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黒炭オロチ

くろずみおろち

黒炭オロチ(KUROZUMI OROCHI)とは少年漫画『ONE PIECE』に登場するワノ国の将軍である。
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概要

ワノ国の「将軍」で、ヘビヘビの実 モデル“八岐大蛇”の能力者。
四皇の一角である百獣のカイドウと手を組んでワノ国を支配している。
カイドウもオロチを過小評価はしておらず、互いに協力関係を25年以上にも渡って継続してきた。
将軍直属部隊と百獣海賊団の指揮系統は基本的に分かれているが、オロチは百獣海賊団に一定の指揮権を持ち併せており、作者も百獣海賊団ギフターズを「オロチとカイドウの手下」と表現している。

政権を掌握した後はプロパガンダによって「開国しようとした悪人の光月おでんと、その部下赤鞘九人男を討ち取った英雄」と知らしめ、都に住む子供達からも「オロチ二刀流」と剣術を真似される程かなり人気がある一方で、おでんの妻である光月トキが遺した辞世の句

月は夜明けを知らぬ君 叶わばその一念は 二十年(はたとせ)を編む月夜に九つの影を落とし まばゆき夜明けを知る君となる

を「20年後の月夜にこの恨み晴らすべく 九人の侍達が化けて出て貴様を殺し…!!ワノ国を開国する」と解釈し、警戒を強めている。
しかし、これはただ報復を恐れている訳ではなく、様々な状況を踏まえて冷静に判断しているからこそであり、実際のところ彼の本質は単なる臆病者と言うよりもむしろ、勘が鋭く油断ならない曲者としての側面が強い。詳しくは後述を参照。

プロフィール

本名黒炭オロチ
年齢54歳
身長350cm
肩書き黒炭家、ワノ国将軍
悪魔の実ヘビヘビの実 モデル“八岐大蛇”(動物系幻獣種
出身地偉大なる航路 新世界 ワノ国
誕生日9月23日
星座おとめ座
血液型XF型
好物ヤシオリのサンマ
笑い方ぐふふふふ、ムハハハハハ
CV岩崎ひろし


人物

容貌

顔が非常に大きく等身が低めで割とずんぐりした体格の巨漢。
丁髷頭に王冠を被り、どことなく獅子舞を彷彿とさせる顔立ち(獣型ではより顕著)と、上の犬歯(と思われる歯)が出っ歯のようになっているのが特徴。
 

好色・好物

多くの国民と同様にワノ国一番の花魁とされる小紫に惚れ込んでおり、自分のものにしようと狙っている。一週間後に行われる「火祭りの夜」の前哨戦として宴を開き、そこで小紫を侍らせたりもしている。
また派手好きで食べ物の好みにうるさく、刺身はマグロを特に好んでいる様だ(単行本92巻第929話の「マグロに限る!!」という台詞は、落語の「目黒のさんま」へのオマージュである)。

性格

傲慢・臆病な小物?

性格は横暴、傲慢、それでいて小心と小物の部分が目立つ(なので家臣達も内心オロチを見下している)。過去にはオロチが低い身分であった事を憐れんで、小間使いに取り立てた元主君の霜月康イエを落ちぶれさせ、処刑の際には晒し者として処刑シーンをワノ国全土に中継してSMILEの副作用により、康イエの死を悲しめずに笑ってしまう人々を見て高笑い。
恩知らずも甚だしい所業を見せる程に、嫉妬深く残忍。
更に自尊心の強さに加えて、自身が光月家を恐れている事そのものには引け目を感じているのか、それを指摘される事を激しく嫌う。機嫌が悪いと女子供でも容赦せず、家臣たちは笑ったら殺されると恐れている。
遂には、子供1人を殺す為だけに、刺客を差し向ける程に執念深い。

自分への反抗の意志は決して許さず、二度と刃向かえぬよう圧倒的な力で敵を潰さなければならないと考えている他、剣道空手柔道と言った武道を禁じ、徹底した兵農分離政策を敷くことで、反乱の芽を尽く摘み取る辺りに狡猾さがうかがえる。
その行動は正に悪逆非道と称すべきもので、康イエから「姑息な計略」と比喩され、錦えもんから彼の汚さを聞いたルフィは激怒し、光月日和は「──これが将軍オロチの最大の罪…」と語り、カイドウも趣味が悪ィなと(笑いながら)評されている。

慎重深く・油断のならない大物?

