの祖父（当時の黒炭家の当主）の最後を「光月家に殺された」と称して全力で被害者面する利己的な面を持つ。
自分達を失墜させた光月家とその跡継ぎの光月スキヤキを逆恨みするのみならず、病で弱ったスキヤキに擬態して他人を欺く芝居を演じた後、オロチと共にさも楽しそうにゲラゲラ笑うなど、性根は極めて悪辣。
当時黒炭家と並んでいた大名達のことは「こざかしき大名共」と吐き捨ててこき下ろしている。
ちなみに肩書は「ババア」と役職の無い非常にシンプルなもの。
潜入工作や裏工作を専門とする関係上、下手に身分を持っていたり高い地位にいるよりはどこの馬の骨とも分からない謎の婆さんのままの方が都合がよかったのだろう。
超人系マネマネの実の能力者。すなわち、Mr.2ボン・クレー（ベンサム）より前の能力者。
劇中では、オロチの顔をはじめ、おでん・スキヤキ父子、更には若き日の金獅子と思われるような顔までメモリーしていた。
年の功故かベンサムより能力を使いこなしており、自身の顔を触れずとも変身したり、服装すらも変える芸当が可能（恐らく覚醒している可能性も）。
国家転覆に能力を利用している点では、アラバスタでのベンサムと酷似している。
詳細は不明だが、今まで国外にいた模様。
突如、同じ一族(オロチや黒炭家との関係は不明。順当に正体を推察するなら、若い頃はオロチの祖父に仕える黒炭家の一門衆だった可能性が高い)の琵琶法師・黒炭せみ丸と共に貧乏暮らしのオロチの前に現れ、「光月家に仕えていたオロチの祖父は、他の4人の大名家の次期将軍候補を毒殺し、自らが次期将軍の座に就こうとしたが、光月家にスキヤキが生まれた事で計画が仇となった上、悪事が公となり切腹、黒炭家は財産と領土を没収され取り潰しとなった」と吹き込み光月家への恨みを植え付けた。更に「巨大な後ろ盾」を手に入れる為に武器の製造を進めつつ、"将軍になるための力"としてヘビヘビの実（それも「幻獣種」八岐大蛇）を与えて復讐に加担。
その後は不在中のおでんに化けて「オロチは自分の弟分」と民衆に公言する、危篤状態のスキヤキに化けて「オロチに将軍の後任を任せる」と重臣の前で発表する等、オロチが将軍の座に就く為に裏で暗躍していた。
反乱を起こしたおでんがカイドウと対峙した際は、モモの助に化けておでんを欺き、反撃の隙を与える等カイドウを手助けした。
しかし、その卑怯なやり口で決闘を妨害されたのを良しと思わなかったカイドウによって後に殺害された模様。この事は釜茹で（煮えた油に入れられているので実質"釜揚げ"）を執行中のおでんに明かしているが、「真面目だな…せいぜい強くなれ」と返されている。
なおアラバスタ編でルフィと対峙したクロコダイルが語ったように「海賊の"決闘"は生き残りをかけた戦いであり、「卑怯」なんて言葉は存在しない（つまり手段がどうあれ勝って生き残れば正義）」とされる。それでもカイドウのプライドは許さなかった。
金獅子やある組織で製造されたクローンでもあるオリジナルの若い頃らしき謎の美女の顔がメモリーされていた事や、時期的にも記事冒頭の台詞からも、例の海賊団の船員であった可能性が高い。もしかすれば元々はワノ国の住民ですらなかったのかもしれない。
死亡した直接な描写はなかったものの、前述の通りカイドウの手によって殺害された事が明らかになった。もし例の海賊団の船員であった場合、仲間殺しが日常茶飯事だった程、メンバーの仲が悪すぎた海賊団の船員と見習いの関係上、カイドウに殺されたのはある意味皮肉と言える。
上記の経緯から、本編には決して出ない為に見落とされているが、実質的にワノ国における全ての悪行に関わる、諸悪の権化の1人である（もう1人は黒炭せみ丸）。
担当声優である江森浩子はドレスローザ編にてジョーラ役を務めた。