悪辣で小心な暴君(独裁者)と美点を見つける方が難しいような男ではあるが、光月家への警戒心を抱きつつもそれに駆られて軽挙妄動に走る事はなく、しかし確実に反乱の芽を摘み、その上で情報収集も抜かりはない慎重さを持っている為に非常に厄介。
例を挙げれば、都の者は恐れて手を出さないヤクザの狂死郎一家の三下やジャックの部下達が襲われた事件を、ワノ国の外から来た余所者の仕業と考え、「全て錦えもんの指示やもしれぬぞ!!」と判断して用心を強めた事にも現れている。
但し、実際にはのその場での自己判断が理由であり、なるべく目立たないようにと念を押していた錦えもんの想定からは外れた行動であった。その為、結果的にオロチが懸念した「錦えもんの暗躍」からは逸れていたが、この理由は百獣海賊団だけでなく、オロチが何らかの反乱の兆候を察知する事を恐れた可能性もある。何れにしてもその判断能力は並ではない。
その小心さ故なのか、非常に用心深い・勘の鋭い部分を持つ事から、知略と政略(及び保身)に関しては凄まじい能力の持ち主
しかし、この小心さは後述のように、自らもまた“復讐者”であるが故に、その恨みの根深さを実感している事に端を発したものである。

戦闘能力

基礎戦闘力

作中で本人が使った事はないが、剣術は「オロチ二刀流」と呼ばれている。
もっとも、おトコを斬り捨てようとした時は普通に一刀を振り回しており、おでんの二刀流を自分のものと言い張っているだけかもしれない。

また、小銃を使用しており、能力なしでの戦闘描写がない為、正確には測れないが、その狙撃能力は確かなようで、遠く離れた馬上から康イエを撃ち貫いて見せた。
その一方で、ゾロから攻撃を受けた際は予想だにせぬ反撃に戸惑い、狂死郎に助けられなければ命が危ういと言う絶体絶命の危機に陥る。
これらの事から元々、戦闘を得意としない・戦闘の経験が少ないのではないかと思われる他、攻撃にばかりかまけ、防御の術を疎かにしているとも考えられる(事実、若い時分は無敵の鉄壁を展開する妖術使いに守られていた)。

悪魔の実

遊女風情が生意気に武士を語るな!!!小紫ィ〜〜!!!

オロチ(八岐大蛇バージョン)


悪魔の実ヘビヘビの実 モデル“八岐大蛇”
解説八岐大蛇に変身できる
種類動物系幻獣種

名前通り8つの頭を持つ大蛇「ヤマタノオロチ」に変身する事が可能。
原作のカラー版では赤だったが、アニメ版では緑ベース。オロチ本人の頭部にあたる首は顔がダークグリーン、首が黒い鱗で縁が赤。
他7つは緑で鱗の縁が黄色い。
 
詳細な戦闘力は現状では不明だが、動物系(それも幻獣種)となれば相応の実力はあると思われる。実際に「おやめに!!城が持ちませぬぞ!!」と家臣からは恐れられていた(とは言え、動かない無機物の破壊であれば、それこそ東の海篇のルフィとか、覇気の使い手ならば可能と思われるが)。

復活能力を有しており、一度首を切り落とされても残り七つの首が切り落とされない限りは生きていられる。
 

経歴

過去──迫害からおでんの処刑まで

昔───おれのジジイが罪を犯し切腹させられた!!お家は転落そこまではいい!!
だが 残された親族まで見ず知らずの“正義の味方”に追い回され!!殴られあるいは川へ投げ込まれ!!殺された!!おれはバカが恐くて眠れなかった!!!
罪を犯した張本人はとうに死んでんのによ!! 『黒炭』の名がつけばガキでも罪人になるらしい!!!

かつて大名だった黒炭家本家の生まれ。しかし将軍の座を狙った祖父が起こした大名殺しが原因で一家は断絶となり、若い頃は迫害から逃げ続ける貧乏暮らしを送っていた(黒炭家が断絶になった理由は詳しく知らず、祖父は何らかの罪で切腹させられたと思っていた)。
41年以上前のある時、出会ったひぐらしから祖父の死の真相を聞かされ、更には「光月スキヤキさえ生まれなければ自分もいずれ『将軍』だった」という彼女の言葉によって権力欲と、ただそれだけの理由で黒炭家全員を迫害・虐殺してきた国民全員への憎悪を刺激される事となる。
悪魔の実を与えられ、ワノ国の将軍になる計画を持ち掛けられたオロチはひぐらしの提案に乗り、“武器”を生産するための資金を貯める為白舞の大名康イエの小間使いとなる。おでんからは頻繁に金を借り、更に康イエの金庫から盗んだ盗んだ金を元手に“巨大な後ろ盾”を得る。更に、分家出身のとある者を密偵としておでんの下に送り込む。
後にひぐらしのマネマネの実の能力で周囲を欺き、おでんの弟分と偽り、光月家に仕える様になる。先代将軍スキヤキの死後、おでんが帰還するまでの“人形”という形で将軍の座に就いた(スキヤキの死因は不明だが、おでんはオロチの仕業と疑っていた)。
将軍の座に就くと、大量の武器工場を建設しカイドウを後ろ盾にして圧政を敷く。
25年前、帰還したおでんに命を狙われ、オロチ城の城内まで攻め込まれて兵士を全滅させられるが国民を人質にすることで「毎週定時刻に『黒炭家』への謝罪の“裸踊り”をすれば5年後に船でこの国を出航する」と嘘の約束を取り付け、結果としておでんの信用を失墜させた。
20年前、カイドウと兎丼の戦いに(ひぐらしの横槍で)敗北し「花の都」に投獄されたおでんとその家臣達を釜茹での刑に処し、おでんが処刑の直前に決めた“一時間耐える”という条件を切り抜けるとその場の判断で「“銃殺の刑”に変える事を…一分前に思いついた さらに一家皆殺し!!」と新たな条件を立て、彼をカイドウの銃撃で死に追いやった。しかし、おでんの咄嗟の判断で赤鞘達は処刑場から完全に取り逃がしてしまい、それから20年の長い間、復讐の恐怖に怯え続けることとなる(入浴する時は沸かし過ぎて火傷を負うぐらいの熱湯になっても「寒いんだ…!!」と感じる程)。

震えが止まらねェんだよ!!!
光月の侍達の骨を持ってこいよ!!なぜ見つからねェ!!?
あいつらが死んだ証拠を持ってこい!!!

余談であるが、このシーンのせいで「地球最強生物のカイドウ相手に、唯一オロチが勝てるのが長風呂対決」などとネタにされることがある。(カイドウが1時間程度でのぼせるため)

第2部 最後の海・新世界編

おでんの妻トキが遺した辞世の句を「20年後に光月家の侍達が自分を殺しに来る」と解釈し、警戒している。しかし配下の者は誰も信じておらず、「カイドウという味方がいながら亡霊に怯えている」と陰では小馬鹿にされている。
現在のワノ国では、「開国を行おうとしたおでんと赤鞘九人男を討ち取った英雄」として知られている。数年前からワノ国で作らせた武器と引き換えに人造悪魔の実「SMILE」を輸入しており、人々が日々死亡し咽び泣く花の都のおこぼれ町を疎ましく思い、おこぼれの中に食べかけのSMILEを混ぜ込み、住民達から“笑顔”以外の表情を奪うという仕打ちを行った。

ワノ国篇

第二幕──オロチ城での宴

天竜人?海軍?我々がそれを恐れてもいない事くらいわかるよな
お前達が束になっても我が国は落とせぬ
ワシのバックにはカイドウがついておるのじゃ!!!

オロチ城にて武器を買い取るため交渉に来たCP‐0と会談し、更なる力として「戦艦」で手を打つ(カイドウの後ろ盾があることから無理難題を押し付け、次回の見返りとしてDr.ベガパンクを要求している)。
その夜、火祭りの前哨戦として盛大な宴を開き、配下の者達に光月おでんが死んで20年目の事や赤鞘九人男の話題など光月家の伝説を語り、自身が未だに光月家への警戒を続けている事を強調する。…がそんなオロチの懸念も、周囲は「──また始まった………」「とんだ妄想だ………」と呆れるやら笑いをこらえるやらで気まずい空気に。
だが、堪え切れずに「だって殿様 みんなにバカにされてる」と笑った禿のおトコに激怒し、容赦なく斬り殺そうとする……が、小紫に阻止される。
しかし、怒りの収まらないオロチはそのまま八岐大蛇に姿を変え、小紫に命乞いをするよう迫るも「弱い女がご所望ならば──どうぞ斬り捨てなさいまし」と拒絶。
小紫を自身の手にかけようとするがしのぶの“塾々忍法”“枯散衰”で天井の下敷きになった直後に、その彼女が狂死郎に斬り捨てられてしまい、トコに再び矛先を向けたところを新米くノ一おナミの“忍法”“雷霆”に妨害されて取り逃がす。

康イエの処刑~火祭りの日

翌々日、捕らえられた康イエを小紫のお供に殉死させる為、羅刹町の牢屋敷に赴き、自らの手で康イエを処刑する。更に康イエに駆け寄るトコも狙撃銃で殺そうとしたが、ゾロ十郎達に阻まれた。そして、ゾロから逆に攻撃され“七百二十煩脳鳳”を放たれて倒されようとしたが、咄嗟に助けに入った狂死郎によって難を逃れ、オロチ城に逃げ帰る。

その後、密告者からの報告で『錦えもん達の新たな集合場所が常影港』だと知り、火祭り前日に常影港へと続く全てのルートを塞ぐ事で、錦えもん達の作戦を妨害した。
火祭り当日、宴の為に鬼ヶ島へ向かう。

第三幕

カイドウとの宴席で赤鞘九人男のカン十郎改め“黒炭カン十郎”から錦えもん達の鬼ヶ島への討ち入り作戦の妨害工作が失敗した事を聞かされ、侍達が自分の元へ迫り来る可能性を恐れる。
光月家の歴史を終わらせるため、攫って来させたモモの助を宴の余興に処刑しようと準備を始める。

暴君の衝撃の最期

処刑の準備が整い、処刑前の演説を始めたオロチだったが、当初、“バカ息子”ヤマトが現れるまでとある重大発表を伏せていたカイドウがとうとう痺れを切らし、嬉々として壇上で演説を続けるオロチを制して、その全貌を語り始めた。

カイドウは、海軍や世界政府の不可解な動向を案じ、ビッグ・マム海賊団との同盟を結び、いよいよ本格的に“ひとつなぎの大秘宝”を手にせんと動き出すことを決定付ける。そしてその上で、息子であるヤマトを将軍として立てワノ国全土を完全に自身のナワバリとして工場化することを宣言する

これには当然オロチも憤慨し詰め寄るも、悪魔の実で姿を変える暇も無くキングの日本刀で首を斬り飛ばされてしまう。続け様にカイドウはオロチの部下であった侍たちに、百獣海賊団に加わるか、この場で死ぬかの二択を迫った。侍達も突然のカイドウの暴挙に驚愕するも、その気迫に押されてかアッサリと海賊の仲間入りを承諾した。

オロチは本当に死んだのか?

ワノ国篇が開始されてからこれまで、光月家およびその同盟軍を多くの策謀で貶めてきたオロチのあまりにも呆気ない最期は、読者にも大きな衝撃を与えた。「姑息な悪党として因果応報の結末」だと納得する読者が多い一方で、「光月・黒炭両家の長年に渡る因縁の決着としてはアッサリし過ぎている」という意見も決して少なくなく、一部ではオロチ生存説も唱えられている。

基本的に疑り深く、義理人情さえ信じようとしなかったオロチにしては、余りにも間抜け過ぎる最期であったことや、予てより「人が死ぬ描写はなるべく避けている」と語っていた原作者の尾田栄一郎氏にしては、オロチが首を切り飛ばされ、その生首が床に転がる様をまざまざと見せつけるような描き方をしている点などがその理由付けとしてよく挙げられる。

手段としては、主に以下の2通りの仮説が提唱されている。

カイドウに斬られる前の段階で外見がそっくりな別人と入れ替わっていたのではないかという意見。オロチの部下であったカン十郎が、直前の赤鞘たちとの小舟でのやりとりで精巧な分身を使っていたことから、同じく彼の能力で生み出された分身だった可能性も。
  • 悪魔の実の特性説
これまで作中に登場した動物系“幻獣種”の悪魔の実の能力には、他の2系統(自然系、超人系)にも近い特性を併せ持ったものも多かったことから、オロチの手に入れた八岐大蛇にも何かしらの特性があるのではないかという意見。ギリシャ神話に登場するヒュドラは首を一つ切り落としても頭が分裂して再生すると言われており、多頭竜(もしくは蛇)つながりで同じ特性がオマージュとして組み込まれているかもしれない。もしくは「悪魔の実が覚醒して復活するのではないか」と言う見解もある。ちなみに古来日本の伝承においても、倒された八岐大蛇が生き延びていた、とされるものがいくつか存在する。

ネタバレ

原理は不明だが(恐らく前述の悪魔の実の力と思われる)一命を取り留め、カイドウに復讐すべく福ロクジュとともに鬼ヶ島に火を放って回る中、赤鞘の侍と鉢合わせ。カン十郎の正体について赤鞘たちを煽った後、20年の因縁に決着を付けるべく変身するも、彼らに全ての首を一瞬で切り落とされてしまった。(一度存命していることから、本当に絶命したかはまだ不明であるが)

余談

  • 家臣からの評価

形勢が自分に有利になると世界政府の使者たるCP‐0相手にも高圧的な態度を取るオロチだが、光月トキの辞世の句を信じるあまり「光月の亡霊が自分を殺しに来る」と解釈して恐れ、家臣が「有り得ない」と否定している事実でも簡単に信じ込んで警戒していたりする為、居眠り狂死郎を始めとした家臣からは一様に「小心者」と評され、陰ではバカにされている。
それは主要な家臣に限った話ではなく、一般兵にもオロチは内心で馬鹿にされて信用されていない(例外として「将軍」に強い忠誠を抱くお庭番衆は、一貫してオロチに忠実な姿勢を見せている)。

それが証に、カイドウがオロチを屠った直後に「おれと共に海賊になるか!!! 今ここでおれ達に挑んで死ぬか!!!」の二者択一をワノ国の侍衆・忍者衆に迫った際、両集団はそろってあっさりと寝返りカイドウに恭順してしまった
恐らくだが、このシーンは『おでんと赤鞘九人男の忠義の対比』として描かれていると推測される。この光景はオロチの敵であるヒョウじいさえも「武士の風上にもおけん奴らめ!!」と憤り、同志に宥められながら、必死に怒りを抑えていた。

また、オロチが殺された光景を目にしたしのぶは「オロチを討っても何も変わらない!! 討つべきは20年前からカイドウだけだった」とし、オロチが眼中に入っていないに等しい扱いである事が判明した。
オロチは『赤鞘九人男』を最大の障害と認識しているに対し、肝心の『赤鞘九人男』からはオロチは主君の仇敵ではあるものの、本丸はカイドウ=オロチは脇役程度と認識され、既に敵からも軽んじられているのが実状だった。

だが、オロチはワノ国の民全員を恨んでいる以上、バカにされて怒りはすれど、内心では最早「評価などどうでも良い」と思っている可能性は高い。

  • 本編における彼の政策
オロチの目的が『ワノ国の支配』でなく、『ワノ国への復讐』であるのを前提として考えると、本編の彼の政策は

  1. 極端な格差社会にして内憂を築き上げる
  2. 世界政府相手に高圧外交を行って外患を作り上げる
  3. ワノ国中に作られた工場により食料も水も僅かしかないが、女子供でも人を殺せる武器なら腐る程ある
という、仮に現状でクーデターが発生すれば、結果がどうなろうと(それこそ同盟相手である、カイドウ諸共オロチが打ち倒されようと)も亡国へ向かう道筋が御膳立てされている(食料を奪い合っての内乱、カイドウの庇護を失った事により外敵から狙われ易くなる、またワノ国は世界政府非加盟国な為、アラバスタ王国ドレスローザの時のように、海軍による助けも期待出来ない)状態を作り出している事になる。
尚、これらの問題は本編でオロチの妨害を覆し、5400の兵力で鬼ヶ島への討ち入りが実行可能な事が明らかになった時点でも、全く解決の目処が立っていない。

その一方、上述のようにカイドウ自らワノ国を滅ぼすことには明確に反対しているほか、圧政を続けつつも自身の拠点たる花の都の繁栄だけはある程度維持しており、自分が将軍である間はワノ国が完全崩壊しないよう彼が注意を払っていたことが窺い知れる。
こうした『支配者』としての行動は『復讐者』という目的とは一見矛盾しているようでもあるが、これは、「人々が自身を『黒炭家の人間だから』迫害し続けたように、自身も人々を『ワノ国の民だから』迫害し続ける」ことに価値を見出しているため、と考えれば説明がつく。つまりは『支配』という名目で苦しめ続けることが彼にとっての『復讐』であり、短期間で滅ぼしたり部外者に滅ぼされたりしてしまっては意味がないのだ。
だとすればオロチはワノ国の生かさず殺さずの状態を20年以上にわたり明確な意思を以て維持し続けてきたことになり、徹頭徹尾ワノ国への復讐の為に将軍の権力を用いていた事が分かる。

  • モデル
いくつかの人物の説がある。

明智光秀

主君である織田信長(光月おでんのモデル)を本能寺で討つ。
鉄砲の扱いに長け、源氏、足利氏など将軍家を輩出した血族の分家にあたる。
(正確には分家の分家。明智氏の祖である人物が土岐氏の出。その土岐氏が源氏の末裔)
作中のオロチの武器は鉄砲で、将軍を輩出できる黒炭の一族である。
ただし光秀は知略、軍事、政治に長けた名将であり、内面性は歴然とした差がある。


豊臣秀吉

光月おでんのモデルとなった石川五右衛門を釜茹でにて処刑。
小間使いから出世してワノ国の頂点に立った元おでんの家臣。
(おでんのモデルの1人は織田信長
豊臣秀吉も光秀同様に知略、軍事、政治に長けた名将であり、内面には歴然とした差があるが、
あくまで一説として、晩年は暴君化していたと言われることもあり、その面をクローズアップしているとも言われる。
また秀吉はオロチとは異なり名家の家柄ではなく、一農民、土豪、下級武士の出と言われる。

付け加えて言うと、徳川家康をモデルにしたと言われるトの康
織田信長をモデルにしたと言われる光月おでんと志を同じくした
モンキー・D・ルフィこそ豊臣秀吉を(ワノ国編の立ち位置で)
モデルにしているのではないかという説もある。秀吉は猿という異名を持ち、かつての
主君信長の孫を優遇しているが、これがルフィとモモの助の関係性に
落とし込まれているとも言われている。


吉良上野介

主君の仇討ちに勤しむ忠義の臣である、おでんの家臣達「赤鞘九人男」を赤穂浪士をモデルにしたと
見立て、その赤穂浪士が活躍する物語、忠臣蔵の悪役である吉良上野介をモデルとする。
史実の吉良はともかく、物語の吉良は陰険かつ残忍で臆病な悪臣として描かれている上、
物語では、吉良上野介が浅野内匠頭をあの手この手でイジメた結果、松の廊下の殿中が発生、
これが「忠臣蔵」の物語の端緒にあたるのだが、作中のオロチもワノ国の民を人質に、
光月おでんにあの手この手の無理難題を浴びせるなど、内面性における類似性は非常に高い

吉良上野介の一族である吉良氏は、足利氏の「御三家(斯波、吉良、今川)」に相当するため
光秀同様に「将軍を輩出しうる名家としての黒炭家」という共通点を持っている。
光秀、秀吉と異なり、人物描写の内面性も(少なくとも物語上は)オロチと共通している。

なお当時の吉良家は上杉家と二重三重の親戚関係で結ばれており、この上杉家の先祖には
戦国最強と呼び声高い上杉謙信もいる。謙信は酒好きであり、また無類の戦上手である。
いくらかその人物像がカイドウに受け継がれた可能性はある。



  • カイドウとの共通点と相違点
(個人の)武力(国家元首の)権力と違いがあるものの、カイドウもオロチもそろって強大な存在である。
それに合わせて両者は破滅願望をも持っている(カイドウは『自殺の為の戦争』、オロチは『復讐の為に祖国を滅ぼす=自身の権力の放棄=自身の破滅』)。
かつて、トラファルガー・ローから「話の通じるヤツじゃない」と酷評されたカイドウが、何故オロチとは手を組んだかは、同類であったからではないかと推測される。
また、彼らはどちらも(蛇から成長した竜)に関する悪魔の実の力を持つ。民衆がおでんをバカにする俗謡で「ヘビににらまれ腰抜かす♪」と言うフレーズがあり、そのコマでは共に龍と八岐大蛇になったカイドウとオロチが描かれており、まさしく蛇の如き執念と冷血ぶりを持つ彼らに相応しい能力と言えよう。

しかし、両者は自らの強さに関する自負と、敵への対応が全く異なっている。
前者の場合、オロチの強さは前述の通り、攻めに偏り守りが疎かになっている上、窮地に陥るや情けない醜態を臆面もなく晒す。
それに対してカイドウは『最強生物』の異名に相応しい、攻守共に桁違いの強さを誇っているが、それ故に卑劣な策による勝利を嫌う、ある種の高潔さを隠し持っている(但し、心情的なもので、実利においての必要性は理解しているが)。

後者はオロチは敵であれば、容赦なく殲滅の一択である。
カイドウも基本的にオロチと同様だが、敵であっても一定の実力者ならば、最低限の礼儀を持っており、おでんへの卑劣な策を弄した実行犯を(自分の矜持を踏みにじった意味もあってだが)殺している他、ルフィやユースタス・キッドのように自分に刃を向けた存在であっても、自らの勢力に迎えようとする度量も持っている(但し、相手の自尊心を踏みにじる意味合いもある)。

また、オロチと同じくカイドウのかつての取引相手であった、ドンキホーテ・ドフラミンゴも強い破滅願望の持ち主である。オロチと同じく、先祖の行為が原因で民衆から迫害を受けた、という点も共通している。

ちなみに岩崎氏は過去にドクトル・ホグバックで出演しているが、こちらも「マヌケな三枚目的人物」「手腕だけは優秀な悪人」の共通点を持つ。
また岩崎氏は「クイズ脳ベルshow!」に出演した際、オロチの格好で登場した。しかしその登場回ではボケに次ぐボケでMCの岡田圭右を困惑させるなど、とても極悪人の役者とは思えないようなコミカルな面を見せた。

関連タグ

ONE PIECE
百獣のカイドウ 百獣海賊団 ヘビヘビの実
クイーン…オロチと同じく小紫に惚れた百獣海賊団の大看板

ワノ国 
主なオロチの部下
居眠り狂死郎 福ロクジュ
黒炭ひぐらし 黒炭せみ丸 黒炭カン十郎…ワノ国乗っ取り計画の共謀者

主なオロチの敵
光月モモの助 
赤鞘九人男 錦えもん カン十郎 雷ぞう ネコマムシ イヌアラシ 菊の丞 アシュラ童子 河松 傳ジロー

小紫…オロチが惚れ込んでいたワノ国一の花魁。
おトコ…小紫の従者。彼女の存在がきっかけで幾つかの事件が起こる。
霜月康イエ…かつてオロチがコマ使いとして仕えていた白舞大名だったが、第二幕にてオロチ自らの手で処刑される。

光月スキヤキ 光月おでん 
将軍 独裁者 暴君 八岐大蛇 加害者家族


ジスモア……同じく自分自身が直接的原因ではないにも関わらず、民衆から迫害を受けた結果、擁護しようが無いレベルにまで性格が捻じ曲がった悪役。敵や味方に竜や化け物がいるのも似ている。

雷電将軍……ワノ国と同じく江戸時代の日本がモチーフと思われる国における最高権力者である『将軍』の地位にいる独裁者であり、鎖国と圧制で民を苦しめる暴君であるなど設定の共通点が非常に多い。また、奇しくも彼女が行っている悪政の1つである「目狩り令」による対象者への弊害は、オロチがおこぼれ町に出来損ないのSMILEを流したことによる惨状とも似通っている。ただしその目的については、オロチが「破滅」を願っているのに対して雷電将軍は「永遠」を求めていることが分かっており、現時点では真逆ともいえる。

禪院真希……同じジャンプ掲載の作品の人物。殺されたの仇と言わんばかりに禪院家出身と言う理由だけで虐殺を敢行しており、その一族にも罪のない人間がいた可能性は否定できず同じく罪のない人間まで迫害された黒炭家と似通った一面をもっているが、禪院家をワノ国に置き換えれば彼女の行為がオロチと同じく「破滅」を願っていると言う点は共通している。

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